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今年見た映画(2001年) Voyage en Ballon 素晴らしい風船旅行 01/01/13 04/02/19 映画は、その筋やドラマ性だけが魅力なのではない。動く「絵画」としての役割もあるはずだ。この映画は、気球からの眺めがそのまま見事な芸術作品になっている。こういうのんびりした映画もあっていい。 飛び立つ鳥、渡り鳥の群、モンブラン、牧場の牛たち、荒涼とした岩山、いずれも飛行機からたちまち行き過ぎる風景とは違い、音のしない世界で展開される。エンジンの爆音のない世界では、自然が間近に感じられるのだ。 ある発明家が自由に上下したり水平飛行のできる気球を発明し、北フランスから出発する。その孫のパスカル少年も、密航者として同行することになる。英語の題名は Stowaway in the Sky (空の密航者)といって、パスカル少年のことをさしている。これと、後を自動車で追いかける助手と共に旅を続ける。 ストラスブール、パリを経て、ブルターニュ地方、ロアール川を越えて南へ下り、アルプスのモンブランを越える。南仏のコードダジュールに出て、スペインへと向かう。 引っかけたパジャマの洗濯物が、まるで空中を踊っているようにさまようさま、村の教会での結婚式など、豊かなフランスの田舎とそこに住む人々、豊富な動植物が次々と登場する。20世紀の中頃までは世界中、生き物であふれていたのだ。せりふはあまりなく、全体が詩情豊かに映し出される。最後は闘牛のさわぎにまきこまれて、一人気球に残されたパスカル少年が、大西洋に面する砂州に、危機一髪飛び降りるところで終わる。この映画を初めて観たのは、小学校6年か、中学校1年の頃だ。全体に流れる曲も実にのどかだ。(1960年) Directed by Albert Lamorisse Writing credits Albert Lamorisse Cast : Maurice Baquet .... Le mecanicien / Andre Gille .... Le grand-pere / Pascal Lamorisse .... Pascal Jack Lemmon .... Narrator リスニング;フランス語で、ごく簡単な会話。 上へThe Greatest Show on Earth 地上最大のショー 01/01/17 いかにもアメリカらしい、陽気で大騒ぎの好きな国民性がサーカスの世界に出てきた作品。地上最大であろうとなかろうと、そのスケールの大きさに驚かされる。列車による地方の移動、1400人もの人々の共同作業による、サーカスの運営がこの時代に、コストも省みず行われたのは驚嘆に値する。 深夜にわたる、テントの設営、巨大な敷地にあふれる人々、ショウが終わったあとの後かたづけと列車への積み込み。こう来るとドキュメンタリー映画に思われそうだが実は非常に人間くさい構成なのだ。 あの「ベン・ハー」で、しかもずっと若い頃のチャールトン・ヘストン演ずる座長は、ブランコ乗りのスター、ホリーと恋仲だが、観客動員のために、大セバスチャンとあだ名されるブランコ乗りの大スターをサーカスに雇い入れる。この男は見たなりホリーに一目惚れし、さらにブランコの世界では、お互いに技を競い合う。 大セバスチャンはとんでもない難しい技を防護ネットなしでやろうとして墜落し、手が動かなくなる重傷を負い、しかもみんなの乗った列車は移動中に列車事故で大惨事となる。座長は瀕死の重傷を負うが、あのヒッチコックの作品で大活躍をするジェームス・スチュウアート演ずる、悲しげな道化役者が、実は妻を安楽死させたかどで追われている元医者だっただったおかげで一命を取りとめる。 団員の一部がけがをして、動物も逃げ出したり、テントが使いものにならない状況にもめげず、最後の場面では、ホリーをはじめとするサーカスにかける情熱が、次の公演地での大パレードをして、その意気を示すことでおわる。サーカスの魅力の前には、恋物語もかすんでしまうのだ。 スリル満点のブランコ乗りの演技をはじめ、ゾウの行進、馬たちの演技、道化役者の振るまい、観客の様子、などサーカスの魅力が至れり尽くせりだ。このような大規模な見せ物が、コストの面で、また他の娯楽との競合の面でたちゆかなくなった今、貴重な記録になることは間違いない。 ミュージカル「オクラホマ」の流れを汲む作品といえる。ハッピーエンドになるのはわかっているが、かといって底の浅い作品になっているわけではない。ハリウッドが、今ほど世界中を制覇する以前の作品には、このように好感が持てるものが少なくない。(1952年) <参考>なお、この映画は実在の人物をモデルにしたらしい。P.T. Barnum: P(hineas) T(aylor) Barnum (1810-91) 米国の興行師・サーカス王; 1871年に The Greatest Show on Earth を組織し,サーカスを確立. James A(nthony) Bailey (1847-1906) と共に Barnum & Bailey Circus を成功させたDirected by Cecil B. DeMille Writing credits Fredric M. Frank (story) Theodore St. John Cast : Betty Hutton .... Holly / Cornel Wilde .... "The Great Sebastian" / Charlton Heston .... Brad Braden / Dorothy Lamour .... Phyllis / Gloria Grahame .... Angel リスニング:かなりの部分にナレーションが入る。登場人物たちの会話は、聞き取りやすい速度である。50年代の会話は、90年代ほど忙しくない。 上へThe Gold Rush 黄金狂時代 01/26/01 チャップリンによる、サイレント時代の作品だが、後になって彼自身のナレーションや音楽を追加したものを見た。画像は白黒で、75年も前なのにそんなに悪くない。 アメリカではアラスカに金鉱が発見され、カルフォルニアの場合と同じく熱狂的なゴールドラッシュが起こった。チャップリン演じる主人公も金を求めて凍てつく吹雪の中を進む。 金を奪うためには平気で人殺しをする悪人がいる小屋にたどり着いたチャップリンは、同じく吹雪の中をたどり着いた山師と共に、悪人を何とか追い出し、クマを仕留めて危うく餓死を免れる。 二人が別れたあと、山師は待ち伏せしていた悪人に殴られて記憶喪失となり、せっかく金を発見した場所を忘れてしまう。一方チャップリンは町へ出てきて、酒場でジョージアという女に惚れてしまう。 山師と再会したチャップリンは再び山へ向かい、命拾いをした小屋を発見したまではよかったが、雪崩で小屋は雪面を流され、崖っぷちでようやくバランスを取って止まる。 危うく墜落を免れた二人は、その場所こそ、かつて山師が印を付けておいた、金の産出した場所とわかり、二人は大変な財産を手に入れ、チャップリンも帰りの船の中で、ジョージアと再会しめでたくハッピーエンドとなる。 他の彼の作品と同じく、滑稽な場面の連続だが、表面はおどけてふざけていても、中身は人生の真の姿をちゃんとあらわしているのが、チャップリンらしい映画作りだ。 コンピュータ・グラフィックを使っているわけでもないのに、雪山や雪崩の情景はうまく表現されているし、むしろおもちゃのようなセットが、ユーモアあふれる作品にぴったり合っている。 腹が減って靴を食べてしまったり、山師がチャップリンがニワトリになっている幻影を見る場面、フォークに刺したパンを足に見立てたダンス、断崖に引っかかってシーソーのようにぐらぐら揺れる山小屋の中でのドタバタなど、喜劇的工夫が至る所に見られる。(1925年) Directed by Charles Chaplin Writing credits Charles Chaplin Cast: Charles Chaplin .... The Lone Prospector / Mack Swain .... Big Jim McKay / Tom Murray (I) .... Black Larson / Georgia Hale .... Georgia / Henry Bergman .... Hank Curtis リスニングーチャップリン自身のナレーションが入る。ぶつぶつした調子でちょっと聞き取りにくい。 上へ男はつらいよ・寅次郎サラダ記念日 02/02/01 第40作。寅さんは信州小諸を旅していると、田舎に夫を亡くし一人暮らしをしている老婆と知り合い、意気投合して、一晩つきあうことになる。ところが翌日体の具合を心配した小諸病院の女医さんが老婆を迎えに来る。 婆さんは自分の家で死にたいといやがるのだが、寅さんも説得して病院に入院させる。美人で、やはり夫を亡くした女医さんに寅さんは意気投合し、早稲田の学生の姪と共に楽しい夕食を共にする。姪は国文科で、藤村の「小諸なる古城のほとり・・・ユウシかなし・・・」のユウシは何なのか寅さんに尋ねるあたりが、大笑い。 葛飾に戻った寅さんは、女医さんが忘れられず、早稲田大学まで出かけて姪に会いにゆく。たまたま紛れ込んだ「産業革命」の講義で、享受に質問したところから、たちまち寅さんは学生たちの人気者に。このキャンパスの場面で不思議にもサザン・オールスターズの「ステレオ太陽族」がかかる。 ちょうど骨休めに東京に戻ってきた女医さんは、息子を連れ、姪たちを連れてとらやを訪問する。この楽しい合間にお互いが好きになるのだが、小諸へ戻った女医さんから老婆が危篤だという連絡を受け、寅さんは大急ぎで駆けつけるが、間に合わなかった。 女医さんは何もかもいやになり、この病院を辞めて東京へ帰りたいと院長に言い出す。だが、何もかもお見通しの寅さんは姪に言い残して、一人再び旅に出るのだった。 話の節目に短歌が挿入されるしゃれた作りになっており、せりふのおもしろさも群を抜いている。ベストセラーになった「サラダ記念日」の名前をもらったこともあろうが、寅さんが別れ際にサラダをつまんで、これはうまいぞ、と姪に向かって言ったことから、彼女は自分の歌集にこの名前をつけたのだった。つくられたのはちょうどバブルの始まる頃。「地上げ屋反対」の看板が写っている。(1988年) 監督:山田洋次 原作:山田洋次 脚本:山田洋次/朝間義隆 出演:渥美清/倍賞千恵子/三田佳子 上へThe Godfather ゴッドファーザー 02/07/01 (再)2014/12/10 三部作のうちの最初のものは、初代ゴッドファーザーから2代目へ移り代わりを描いている。イタリアのシチリア島出身者で作る家族同士の固い結束によって生まれたマフィアは、戦前戦後のニューヨークで大きな組織に成長した。 父親のドン・コルレオーネは、それまでの女、ばくち、暴力がらみの暗黒世界で生き抜いてきたが、高齢に達したにもかかわらず依然として大きな力をふるっている。娘の結婚式が取り行われ、その間にも次々と陳情にやってくる人が絶えない。息子は3人いるが、興奮しやすい長男ソニー、目立たない次男が父親の手伝いをしている。末の息子マイケルはこういう世界が好きでないので、軍隊に志願して、今回の結婚式で里帰りをしたのだった。 ドンは、ニューヨークの他のファミリーから麻薬に手を出す話を持ちかけられるが、自分たちの方針ではないとはっきり断ったために恨みを買い、部下が殺され、戦争状態に突入する。ドンも八百屋で買い物をしているところを狙撃され、瀕死の重傷を負う。 父親が入院していた病院で危うく殺されるところを救ったマイケルは、自分の置かれた立場に目覚め、敵のファミリーの幹部の暗殺を決行する。計画は成功するが、一族の故郷であるシチリアに潜伏することになった。これがきっかけで、ニューヨークのマフィア界は血を血で染める全面戦争に突入し、長男ソニーも体を蜂の巣状に撃たれて殺される。 マイケルは、シチリアの村で美しい娘を見そめ、結婚までするのだが、ここにも敵の手が伸び、新妻が爆弾の仕掛けられた車に乗って非業の死を遂げる。マイケルは、所業のほとぼりが冷めた頃、ニューヨークへ戻り、かつての恋人ケイと結婚し、年老いたドンの手伝いをするようになる。 今や跡継ぎのはずだったソニーは亡く、次男には人望がなく、ドンも自分の跡継ぎはそれまで思いもよらなかったマイケルであると悟る。このころからマイケルは頼りない若者から強力な指導者に変身してゆく。 ドンは自分の生きている間に戦争状態を解消しようとして、ファミリーのボスを集めて会議を開くが、麻薬を収入源にしようという大勢に抗しきれない。ドンの死後、マイケルは、それまでの体制に決着をつけるために、敵のファミリーの黒幕をたたき、裏切り者もすっかり処分する。 こうして、これからは新しいビジネスでマフィアは生きていかなければならないと信じるマイケルの「治世」が始まったのだった。その絶大な権力の確立に、ファミリー出身でない妻が立ち入ることができないほどだ。(1972年)⇒資料 Directed by : Francis Ford Coppola Writing credits : Francis Ford Coppola Cast : Marlon Brando .... Don Vito Corleone / Al Pacino .... Michael Corleone / Diane Keaton .... Kay Adams Corleone / Robert Duvall .... Tom Hagen / Richard S. Castellano .... Peter Clemenza / James Caan .... Santino "Sonny" Corleone / Talia Shire .... Constanzia "Connie" Corleone Rizzi リスニングースラングも少なく聞き取りやすい英語。イタリア語、またはそのシチリア方言も混じる。 上へForever Young フォーエバー・ヤング 02/9/01 時は1939年。テストパイロット、ダニエルが、デートのあと電話ボックスを出ると、恋人ヘレンが車にひかれて意識不明になっていた。このまま植物状態になってしまうのが見るに耐えなくて、彼は友だちハリーの冷凍研究の実験材料として志願する。自分の体を1年間冷凍して、もし恋人がその途中で意識を取り戻したら、起こしてもらう約束だった。 ところが、なぜか悪ガキどもによって冷凍装置をいたずらされ無理矢理起こされたとき、すでに1992年になっていた!悪ガキナットの母親が乱暴されるところを救い、彼らの家に泊めてもらうことになる。 この50年の間の出来事、技術の進歩にとまどうダニエルだが、パイロットだけあってすぐに適応してゆく。近くで航空ショーが開かれ、ダニエルは自分の愛用した B25 戦闘機を懐かしそうに眺めるのだった。 自分の体の不調に気づいたダニエルは、急速に年を取ってゆく。50年のつけが一気に戻ってきたのだ。冷凍実験のことに気づいた軍も、あわてて FBI を使ってダニエルを探し出す。 ついにハリーの娘が発見される。すでにハリーは死去し、娘の住んでいる家の倉庫からはハリーの研究の記録が出てきた。そこにはどうしても老化をくい止めることができないと書いてあり、ハリーはダニエルを起こす前に事故死したこともわかった。 そして何と、ヘレンはあのあと意識を取り戻したのだ。結婚し夫に死なれ今では故郷の家に独りで住んでいるという。いてもたってもいられなくなったダニエルは、老化による体力の衰えと闘いながら、航空ショーの飛行機を無断で持ち出して一路ヘレンの住む家へ向かう。 悪ガキナットがひそかに密航していてくれたおかげで、意識を失いそうになったダニエルは、海を臨む断崖に建つ一軒家の前に無事着陸し、50年ぶりにヘレンと再会して結婚を申し込む。 タイムマシンの代わりに冷凍保存による未来旅行といえる。これは有名な SF 「夏への扉」でもおなじみのアイディアだ。また目覚めてから急速に老化するところなど、まさに「浦島太郎」である。 もちろんダニエルが最愛の人と再会できることがこの話の中心なのだろうが、ヘレンについての描写がいまいちなので、その方面のインパクトは薄い。(1992年) Directed by Steve Miner / Writing credits (WGA) Jeffrey Abrams (written by) Cast : Mel Gibson .... Capt. Daniel McCormick / Jamie Lee Curtis .... Claire Cooper / Elijah Wood .... Nat Cooper / Isabel Glasser .... Helen / George Wendt .... Harry Finley りスニングー戦前も戦後も特に問題なし。家庭的な英語が中心。 上へThe Godfather Part 2 ゴッドファーザーパート2 02/14/01 (再)2014/12/11 第1作では、、ニューヨークへ移り住んだ1代目、ヴィット・コルレオーネが死んで、息子のマイケルが後を継ぐところで終わっているが、この第2作では息子の現代社会での苦闘と、1代目がマフィアの基礎をうち立てる苦労とが交互にえがきだされる異色な構成だ。現代社会が進むにつれて、人間関係、家族関係が希薄になるところにポイントが置かれている。 ************* ヴィットは20世紀のはじめにシチリア島のコルレオーネ村に生まれるが、地元のドンに背いたために両親も兄も殺され、9歳にしてニューヨークへ逃げ延びる。そこで結婚し、男子3人女子1人をもうけるが、パン屋の仕事をクビになったのをきっかけに、盗みを仲間たちとはじめ、ショバ代を地元のドンに要求されたため、祭りの最中に射殺し、一躍ニューヨーク下町を牛耳るようになる。 ヴィットはその天性のリーダーシップを発揮し、アパートのもめ事の仲裁から貿易ビジネスまで広く手を伸ばして、子分を大勢引き連れた押しも押されぬボスになる。だが一方では大変な子煩悩で、家族を大切にし、ファミリーは一致団結して栄えていった。 ************* 一方、ヴィット亡き後のマフィア集団の指導を引き継いだマイケルは、ネバダ州でカジノ事業を成功させ、拡張を図る。だがマフィアを潰そうという世間の動きのために、なかなかうまくいかない。仕方なくマイアミのドン、ロスと手を握るがこれがとんでもない黒幕だと判明する。 マイケル夫婦は危うく射殺されかけ、妻のケイがこのような仕事から手を引いてくれと再三頼んでも一切聞き入れられないため、夫婦の亀裂は深まる。兄のフレドは業務遂行能力がないため、まんまとロスの計略に引っかかり、マイケルを何度も危ない目に遭わせてしまう。 ロスに勧められたキューバへの投資はカストロの革命でつぶれ、マフィアつぶしに全力を挙げる上院聴聞委員会はロスの息のかかった委員長のもと、マイケルを召還し、マフィア全体が危機にさらされるが、マイケルは危ういところをヴィットのかつての盟友の力を借りて切り抜ける。 危機を脱したマイケルは、自分の活動にじゃまをした者たちの処分を次々と始める。病気のため余命幾ばくもないロスに決死の暗殺を行ったり、愛を失った妻とは別居し、子供は自らのところに引き取る。自分たちの母親が病気で死ぬと、兄のフレドも生かしておかなかった。 今やマイケルはマフィアの指導者としては何とか持ちこたえていたが、ファミリーの団結はぼろぼろになっていた。末っ子のマイケルはヴィットの作った暖かい家族の中でも1人浮いた存在だったが、こうして一人立ちをすると、もう時代がかつてのマフィアのやり方に合わなくなっていることもあり、家族がどんどん解体してゆくのだった。(1974年)⇒資料 Directed by Francis Ford Coppola :Writing credits Francis Ford Coppola Cast : Al Pacino .... Michael Corleone / Robert Duvall .... Tom Hagen / Diane Keaton .... Kay Corleone / Robert De Niro .... Vito Corleone / John Cazale .... Frederico "Fredo" Corleone / Talia Shire .... Constanzia "Connie" Corleone / Lee Strasberg .... Hyman Roth リスニングー第1作と同様聞き取りやすい。イタリア語が多数混じる。 上へThe Godfather Part Three ゴッドファーザーパート3 02/21/01 (再)2014/12/25 3部作最後の作品。兄を殺し、妻からも見放されたマイケルも、年月がたち、老境にはいり、糖尿病を患っている。 かつてのように暴力や麻薬、ばくちから離れて世間へのイメージをよくしようとバチカン法王庁に多額の寄付をした。その祝賀パーティで、ファミリーのメンバーが顔をそろえる。映画制作もパート2から16年後なので、同じ登場人物もそれなりに年を取っている。 妻ケイとの間にできたふたりの子供のうち、娘メアリーは若いながら父親の財団の会長を務め、息子アンソニーは父親の職業を嫌い、オペラ歌手への道を目指す。 マイケルのパート1で殺された兄ソニーにはビンセントという息子がいた。それが立派な若者になり、ニューヨークのなわばりで働いていたが、乱暴者でボスのザザと折り合いが悪い。 法王庁ではバチカン銀行内部での使い込みのためスキャンダルが発覚しそうになっていた。これに乗じてマイケルは多額の資金を投入して国際コングロマリットを買収して、すっかり現代の企業家になることをもくろむ。だが長いつきあいのマフィアたちとそう簡単に縁が切れるわけでない。 マイケルは甥のビンセントをかわいがるようになり、逆にザザと、さらに黒幕のアルトベロに命を狙われるようになる。ビンセントは若いときのマイケルのように、ザザのなわばりに飛び込み彼を射殺する。 甥の勝手な行動に腹を立てたマイケルだが、同時に自分の後継者と思い始めた。そしてビンセントの能力を認めたマイケルは、彼が自分の娘メアリーとの恋をあきらめるという条件で自分の帝国を譲ることを決心する。 彼らの故郷シチリア島で息子アンソニーの初のオペラ発表会が行われることになった。だがマイケルの命を狙う黒幕アルトベロの差し向けた刺客が会場に入り込み、バチカンの法王庁では隠された資金を巡って法王の暗殺が行われ、多く血が流される。 オペラは無事終わったが、出口の階段でマイケルは狙撃された。運良く腕にけがをしただけだったが、振り返ると娘メアリーは心臓を打ち抜かれていた・・・失意のうちにマイケルはシチリアの田舎で生涯を終える。 マフィアの組織が良くも悪くもその活動が最も活発だったのは1930年代頃、つまり初代ヴィットの時代だった。ファミリーの結束が固かったからだ。それが現代の他の家族と同様に、その結びつきは次第に崩壊してゆき、マフィア組織も他の現代的企業とあまり変わらなくなってしまった。 その意味ではゴッドファーザーの最大のテーマは家族であって、その点では不思議にも「東京物語」に似ている。マイケルの甥ビンセントはしっかりと後を継ぐだろうが、ますます現代的経営を進めてゆくか、さもなければ大都市のケチななわばり争いのボスで終わるかどちらかになるだろう。(1990年)⇒資料 Directed by Francis Ford Coppola / Writing credits (WGA) :Mario Puzo (written by) & Francis Ford Coppola Cast: Al Pacino .... Michael Corleone / Diane Keaton .... Kay Adams / Talia Shire .... Connie Corleone Rizzi / Andy Garcia .... Vincent Mancini / Eli Wallach .... Don Altobello / Joe Mantegna .... Joey Zaza / George Hamilton .... B.J. Harrison / Bridget Fonda .... Grace Hamilton / Sofia Coppola .... Mary Corleone / Raf Vallone .... Cardinal Lamberto / Franc D'Ambrosio .... Anthony Corleone 上へTerminator 2 ; Judgement Day ターミネーター2 02/24/01 順番としては先に初回作、ターミネーターを見るべきだったが、ひょんなことからこちらを先に見てしまった。未来の人間が過去の世界に戻ってきて、過去に手を加えるというパターン、つまり「猿の惑星」で有名になった筋書きである。 2028年に世界が、米ソの核爆弾の誤操作で大爆発を起こし人類は滅びる。これを防止するには有能な指導者がいて事前にこれを止めなければならない。それは1984年の世界に生きる、まだ10歳のジョン・コナーである。母親のサラも未来の破滅を予知しそれをふれて回ったために精神病院に閉じこめられていた。 ジョンを亡き者にしようとつけねらうのがサイボーグT1000である。彼は水銀のような金属で体ができていて、いくら弾丸がぶち抜いても、すぐに元に戻ってしまう柔らかい構造になっている。 ジョンを守るためにやってきたのが同じくサイボーグのターミネーターT800 である。こちらは強力なロボットの上に人間の皮膚を覆ったもので、見かけは普通の人と変わりがない。 ジョンとその母親を守るターミネーターと、T1000との激烈な戦いが続く。まったくのロボットだったターミネーターも、いつしか人間の涙の意味もわかり、人をむやみに殺さないようにすることを学ぶ。 だが最終場面で、溶鉱炉での対決では、ついにT1000を溶けた鉄の中に投げ込んで溶かしてしまうのに成功するが、ターミネーターもひどく傷つき、自ら破壊の道を選び、ジョンと母親の見守る中で静かに溶けた鉄の中に沈んでゆく。 最初から最後まで息つかせぬアクション場面がみもの。(1991年) Directed byJames Cameron / Writing creditsJames Cameron (written by) &William Wisher Jr. Cast : Arnold Schwarzenegger .... The Terminator (T-800) / Linda Hamilton .... Sarah Connor / Edward Furlong .... John Connor (Age 10) / Robert Patrick .... T-1000 / Earl Boen .... Dr. Peter Silberman / Joe Morton .... Miles Bennett Dyson S. / Epatha Merkerson .... Tarissa Dyson リスニング;シュワルツネッガーのしゃべり方はわかりやすいが、他の登場人物がささやき声でしゃべるときは聞きづらいことが多い。 上へ男はつらいよ・心の旅路 03/02/01 第41作。北海道の話(第38作)に続いて再び竹下景子が登場する。寅さんは田舎のローカル列車に揺られていると、急ブレーキで投げ出される。線路に投身自殺をしようとした男がいたのだ。幸い、間一髪で列車は止まり、男は傷一つ負わずに助かる。 世話好きな寅さんは旅館に、そのお面をかぶったような男を泊め、身の上話を聞いてやる。東京の競争の激しい会社の課長で、あまりのストレスにうつ病気味らしい。課長は寅さんをすっかり尊敬し、あこがれの町、ウィーンにもぜひついてきてして欲しいと熱心に頼み込む。 気乗りしない寅さんだったが、いつの間にか航空券が送りつけられ、気が付いたらウィーンのホテルに閉じこもっていたのだった。だが、モーツアルトや美術館は寅さんの好みでない。日本食を食べたい!何度も頼み込まれていざ町に出たら、たちまち迷子に。 だが、寅さんは外国へ行っても何も変わらない。寅さんがオーストリア人に日本語で話しかけると、ちゃんと通じて、向こうはドイツ語で話しかけるが、それも寅さんは何を言っているのかちゃんとわかる。人間の世間話はどこでも同じなのだ。しかも寅さんのような態度、口調、目つきであれば、世界中どこへ行ってもコミュニケーションが成立してしまうのだ。 全くわけが分からないまま、街中をうろうろしていると、日本人観光客の美人の添乗員に拾われる。彼女や、現地の人と結婚した未亡人のおかげでやっとホテルに戻ることができるが、彼女と仲良くなった寅さんは、ドナウ川を歩きながら、彼女にすっかり里心を起こさせて、日本へ帰りたい気持ちにしてしまう。 彼女には現地の男性が好意を寄せていたが、今ひとつふたりの間は煮え切らず、ウィーンに引き留めるものがなくなったと感じた彼女は、寅さんについて日本に帰る決心をする。 だが、間一髪、空港の手荷物検査所を通り抜けようとした瞬間、かの男が息せき切ってやってきて彼女を決して離さないというのだ。話は決まった。彼女は残る。力の抜けた寅さんはそのままふらふらと日本へ帰る。しばらくは魂が抜けたようだった。 寅さんは自分がウィーンに行ったのは夢ではないかと、いつまでも疑っている。御前さまは、この男の一生そのものが夢みたいなもんだからと言った。図星である。大学入試に落ちて浪人生活を始めた甥も、満員電車に揺られる生活が定年まで続くことを思って、ふとおじさん見たくなりたいなと口走ったりする。 自殺未遂の課長はその社会の中で心の病気になってしまったのだ。一方で、添乗員の彼女は会社を辞め、恋人と別れ、日本を飛び出してウィーンで経済的にも不安定で孤独な暮らしを送っていた。さて、人生どの道もつらい。(1989年) 監督;山田洋次 原作;山田洋次・浅間義隆 出演;渥美清・倍賞千恵子・竹下景子 上へH O M E > 体験編 > 映画の世界 > コメント集(11) © 西田茂博 NISHIDA shigehiro |