映画の世界

コメント集(15)

  1. 前ページ
  2. Gladiator グラディエーター
  3. Star Trek; First Contact ファースト・コンタクト
  4. Star Trek; Insurection スタートレック:叛乱 
  5. Clear and Present Danger 今そこにある危機 
  6. Black Rain ブラック・レイン 
  7. A Letter to Three Wives 三人の妻への手紙
  8. Sunset Blvd. サンセット大通り
  9. 男はつらいよ・寅次郎忘れな草 
  10. Blade Runner ブレード・ランナー
  11. The Killing Fields キリング・フィールド
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今年見た映画(2002年)

GladiatorGladiator グラディエーター 03/02/02

gladiator とは、「剣闘士」のことである。古代ローマ帝国と、北アフリカの領土では、互いに戦わせて、一方が殺されるのを見物するのが庶民の楽しみの一つだった。

主人公のマキシマスは、ゲルマン民族を平定するためにローマから派遣されていた、大変有能な将軍だった。しかし年老いて死を間近にした、哲人皇帝マルクス・アウレリウスから、心の歪んだ息子コンモドゥスではなく、マキシマスが自分の跡継ぎになってくれるように頼まれる。

あまりに突然の申し出に、政治があまり好きでないマキシマスは即答を避けるが、同じ夜にアウレリウスが息子に、自分の跡継ぎにしないことを告げると、激昂したコンモドゥスは思わず父親を殺してしまう。コンモドゥスは何食わぬ顔で自分が新皇帝になったと告げるが、コンモドゥスが殺したことを知った彼は、忠誠を誓うことを拒否する。

このため、コンモドゥスはマキシマスの処刑を命じる。見事に逃げおせたマキシマスを故郷で待ち受けていたのは愛する妻と息子の焼死体だった。しかも力つき倒れているところを北アフリカの奴隷商人に誘拐され、気がついてみると、砂漠の町で「剣闘士」として売られてしまっていた。

だが、持ち前の腕で、どんな試合に出ても向かうところ敵なし。「スペイン人」とあだ名されたマキシマスはたちまち人気者になり、ついにはローマのコロシアムで戦う機会を与えられる。そしてその観覧席には、自分の家族を皆殺しにしたあの憎き新皇帝コンモドゥスが座っていたのだ。

ここでも見事に向かう敵を倒し、マキシマスは一躍ローマの民衆の人気者になる。ローマでは皇帝であろうとなかろうと、民衆を味方につけたほうが勝ちなのだ。大群衆のマキシマスに対する声援を前に、コンモドゥスは彼に手を出すことができない。

皇帝の心のゆがみはますますひどくなり、後見人の役を果たしてきた姉のルシラも、ついに弟に見切りをつけ、元老院の良識派の助けを借りて、マキシマスを奴隷から自由にして、北方にいる彼の元指揮下にあった軍隊を使って、ローマを狂ったコンモドゥスの手から解放することを考える。

だが、計画は失敗し、マキシマスは再び捕らえられる。コンモドゥスはつながれているマキシマスの脇腹を刺して弱らせ、その上で、コロシアムの真ん中で、決闘の末マキシマスを殺そうとはかるが、マキシマスは最後の力を振り絞って、皇帝を殺し、そのあとで自分も力つきて死ぬ。姉のルシラはマキシマスをローマ最高の勇士としてたたえ、人々は彼の亡骸を担いで円形競技場を去ってゆく。

古代の風景や戦闘シーンはコンピュータ・グラフィックスをふんだんに使いながら、ストーリーはスペクタクル的要素の強い「スパルタカス」「ベン・ハー」などと比べると、はるかに叙情的である。マキシマスの心の支えが最後まで家族であり、美男美女の恋物語が前面に出てこないのも、今までのハリウッド映画と違っている。

五賢帝の最後の一人、マルクス・アウレリウス(在位161‐180年)とその息子コンモドゥス(在位180‐193年)は実在し、この息子が元老院と敵対し、「グラディアトル」との決闘を好んだというのは史実である。(ユニバーサル・2000年)

Directed by Ridley Scott / Writing credits (WGA) David H. Franzoni (story) / David H. Franzoni (screenplay) (more) Cast: Russell Crowe .... General Maximus Decimus Meridus / Joaquin Phoenix .... Emperor Commodus / Connie Nielsen .... Lucilla / Oliver Reed .... Proximo / Richard Harris .... Emperor Marcus Aurelius リスニング;きわめて明瞭。そもそも会話がたいへん単純。

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First ContactStar Trek; First Contact ファースト・コンタクト 03/18/02

宇宙船エンタープライズ号のピカード艦長は、宇宙の果てから地球の攻撃にやってきた異星人 Borg 来襲のニュースを聞く。Borg とは半分有機体、半分サイボーグの奇妙な生き物だが、次々と他の天体の生物を襲い、「同化」してしまうという。相手のすぐれた点をいただいて、自分たちを完全に近づけてゆくのだという。

自ら同化された経験のある、ピカード艦長らの勇敢な攻撃に、容易に攻められないことを悟った Borg たちは、時間を逆戻りして、まだ未開な時代に生きる人類を自分たちのものにしようと考える。

Borg たちが狙ったのは、なんと21世紀の中頃だった。当時、人類と異星人とのはじめての遭遇がおこなわれたのだ。Borg たちはそれをじゃまして、人類が優れた技術や知識を手に入れられないようにするつもりだった。

当時、ワープ理論の先駆者であった、コクレーン博士が生きていて、彼の業績によって、時間空間を通り抜けて異星人と出会うことができたのだ。ピカード艦長の部下たちは、何とか博士を無事時間旅行を成し遂げれられるように骨を折る。

ところがその間に、エンタープライズ号は、 いつの間にか Borg たちによって侵入を受け、あわや本艦を捨てて避難しなければならないほどに追いつめられた。自爆装置にスイッチを入れ、部下たちを皆避難させたあとで、ピカード船長は、ジュール・ベルヌの海底2万マイルに出てくるネモ船長、あるいは白鯨に出てくるエイハブ船長さながらに、敢然と Borg 立ちに立ち向かい、あわやというところで、捕らわれていた腹心の部下 Data のおかげで、Borg たちをやっつけることができ、無事人類は異星人との遭遇を遂げたのだった。(1996年)

Directed by Jonathan Frakes Writing credits (WGA) Gene Roddenberry (television series Star Trek) Rick Berman (story) Cast: Patrick Stewart .... Captain Jean-Luc Picard / Jonathan Frakes .... Commander William T. Riker / Brent Spiner .... Lt. Commander Data / LeVar Burton .... Lt. Commander Geordi La Forge / Michael Dorn .... Lt. Commander Worf / Gates McFadden .... Commander Beverly Crusher, M.D. / Marina Sirtis .... Commander Deanna Troi,Counselor / Alfre Woodard .... Lily Sloane / James Cromwell .... Dr. Zefram Cochrane / Alice Krige .... The Borg Queen リスニング;シンプルで聞き取りやすい短い文章ばかり

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Star Trek; InsurrectionStar Trek; Insurection スタートレック:叛乱 03/25/02

またまた、ピカード艦長率いるエンタープライズ号に事件が起こる。宇宙のはてに住み着いた人類の中には、高度な技術文明を自ら使わないことを選び取り、自分たちの惑星の中で満足して暮らしている部族もいた。

バクー族もその一つで、わずか600名ながら、地球とそっくりの大自然に囲まれて、日々自然の中ですばらしい人生を過ごしていた。ただ不思議なことに、この暮らしをはじめてから300年もたつのに誰も年老いるどころか、皆若返ってゆくのだ。その謎は、この惑星に降り注ぐ放射線が、老化を止める効果をもたらすためらしい。

もう一方の部族は、バクー族とたもとを分かって宇宙の外に出る道を選んだが、この不老不死効果に気づき何とかして自分たちのためにこの惑星を独占しようと企てる。

バクー族を監視し、住民たちを転送してどこか別の惑星に追いやってしまおうと考えているところに、ピカード艦長の腹心、データが調査に現れたのだった。データは、直感的に彼らのたくらみを見抜き、彼らに対して異様な行動をとる。

はじめはデータが狂ったのだと思っていたピカード艦長は、事情を察すると、直ちに彼らの計画をうち破るべく部下に指示を出して、バクー族救出に向かう。この行動は一見エンタープライズ号の属する宇宙連邦からみると叛乱に見えたのだが・・・この映画の最も見せ場は、艦長が優れた判断力とリーダーシップを遺憾なく発揮するときだ。(1998年)

Directed by Jonathan Frakes Writing credits (WGA) Gene Roddenberry ("Star Trek") Rick Berman (story) Cast: Patrick Stewart .... Captain Jean-Luc Picard / Jonathan Frakes .... Commander William T. Riker / Brent Spiner .... Lt. Commander Data / LeVar Burton .... Lt. Commander Geordi La Forge / Michael Dorn .... Lt. Commander Worf リスニング;訳のわからない科学理論や装置の名前が次々と出てきて、理解に苦しむ

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Clear and Present DangerClear and Present Danger 今そこにある危機 04/08/02

実に日本語に訳しにくいタイトルではある。英語でも日本語でも、いったい何が危機なのかさっぱりわからない。ここでの危機は、アメリカ合衆国にとっての、海外麻薬シンジケートとの戦いのことである。

主人公のジャックは、FBI の一捜査官に過ぎないが、上司が膵臓ガンに冒されて命幾ばくもないために、急遽彼の代わりにコロンビアの麻薬組織に殺された男とその一家にまつわる捜査に向かわされる。

ことは重大で、アメリカ大統領とその補佐官、その部下との関わりの中で、ジャックは実に難しい立場に立たされてしまう。というのも表向きコロンビア警察と手を結んで事件の解決を図ろうとしたのに、補佐官たちは勝手に自分たちの地位を利用して密かに私的な軍事作戦に乗り出したのだ。

これは実際のレーガン大統領時代の、イラン・コントラ事件とまるでおなじだ。大統領が知らぬ間に、軍事訓練を積んだベテランが、十数名、コロンビアの密林の中に降下し、麻薬工場を爆破し、サボタージュを実行し、しまい目には主な麻薬組織のボスとその家族にまで、空軍に頼んで爆弾を落としてもらうまでしたものだから、にわかに国際問題を引き起こす危険性が出てきた。

補佐官一味がこの作戦を動かしていることを感じ取ったジャックは、窮地に追い込まれた現地の兵士たちの救出のために、コロンビアに出向く。麻薬カルテルの本部に乗り込み、何とか捕虜になった味方を救出したあと、民間のヘリコプターで無事帰還する。

だが、このジャック、生まれながらの正義漢で頑固者だから、このような事態をもみ消そうとした大統領たちを容赦しない。最後は、上院聴聞委員会に出席して、事件の全貌をぶちまけるところで終わる。(1994年)

Directed by Phillip Noyce / Writing credits (WGA) / Tom Clancy (novel) / Donald Stewart (II) (screenplay) Cast : Harrison Ford .... Jack Ryan / Willem Dafoe .... John Clark / Anne Archer .... Dr. Cathy Muller Ryan / Joaquim de Almeida .... Col. FelixCortez *Roberto Alonzo Landa / Henry Czerny .... Robert Ritter / Harris Yulin .... James Cutter / Donald Moffat .... President Bennett  リスニング;スペイン語も混じり、きわめて明快。

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Black RainBlack Rain ブラック・レイン 2002/04/13

ニューヨークの不良警官、ニックはマンハッタンの下町で、日本のヤクザの殺し合いを目撃する。そのときに敵の首をナイフで掻ききった男、佐藤の顔が忘れられない。地元警察はうまく待ち伏せして佐藤を捕まえるが、上司とのいざこざの絶えないニックは日本へ佐藤の護送を申しつけられてしまう。

後輩のチャーリーと無事に成田に到着するのだが、引き取りにきたのがニセ警官とも気づかずに佐藤を逃がしてしまう。日本の警察では厄介者扱いされる二人だが、佐藤をどうしても捕まえたいニックは、英語の堪能な警察官、松本を巻き込んで、大阪の町を探し求める。

組織にがんじがらめにされて、ニックを煙たがっていた松本だが、まったく知らない国のまっただ中にいながら奮闘し、強烈な個人のイニシアチブで引っ張ってゆくニックに惹かれ、二人は次第に協力し合う仲になる。だが、運悪くチャーリーはバイクに乗った佐藤一味に追い回されて、首を掻ききられて命を落とす。

復讐に燃えるニックだが、あまりの大暴れに日本から強制送還されそうになる。たくみに飛行機から脱出したニックは、佐藤たちの集まる場所に乗り込み、松本の助けを借りてやっとの事で凶暴な佐藤を取り押さえる。

ここに登場する日本の都会は、生のままで従来のようなエキゾチック趣味では撮影されていない。実際の盛り場の雰囲気が、魚市場や製鉄工場なども加わって現代日本をよく表している。(1989年)

Directed by Ridley Scott / Writing credits (WGA) Craig Bolotin (written by) & / Warren Lewis (I) (written by) Cast : / Michael Douglas .... Detective Sergeant Nick Conklin, NYPD Homicide / Andy Garcia .... Detective Charlie Vincent, NYPD Homicide / Ken Takakura .... Assistant Inspector Mashahiro Matsumoto, Osaka Prefecural Police / Kate Capshaw .... Joyce / Yusaku Matsuda .... Kogi Sato リスニング;なんと言っても松本を演じる高倉健の英語が聞きどころ。ニックとのやりとりが実におもしろい。

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A Letter to Three WivesA Letter to Three Wives 三人の妻への手紙 (再)2002/04/20 (再々)2018/01/16

田舎町に住むアディー・ロスは高校時代から女王のような風格を備え、女たちの噂の種、男たちのあこがれの的だった。しかも彼女は自分の夫を追い出して以来独身で、いつ誰かを選んで再婚しないとも限らない。

幼なじみである、3人の男たちもアディのファンである。すでに彼らは結婚をしていたが、それぞれの妻たちは日常生活の中に夫に対する小さな不満が鬱積していた。

ちょうど子供会のピクニックの引率として、川船に乗って出かけようとしていた矢先、突然アディからこの3人の妻たちに手紙があって、自分はこの町を出てゆくという。そしてそのときに3人の夫のうちの一人と駆け落ちをすると告げてある。

さあ大変。みんな互いに平静を装っていながら、船の中やキャンプ地で、自分たちの結婚生活を振り返る。自分が夫に対してどういう態度だったか、自分の振るまいが駆け落ちに結びつくのではないかと、あれこれ考える。それぞれが三つのストーリーになっている。

ピクニックから帰って、それぞれの自宅に戻ってみると、誰が駆け落ち(しようとした)のか判明した。だが、それは思いがけない結末に至った。それぞれの夫婦は、自分たちの夫婦関係を見直して、新たな生活を始めるのだった。

最後まで神秘な女性、アディはナレーションだけで、その姿は出てこない。だが、彼女からの手紙をもらってあわてふためく妻たち、女の浅はかさ、夫との諍い、倦怠、考えの違いと結婚生活のごく日常的なことが、この手紙をきっかけに、ちょっと大人の関係に成長してゆくさまがさりげなく描かれる。(1949年)・・・ ➡資料?O???????N

Directed by Joseph L. Mankiewicz / Writing credits / John Klempner (novel) / Vera Caspary (adaptation) Cast: Jeanne Crain .... Deborah Bishop / Linda Darnell .... Lora Mae Hollingsway / Ann Sothern .... Rita Phipps / Kirk Douglas .... George Phipps / Paul Douglas .... Porter Hollingsway /Barbara Lawrence .... Babe

リスニング;訛のない、形の崩れていない、端正な英語。一つ一つが丁寧に発音され、至る所に気のきいた表現がちりばめられている。たとえば、自分の夫を「巨人」というあだ名で呼んでいる妻は、訪問先をいとまごいするとき、「さあ、豆の木に帰らなくちゃ」などという。(童話「ジャックと豆の木」の中で、空にそびえる豆の木のてっぺんに巨人が住んでいたことから)夫婦間やパーティでの会話が中心だが、平凡にならないように脚本は相当の工夫が加えられている。

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Sunset Blvd.Sunset Blvd. サンセット大通り 2002/04/25 (再)2019/02/20

今は亡きビリー・ワイルダー監督の作品だ。ロサンゼルスのサンセット大通りといえば、この映画を作ったパラマウントをはじめとして、映画製作の中心地である。売れない脚本家、ジョーは家賃や車のローンの支払いに困って、逃げ回る身だ。誰も金を貸してくれず、故郷の新聞社に舞い戻ることを考え始める。

ある日、借金取りに追いかけられ、たまたま荒れ果てた豪邸の車庫にパンクした自分の車を隠す。ところがその屋敷には人が住んでいたのだ。サイレント時代の女王、ノルマとその執事マックスだった。ノルマは、過去の華々しい栄光が忘れられず、50歳になった今でもファンレターが来て、映画製作者たちは自分の復帰を待ち望んでいると、固く信じている。しかも躁鬱病気味なので、自殺をせぬかとマックスは目が離せない。

そこへ飛び込んできたジョーだが、脚本家と聞いてノルマは彼に自分の書いた、自分が主役になるはずの脚本を手直しするように「命令」する。有り余る財産を持つノルマに、困窮しきったジョーは頭が上がらない。世間から隔絶したこの屋敷の中で、ゴーストライターとして脚本の書き直しに精を出す。

しかしそのうちにノルマは、ジョーに恋をしてしまい、何とかして自分のものにしておきたいと必死になる。贅沢な衣服を買い与え、高級車を乗り回させて、ジョーは次第にノルマの奴隷のような存在になってゆく。

大晦日のパーティの日、自分の書いた作品を駄作とかつて決めつけた、映画会社の秘書、ナンシーと再会したジョーだが、将来はすぐれた脚本家を目指すナンシーにほだされ、一緒に以前自分が手がけた脚本を手直しする作業を共同で始めることにした。

すでに婚約者がいるにも関わらず、ナンシーは自然にジョーに惹かれてゆき、二人は気持ちを確かめ合うのだが、二人の関係を察したノルマは、恋の破滅をたくらんで、ナンシーに電話をする。それを知ったジョーはナンシーにすべてを暴露し、二人の間は壊れてしまい、ノルマとの間も清算しようと、ジョーは屋敷を飛び出そうとする。だが、ノルマの手には拳銃が握られ、ジョーの死体がプールに浮かんだ。

すっかり狂ってしまったノルマは、警察の捜査や新聞記者たちを前にして、自分が女優に返り咲いたと思いこみ、鬼気迫る顔でしきりにポーズを取るのだった。執事のマックスも、その場を繕って女王のために尽くすのだった。(1950年・白黒)➡資料?O???????N

Directed by Billy Wilder / Writing credits Charles Brackett (screenplay) Cast : / William Holden .... Joe Gillis / Gloria Swanson .... Norma Desmond / Erich von Stroheim .... Max Von Mayerling / Nancy Olson .... Betty Schaefer / Fred Clark .... Sheldrake / Lloyd Gough .... Morino / Jack Webb .... Artie Green リスニング;40年代の端正な会話。ノルマとジョーの会話が中心である。

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男はつらいよ・寅次郎忘れな草男はつらいよ・寅次郎忘れな草 05/10/02

第11作は、浅丘ルリ子の出演だ。今回の作品は、かなり社会派的な様相が強く、「生き方」がかなり真剣に論議される。発端は、さくらが通りかかった家庭から聞こえてくるピアノの音を聞いて、息子にも習わせたいと思ったこと。

だが貧しい印刷職工の稼ぎでは、さらに狭いアパート暮らしでは、寅さんの買ってきたおもちゃのピアノしか持つ余裕はない。あきらめるしかないのだ。いつものように家族と喧嘩をして飛び出した寅さんは北海道へ向かう。そしてそこで流しの歌手、リリーに出会う。

共に家族を持たない放浪の身、二人は短い出会いながらも意気投合する。自分たちが泡ブクのような人生だとリリーが言うと、寅さんは早速牧場に行って住み込みを志願するが・・・

日射病にやられて、ほうほうのていで葛飾柴又に舞い戻った寅さんの所へ、リリーがひょっこり姿を現す。場末では誰も聴いてくれない歌を歌い、酔っぱらいに絡まれ、母親には金だけを当てにされているリリーは、独り身の寂しさが身にしみていたのだ。

リリーの登場に、とらやの面々はすっかり面食らうが、寅さんやリリーのような放浪生活、柴又での人々ののんびりした生活、牧場での厳しい生活が話題に上り、みんなで誰が中流階級に、上流階級に属するかで話の花を咲かせる。

リリーは寅さんを慕っていたけれども、酔ったときの些細な行き違いから二人は別れ別れになってしまい、相変わらず寅さんはフーテンの生活を続けるが、リリーは寿司屋の職人と結婚してやっと幸せな家庭生活を手に入れたのだった。(1973年)

監督:山田洋次 原作:山田洋次 脚本:山田洋次/朝間義隆/宮崎晃 出演:渥美清/倍賞千恵子/浅丘ルリ子

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Blade Runner ブレード・ランナー 2002/05/23 (再)2005/02/20 (再々) 2013/12/16

Blade Runner時は21世紀初頭。人間の創り出したレプリ(アンドロイド)たちは、人間の知能と同等かそれ以上に達した。体力は人間よりはるかに強靱な者もおり、彼らは宇宙の中にできた植民地で重労働をさせられたので、叛乱が起こったのも無理はない。彼らは「・・・人」ではなく、「・・・匹」と呼ばれ、瞳の虹彩をチェックされて、感情反応を示すかどうかで、人間と区別されるのだった。人間なら感情の起伏によって瞳が大きく開いたり閉じたりするが、レプリたちのは変化を示さない。

ロサンゼルスの警察を辞めたばかりのリック、通称ブレイド・ランナーは、このレプリたちを「捕獲」するベテランだった。最近宇宙で、殺しを含む叛乱を起こしたお尋ね者のアンドロイドが4匹、地球に逃げ込んできたという。元の上司は法律をカサに強制的に再び仕事に戻らせた。リックは嫌々ながら捜査を再開する羽目になった。

未来都市のロサンゼルスは、現在と同じく人種が混交する町だ。高層ビルに覆われ、自動車は空中を飛ぶようになってはいるけれども、チャイナタウンもあれば、日本の演歌や日本語の日常会話も流れてくるごった煮の町だ。リックはうどんが好きでよく屋台に立ち寄る。屋台の主人の口から日本語が出てくる。

Bladerunner雨が激しく降りしきる中、リックは捜査に乗り出す。まずはアンドロイドの製造会社を訪れて、天才タイレル博士から彼らには4年の寿命しか与えられていないことを知らされる。またレイチェルという博士の美しい女性の新作アンドロイドが感情を持ち始めていて、精神の安定を図るために博士の姪の過去の記憶を植え付ける実験中であることを知る。レイチェルはリックを一目見て好意を持ったようだ。

リックは持ち前の経験を生かして、人工ロボット蛇の鱗の破片を手がかりに、蛇踊りの女がレプリであることを突き止めて追跡の末、仕留める。2匹目は、どこかの求人事務所の面接官を襲った、馬鹿力を持つ男で、危うくリックは殴り殺されかけるが、レイチェルの持っていたピストルの一撃で救われる。

3匹目は浮浪者を装って、タイレル博士の友人の家に押しかけ、タイレル博士に会わせてくれるよう頼んだ女。だが、タイレル博士たちが殺されたあとに、リックが仕留めるのに成功する。そして最後の4匹目は、ほとんどリックを追いつめるのだが、再び降りしきる豪雨の中での屋上での必死の格闘の末、リックは絶体絶命になるところで、そのレプリは寿命がつきてしまう。

リックは、レイチェルに恋をしてしまい、彼女がいくらアンドロイドであっても、命を救ってもらった借りもあり、とても殺すことはできない。ソファで眠っているレイチェルを起こすと、リックは彼女を外に連れだした。レイチェルもまもなく寿命が終わろうとしているのだ。

SF の傑作、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか? Philip K.Dick; Do Anndroids Dream of Electric Sheep ?」を土台にして作っているそうだ。最初の作品は1982年に作られて上映されたが、今回見たのは「director's cut 」といって1993年に改良して作られたもの。・・・資料外部リンク

Directed by Ridley Scott Writing credits Philip K. Dick (novel) Hampton Fancher Cast : Harrison Ford .... Rick Deckard / Rutger Hauer .... Roy Batty / Sean Young .... Rachael / Edward James Olmos .... Gaff / M. Emmet Walsh .... Bryant / Daryl Hannah .... Pris / William Sanderson .... J.F. Sebastian / Brion James .... Leon / Joe Turkel .... Eldon Tyrell リスニング;せりふの数はそう多くなく、聞き取りやすい。

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The Killing FieldsThe Killing Fields キリング・フィールド 2002/05/31

ベトナム戦争を題材にした映画は数多く生まれた。この戦争がアメリカの犯した大きな罪の一つであることから、反省を込めて多くの人々が様々な角度から映画を制作した。

1975年のアメリカ軍カンボジア侵入事件に伴う、実際の出来事を脚色した映画。ポールマッカートニーの「 Band on the Run 」とジョンレノンの「 Imagine 」が場面に流れる。

ニューヨークタイムズ記者、シドニーはカンボジアに送られて、プノンペンを中心に取材を続けているが、通訳はカンボジア人、プランだ。彼は英語もフランス語もこなす、ガッツある地元の新聞記者だったのだ。

ベトナム戦争の行き詰まりは、隣国カンボジアにも飛び火し、誤爆か意図的か、カンボジアの地方都市に、アメリカ空軍が襲来し、多数の死傷者を出す。爆撃のニュースも、当地へ向かう船の手配も、すべてプランが引き受けてくれた。

そのころ、カンボジアの内部ではクメール・ルージュ(アンカ)が台頭し、極端な共産革命主義と、年少者に武器を持たせた民兵を率いて、首都プノンペンに接近していた。首都の住民は、為すすべもなく虐殺の危険におびえるだけだった。

シドニーは、プランに家族と共に国外に逃げるかどうかを訪ねる。プランは家族だけアメリカに送り出し、アンカたちは、知識人を迫害すると聞いていたのだが、自分は取材続行のためプノンペンに残ることを決意する。自分がいなければシドニーは全く現地語が話せないのだ。

ついにアンカたちがプノンペン市内に侵攻し、白人を中心とするジャーナリスト関係者は、フランス大使館の敷地内に逃げ込む。西洋の国籍をもつ者たちは、パスポートを集められて、次々と本国に送還されるが、プランだけは出遅れたために、パスポート偽造の試みもむなしく、時期遅くして、大使館を追い出される。

無事アメリカに帰ったシドニーはプノンペン取材をまとめて、優秀ジャーナリストに選ばれる。プランを残して帰ったこと後悔し、友人からも責められて思い悩むが、戦局の悪化した現在、カンボジアに戻ることもできない。

一方、プランはアンカの強制労働に参加させられるが、ジャーナリストの柔軟さと知恵を生かして、又幸運も手伝って、何とかその村を脱出する。タイの難民キャンプへ向かうが、途中沼の中に無数の白骨死体を目撃して、アンカたちの恐るべき虐殺を知る。

疲労で倒れているところを、アンカたちを信用しないある村人の下男として拾われ、男が殺されたあと、その息子を背負って国境へ向かう。子供は地雷で死ぬが、プランは苦難の末、ようやく国境を越えることができたのだった。彼はアメリカに逃げた家族と再会し、ニューヨークタイムズの記者として働くことになる。(1984年)

Directed by Roland Joffe Writing credits Bruce Robinson Cast: Sam Waterston .... Sydney Schanberg / Haing S. Ngor .... Dith Pran / John Malkovich .... Al Rockoff / Julian Sands .... Jon Swain / Craig T. Nelson .... Military attache リスニング;プランの英語は、カンボジア訛があるのかもしれないが、ゆっくりで聞き取りやすい。シドニーのほうは、典型的なニューヨークことば。

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© 西田茂博 NISHIDA shigehiro

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