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今年見た映画(2015年) Anything Else 僕のニューヨークライフ 2015/11/19 原題は「(人生には)何でもあり」。ニューヨークに住む学校教師ドーベルは、まだ駆け出したばかりのコント脚本を手がける青年ジェリーとセントラルパークで、二人ともユダヤ人だということで親しくなる。 60歳のドーベルは、まだ20歳を過ぎたばかりのジェリーに人生の教訓を教えてくれるが、それはみな型破りなものばかりだった。やがてジェリーはアマンダという、これまた気まぐれで手のつけられない恋人を持ち、同棲を始める。 このジェリーはまじめで、その作品の評判がいいのだが、ちょっと臆病なところがあり、世間体を気にするので、周りのロクでもない人々に振り回されてしまう。それにドーベルは忠告を与えてくれる。 ジェリーから甘い汁を吸って、さらに7年の契約に持ち込もうとする欲深いマネージャー、少しも有益な忠告を与えてくれない精神分析医、自分のアパートに押しかけて自分は歌手になるのだといってきかないアマンダの母親、そしてなによりもアマンダ自身は半年もセックス拒否をしているのだが、気のいいジェリーはそれを許している。 ドーベルはアマンダが浮気をしているのだと断言し、ジェリーに彼女を尾行するようにたきつけ、しだいにジェリーも自分で頼らず生きるすべを身につけ始めてゆく。ついにジェリーはニューヨークを捨て、カルフォルニアで仕事を見つける決心をした。出発直前になってドーベルは姿を消したが、ジェリーもようやく大人としての自立を果たすことができそうなのだった。 …資料 上へMelinda and Melinda メリンダとメリンダ 2015/11/21 メリンダは、外科医と結婚し子供をもうけたが、夫の浮気を機に自分も家から出奔するが相手の男に裏切られ、相手を銃で撃ち、自分も自殺未遂をする過去を持つ女。作家たちがディナーを食べながら、さて、彼女を喜劇にするか、悲劇にするかで意見が分かれる。 昔の仲良し3人グループのいるパーティに飛び込んだ彼女は、新しい人生を始められるように男を紹介してもらうが、あまりに個性的な彼女にはなかなか合う人が見つからない。 (喜劇にすると・・・)ピアノ弾きに巡り合って恋に進展したのだが、仲良しの一人の夫(彼女にの妻は、新しい男ができていた)に惚れられて、そちらに改めて恋をしてしまう。 (悲劇にすると・・・)ピアノ弾きに見巡り合って恋に進展するが、仲良しの一人に彼をとられてしまい、絶望のあまり再び自殺をしようとする。…資料 Match Point マッチポイント 2015/11/23 クリスは優秀なテニス選手だったが、勝負の世界が合わず、裕福な会社社長を父に持つ友人トムの紹介でロンドンのビジネス界に入る。彼の妹は、クリスは気に入り、会社にも入れてもらい、二人は結婚する。 トムにはノラというアメリカから来た婚約者がいたが、クリスは彼女に強烈にひきつけられてしまう。ノラはそののちトムとは別れ、アメリカに戻っていたが、偶然にもモダン・テートで、クリスと再会する。クリスは妻に退屈し、また妊娠しなかったので、すぐさまノラに夢中になり、忙しい仕事の合間に二人の密会が続いた。 皮肉なことにノラのほうが妊娠してしまい、彼女に妻と別れて自分のもとに来るようにと要求されたクリスは、優柔不断な性格から、どちらの道をとることもできず、逡巡した挙句、地下室から義父の猟銃を持ち出して恐るべき行動に出る。 ネットにかかったテニスボールがこちらに落ちるか、敵側に落ちるかによって勝敗が決まるように、人生は”運”に支配されているというテーマ。…資料 学生新聞の記者、サンドラはアメリカからロンドンに来て、奇術師シッドの”すりかえ箱”の中で、3日前に死んだばかりの腕利きジャーナリスト、ジョーの幽霊から思いがけない話を聞かされる。 有名なハンサム貴族、ピーターが、娼婦が絞殺され、タロットカードが犯行現場に残される連続殺人事件の真犯人だというのだ。サンドラはシッドに父親の役をやってもらい、ピーターの社交界に入り込む。最初は、ピーターの泳ぐプールでおぼれた真似をして、二人は親しくなる。 やがて、彼の自宅にも招かれるようになり、地下の音楽室の暗証番号をジョーから教えてもらった後、ホルンの下にタロットカードを発見する。謎は深まるばかりだが、物的証拠が出てこない。さらに殺人事件が相次いだ。 ピーターはすっかりサンドラに恋してしまい、豪華な誕生日プレゼントをもらうほどになる。だが、シッドがドジを踏み、ピーターに魅せられてしまったサンドラが、実は本物の父娘でないことを告白してしまったところで、気づいたピーターは自分の領地内にある湖に二人でボート漕ぎに出ようと誘う。…資料 You Will Meet a Tall Dark Stranger 恋のロンドン狂騒曲 2015/11/29 ロンドンの街に老夫婦がいたが、老夫は若返りを願って離婚しジムでのトレーニングにのめりこんでいる。老妻は娘のところに入り浸りながら、心霊現象にのめりこんでいる。 その娘は売れない作家と結婚し、いまだにまともな収入もないことから、自分で画廊を経営することを夢見ている。老妻の敬愛する占い師はきっといいほうに向かうと予言してくれているのだが、それぞれがかなわぬ希望をもって毎日を生きている。 作家は、アパートの真向いの窓でギターを弾く娘に恋してしまい、一生懸命口説き始める。そしてたまたま自分の作家仲間が事故死したものだから、故人の作品を盗んで出版社に持って行ったところ、それが評判になってしまった。 作家の妻、つまり老妻の娘は自分が働いている画商の上司が、自分を恋してくれていると思い込む。だがなんと上司の相手は、自分の親友だった。 老父はたまたま来た、出張娼婦に恋してしまい、有り余る金を注いで再婚するが、その女は金遣いが荒く外で若い男を作るのだった。老妻は、自分と気の合う心霊額関係の書店を経営するやもめ男と親しくなり、それはうまくいきそうだ。…資料 Le Notti di Cabiria カビリアの夜 2015/12/02 ローマ郊外に住む、小金を貯めこんでいる娼婦カビリアは、ヒモの男に川に突き落とされ、もう少しで溺れ死ぬところだった。ある夜、有名俳優に拾われて、自宅に泊めてもらう。彼は、恋人をひと悶着している最中だったのだが、豪邸、上等な食事、そして朝にはちゃんと報酬までもらって家に帰る。 またある夜には客に洞穴があるところに置いて行かれ、さまよっているところに、篤志家が、洞穴に住むホームレスに食物を配っているところに行き会う。 こんな体験から、マリア様の奇跡をお願いする祭りで、自分の生活を変えたいという願いを立てる。ある夜、催眠術師のショーで、ステージに呼ばれたカビリアは、みんなの前で恥をかくがそれを気に入った青年オスカーと知り合い交際が始まる。 だが、2週間もたたないうちに結婚を申し込まれ、相手を疑うことを知らぬカビリアは家を売り払い銀行からも預金をおろして、オスカーと落ち合う。オスカーは大金を見て態度が変わり、二人は夕日のきれいな湖の崖の上に出た……資料 Le paquebot Tenacity 商船テナシチー 2015/12/05 パリの町、食い詰めた人々は新大陸に移住を夢見ていた。親友同士の若者、バスチアンとセガールもカナダに行って一旗揚げる夢を見ていた。二人は港に向かい、商船テナシチー号に乗り込んで、出発するのだが、出向して間もなく船は故障し、元の港に舞い戻ってしまう。 ぶらぶらするわけにもいかず、二人は仕事見つけて、しばらく港のホテルに滞在する。ところが、そのホテルには美しい若い娘がいて、たちまち二人の心をとらえてしまった。特に社交家のバスチアンは、すぐに彼女と親しくなる。 船の修理は長引き、二人は親密度を高めていく。セガールも思いを寄せていたが、それは控えめなものだった。いよいよ故障が治り、船出の朝が来た。バスチアンは、書き置きを残し、娘とともに列車で旅立ってしまう。 書き置きを読んだセガールは、親友がこうして去って行ったことにショックを受けたが、出航を取りやめるどころかカナダへの気持ちはかえって強くなり、船へのステップを上っていくのだった。……資料 上へLa belle equipe 我等の仲間 2015/12/07 パリに暮らすジャンと4人の仲間たちは、職にもなかなかありつけなかったが、お互いに仲が良く、将来の夢を語り合っていた。なんと宝くじが当たり、5人は大金持ちになってしまう。 ジャンは5人の金を集めて、レストランを始めることを提案する。川沿いに廃屋を見つけた彼らは自分たちで大工仕事をなしとげ、開店に向かって夢を膨らませた。 それなのに、一人は旅に出るといって姿を消し、もう一人は国外退去を命じられ婚約者と共に去っていった。前祝いの日、もう一人は屋根の上で踊って滑り落ちて死亡。もう一人は家出をした妻に手玉をとられ、危うくジャンも巻き込まれそうになる。 だが、開店の日、復讐に出た妻は夫をそそのかして、ジャンが最終的にレストランを自分のものにしたと罵り始める。それを聞いて激昂したジャンは…。夢がかなう人は少ない。…資料 旅路の果て - La fin du jour 2015/12/10 人気俳優、サンクレールはふとした気まぐれから、民間の元俳優専門の老人ホームに入所するが、17歳のカフェの女の子に色目を使った挙句、かつての愛人にあげた高価な指輪が、彼女の死によって返還されたことから、ばくちに遊びに行ってしまう。 ホームのリーダー的存在であるカブリサードは、見栄っ張りであらゆることに手をだしホーム中に迷惑をかけているが、実は若いころは代役専門で、主役が丈夫だったため、一度も舞台を踏んだことのないのだった。 マルニーはこのホームの責任者であり、彼も俳優だったが、サンクレールもかかわった猟銃の暴発による妻の死の後、それが自殺だったのか単なる事故なのか、気に病むうち彼の俳優の魅力は失われて引退したのだった。 ホームは経営難に陥っており、危うく全員離散になるところだったが、全国の支援のおかげで持ち直し、記念の公演が行われることになった。無理やり出演したカプリサードはもうろくして舞台の上で恥をかき、それが原因で死んでしまう。 戻ってきたサンクレールは、17歳の少女をもてあそび自殺をするように仕向ける。危ういところで彼女は救出されたが、彼は病院送りになった。カプリサードの葬儀がしめやかに行われ、才能はなかったが、みんなの人気者であった彼に対する弔辞がマルニーによって読み上げられる。…資料 オーストリアのワルツ王、ヨハン・シュトラウス2世の若き頃を描いたもの。父親のおかげで就職した銀行の仕事は、勤務中に楽譜を書いていたためにクビになり、恋人でパン屋の娘、ポルディの励ましもあって、自前のオーケストラを作って自分の作品を発表したところ、これが大ヒット。そしてそれを聞いていた、のちの皇帝になる伯爵の妻、カーラの目に留まる。 時はフランス革命の波がオーストリアにも押し寄せたころで、人々を元気づける作品を生み出す。ポルディと結婚した後、革命の動乱の中、カーラとウィーンの森に退避する騒ぎになり、「ウィーンの森の物語」の曲が生まれ、二人は恋仲になる。 そしてオペラ「こうもり」の大成功によって、二人はウィーンを出てブダペストに向かう計画を立てるが、伯爵に励まされたポルディは歌劇場でカーラと対決する。結局ブダペストに向かう船に乗ったのはカーラだけだった。…資料 Au royaume des cieux 神々の王国 2015/12/16 フランスのある女子鑑別所。そこには様々な過去をしょった若い娘たちが入れられていた。そこへ新入りのマリアがやってきた。何度も脱走したらしいが、ピエールという恋人がいるという。その時突然、所長が発作を起こして死んでしまう。前所長はその思いやりのあるやり方から、みんなから慕われていた。 ところが跡を継いだ新所長シャンブラスはあまりに過酷で、これまで使われなかった牢に閉じ込めることさえも始める。娘たちはそれに反抗しハンストを起こしたが、それに対しても厳しい制裁で臨んだ。 薄幸な少女たちはマリアとピエールの恋の話を聞いて、この世に本当の愛があるのだと強いあこがれを抱き、二人の再会を助け、クリスマスにはついにマリアの脱走まで計画する。 折からの川の氾濫で、教会のミサに集まった人々が混乱に陥ったところで、二人は脱走に成功するが、警察から追われる身となる。一方少女たちは、仲間の一人が入水したことから、シャンブラスに対する怒りを爆発させ、鑑別所内を暴れ回った。シャンブラスは辞めさせられ、理解ある職員が代行をつとめることになる。…資料 Voici le temps des assassins 殺意の瞬間 2015/12/19 アンドレはパリの最高に有名なレストランのシェフ。最近も写真入りで新聞に出て、商売繁盛で大忙し。そこへカトリーヌと名乗る若い娘が転がり込んでくる。 かつて別れたアンドレの元妻ガブリエルと、あとに結婚した男との間にできた娘だった。ガブリエルは最近マルセイユで死んだという。アンドレの母親も手伝いの婆さんもみんなカトリーヌに疑惑の目を向けるが、なぜかアンドレは彼女にひきつけられていく。 アンドレにはまるで息子のようにかわいがっていて医学生のボヴィエもカトリーヌにひきつけられるが、彼女は周りの人がその素性がわからないままに、アンドレと結婚してしまう。 実はカトリーヌには、アンドレの遺産が目的であり、アンドレとボヴィエが仲たがいをしたのも、ガブリエルが生きていたのも次第に明らかになるが、カトリーヌは最後に恐ろしいことをやってのける。…資料 La Fete a Henriette アンリエットのパリ祭 2015/12/21 台本作者たちが、今度の新作について議論している。ヒロインのアンリエットという二十歳の下町娘は、ロベールという報道写真家と付き合っているのだが、どうもまだ結婚にまだこぎつけることができないで、彼女の両親もやきもきしている。今度の巴里祭(7月14日)に肩をつけようと作者たちはもくろむが、様々な案が出て、どうもまとまらない。 二人はこの祭りの日に各所を巡ってデートをしようというのだが、ロベールは、急にサーカスの旧知の女リタから手紙をもらい、アンリエットを置いて彼女に会いに行ってしまう。 がっかりしたアンリエットは自分とダンスを踊った若者、実はスリのモーリスに言い寄られ、彼が押し入る予定の屋敷に連れて行かれて、札束を見た後、世界旅行に行くことを誘われる。でもアンリエットはロベールのことが気になってしょうがない。 夕方の約束の時間が迫り、リタと別れたロベールはモーリスと別れたアンリエットを探し回り、二人ともサクレ・クール寺院の前にやってくる。周りは花火を見物しようという大勢の人々が集まっている。…資料 Les portes de la nuit 夜の門 2015/12/24 パリ解放があって間もないころ、若者のジャンはかつてドイツ占領下で拷問を受けてかろうじて生き残った親友で機関士のギーに再会する。そこへ中年男の姿をした「運命」が出没して、今夜の”出会い”をそれとなく告げ、「枯れ葉」のメロディをハーモニカで吹く。 ギーの住むアパートの大家ジョルジュは戦争中ドイツ軍に協力したのでみんなから嫌われていたが、その息子は、どうやら当時ギーを密告をしたらしい。そのころ美女のマルーは大金持ちの夫と別れ話をしていた。 「運命」はジャンとマルーを合わせる。マルーはジョルジュの娘だった。二人は急に恋に落ちてしまう。だが、二人の仲はその晩だけのものだった。マルーの夫が追いかけてきて、彼女に復縁を迫る。それを拒否したマルーは・・・そして悲劇が次々と起こり、「枯れ葉」の歌詞のように人々は運命に流されていく。…資料 La Marie du port 港のマリィ 2015/12/26 シェルブールを拠点にしてホテルやレストランを手広く経営するやり手のアンリは、妻のオディールの父親が亡くなったために、小さな港で行われる葬式に妻を送り届ける。 オディールにはマリーという18になる妹がいたが、おじおばに引き取られるのを嫌がり、港の居酒屋で働くことを望んでいた。オディールとの結婚生活は、彼女が退屈し切っているために行き詰っていた。 無口ながらマリーの力強い生き方に、アンリは強くひきつけられてしまう。マリーには理髪師をしているマルセルという恋人がいたが、マリーとアンリが接近するのを見て、絶望のあげくアンリの運転する車に身投げをする。 幸いけがは軽く済んだので、アンリの家に厄介になっているうちオディールとねんごろになってしまい、マリーは姉に代わってアンリと生活を共にする気になる。…資料 今年見た映画(2016年) Le quai des brumes 霧の波止場 2016/01/04 兵隊のジャンは追われる身であり、外国へ高飛びしようと、ルアーブルの霧深い港に向かっていた。憲兵や警察に見つからないように、港の水際にある居酒屋「パナマ」に転がり込む。 そこには二度と会うこともないのに、親切にしてくれる人々がいた。「パナマ」の主人、自分の服や身分証をくれた水彩画家、そして家出娘ネリーだった。さらに、ヒッチハイクをした時に助けてやったブチの犬が恩を感じてか、どこまでもついてくる。 ジャンはネリーと親しくなり、恋が芽生えるが、彼女の土産物屋経営の義父は、若い男との交際を許さない変質者であり、ネリーがかつて付き合っていたモリスという男はならず者だった。さらにモリスのチンピラ仲間が義父をつけ狙い、ネリーは真の愛を求めていた。 ベネズエラへ向かう船が見つかり、旅券も首尾よく手に入って、翌日の午後5時には出向の予定だったジャンはネリーとホテルでフランス最後の夜を過ごすが、そのあとには悲劇が待っていた。Duvivier の「望郷」を彷彿とさせる、港で展開する物語。。…資料 Juliette ou La clef des songes 愛人ジュリエット 2016/01/09 原題は「ジュリエットもしくは夢を解く鍵」。貧しい若者ミシェルはお祭りの日に出会ったジュリエットに恋し、海に行くための金のため雇い主から盗みを働き、監獄に送られてしまう。 監獄では眠りに落ちると、さっそく夢を見る。”忘却”の人々が住む村にたどり着いたミシェルはジュリエットを探してあちこち歩き回る。人々はかたっぱかしから過去のことを忘れてしまうので、不幸せな人はいない。 ようやくジュリエットに出会うのだが、二人のなれ初めのことは何も覚えていないし、ちょっと離れている間に彼女はミシェルのことを忘れてしまう。そこへ自分がどこの貴族だかわからない男があらわれてジュリエットを花嫁にしてしまう。 彼の館にあった血塗られて服を見て、ミシェルはこの男が、妻殺しで有名な”青髭”だと直感するが、村人たちに捕らえられてしまい、そこで目が覚める。 彼には釈放のニュースが待っていた。雇い主(夢の中の青髭!)が訴状を取り下げてくれたのだ。しかしそれはジュリエットが雇い主と結婚することとの引き換えだった。こんなことなら、夢の中のジュリエットにのほうが良かったとミシェルは思う…資料 上へLes visiteurs du soir 悪魔が夜来る 2016/01/11 原題は「夜の訪問者たち」。夫婦の吟遊詩人、ジルとドミニクは悪魔と契約を交わし、誘惑し堕落させ絶望に落とす任務をおびて、とある城に立ち寄る。その城では、アンヌ姫がルノーという婚約者ができたことのお披露目の宴会を開いている最中であった。 詩人たちは超能力を駆使して、ジルとアンヌ、そしてルノーとドミニクの関係が出来上がる。アンヌとルノーの婚約はこれでずたずたになり、悪魔の計画は達成されそうになるが、ジルが、アンヌへの真の愛に目覚め、ドミニクがアンヌの年老いた父親を誘惑したことから、計画はうまくいかなくなる。 ドミニクをめぐってルノーとアンヌの父親は決闘を行い、ルノーは死ぬ。ジルはアンヌと会っているところを発見され、牢獄につながれて拷問を受けることになる。 嵐の夜にやってきたのが、本物の悪魔。彼は計画をうまく進めようとしてきたのだが、純真なアンヌは、少しも悪魔の命令を聞こうとしない。アンヌの計略でジルは自由の身になり、二人は泉のそばで再会をする。自分に背いたということで悪魔は二人を石像に変えてしまうが、恋人たちの心臓の鼓動は途絶えることはない。…資料 Blithe Spirit 陽気な幽霊 2016/01/15 コンドマイン夫妻は再婚同士。作家である夫のチャールスは7年前に妻のエルヴィラをなくし、今の妻ルースと5年前に再婚した。小説の種にと、チャールスは友人の医者夫妻も交えて、霊媒のアルカティばあさんを自宅に呼んだ。 アルカティは何を間違えたか、エルヴィラの幽霊を呼んでしまい、彼の家に居ついて離れなくなってしまう。ルースは元妻があらわれたことでいきりたち、夫婦関係も危なくなる。 エルヴィラは、チャールスに霊界に来てもらいたかったので、事故を起こすようにと彼の車に細工するが、事故死したのはルースのほうだった。 チャールスはアルカティにエルヴィラとルースを霊界に戻してもらうように頼み込むが、失敗続き。そこでふと思い出したのが、コンドマイン家に勤め始めたばかりのメイドのことだった。彼nak女の霊感はひときわ強かった。ようやくエルヴィラとルースを家から追い出すのに成功したチャールスは、この幽霊に取りつかれた家を去ろうと車で出発するのだが…資料 上へLa Course du lievre a travers les champs 狼は天使の匂い 2016/01/17 原題は「野を横切るウサギは走る」。そして英語でのタイトルは「And Hope to Die」。てんでんばらばらなタイトルのつけ方を見てわかるように、何ともまとめにくい内容の映画であることがわかる。 フロッギイ(カエル=フランス人)のあだ名で呼ばれた男が、何者かに追われフランスから北米に渡り、モントリオールにたどり着く。そこで出会ったのは地元の強盗団一家だった。 ボスとその女、3人の手下、そのうちの一人の妹、総勢6名が、湖の隠れ家に住んでいたのだが、たまたまフロッギイが撃ち合いの現場に居合わせたために、金を隠し持っていると疑われ、隠れ家に監禁される。 だが、フロッギイが優秀な部下になりそうだとにらんだボスは、次第に彼を自分たちの仲間として扱うようになる。彼らには警察署を襲い、女を誘拐するという大きな計画があった。フロッギイもその仲間に加えられ、実行に移される。だが、ちょっとしたミスが重なり、女たち以外は皆殺され、最後にはボスとフロッギイの二人だけが隠れ家に立てこもり、やってくる警察に立ち向かう。…資料 上へGreat Expectations 大いなる遺産 2016/01/19 イギリスの片田舎に生まれた少年ピップは早くに両親を失い、姉とその鍛冶屋の夫ジョーと暮らしていたが、ある日墓地で脱獄囚に出会い、食べ物とヤスリをひそかに渡してやる。 それから5年後、近くに住むひきこもる変人で有名な女性ハヴィシャムとその養女エステラのもとに、毎週遊びに行かされることになる。15歳を過ぎてピップは突然遺産相続人であることを告げられ、ロンドンに向かう。だが、誰が贈り主なのだかわからないままだ。 すっかりジェントルマンの生活が板についたころ、オーストラリアからあの脱獄囚の男がピップのもとを訪ねてきた。彼は実の娘が行方不明になり、自分の窮状を救ってくれたピップに遺産を残したのだ。 ピップはなんとか彼を無事オーストラリアに送り届けようとするが、警察に見つかってしまい死刑を宣告されるが、その前に病死する。遺産はもうもらえないことになった。だが、その間にあの自分が幼いころから恋い慕っていたエステラが、彼の実の娘であることが判明したのだった。…資料 上へパリを出発した二人の巡礼は徒歩でスペインの聖地サンチアゴ・デ・コンポステーラへ向かう。そこには聖ヤコブの遺体が埋められてあるという。だが、二人はみすぼらしくヒッチハイクをしようとしても断られ続けるのだが、不思議にも道で出会う人々に親切にしてもらったり、意味深長な予言を受けたりする。 そして道すがら耳にするのは、教義の違いからお互いを異端だと罵り合い時には殺し合いすらしかねない。また狂信的な信仰に取りつかれた女や、神の姿をどうとらえるかで深刻な争いが引き起こされているのを耳にする。 ようやくサンチアゴに到着するものの、肝心の聖ヤコブの首が見当たらないということで、巡礼者の数は激減していた。…資料 上へLe Fantome de la liberte 自由の幻想 2016/01/25 これは「駅伝映画」、つまり定まった登場人物が最後まで出てくるのではなく、物語の切れ目に別の登場人物が入れ替わり出てきて、別の物語を展開するという形式。 不条理な物語が連続する。便器に座っての夕食会。自分の娘が目の前にいるのに行方不明だと騒ぎ立てて捜索願を出す両親。4年前に死んだ妹から墓場より電話が来てぜひ会いたいとの知らせ。ホテルでの泊まり客をそろえてのSMパーティ、高層ビルから通行人を狙い撃ちをしたが裁判になって死刑を宣告されながら自由に外を出歩く男。 そしてこれらのエピソードを挟んでいるのは、最初の場面でのナポレオンに攻められたスペインでの捕虜の銃殺と、最後の場面での警視総監の命令による動物園でのデモ隊への射撃である。”ダチョウ”がトレードマークである。…資料 上へLa Fievre monte a El Pao 熱狂はエル・パオに達す 2016/01/30 大西洋上のある小さな島。政治家たちが暗躍し、政治犯には過酷な運命が待ち受ける政治腐敗の横行するところだった。理想に燃える若き役人ラモンは総督に重要な地位を与えられ、政治の改革に乗り出そうとしたところ、総督は暗殺され、悪の根源のような新しい総督グアルが赴任する。 暗殺された総督の妻イネスと恋に落ち、彼女はラモンのために協力を惜しまなくなる。政治犯たちの暴動が勃発し、武器を持った彼らは首都エル・パオに向かう勢いだった。ラモンは見事な手腕で暴動を収め、グアルを逮捕し、大統領一派の信任を受け、新しい総督になる。 だが、イネスとは考え方の違いで別れ、さらに彼女は爆死し、大統領が囚人を鎖でつなぐ扱いを再び容認したことから、ラモンの理想は大きく崩れていく。…資料 上へCet obscur objet du desir 欲望のあいまいな対象 2016/02/01 世の中は、テロで騒然としていた。自動車や店が次々と爆破される。初老のフランス人富豪のマシューはセビリアの駅から列車に乗り込むが、ホームに駆けつけてきた若い女にバケツの水を浴びせたことから、まわりの客たちがその訳を話してくれとせがむ。 パリで、マシューは不思議な女コンチータと知り合い、恋仲となったはずだったが、彼女は自分が処女だと言い張りいつまでもセックスをさせてくれない。だが、何度も別れた挙句、再び彼らは一緒になるのだった。 コンチーナとその母親は(マシューの友人の力で?)フランスから国外追放され、故郷のセビリアに舞い戻り、コンチーナはフラメンコのダンサーをやっていた。が、同時にストリップ・ダンサーでもあった。 マシューは懲りずに再び彼女を手に入れようと、セビリアに小さな家を買ってやるが、徹底的に屈辱を受ける。我慢しきれず彼女を殴って帰途についたところだったのだ。 マシューの話が終った頃、列車に飛び乗っていたコンチータは、お返しにとバケツの水をマシューにぶっかける。そして二人は仲良くパリのパサージュを歩いていた。だが、それもつかの間のことで・・・資料 上へLo Sceicco bianco 白い酋長 2016/02/07 田舎町からローマに上京したイヴァンとワンダの新婚夫婦はホテルに落ち着き、法王様のところに勤める、えらいおじさんに連れられて親戚との挨拶やローマ見物をする予定だった。 ところがワンダはあこがれの役者、”白い酋長”役のリヴォリの大ファンで、ぜひとも自分の書いた彼の絵をプレゼントとして届けたいと思ってホテルを抜け出す。ところが事務所にはリヴォリはおらず、ローマ郊外の撮影所にほかの役者たちとトラックで連れて行かれる羽目に。 現地でようやくリヴォリに会うことができて、ワンダは夢中になり、しかもプロマイド撮影の端役までもらったのだが、リヴォリは妻帯者であり、生活に追われ、ワンダを口説くためにでたらめな作り話をでっちあげる男であることが判明した。いざ帰りたいと思っても地理も分からず、心身ともにボロボロになってホテルにたどり着く。 一方、夫のイヴァンは、親せきの手前、ワンダは頭痛でホテルの部屋に閉じこもっているということにして、ひたすら彼女の帰りを待つがまるで行方不明になってしまった。イヴァンもこの一日で憔悴しきってしまった。 ワンダは自分の浅はかな行為がこんな結果を生み、夫の家名を汚したと後悔し、深夜の川に身を投げるが、たまたま近くにいた人に助けられ病院に運び込まれる。翌朝、連絡を受けたイヴァンが迎えに行って、ようやく夫婦そろって法王様に拝謁することができた。・・・資料 上へアウグストはローマきっての詐欺師だった。だが、寄る年波は、次第に体力や気力の点で、若い者たちに追い越されていく。かつての仲間も羽振りが良くなってアウグストを相手にもしてくれない。 彼の手口は手の込んだものだった。どこかの農場のある場所に、夜のあいだに偽物の骸骨や宝物を埋めておき、昼間、神父さんの格好をしたアウグストが部下とともに現れて、地主に死体と宝物が埋まっていると告げ、実際にそれらが出てきたところで彼らを信用させ、ミサの費用と称して彼らからなけなしの金を巻き上げるのだった。 最も若いピカソという部下は、奥さんやかわいい娘のために堅気の世界に戻っていく。アウグストはある日、偶然に自分の別れた妻のもとにいる娘と学校の入り口で出会う。娘にご馳走し学費の援助まで申し出るのだが、その矢先に昔の敵に見つけられ、娘の目のまえで警察に拘束されてしまう。 アウグストはこれまでの生き方に迷いを生じる。そしてある日再び詐欺を働いた時、その農場には、体の不自由でしかも自分の娘と同じ年の若い女がいた。アウグストはいたたまれなくなって、奪った金を返すつもりになるが、仲間の怒りを買い、道路わきの崖に突き落とされ、哀れな最期を遂げる。・・・資料 La dolce vita 甘い生活 2016/03/22記者のマルチェロは、仲間のパパラッツィらとともにローマを駆け巡る毎日だ。婚約者のエンマはいつも彼の不在を嘆き、付きまとって離れない。しかしそれにはお構いなくマルチェロは大女優につきあったり、時には寝たり、聖母が表れたという場所に取材に行ったりする。 ある時は田舎から父親が上京してきて一緒に飲んだりすることもあった。芸術に造詣が深く子煩悩な友人がいて、彼のパーティにも招かれたりしたが、ある日彼は自分の子供を打ち殺して自分も自殺するという悲劇にも立ち会う。こんな生活が嫌になり、仲間を集めて最後のパーティを自宅で開く。その自宅も間もなく明け渡さなければならない。 ・・・資料 映画監督のグイドはいま、スランプに悩んでいる。車の運転をしても、映画仲間と話をしていても、いったい何を作り出したらいいのかどうにも方向性が定まらない。しかも出演したい女優たちが入れ代わり立ち代わり、自分はどんな役になるのかとか、今度の映画はどんなものになるのか、しつこく聞いてきて、それも悩みの種だ。 SFじみた映画で、巨大なロケットのようなセットを作ったのだが、これがどういうことになるのか、制作部も首をかしげるばかり。しまいめにはグイドの妻までが現場にやってきて、これまでの結婚生活の不満をぶちまけると来た。 グイドは、苦しみさまざまな夢や幻想に取りつかれるが、最後には悟りきったか、取り壊し中のロケット装置のまえで、みんなで行進をしてみせる。・・資料 上へ 学生エンコルピオは友人アシルトと”美少年”ジトーネの取り合いをした挙句、取られてしまう。だが、岩窟の中のスラムをさまよううち、大地震に会い、外に放り出されたエンコルピオは海岸でガレー船に乗せられ、奴隷としてこき使われることになる。その後、大金持ちの満腹パーティーにでたり、自決した夫婦の家に忍び込んだり、剣士と勝負をして殺されそうになる。命は助かったものの、女に挑んでも、肝心の”剣”が役に立たずそれを直すためにさらに放浪の旅に出る。 アシルトに再会はできたもの、彼は死に、海岸にやってきたエンコルピオは死んだ大金持ちが乗るつもりだった帆船にのって、他の若者とともに航海に出るのだった。 ・・資料 Histoires extraordinaires 世にも怪奇な物語(3部作) 2016/04/09 -10 Metzengerstein:Roger Vadim 膨大な財産を受け継いだフレデリックは高慢な若い女で、気まぐれと遊蕩の生活に浸っていたが、ある日従弟のウィルヘルムに獣の罠にかかっているところを助けられ、彼を慕うようになる。だが、馬を友とし、世間から隔絶した生活をするウィルヘルムに冷たく拒絶され、復讐として彼の馬小屋に火をつけさせる。運悪く、彼は馬を助けようとして焼死し、謎の黒馬が彼女の領地にやってくる。不思議にもフレデリックはこの馬と友達になり、毎日乗り回す。だが、彼女の部屋にあった”燃える目の馬”が象徴していたように、彼女は馬とともに山火事の燃え盛る中に飛び込んでいく。William Wilson: Louis Malle ウイリアムは少年時代から残酷な気質だったが、まったくの同姓同名のウィリアム・ウイルソンがクラスに転向してくる。その日から彼は競争相手になり、付きまとう。医学生のとき、若い女を生きたまま解剖しようとしたときに止めたのも、トランプのかけで打ち負かした女を鞭で打った時に止めたのもその男だった。しかもまるで双子のように似ていた。かっとなったウィリアムは相手と剣で戦い、負けそうになると短剣を突き刺した。だが相手を殺した時に自分の運命も決まってしまった… Toby Dammit:Federico Fellini イギリスのもと名優トビーはローマに招待され、空港でボールを持った不思議な少女に遊んでくれと頼まれる。インタヴューや表彰式に攻め立てられる。ようやくそれを逃げ出して外に出ると映画会社が約束していたフェラーリがとまっていた。地理のわからないローマ中を彼は夜中に暴走する。崩壊した橋の手前で急停車したトビーはまたしてもその少女を見てしまう。彼女が読んでいるように思えた彼は急発進させた…・・資料 La citta delle donne 女の都 2016/04/16 中年を過ぎたスナポラスは列車のコンパートメントに乗っていた。居眠りから目覚めると目の前にすごく魅力的な美人が座っている。人生最後のチャンスとばかり、ナンパと強姦を試みるが、あえなく失敗。女は次の駅で降りて、森の中にすたすたと行ってしまう。スナポラスはしつこく後をつけて迫るが、まかれてしまい、突然大きな館の前に来る。入ってみると、そこは女だらけで、それもフェミニストの集会をやっており、気勢を上げていた。スナポラスはただ茫然と彼女らの意見を聞くだけで、さっさと駅に帰りたい。 ところが、車で送ってくれた女は途中の自宅に寄ってぐずぐずしているので、大声で騒いでいる女たちの乗った別の車に便乗して駅に向かおうとするが、途中で、巨大ペニスや狂おしい女をテーマにした博物館にやってきた。博物館を運営している男がパーティを開くというので参加してみると、なんと自分の妻がおり、ほかの女たちと同様にフェミニズムの熱に浮かされていたのだ。妻はもう夫婦生活が我慢できないという。 博物館を出て、お祭り広場にやってくる。そこには大勢の女たちが集まっていて、スナポラスを追いかけてくる。這這(ホウホウ)の体で逃げ出すと、気がついたところが、さっきの列車のコンパートメントだった。向かいには妻が座っており、あの生かす女が自分の隣に座り、フェミニストの館で見覚えのある女もいた。 ・・資料H O M E > 体験編 > 映画の世界 > コメント集(46) c 西田茂博 NISHIDA shigehiro |