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トランプ大統領の”治世”から学ぶこと (What we learn during the "reign" of the President Trump) 2018/09/10

歴史を学び、それを未来につなげようと志す者は、なぜトランプなる人物が歴史の表舞台に登場したのか、それは必然なのか偶然なのか、いくらかでもその輪郭を明らかにしておきたいと思うだろう。トランプがどのような人物であるかは、伝記作者に任せるとして、ここで別の角度から見た場合、なぜ彼のような人物が選ばれてしまったのかということに、焦点を当ててみることも無駄ではあるまい。

かつて、なぜヒットラーがドイツで、ぐんぐんと人気を増して、ついには総統になってしまったのかを大勢の人々が研究を重ねた。それらの研究の中には、ドイツ人の精神構造にまで立ち入った、有意義な洞察が行われているものもある(例えば「自由からの逃走」)。就任以来、トランプ大統領が演説を行うとき、その背後に座っている熱心な支持者たちをテレビを通して観察することができる。彼らは演説会場に座れるのだから、完全に信頼され、トランプのためなら火の中水の中でも飛び込む人々であろう。いったい彼を支持している人々とは何者なのか?

それは従来の民主党、共和党の学歴が高い、または社会運動で活躍をした、または地方自治体で大きな名をはせた政治家たちを支持する人たちとは違うようだ。今まで政治の表舞台では出てこなかった人々のようである。マスコミでは一般に、これらの人々は保守派と呼ばれている。ただ、共和党の従来の保守派とは異なるので、「超保守派」とか「右翼」と呼ぶ人々もいる。またこれらの人々には、キリスト教の福音派など、プロテスタント系の人々が多く含まれているという説もある。

昔からアメリカ合衆国では、非宗教化の傾向が強くなったヨーロッパと異なり、宗教の存在が大きかった。進化論のように普通の国ではごく普通に理科の時間に教えられていることも、聖書の教えに合わないとして忌避されている地域すらある。このような外観を眺めてみると、トランプの支持者たちというのは、特に南部、それもかつて”深南部”と呼ばれていた地域の住人が多いのではないかと思われる。

アメリカ合衆国は国も広いが、日本のように都市と農村との間の人口密度の差がそれほど極端に大きくない。つまり、どの地域に行っても、それなりに人が住んでおり、そこには開拓以来の小さな町や村が存続しているということだ。そのような地域では、外部の人間との交流が少なく、一つのまとまったコミュニティを作って、その中では考え方も生活習慣も一様になる。人種構成は白人が多く、そこへ黒人やイスラム教徒のような“よそ者”が入ってくると、場合によっては極端なアレルギー反応が起こることもある。

映画 Mississippi Burning ではミシシッピ州で暗躍するKKKのメンバーが、黒人とそれをかくまう白人を次々と殺す場面が出てくるが、KKKが地域で浮いているわけではなく、背後で強固な一般住民の支持があった。公民権運動や最高裁判所の判断もあって、こういう極端なケースは現在では少なくなったが、このミシシッピ州での事件から、まだ40年余りしかたっていない。当時の住民から子供が育ち、それが成人してまた家庭を作るとき、そのような思想傾向は確実に受け継がれる。残虐なリンチは姿を消したがそれを支えるシンパ層は健在である。

そしてアメリカの農村における経済状況であるが、これは先行き明るいものではない。巨大企業の台頭によって、規模の小さい農家は苦しみ、安い輸入農産物によって、自分たちの収入は一層減ってゆく。深南部だけではない。ニューヨークと同じくらい北にアレンタウンという町がある。Billy JoelAllentown という歌を知っている人が思い浮かべるのは、かつて重工業で栄えた街も、不況で落ち込み、外国との競争で敗れ、製鉄所をはじめとして沢山の企業が撤退していったことだ。そこに住むブルーカラーの人々は、自分たちが取り残されたと感じ、民主党や共和党の偉い政治家たちは自分たちの味方ではない、と現実の政治に不満を募らせてきたのである

この南部の農村と北部の工業都市は、例としてはほんの一部にすぎないかもしれないが、自分たちの生活に対する不満を誰もこれまでくみ上げてくれなかったのは確かだ。このような人々がとりわけ保守的傾向が強いのは、生活に出口が見えないからである。だから不満を募らせつつも、それを打開する方法が見つからないまま、自分たちの周りにいるものを敵とみなして殻に閉じこもることになるのだ。

それに目をつけたのが、共和党の中でも特に保守色が強いグループ、例えば Tea Party である。このグループはかつてほど勢いはないが、(というより、副大統領やCIA長官などの形で、トランプの権力組織に溶け込んでしまったといっていいのか)不満を持つ人々をしっかりと吸い上げようとしている。

一方、かつてベトナム戦争が泥沼に入り込んでいたころ、激しいベトナム反戦運動が国内に吹き荒れ、連邦政府が危ないのではないかと思われていた。だが、当時のニクソン大統領は「私には Silent Majority (物言わぬの多数派)がついている」と豪語した。ベトナム反戦の人々は、そんなのは詭弁だと思ったが、ニクソンはその次の選挙で圧勝してしまった。どんなにベトナム戦争が不条理で非人道的であろうとも、国民の多くが、少なくとも表立った反対はしていなかったのだ。

これは1969年のことだが、どうもこの Silent Majority を形成していた人々は、今日のトランプ政権に投票したした人たちと、系譜がつながっているのではないだろうか。親から子、子から孫、孫からひ孫へと、家庭内での保守的な政治志向が連綿と流れているとも考えられる。国内の人々、そして外国の多くがトランプに対して呆れ、怒り、反感を募らせているが、実は国内での大統領支持率は、ゆっくりとではあるが、あがっているようなのである(2018年夏)。

アメリカ合衆国の外にいる多くの人は、その学校時代に受けた歴史の授業で、ワシントンら“建国の父”がアメリカの民主主義を形作ったと教わっているが、これが実は大変な誤解で、正しい目で歴史を検証しなおさなければいけないことがはっきりしてきた。このワシントンがインディアンを絶滅させると宣言し、ナチスよりずっと前に、人間の皮をはいでブーツを作ったようなことも、目をそむけずに知っておかなければならないだろう。「桜の木」の美談だけで、歴史理解をすると大変危険である。

アメリカが「自由と平等の民主主義国家」である、というような素朴な先入観を最初に持ってしまうと、そのようなことが簡単に受け入れられなくなる。トランプとその支持者グループの場合、現代社会に生きているので、彼らのいかなる愚行も奇行も残虐も、すぐに白日の下にさらけ出されるので、話が異なってくるが、人々は自分たちが尊敬し、称賛する人が、“そんな悪いことをするわけがない”と思うのが常だから、この Silent Majority が大きく考え方を転換することはあり得ないのである。むしろ咎(トガ)は、そのような不満層を救おうとしなかった、伝統的政治家にあるのではないか?

権力者たちは、いずれもその強烈なカリスマ性のおかげで、多数の支持者を抱えている。実際問題として、いったん政権が走り出すと、この支持者たちによって維持される。政権の獲得はその権力者の政治力によって実現するが、そのあとの平凡な毎日の持続には、部下たちの忍耐強い努力が欠かせない。 その点でトランプも同様に側近に囲まれているが、これまでの権力者と違って、その内部でのいざこざが絶えないことが特徴的である。国務長官から始まって、いったい何人がこの僅か2年弱の間に交代させられただろうか。

アメリカ合衆国がオープンな社会で、情報開示型の国なので、強権的な独裁政権への成長を妨げていることが、唯一の安堵させてくれる点だ。中国、ロシア、トルコ、サウジアラビア、ベネズエラなどは、指導者が強力すぎて、また国民が政治的経験に乏しくて、これらの権力者を権力の座から追放する見込みは非常に薄い。

アメリカでは初代大統領ワシントンが「権力は腐敗する」という基本原理をしっかりわかっていたために、大統領は任期は2期が限度である。憲法に2期までと明記されているのに、3期目を平気で強行して国民を殺害するような大統領のいる国はいまだに多い。「権力者を選ぶ」システムより、「権力者をやめさせる」きちんとしたシステムがないと、その国に未来はないのだ。

それにしても、どうしてトランプ大統領が生まれてしまったのだろう。これは21世紀の政治における最大の謎であろう。これまでのアメリカは共和党と民主党のあいだでのライバル争いによって続いてきた。どちらの党も一応政権担当能力があるので、日本のように「疑似一党独裁」にはならなかったし、大統領が属する政党が、必ずしも議会で多数派を占めるとは限らなかったので、これも大統領の暴走を防ぐことができた。

そのような政治的環境の中で、人々の予想を裏切ってトランプが登場してしまったのは、単なる歴史の偶然なのか、「ロシア疑惑」で語られているような、何か徹底的に準備された計画があったからなのか、それは今のところわからないが、200年以上続いてきたアメリカの権力機構の、そして選挙制度そのものの脆弱性が改めて浮かび上がったといっていいだろう。また、アメリカ国民が、教育を受けた思慮深い“市民”とはほど遠いことも明らかになってきた。

政治の世界は“極端”があってはいけない世界だ。極右翼も極左翼も過激派も超保守派も、実際の政治の中心にあってはならない。たとえその出発点での主張がそのようなものであっても、日々の政(マツリゴト)の中では必ず行き詰まる。今ヨーロッパでは、移民問題でもめているが、ポーランド、オーストリア、ハンガリー、そして最近ではイタリアの国民が、移民抑制策、つまり歴史の流れに逆らうような、しかも”一点集中”の主張を持つ政治家たちを選んでしまった。あのスエーデンでさえも危ない。

かつてのような、イデオロギーを主張する時代は去り、現実の世界に直接対処できるような行政能力を持つ政治家が求められているのに、ポピュリストたちは”排斥せよ、差別せよ、脱退せよ”という掛け声の持つ、非合理的な雰囲気を利用して政権を獲得して世界各地に台頭してきている。これではチンパンジーたちの進化レベルから一歩も進んでいないわけで、テクノロジーだけが異様に進歩した現代社会をますます不安定なものにしている。

これからの政治制度の安定には、ポピュリストも強力な指導者もいらない。ヨーロッパ連合の中で規則を立案し、実行に移している人々を見るといい(例えばモゲリーニなど)。彼らは権力を持っているのではない。権力を持っているのはEU各国のそれぞれの大統領や首相たちである。にもかかわらず気候変動防止や食品安全や建築基準などの分野でゆっくりとではあるが、目覚ましい成果を収めてきた。EUの打ち出すこのような規制などは、世界で最も進んでいるといっていい。ある意味ではこのような仕事は未来のAIにも任せられる仕事でもある。

2016年には、EUの手で「イラン合意」が成立したが、これも政治権力が何もない人々によって、辛抱強く作り上げられた。この合意をトランプは簡単に足蹴にしているが、大国の思惑だけでは、決して長続きする協定は成立しないことは、歴史が教えている。

トランプにとどまらず、EUの組織を”規則でがんじがらめにした官僚たちの集まり”だと嫌悪した人たちがいる。それがイギリスの「EU離脱」の立役者たちである。彼らは規制を嫌い、自由にふるまいたいが、行き過ぎた規制緩和がもたらす弊害には目をつぶっている人たちである。

そのような意味でイギリスのEU離脱派と、トランプには似たところが見受けられる。つまり、言い古された言葉だが、「視野を狭くして未来を見ることなく、目先の利益だけを追っている」のである。トランプ大統領を含むロシア疑惑の捜査は、”仲間の裏切り”によって、別の言い方をすれば、司法取引によって、いよいよ大詰めを迎え、一部の論者の間では弾劾さえささやかれてきている。

弾劾にならなくとも、ニクソン前大統領のときのように自ら辞任するか、2018年11月に行われる中間選挙によって、共和党が大敗するか、Lame duck (直訳:びっこのアヒル➡役立たず)のまま任期を最後まで全うして再選をあきらめるか、などのシナリオが考えられる。

いずれにしても大統領は追い詰められており、次に打つ手は国民に対する脅ししか残っていないようだ。その脅しとは、就任してからこれまで途切れることなく続いてきた、アメリカ合衆国の予想外の好景気の破断である。

移民排斥、気候変動無視、人種差別、国民皆保険制度への反発、対イスラエルえこひいき政策、関税の一方的設定、これまでの自由貿易協定の破棄、などそれぞれの分野の人々を怒らせる行動を立て続けに行なってきたわけだが、ただ一つ景気の持続とそれによる生産高の増加や失業率の低下は、トランプに反対する人々も簡単に文句をつけることができないでいる。

経済の好調は他のどんな問題も帳消しにするほど、強力な国民の支持を集めることがある。そしてこの場に及んで、もし自分が弾劾されたら、アメリカの景気は真っ逆さまに墜落するであろうと述べているのだ。しかし、これによって世界経済が壊滅的な影響を受けようと受けまいと、アメリカが大統領の交代をまともに行える民主主義国家である限り、トランプの仕事はいよいよ終わりに近づいてきているといえよう。

そして最も大切なことだが、未来において決して新たな”トランプ”を選ばないように、今回の教訓をしっかり我々は学ばなければいけない。かつて誰かが言っていたように、「経験は学ばれることなく、すべては忘れ去られる」では、チンパンジーのレベルとなんの変わりはない。

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What we learn during the "reign" of the President Trump

Those who aspire to learn from history and relate it to the future would like to make it clear at least some part of why Donald Trump appeared on the historical stage of mankind, and whether this is of necessity or by chance. Biographers may take care what kind of man he is, but from another point of view, it would not be useless trying to focus on why such a man was elected.

Many researchers tried to give light on why Hitler gained popularity in Germany and finally attained the position of the "Führer". Some of the researches had significant insights into the mental structure of the German people. (Ex. Escape from Freedom) Since his inauguration, through TV broadcast you have seen his enthusiastic supporters sitting behind the President Trump when he is making speech. Being entitled to sit in the meeting hall, they are perfectly trusted and will do anything for the President. Who on earth are the people giving their wholehearted support to him?

They seem to be different from those who supported traditional politicians who are high-educated democrats or republicans, active in social movement, or widely known in local governing bodies. They seem to have been outside of center stage of politics. They are in many cases called conservatives in the media. In fact, they are different from conventional conservatives in the Republican party, so some call them "ultra-conservatives" or "right-wings". It is said that they consist of many Protestant evangelical groups.

Unlike European countries where secularism is getting stronger, a religious orientation has been strong in the United States. Theory of Revolution, which is generally taught during science class at school in other countries, is evaded or even forbidden to teach in some region of the U.S. just because the theory disagrees with the teaching of the Bible. From this outlook, you can find many supporters of Trump in the residents of the Southern States, particularly in the "Deep South" area.

The United States is a large country, but the population density gap between urban and rural areas is not so large as in Japan. In other words, in any areas, moderate number of people are living there, and towns and villages have been there since Pioneer Days. In such areas, a small community is formed, where interaction with outsiders is rare and uniformity in life habit and political orientation remain strong. Most of the communities consist of largely white people, and when "outsiders" such as black people or Muslims come in, there can be a strong allergic reaction against them.

In the scenes of a cinema "Mississippi Burning", members of K.K.K. who were active behind the scenes in the state of Kentucky assassinate black people and their white defenders one after another. K.K.K. was not an isolated group in the region, but were strongly supported by the local residents. Thanks to the progress of civil rights movements and the verdict of supreme court, the number of such cases has decreased, but it is only 40 years since this atrocity. Children were brought up in those households at that time, and when they got married, the dark orientation has been certainly inherited through family members. Tangible lynches may have disappeared, but the sympathizers are still prevalent.

The economic conditions of rural America is not quite bright in the future. Due to the rise of gigantic enterprises, small scale farmers are suffering, and their income is getting less and less under the influence of cheep agricultural products from abroad. The story does not end here in the Deep South. There is a town called Allentown, as in the north as New York. Anyone who knows Billy Joel's Allentown are reminded that regions which used to be prosperous for heavy industries have sunk in the recession and have been defeated in the competition from abroad and many factories including steel works have been shut down and withdrawn. The blue-collar people feel deserted, complaining about the real politics, convinced that neither Democrat nor Republican famous politicians are their allies.

The rural community in the South and industrial city in the North may be only a few of the examples, but it is still certain that nobody gave helping hands to them and their lives. The reason these people are particularly conservative is that they cannot find hope for future life. This is why, not being able to find the solution, they regard all around them as enemy, withdrawing into their shell.

It is Tea Party, a particularly conservative group in the Republican party that have shown interest in those people. This group has no longer influence as before ( or rather, merged into a Trump's power structure in the form of vice-president and the director of the CIA etc.), it is trying to scoop out discontented people.

In another story, when Vietnam War bogged down, the antiwar movement went on a rampage all over the nation, and the federal government was thought to be in the crisis. But Nixon, the then President of the US, boasted that Silent Majority were taking his side. Though activists in antiwar movement insisted that he was using sophistry, Nixon won a overwhelming victory over the next election. No matter how absurd and inhuman the Vietnam War was said to be, the majority of the nation did not oppose the war, at least not openly.

This happened in 1969, and the people who had belonged to the Silent Majority may have some relation to the people who voted for the President Trump. The conservative political orientations may have been passed down in an unbroken line from parents to their children, from the children to their grand-children, from the grand-children to their grand-grand-children in their families. Many of the US citizens and foreign countries are astounded, exasperated and feel repulsion against him, but, in fact, approval rating for Trump is, though slowly, on the rise. ( Summer 2018)

Many people outside of the US have been taught in the course of American history in their school days that "Founding Fathers" like George Washington laid the foundations of American democracy. But this, in fact, is quite a misunderstanding and it has become clear that we must re-examine their history in accurate ways. We will have to know the fact that he declared the annihilation of Native Indians and had his boots assembled with the skins of human beings long before the Nazis did. Understanding history only with the episode of "Washington's Cherry Tree" is very dangerous.

Once you are naively preoccupied with an idea that the United States is a democratic country blessed with freedom and equality, you will find such historical episode difficult to swallow. In the case of Trump and his supporters, since they are living in the modern society, the story will be very different because whatever lunacy, eccentricity and cruelty will be exposed to the broad daylight. But people are generally convinced that the man they respect and praise "will never do such things", so the Silent Majority will never change itself to a great extent. Rather, the blame for neglecting the discontented may go on conventional politicians.

Thanks to their strong personal magnetism, men of power engage a lot of supporters. As a matter of fact, once the administrative power starts running, it is maintained by them. The acquisition of power come into practice with the political power of a person who possesses powerful authority, but the maintaining everyday administrative chores requires patient efforts of the subordinates. On that point, the President Trump is also surrounded with his inner circles, but unlike his predecessors, it is characteristic of unending internal troubles. The Secretary of State topping the list, how many officials have been replaced in two years?

The only reassuring point for the United States is that the country has an open society and disclosure of information has prevented authoritative dictatorship from growing up. In China, Russia, Saudi Arabia, and Venezuela etc., the leaders are so powerful and the people are so scarce in political experiences that the prospect for expelling the strong man from the position of power is very slim.

The first President of the United States, George Washington appreciated the basic principle "Power tends to corrupt", so the US president has only two terms, extending 8 years. There are still many countries in the world where the Presidents push through the third term though the constitution of their countries prohibits it, and execute the people opposing it. The country sees no future unless they have an invulnerable system of replacing men of power rather than electing them.

Well then, why on earth Donald Trump was elected President of the U.S.? This may be the greatest mystery of the 21st century politics. The United States has been a battle ground between the Republican party and the Democratic party. Both parties are able to be in charge of the government, unlike Japan, where there have been "pseudo-one party dictatorship". Also, the party the President belongs to is not always the majority of the parliament, and this has often prevented him from running out of control.

In such political circumstances, Trump entered the stage unexpectedly. Was this at the whim of history? Or, as told in "the Russia allegations", there may have been thoroughly prepared plots. As present, there is no knowing what has happened, but it's a safe bet that we must focus on the very vulnerability of the power structure and the electoral system of the U.S. which has continued for more than 200 years. It has also become clear that in fact, the people in the U.S. are far from educated and considerate "citizens".

There must not be "extremes" in the world of politics. In the world of real politics, neither far-right, far-left, radicals nor ultra-conservatives exert central authority. Such extreme views at the starting point, will never fail to go nowhere in everyday world of politics. Migration has become central issue of the European politics these days, and the people of Poland, Austria, Hungary and more recently, of Italy have elected political parties swimming against the current of the times and concentrating on a single point of curbing immigration. Even Swedes are on the slant of anti-immigration.

Time has gone when ideologies were the most important political instrument, and now politicians capable of administrating effectively in the real world are sought after, but the populists, clamoring for "expulsion, discrimination and secession" making up irrational atmosphere and thus gaining political power are on the rise all over the world. This is at as low stage of evolution as chimpanzees, making our modern society with almighty technology all the more unstable.

To stabilize the political system from now on, we want no populists or powerful leaders. Look at the people in the European Union who are drafting rules and putting them into practice (ex. Mogherini ). They don't possess power. Those who possess power are the Presidents and Prime Ministers of each European country. All the same, in the fields of preventing climatic changes, food safety and building code, though slowly, they have achieved success.

In 2015, Iran nuclear deal was achieved in the hands of the EU, which was also negotiated by the people with patience and without political power. Trump simply kick the deal in the teeth, but history teaches long-lasting international agreement will never be achieved only by the intentions of big powers

Besides Trump, there are critics of the EU regarding it as a group of bureaucracy who make the organization rigid with rules. They are the leading actors of "Brexit". They hate regulations and want freedom to act, but turn a blind eye to harmful influences caused by too much deregulation.

In this sense, Brexit seekers in Britain and Trump have something common. That is, though cliched, they "fail to see the future with narrowed view of the world, thinking about their immediate profit". Investigation into Russian Gate including the President Trump is coming to the final stage, with the help of "betrayal of his followers", in other words, plea bargaining. Some even insinuate that Trump is going to be impeached.

In any case, the President is cornered and his days are numbered. The only measure for him seems to be an intimidation to the people. That is the disruption of economic booming unexpectedly continued since his inauguration.

Even if he is not impeached, nightmare scenario is that he will resign as did the President Nixon, the Republican Party will be defeated in the mid-term election in November of 2018, or he will remain Lame duck until the end of his term and give up for re-election.

Exclusion of immigrants, Neglect of climate change, racial discrimination, opposition to the national health insurance system, showing favoritism towards Israel, unilateral decision on the customs and abolition of free-trade agreements: all of the policies have angered the people in each field, but the only exception is the continuation of favorable business climate and the decline of unemployment rate. Even those who are critical of Trump cannot easily blame him on this point.

Economic boom could strongly allow the man of power to rally his people to the extent that any other problem can be wiped out. And even when he is driven into a tight corner, Trump is boastful enough to declare that this prosperity will crash instantly if he is impeached. But, as long as the U.S. is a democracy capable of replacing their President, Trump's mission is coming to the end.

And what is more important is that we must learn lessens from this episode so as not elect another "Trump" in the future. As long as "experiences are to be learned, and all are forgotten" as someone said, we are just as low as chimpanzees.

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南北朝鮮統一のチャンスが訪れたか? ( A chance to integrate South and North Korea? ) 2017/09/18

第二次世界大戦の負の遺産として、2つの国が国民の意思に反して分割されてきたことがあげられる。だが、西ドイツは東ドイツと統一を1990年に実現し、ドイツ国民の悲願はかなえられた。だが、「イムジン河」で歌われているように、北朝鮮と南朝鮮は、いまだに統一の兆しさえ見えない。

ドイツの場合には、ソ連崩壊という一大事件の波に乗って実現した。ところが朝鮮半島はいまだに冷戦の緊張状態が解けずにある。イデオロギー対立が、勢力圏拡大への競争になっただけだ。

2017年になって、世界の世論を無視した一連のミサイル発射実験がキム・ジョンウン(金正恩)によって強行され、これは今後も続きそうだが、見方を変えていえば、ようやくこの地域での地政学的バランスが大きく変化するともいえる。

現在の時点(2017年9月)で明らかになっているのは、北朝鮮の政権が、一切の妥協や協力の意思を示すつもりはないということだ。佐賀県程度の経済規模しかないこの国が、これだけ金のかかるミサイル実験を繰り返すことができるのも、国民の盲目的犠牲に立っていることもあるが、もっと大きな問題は、ロシアと中国の”隠れた支持”である。

ロシアと中国は自分たちの立場を強めるために、様々な方策を講じているが、かつてのように友好国に大っぴらに武器を供与したり、ましてや軍事的攻撃を実行に移すことはますます難しくなっている。

1978年のソ連によるアフガニスタン侵攻のような軍事的冒険は余りにも国際関係上の損失が大きい。しかし勢力拡大のためには、何としても欧米との対立関係は利用しないわけにはいかない。そこで出てきたのが北朝鮮の効用である。

北朝鮮をロシアと中国がしっかりと支持していることは完全に明らかである。表向きはミサイル実験はいけないと言っておきながら、彼らの提案を入れた実際の制裁は骨抜きになった。これは北朝鮮との裏取引の存在を物語っている。

ロシアと中国の意図は、気狂いのように暴れまわる北朝鮮を泳がせておいて、少しずつ自分たちの国益を確保していこうというものだ。大国が軍事行動に出れば貿易や経済に悪影響を引き起こすが、北朝鮮のような小国を好き勝手にさせておくなら、国際関係に及ぼす影響力がゼロに近いため心配ない。

わかりやすく言えば、ロシアと中国は”狂犬”をしっかりした綱で結んでおいて吠えるに任せ、時には少し誰かに咬みつくことも許し、、陰で北朝鮮が困ることのないように配慮しているのだといえる。

このことはキム・ジョンウン(金正恩)の大胆な発言に明瞭に表れている。この状態が続くのであれば、北朝鮮による横暴な行為はやむことはなく、東アジアにおける国際関係の緊張状態は永続的なものとなる。

国連の安全保障会議は何度も開かれているが、一向に前向きの決議は出てこない。いやロシアと中国がいる限り、永久に解決策は出てこない。軍事行動に出るという選択は恐ろしい。各国は弱腰の態度をとるしかない。

ここで思い出されるのが、ワイマール共和国時代に生まれた弱小政党「ナチス」に対する各国、特に英仏の態度である。英仏の煮え切らない態度は、ナチスがどんどん成長を遂げることを許し、軍備増強からついにズデーテン地方の併合という結果を生んだ。1938年のミュンヘン会談でのことである。

当時の英仏の“宥和(ユウワ)政策”というものが、あの地獄である世界大戦大戦の発端となったのだ。話し合いは重要である、だが”速攻”のときも必要である。それを逃すと地獄への一本道となる。歴史はそれを教えてくれた。

今、世界各国が北朝鮮の思うままに実験を続けさせると、彼らにとって有利な条件を引き出し、ひいてはロシアと中国の脚本通りに事が進むことになろう。それが成功した時には、もはや後戻りをすることは遅いのである。

ではどうすべきか?それは北朝鮮の政府を転覆させることである。それもできるだけ早く。フセインもカダフィも政権から取り除かれた。その後のイラクもリビアも以前と変わらず悲惨な状況ではあるが、強力な支配者がいなくなったことで将来の展望が少し開けてきた。

キム・ジョンウン(金正恩)を取り除く方法は軍事行動にするのか、それ以外の方法によるのかは政治家たちが決めなければいけないが、一つだけ重要なことは“瞬時に”それを行うことである。ロシアと中国が対抗措置を考え出す前に、既成事実を作ってしまわなければならない。

キム・ジョンウン(金正恩)政権が倒れた時、北朝鮮からの難民があふれ出るか、それを韓国はどう対処できるのか、難問は多いが、これまで停滞してきた南北統一の賭けに出てみる価値は十分にある。

南北統一による、東アジア安定に及ぼす好影響は計り知れない。冷戦時代が遠い過去のものとなった今、イデオロギーによる対立はなくなり、朝鮮半島を今度こそ非核地帯にできる可能性もあるのだから。

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A chance to integrate South and North Korea? 2017/09/18

One of the negative legacies of World War Two is that two countries were divided into two parts against the people's will. But the unification of West and East Germany came to a fulfillment and the long-cherished with of the German people was realized in 1990. But as sung in the song "Imjine River", no perspect for uniting South and North Korea can be seen.

As in the case of Germany, the unification came true with the help of the great historical movement resulting from the destruction of the Soviet Union. But in the Korean Peninsula the international tension caused by the cold war has still lingered. Only the conflict of ideologies turned into the race for enlargement of the great powers.

In 2017, a series of missile launching experiment were forced by Kim Jong Un in difiance of the world opinion, and this seems to continue, but in the different perspective, in no time will the geopolitical balance make a great change.

What is apparent in the present point of time (September, 2017) is that Pyongyang has no intention of offering the willingness to compromise and cooperate. The reason the country whose economic scale is no larger than that of Saga Prefecture, Japan can spend so much money on the missiles is that they are blessed with the blind sacrifice of the North Korean people, but what is more important, that they depend on the "hidden" support of Russia and China.

Russia and China has tried many ways to strengthen their positions, but also it is getting more and more difficult to adamantly supply arms to their friendly nations as they did before, let alone put into practice military attacks.

Militaristic adventures as the invasion of Afganistan by the USSR in 1978 should lose too much in terms of the international relationship. But in order to make themselves more powerful, it is by all means necessary to take adavantage of the rivalry with the Western countries.

It is completely clear that Russia and China support North Korea. Ostentatiously they condemn the missile experiment, but the outcome of the sanction the part of which they insisted on adopting was not effective at all. This can be explained by the fact that Russia and China had deals with North Korea in the background.

The real intention of Russia and China is that while letting North Korea run wild like a madman, they gain their own national interest bit by bit. If big countries take military action, it will have grave effect on their trade and economy, but letting a small country like North Korea go their own way has little effect on their international relationship, so the two countries have no worries.

To put it more clearly, Russia and China keep "the mad dog" with a strong lead, letting it growl, sometimes allowing it to bite on someone, and secretly taking care of it so as not to put it in a difficult situation.

This clearly shows what Kim Jong Un dares to say. If this keeps going, the arrogant behavior of Pyongyang will go forever, making the international tention in the East Asia everlastingly worse.

Though the security council of the UN has often been convened, no positive decision has come out so far. No, as long as Russia and China keep attending the council, the problem will never be solved. The military option is too scary. The countries of the world have no other way but to take weak stand.

Here, we remember the attitude shown by a few countries, especially Britain and France towards "the Nazis", a small political party born in the era of Weimar Republic. Ambiguous stand taken by Britain and France allowed Natiz to grow bold and strong militarily, finally with the result of its annexation of the Zudetenland district. It was in the Munich conference in 1938.

The very "appeasement policy" adopted by Britain and France at that time gave birth to the tragedy of World War Two. It is important to negotiate, but it is at times necessary to "act swiftly". If we take no chance, this may lead to the hell. History has taught the lesson to us.

If the countries in the world let Pyongyang continue their missile experiments as they like, they will take advantage of them, making it possible for Russia and China to attain their aims. When they are successful, there may be no point of return.

Then what should we do? The answer for it is to overturn the Kim Jong Un's government, and yet quicker. Both Hussein and Kadafi were removed from power. Although Iraq and Libya are in the situation in turmoil as ever, the absence of wicked and powerful leaders has made these countries a little bit forward-looking.

It is up to the statesmen to decide whether with military action or any other way they remove Kim, but what is most important is to act "swiftly". Before Russia and China think of any counterplots, the very action must have already been made.

When Kim's government is toppled, there will be many problems as to the flooding of refugees from North Korea and how South Korea will deal with it, but it is worth while betting the unification of North and South, that has been stalled so long.

The great effect of the unification on the stabilization of the East Asia is too great to predict. Now that the age of cold war has long gone, the conflict of ideologies has come to an end. The possibility is not a dream that the Korean Peninsula can be turned into nuclear-free zone once for all.

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2017都議選から見えてくるもの 2017/07/05

2017年7月2日に行われた、東京都の都議会議員選挙の結果は、今後の日本の政局を占ううえで、重要なポイントとなった。「都民ファースト」という名の新政党が、どのような方向に進むにせよ、大切なことは、急速に変化する国外国内の状況に応じて変化のできない、旧態依然の政党は、もうこれまでだということだ。

自民党の安倍政権はもう5年を超えた。自民党でもっと長い政権を維持した事例はあるが、どれをとっても共通しているのは、「権力は腐敗する」という格言通りであるということだ。安倍政権が腐敗してきたのと、今度の都議選がちょうど時間的にシンクロしたので、なおさら重大な結果が生じた。

今回の選挙は、フランスのマクロン大統領の場合を思い出させる。マクロン氏が、左派、右派のどちらも負かして、しかも自分が1年前に作ったばかりの政党が、議会で圧倒的多数を占めたということだ。明らかにいわゆる“民主主義国”での潮流が大きく変わろうとしているのが感じられる。

それ以前のイギリスの国民投票によるEU離脱や、閉鎖的なグループによるトランプ大統領の就任は、内向きの、保守的傾向の強まりを示していたが、今年に入って、その流れは止まったように思われる。複雑化し、巨大化する現代社会の舵取りをしていくには、どうしてもこれまでの右派的、左派的考え方では不十分なことがようやく認識され始めてきたのだ。

社会生活を営む人間は、環境が変わるとき、それに気づき、それに柔軟に合わせていくことが、一部の人々を除いて非常に不得意だ。これまでのようにゆっくりした変化の時代であってもそうだったのだから、21世紀の急激な変化においては、大多数の人々が不適応を起こし、進む方向を見失うのも無理はないのだ。

もっとも、では進歩的な人々が政権をとれば、変革はスムーズに進むかといえば、そう楽観的にはならない。しかも民主主義というものは、きわめて非能率で、何かを決定しようとすれば、延々と議論を重ねなければならない。

でも、だからといって効率を求めて権力を集中させることは、間違った方向に暴走する恐れがある。ロシアのプーチン、トルコのエルドアン、フィリピンのドゥテルテなどが、国民の圧倒的人気を集め、彼らの意思の通りに政策がすすめられていることは、予期せぬ悲劇をいつ招くことになるかわからない。

安倍政権もそれほどではないにしても、「安部一強」という言葉が示す通り、自民党の内部は異議を唱える者がいなくなり、まるで思考停止状態であった。これも前回の衆議院選挙で290議席以上という、圧倒的多数を占めて、自民党議員は、変化を避け、強力な指導者の下での安住を決め込んだからなのだ。

政権を担当する政党に、こんなに極端な多数を与えてはいけないのは歴史が教えるところだ。これではかつてのソ連でのような「一党独裁」になってしまう。まともな選挙が行われている国々では、こんな政党分布を選んだ、国民や野党にも責任がある。いわゆる無党派層の“消極的支持”がこんな不幸をもたらす。

消極的支持と積極的支持は、実際の選挙の場面では、その違いが表面に現れない。だから、多数派を占めた政党は、自分たちが国民から圧倒的支持を得たのだと勘違いする。賢い国民であるならば、2党、できたら3党による政権交代がリズミカルに行われるようにすべきなのだ。

日本や、西欧諸国では、担当政権が多少無能でも気にすることはない。なぜならこれらの国には優秀な「官僚」がちゃんと国家を回転させているし、民間の持つ力が、時にはそれらを上回るほどなのだから。

だから日本のように明治以来、官僚制度がしばしば硬直化していると言われることがあっても、きちんと機能しているのだから、敗戦で国が焦土化したときも、無能政治家でも戦後復興は十分やっていけたのだ。

これからもそうであり、腐敗さえ食い止めることができ、最低限の法治が守られていればよい。ただ、残念ながら第4の権力のはずのマスメディアは、日本では民主主義国にふさわしいふるまいをしていない。国連でも日本のメディアが低レベルにあることはしばしば指摘されている。

例えば、安倍政権が成立した時、これが右翼政権だということは、マスメディアは一言も言わなかった(NHKの先輩である、BBCやフランス公共放送はちゃんと言っていたが)。だからその後、朝鮮人に対するヘイトスピーチがひどくなったときに、これが安部一族が権力の座について、右翼が勢いづいたと分析するメディアはほとんどなかった。

”言わザル”を決め込んだのは、金のためか、恐怖のためか、“自己規制”によるものなのか、“政治的配慮”によるものかわからないが、欧米で時々耳にする、「勇気あるジャーナリスト」は絶滅したのか、始めからいないのか?将来の日本社会に不安を投げかける状況である。

そのようなわけで、小池知事による新都政についても、大きな期待をもつことはできないかもしれない。オリンピックは、国家の財政を傾かせ、2020以降は、東京でも超高齢化社会が始まり、日本も経済的な地位を滑り落ちてしまうことはわかっている。だが、それはどんなに有能な政治家で求めることのできない、「国家の老化」であるから、素直にそれを受け止めるしかないのだ。

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マクロン氏の当選 2017/05/08

2017年のフランスの大統領選挙の結果が出た。多くの人々が、極右のルペン氏の当選を危惧していたが、結果は、EU賛成派が安堵するものとなった。アメリカのトランプ氏の当選、イギリスのEU離脱はともに、これまでの世界の流れ、特にグローバリゼーションに対する大きな懐疑が表に現れただけに、フランスも同じようになるのかと世界中がかたずをのんで結果を待ち受けていた。

この3国の選挙や国民投票は、第2次世界大戦以来進んできた経済の方向に対する新たな反省を含んでいた。世界中がそろって豊かになるのではなく、いびつに貧富の格差が拡大し、難民の数が劇的に増え、それを受け入れる国々がパンク状態になった時点で、グローバリゼーションと、それを支えてきた既成の政治体制、例えばフランスでいえば右派と左派に対する見直しが必要になったのだ。

ここでグローバリゼーションについて考えてみると、これは「…主義」と名付けることができるようなイデオロギーではなく、技術革新の結果による、自然現象、あるいは一種の天変地異であることだ。したがって、津波のように人々のもとに押し寄せて、それに対して人々は流されるだけで、なすすべがないというのが特徴である。

この問題に解決を与えるためには、歴史を逆転させるか、新たな知恵で乗り越えるかのどちらかしかない。人々の対処法は大きく二つに分かれた。それは従来の資本主義的、社会主義的な2分法ではなく、有効な解決手段のないまま、従来の方法に閉じこもるかそうでないかというような、漠然とした選択しか見えてこないのであった。

これが最近の”右傾化”傾向の本質である。日本で安倍総理大臣が2度目の就任をしたとき、国民の大多数は、彼が右翼であることをはっきり意識していなかった。海外のジャーナリズムは、彼が大きな右翼団体の一員であることをはっきり言っていたのだが、国内では、そのニュースは黙殺されたようだった。首相夫人の絡む事件などが起こって、あるいは防衛大臣の行動や発言などがあって、ようやく最近そのことが意識され始めたのだ。このように先進国において、いずこでも右寄りの傾向はこのところ顕著になってきたが、これこそ、グローバリゼーションの危機的状況に対処する一つの流れであったのだ。

問題の解決を新たに求めるのでなく、従来の方法に戻ろうとする保守的態度がその特徴である。この態度は、目先の利益を最優先し、何らかの原理主義的傾向(ナチズムなど)で武装し、心理学でいう”外部集団”(移民、難民、テロリストなどで)を作り出して、内部集団の団結を図るという点で共通している。

また、人々が恐怖にかられると、何らかの行動へ向かうということから、ことさらに恐怖感をあおるという手法もある。さらにカリスマ的人間がいれば申し分ない。嵐の中で、たくましく見える指導者(狼かも?)がいれば、羊たちは喜んでついていくのだ。このようなわけで、右翼的傾向のよく使う道具は「差別」「分断」「ポピュリズム」などだ。

こういった傾向は、いわゆる”大国”の場合に起こりやすい。というのも大国は不安定で、常に分裂の可能性があり、それをナショナリズムを利用して、何とかしてまとめていかなければならないからだ。一方、小国や都市国家タイプ、例えばオランダ、デンマーク、香港、バルセロナなどは、初めからグローバリゼーションにうまく適応して生きてきたので、むしろこの時代には安定しているように見える。

こうしたことから、”大国”フランスはオランド大統領の下の5年間、劣悪な状況ではなかったが、失業者は一向に減らず、外国からのテロリストによって大勢の市民が死傷し、グローバリゼーションに乗りきれなかった産業は傾いていたので、右翼的傾向が国を二分するほどまでの勢力を得ていたのだ。

マクロン氏とルペン氏が第1回目の投票で、既成政党を追い落としてしまったのは、革命的なことだと言える。1789年以来、フランスは革命に革命を重ねてきたが、今回の選挙モデルは、他の国にも波及するかもしれない。21世紀中盤の問題解決には、20世紀生まれの政治方式ではもはや通用しないのかもしれないのだ。

しかし、マクロン氏が当選したからと言って、急に明るい未来が開けたわけではない。EUからの離脱や、強力な移民規制などは、当面避けることができるが、今後は、すでに有効性を失った従来の解決策に代わる、新たな方法をマクロン氏は”発明”しなければならないという、想像を絶する大仕事が待っている。下手をすると、前任のオランド大統領のように、人気が失速し、また1期限りでやめてしまうという事態だってあり得るのだ。

だが、一方でフランスでは危機のたびに、それを救う人物が現れた。ジャンヌダルク、ナポレオン、ドゴールなどだ。大統領の仕事は、経済の立て直しや失業の解決もあるが、最も重要なのは、分断した社会を一つにまとめることだろう。

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トランプ氏の迷走 2017/02/16

トランプ氏が就任してから、1か月がたつ。すでに予想されていたことだが、彼のあまりにも幼稚な政治手腕に、世界中が振り回されてしまっている。2016年11月に書いた、拙著のタイトルは「トランプ氏の当選」であったが、すでにその時から多くの危惧が生じていた。そのときには、3種類の場合を想定してみた。それを再びここに示すと…

(1)過激な発言とは裏腹に、かなりまともな政治家ぶりを発揮して、次々とこれまでとは違った斬新な政策を内外ともに打ち出して、国民を感心させる。これまでの既成の政治家たちが歯ぎしりして悔しがるような、思い切った行動に出ることもある。例えばかつてのニクソン大統領の中国訪問のような。ついにはMAGA(Make America Great Again)を実現したと称賛される。 (2)就任しても、自分の過激な発言が尾を引いて、穏健派が顔をしかめるような過激な政策を繰り出して、国民の分断はますます深まり、それに対する抗議運動が広まり、上昇の希望をかなえてもらえなかった下層の人々の失望を買う。そのため、任期の後半はどうしようもないレイム・ダックになり果てる。TrumpはTrampにすぎないと笑われる。 (3)結局のところ、人材は自分の出身である共和党・保守派から求めざるを得ず、また外交に関してはEUや中国、ロシアと足並みをそろえなければならない事柄も多いので、妥協に妥協を重ね、当たらず触らずの政策の連続となり、「歴代で最もつまらない大統領」の烙印を押されてしまう。MAW(Make America Weaker)と皮肉られる。

貼り付け元 <http://nishidanishida.web.fc2.com/board.htm>

11月には、(3)が最も可能性がありそうだと書いたが、現在2017年2月の時点では、(2)のほうが正しかったのかなと思い始めている。

米国憲法を無視した、イスラム諸国民の再入国の差し止めに示されるように、彼のやり方はまるで政治の素人であるかのようだ。現在、彼が次々と打ち出している政策は、なるほど選挙運動中には公約として支持者に受け入れられたものばかりだ。そう簡単にそれらを破棄するわけにもいかない。

そしてもう一つの重大な問題が持ち上がっている。これは支持者との関係ではなく、ロシアによるひそかな選挙運動へのかかわりの疑いだ。これは、弾劾裁判に至るような重大な国家の安全保障問題がかかわっているかもしれない。今後の捜査にもよるが、彼の部下たちが、そのような取引を行っていたとすれば、これはアメリカの政治史上初めてのケースとなる。

今回のトランプ氏の登場は、それまでの体制側(エスタブリッシュメント)がふがいなかったことにもよる。毎回の大統領選挙の投票率は低迷していたし、民主党と共和党の2大政党だけで政治が執り行われ、それ以外の声がまるで無視されてきたことに対して改善の兆しが見えなかった。

さらに、オバマ大統領が、いくら頑張っても銃規制の法案を成立させることができなかったのは、上院も下院も共和党の勢力が強かったからである。共和党は、トランプ氏のような極端な政策にならないにしても、銃規制、国民健康保険、環境保護の問題に対しては反対の立場をとっている。

ただし、自由貿易や”小さな政府”を目指す立場はトランプ氏には見受けられないようだ。というのもここで彼を支持した層の望みが大きくかかわりを持ってきているからだ。トランプ氏を支持している層は、自由貿易によって生活が苦しくなった労働者層である。彼らが働いていた職場は、激しい国際競争によって奪われ、生活をしていた地方都市は軒並み衰退している。最もわかりやすい例は自動車産業であろう。

この点ではイギリスのヨーロッパ連合からの離脱に投票した英国人たちとよく似ている。これまで彼らは政治の表舞台に出ていなかった。そして組織化もされていなかった。発言の機会は抑えられていたといえる。鬱積した不満は、大儲けをする多国籍企業や次々と入り込んでくる移民へ向かった。特に移民に対しては、「彼らは我々から仕事を奪った」と短絡的に考えやすく、それがトランプ氏のような巧みな政治家に利用されたのだと言える。

もちろんトランプ氏が彼らの不満をこれからくみ上げてくれなければ、彼らの支持はどんどん下がっていくだろうが、トランプ氏はそんな下手なことはしないだろう。プーチン氏がロシア国民に、エルドアン氏がトルコ国民に絶大な人気を保っているように、大衆迎合にたけた政治家は、決して自分の支持層を失望させることはない。状況がよくならなくても、それはトランプ氏が悪いのではなく、”敵”が悪いのだと思わせることに成功すれば、むしろ支持率は上昇していく。

さて、トランプ氏の支持者たちは、どのような特徴があるだろうか。アメリカの”深南部”と呼ばれる地域では、昔からKKKが暗躍し、人種差別の雰囲気は家庭内で親から子へと伝えられてきた。今でこそリンチは表向きにはなくなったけれども、リンチを黙認するような母親が息子と娘を育て孫に伝わり、それが現在に至っている。もちろんそのような地域では、銃がなければ自分がリンチに会うかもしれないので、銃を持たないなどということは考えられない。

さらにこのような人々の間では、キリスト教プロテスタントの中でも、特に原理主義的傾向が強く、たとえば進化論が学校では教えられていないところが多いのも特徴である。ひところ Tea Party という、共和党の中でも過激な部分が有名になったことがある。その運動は現在、衰退したかのように見えるが、トランプ氏の政策の中に吸収され、ついに国家的な方向まで決めるに至ったのだとみてよい。

トランプ氏の移民を入れない政策や、メキシコとの国境に壁を作る案も、国民の半分以上の支持を受けている。決して少数派ではなく、今まで世界の人々がアメリカ人に対して持っていた、「ワシントン、リンカーンに代表される世界に模範となる民主主義体制」とはまるで違う国が出現している。というよりは、これが本当のアメリカ合衆国だったのかもしれない。

かつてニクソン大統領は、ベトナム反戦運動が国中に広がり、ニクソン政権は危ないのではないかと思われた時、「アメリカのサイレント・マジョリティが私を支持している」と豪語して、そのまま政策を推し進めることができたことを考えると、実はアメリカを支配しているのは、別の人たちだったのではないかと思われる。ヨーロッパ的な知的で思慮深く冷静な、思想家、政治家、ジャーナリストは実は力がなく、目の前の利益を第一に考える、自分の住む地域第一主義の人々が実権を持っていたのではないか。

もしそうだとするならば、これからのアメリカ合衆国は今までとは完全に変質し、インターナショナルな仮面をかなぐり捨て、国家第一主義の道を突っ走ることになるかもしれない。そうなるとヒラリー・クリントンに代表されるような人々は、この国に安住の地を失い、カナダに移住するか、ヨーロッパに居所を定めることになるかもしれない。トランプ氏の当選のときに「アメリカの分断」が頻繫に叫ばれたが、かつての南北戦争のように、地政学的に別の国を作るわけにもいかないので、「嫌な奴は出て行け!」ということになる。

そのようになれば、トランプ氏は”迷走”ではなく、新しい体制の創始者になることになる。新しい体制では、アメリカはもはや「世界の警察官」ではなく、ロシアや中国、その他の新興勢力と国家利益を巡って激しく競争する関係になるのだろうか。

もう一つ忘れてはならないことがある。それはアメリカにはマイクロソフト、アップル、グーグルなど、世界1の大企業が多数存在し、それらは多国籍企業として、国家の枠を超えて動いているということだ。アメリカが自らの利益の中だけにとどまり、それらの企業との関係が悪化すれば、それらはアメリカを出ていくことになる。このような企業は移民によって恩恵を受け、何よりも規制されない自由な行動の場が必要だ。トランプ氏はそれらの企業とどう折り合いをつけていくのだろうか。

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