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今年見た映画つづき(2016年) 戦乱の世、ある村で暮らす母と嫁は、息子が戦争にとられた後、二人きりで暮らしていたが、押し寄せてきた兵隊によって略奪され強姦されて殺された。その家で飼っていた黒猫が魔神に頼み込んで二人を妖怪にしてもらう。 京都の羅城門では侍が行方不明になり、生き血を吸われた死体が藪の中に転がっている事件が相次いだ。戦争で手柄を立てた息子が戻ってきて、源頼光に取り立てられ、その妖怪を討ち取るように命じられる。 だが、行ってみてそれが実の母と妻(の亡霊?)であった。妻は7日間夫に体を許し、そのために魔神に地獄に落とされてしまう。残った母親は生き血を吸い続けるが、頼光の命により、息子は猫の足と思われる左手を切り落とす。 だが、蟄居中に計略にはまり、息子はその腕を取り返されてしまう。母親は再び魔力を得て姿を消し、身体を消耗しきった息子は、自分の実家の焼け跡で息絶える。・・資料 溝口健二の「雨月物語」に似ているような… 009がピエロの姿でナイフに刺されて殺された。東ドイツのサーカスメンバーの中に、西ドイツに核攻撃を加えることを企てている狂信的なソ連の将軍の手下になっている者がいたのだ。 007はインドに飛ぶ。カマルという男が、ソ連から宝石を買い取ろうという動きがあったからだ。現地に行ってみると、タコの入れ墨(オクトパシー)のある美女とともに宮殿に住むカマルは、取引で巨万の金を動かそうとしていた。 そしてそこから明らかになったのは、ベルリンの壁の東側で、ひそかにサーカス列車に時限核爆弾を積み込み国境を越えて西側に入ったところで爆発をさせようという企てが進行していたことだ。 007は、貨車に乗り込み、いったんは放り出されながらも、サーカスの会場にピエロ姿で飛び込む。目の前の筒が爆弾であるということを人々にわからせ、3:45の爆発を止めることができるだろうか。・・資料 山田道夫はリンゴ剪定職人の息子で、兄や姉、妹に囲まれて暮らした。だが父やばくち好きで母のタケは次から次へと子供を産み、夫がほかの女に産ませた子供まで育てることになった。 網走にいたころは夫は行方不明になり、一番上の姉は土地の人に強姦されて精神病院に入れられ、タケは青森の親せきを頼っていくのだが、運賃がないために、一家がばらばらになった時もあった。 そんな環境の下で大きくなった道夫は集団就職で東京のフルーツ店に就職したが、すぐやめ、職を転々とするようになる。性格はまじめで仕事をこなす力もあったのだが、ある時ピストルを手に入れてガードマンを射殺してしまう。 そしてタクシー運転手も撃ち殺し、最後にバーの女に絡んでチンピラとけんかになって射殺したところを逮捕される。世間の彼に対する冷たい態度によって、彼の犯行は極悪人の仕業とみなされるが、果たしてそうなのか?・・資料 A View to Kill 美しき獲物たち 2016/08/03 007がロシアの雪山で003の遺品の中に、機密資料とまったく同じコピーを見つけたことから、フランス人ゾーリンという実業家の名が挙がる。彼はコンピュータ・チップスを用いて、馬にステロイド剤を注入して競馬に勝っていたことがわかった。 007の存在に気付くと執拗に狙ってきたが、実はゾーリンの最大の計画はサンフランシスコの炭鉱にあった。この街の上空を通過するとき、ゾーリンは A View to Kill! と叫ぶ。後を追う007は当地の地質を調査中、スティシーという地質学を研究する娘に出会う。 彼女はゾーリンらの計画をかぎつけていた。古い炭鉱跡に爆弾を破裂させて、断層の多い地域に人工的に地震を起こさせ、湖を氾濫させてシリコンバレーを水の底に沈めようというのだった。しかもそれは外目には自然現象にしか見えない。 計画を阻止しようと、007とスティシーは炭鉱現場に乗り込む。そして爆発を地上で起こさせ事なきを得るが、スティシーがゾーリンの操縦する飛行船にさらわれてゴールデンブリッジにさしかかった。彼女を救おうとする007は宙づりになった!・・資料 備前岡山の旧制中学に通う南部麒六(キロク)はカトリック教徒の家に下宿させてもらっている。その大家の娘、道子に彼はあこがれているのだが、彼女の方もまんざらではない。 ふと、喧嘩のベテラン、スッポンに出会った麒六は修練に励み、学校内では1,2を争う喧嘩上手になる。だが、ほかのグループとの大規模な戦いを率いたために、父親の助力もむなしく退学させられ、福島は喜多方の学校に転校することになる。 ところが、当地でも麒六はその度胸の良さから一目置かれ、会津の連中と大喧嘩をしでかして勝利する。だが、校長先生は叱るどころか、麒六をほめさえするのだった。一方、初恋の人道子との悲しい別れも待っていた。 時代は226事件が起こり、社会は暗雲が立ち込める。麒六は、226事件の首謀者のひとり、北一輝の写真を見て、福島のどこかで見た顔を思い出し、血が騒ぐ。次の瞬間、彼は東京行きの汽車に乗っていた。・・資料 ・・資料 The Living Daylights リビングデイライツ 2016/08/15 成句<scare daylights out of 人>➡「人を怖がらせる」 ソ連からの亡命を希望する将軍を助けるように求められた007は、彼が危うく狙撃されるところを防ぎ、安全に送り届ける。ところがその狙撃手がカーラという美女であり、007が意図的に彼女の心臓ではなく腕を撃ったことが問題になる。 だが、007の狙いは正しかった。カーラはKGB内の悪党たちに振り回されていただけであり、実は見事なチェロ奏者だったのだ。そしてカーラが手に入れることになるかもしれない楽器の入手先から、悪党たちの名前が浮かび上がる。 ウィーンで007とカーラは追われ、当時ソ連が侵攻していたアフガニスタンに連れていかれてしまう。そこでわかったことは、亡命希望の幹部は実はソ連のスパイであり、その男はアフガニスタンのアヘン取引を通じて巨万の富を手に入れようとしている連中と結びついていたのだった。 二人はアフガニスタンからのソ連撃退をめざす部族の助力を得て、アヘンを積み込んだ航空機を乗っ取ることに成功したが、そのアヘンの袋の一つには爆弾が仕掛けてあり、まもなくそれは爆発するのだった。燃料を使い切った飛行機は岩山の中に突っ込んでいく・・資料 青森県十和田に住む河村夫婦。村の他の人々と同じように、貧困は夫たちを都会にと駆り出した。だが、二度と夫は戻らなかったり、女をこしらえたり、病気になったり、たいていが不幸のどん底に落ちていった。「村の女は眠れない…」の詩が流れる。 河村みのは、夫の始めた「大陸食堂」を営んでいる。だが、人口減少と周りに新しい店ができたことにより、客は減ってゆく。そこへ64歳になる夫の河村義三に名古屋で働かないかという話が舞い込む。 義三の体調は思わしくはなかったが、生活保護を受けるのはいやなので、さっそく出稼ぎに出る。だが、半年たっても消息が途絶えたままで、名古屋から横浜行きの切符による手荷物が青森に届いたきりだった。 地元の新聞屋、斉藤は出稼ぎ問題に興味を持ち、みのに手助けするが、義三は、身元を証明する書類を持っていたにもかかわらず、なんと身元不明死者として、大学での解剖材料にされていた。 あまりの扱いに、みのは警察や市役所に抗議して回り、青年弁護士会も注目し、日本国憲法に明記されているはずの基本的な人権の保護を、出稼ぎ労働者の立場から見て、裁判を起こす。みのの小さな声は、こうしてこの問題に取り組む出発点となった。・・資料 ・・資料 Licence to Kill 消されたライセンス 2016/08/25 007はカリブ海に君臨する麻薬王、サンチョスを追う。だが限りなく残虐で部下を自在に使う彼を捕まえることができない。007の友人が結婚式を挙げたのに、新婚夫婦はサンチョスによって殺害された。 007はイスタンブールへの仕事に向かわず、その復讐のために現地に居残ったため、本部から”殺しのライセンス”を取り上げられてしまう。それにもめげず、サンチョスの女、ルペをひそかに味方につけ、さらに陸軍士官の女傑、パムの協力を得る。007に対して二人の女はライバル同士になるという珍しい展開。 コカインをガソリンに溶かし、国外に持ち出すということで巨万の富を得ようとしたサンチョスは投資者の一部の疑惑を招き、それに乗じて乗り込んだ007はサンチョスに近づいて部下に裏切者がいるとそそのかす。 コカイン工場に火をつけた007は、タンクローリーを乗っ取り、パムの操縦する軽飛行機の助けを借り、休暇中のQの提供してくれた新奇な武器を活用して、ようやくサンチョスを退治する。・・資料 太平洋戦争の末期、海軍では新しく招集した兵隊を乗せる船がみんなやられてないものだから、丘の上で訓練を積むことになった。進藤兼人も、妻に死なれシナリオ作家を始めようとした矢先、新兵として訓練所に連れてこられた。 100人の新兵のうち、94人はすぐに戦場に送られたり、任務につかされたりして間もなくほとんどが帰らぬ人となったが、進藤以下6人は宝塚歌劇団の建物の中で雑役や訓練の日々を終戦まで過ごす。 日々の生活の中から、人間関係、いじめ、拷問、行事、休暇などの話を通して、当時の軍隊がどんなものだったかを進藤監督を通して語られる。日に日に戦況は悪化し、ついに終戦の日が来た。上官たちはリンチを恐れてか姿を消したが、兵隊たちはうちに帰りたい一心だった。・・資料 007は006とともにソ連のミサイル施設に乗り込むが、006は殺されてしまう。007は車の運転の巧みな元ソ連空軍女性パイロット、ヘニア周辺から、Golden Eye と呼ばれる人工衛星操作の基本部分をソ連軍から盗み出し悪用しようとする連中がいることを突き止める。 西側の軍用ヘリコプターがハイジャックされ、シベリアの奥地にある人工衛星追跡基地が一味によって爆破され、ナターリャというプログラマーの娘を除いて所員は皆殺しにされる。 サンクトペテルブルクに潜入した007はナターリャと出会うことができるが、殺されたはずのアレックこと006が実は二重スパイで、しかもGolden Eye を使って世界経済を壊滅させることを狙っていたのだった。アレックは姿を消してしまう。 007はナターリャを連れてキューバに潜入し、湖の底に巨大なパラボラアンテナを発見する。アンテナの基底部には衛星追跡設備があった。アレックにつかまった007だったが、ナターリャの機知のおかげで九死に一生を得る。・・資料 大正末期、広島県の山奥に石内尋常小学校があり、市川先生のもとに、級長の山崎、居眠り三吉、山崎をひそかに慕うみどりなど、数十人の児童たちが学んでいた。 そして30年後、市川先生定年退職記念の同窓会が開かれる。戦争を挟んで、多くが苦しみの人生を送ってきたことが自己紹介で判明する。山崎の人生は、いまひとつ、メリハリがない。 貧しさのために山崎は進学をあきらめ、母を失い、広島の兄のもとへ、そして東京に出て脚本家になった。三吉は村に残って収入役になった。みどりは15年山崎を待ったが、ついに地元の料理屋に嫁入りした。でも夫は女を作って大阪に暮らしていた。 山崎はみどりと再会し、海岸で結ばれるが、さらに時がたち、みどりの夫が殺された後、彼女に娘が生まれたことが判明する。優柔不断な山崎はみどりと結婚する勇気をもって広島に戻ってきたものの、脚本作家を続けるべきだと主張するみどりに結婚の申し込みを断られる。 市川先生の葬儀の後、再び出会った二人は、間に生まれた娘を挟んで、またの再会を願う。そして汽車がホームを離れていくのだった。・・資料 Tomorrow Never Dies 2016/09/16 南シナ海で、イギリスの軍艦が中国の領海を侵犯し、中国空軍機の攻撃を受けて撃沈された。すわ中英間の戦争となると思われたが、じつは狂気のメディア王、カーヴァーがからんでいたのだ。この事件の記事は”前日”にすでに用意されていた! 007はドイツで、かつての恋人でカーヴァーの妻となっているパリスの助けを受けて謎に迫るが、妻の裏切りに気付いたカーヴァーによってパリスは殺されてしまう。そしてたまたま中国のエージェントだったワイリンと、南シナ海とサイゴンで共通の敵に立ち向かう。 カーヴァーはGPSの精度を狂わせる機械を持ち、わざと領海内に軍艦を侵入させ、国際紛争のもとを作っていたのだ。さらにステルス航空機に倣って、ステルス軍艦を作り、各国軍のレーダーに探知されないまま、秘密の攻撃を行っていたのだ。 007はワイリンとともにステルスに乗り込み、爆薬を仕掛けるが、すでにカーヴァーは北京に向けてのミサイル発射の準備を済ませていたのだ。再び英中の間に緊張が高まる。・・資料 谷崎潤一郎の「春琴抄」による、女師匠と男弟子の愛の形を描いた作品。その家のお手伝いをしていたテルという女が、老人ホームに訪ねてきた研究者(進藤監督)に”真相”を語るという形式になっている。 大阪の裕福な家に生まれた春琴は幼くして目が見えなくなるが、琴の演奏に才能を示す。その世話役として佐助という若い男が、奉公の傍ら手伝うようになる。 佐助は春琴にいじめられても、尊敬の気持ちを持ち、自分も三味線を習って、一緒に暮らすようになる。子供も何人か生まれたが、里に出し、春琴が師匠をして、佐助は彼女の便の始末まで引き受けている。 春琴は罵倒した弟子の恨みを買い、顔に熱湯をかけられ、またと見られない姿になるが、佐助はそれを見なくても済むように、針で自分の目をついて自らも失明して、今までよりも一層、春琴のことがわかるようになったと喜びに浸る。・・資料 The World is not Enough 2016/09/24 中央アジアのアゼルバイジャンでは、パイプラインの建設が進んでいたが、そのオーナーであるキング氏が、こともあろうにロンドンのエージェント本部に巧妙に仕掛けられた爆発物のために死んでしまった。 007は爆発を仕掛けた犯人を追ううちに、キング氏の娘エレクトラを、まだ見知らぬ敵から守るのだが、彼女にはパトロンがいるらしいと気づく。だが、本部のMは007の勘を信じようとはせず、わざわざイスタンブールに出てきて敵の手にはまってしまう。 敵はルナールという変質者だった。エレクトラは、自分の母一族の所有物であるパイプラインを父親に撮られたと思っていた。そしてプルトニウムをイスタンブールでばらまいてパイプラインの流れを自分たちに有利にしようというルナールと協力を進めていたのだ。 007は、エレクトラは父親キング氏を殺したことを明らかにし、射殺する。そして美人原子物理学者と組んで、プルトニウムの臨界反応を引き起こそうとしているルナールを阻止するために、彼らに乗っ取られたロシアの潜水艦に潜入する。・・資料 Eight Days a Week 2016/09/26 (劇場にて) ビートルズが世界中を演奏旅行をした時期をまとめたドキュメンタリー映画。この映画のために撮った部分はなく、過去の動画や静止画をデジタル画面で、修正したものだが、ハンブルク時代から、レット・イット・ビーにおけるビルの屋上での最後の演奏に至るまでが、ていねいに描かれている。 最初はファンの熱狂で有頂天になった4人がだが、そのすさまじいスケジュール、ファンの過熱、野球場を使わなければならないほどの観客の数など、次第に4人はツアーにウンザリしてくる。 もしエルビス・プレスリーのように一人だったら、とてもストレスに耐えることがはできなかったろうが、4人で耐えたために、何とか続けていくことができたのだった。・・資料 北朝鮮に潜入した007は、金将軍の息子を殺したが、つかまってしまい、14か月もの間、拷問にかけられる。それでも助かったのは、ロンドン本部がZaoという男と捕虜交換をしてくれたからだ。だが、一時的に任務を解かれてしまう。 しかし007はZaoの素性を調べるうち、キューバに飛び、そこでDNA変換治療を行う研究所を発見する。そして本物のZaoを発見した。そして所持品の中に特殊なダイヤモンドを発見、それが今を時めく有名なイギリス人グスタフの下で作られたことを突き止める。 アイスランドに飛んだ007は、キューバで知り合った女性エージェント、ジンクスとともに、このダイアモンドが衛星に取り付けられ、太陽光線をレーザービームで地上に送り込む装置に使われていたことを知る。 グスタフは、北朝鮮に逃げてしまい、実は金将軍の殺されたはずの息子で、整形手術をしたのだった。ジンクスとともに北朝鮮に再び潜入した007は、太陽光線で韓国の軍事施設を焼き払おうとするグスタフの乗った飛行機に潜入したのだった。・・資料 進藤監督による、溝口健二の映画人生を、俳優や助監督、大道具係、はたまた病院の看護師にまでインタビューして作り上げたドキュメンタリー映画。 溝口監督は天才肌で完全主義であり、俳優たちは怖い先生だと恐れていたらしいが、実際の演技指導では細かいことは何も言わず、自分で考えてくださいというのだから、撮影が終わるころにはへとへとになっていたそうだ。 彼の得意とする分野は、明治末期から大正にかけての、下積みの若い娘たちを描くことだった。インタビューで人々に語らせるだけでこの映画は溝口の人間像をわかりやすく浮き立たせている。・・資料 Casino Royal (1967年) 2016/10/06 (再)2023/10/17 007シリーズのパロディともいえる作品。時代は20世紀の初めごろで、ジェームス・ボンドはあの有名なスパイ兼ダンサー、マタ・ハリに女の子を産ませていた。そして悠々と引退生活を豪壮な城館で過ごしていたのだが… マニー・ペニーもその時は本部勤めをやめて、彼女の娘の代になっていた。そこへ怪しいバカラ賭博の胴元がどうやらインチキをしているらしいということで、バカラの専門家にジェームス・ボンドと名乗らせて、とばく場に繰り込んで、みごと胴元に大損害を与える。 だが、一連の事件の源は実はジェームス・ボンドの甥にあった。背の低いことからコンプレックスを持った彼は、世界中の女たちを侍らすことしか考えていなかった。その秘密基地に007と彼の娘が乗り込む。・・資料 瀬戸内海に浮かぶ島に住む貧乏百姓の森川家に、友子という女が嫁いだ。そこの長男は赤紙でマニラに出征し、戦死する。舅の頼みで友子は次男と再婚するが、これまた赤紙で沖縄で戦死する。相次ぐ兄弟の死で、すぐ舅はこの世を去り、すぐそのあと姑も首をつってしまう。 たった一人残された友子は、終戦後になっても、だれもいない百姓家で、電気も通さず、飲み水は谷川で汲み、わずかな田んぼで暮らしを立てていた。そこへ、長男の戦友だという啓太という男が訪ねてくる。 啓太は長男とは二段ベッドの上と下で知り合い、友子からの「あなたのいない祭りは何の風情もありません」という文面のはがきを預かっていたのだ。啓太は運よく復員できたが、森川家は何もかもクジ運が悪かった。 妻と父親に裏切られていた啓太は、何もかもいやになり、ブラジルに移住するつもりだったが、友子の家に滞在するうち、新しい生活の展望が開けてきたのだった。そして二人は…➡資料 江戸の町に住む北斎は、娘のお栄とくらしながら、なかなか売れる作品ができない。一方親友の曲亭馬琴は小説を書きたいが、下駄屋に婿入りして年上の妻が死ぬのをじっと待って辛抱している。 そこへ謎の女、お尚が現れて、北斎やその育ての父親をかどわかしに来る。お尚は姿を消し、父親は首をつり、北斎もすっかり生活がくるってしまう。しかし、なんでも試みて突進するエネルギッシュな性格は、馬琴が妻の死後、ひたすら執筆に没頭するのと対照的だった。 時は過ぎ、北斎は89歳になった。制作意欲は衰えず、お尚とそっくりの女が現れると、海から生きたタコを持ち込んで、裸のお尚の上に這わせて、傑作が生まれる。➡資料 Quantum of Solace 慰めの報酬 2016/10/17 007がとらえた悪人を吐かせようとしていたところ、Mのボディガードが突然撃ってきた。追いかけた007は射殺するが、早まった行動だということで、仕事に制限が加えられる。 じつはグリーンという得体の知れない団体があって、各国の価値のない土地を買いあさっていたのだが、それは石油目当てだと思われていた。愛人を殺された復讐の気持ちもあって、007はハイチからオーストリア、そしてボリビアに渡る。 ボリビアの軍事政権に自分の家族を殺されたカミーユと出会った007は、グリーンの買った砂漠に不時着して、彼らの目的が、真水であることを突き止める。軍事政権に金を渡して契約したところを007とカミーユは襲い、そのあと二人は復讐を遂げる。➡資料 007はイヴという新米エイジェントによって誤射され、九死に一生を得る。けがの回復の間に、ロンドンの諜報機関本部が爆破される。犯人はかつてのMの部下のシルヴァだった。そして世界はスパイの時代から個人のテロリストの時代に変わろうとしていた。 退職を勧められ、まだ完全に体調も戻っていない007はMにシルヴァの殺害を命じられる。上海からマカオ、そしてロンドンの地下鉄と舞台は移るが、007は捕まえることができない。 シルヴァにとってMは恨みの的であり、殺そうと狙っているのを見た007は、自分の生家であるスコットランドの「Skyfall屋敷」へ、Mとともに向かう。Mはシルヴァをおびき寄せるための餌である。007はシルヴァの殺害には成功したが、Mは死んだ。➡資料 花咲く港 Port of Flowers 2016/11/01 日中戦争のさなか、二人の詐欺師が南九州の島に上陸する。その島出身の渡瀬氏が15年前に造船を企てたが、失敗しそのリベンジに自分たち兄弟が改めて船を作るのだと吹聴する。旅館の女将はかつて渡瀬氏を片思いしていたので、すぐ信じ込んだ。 素朴な島民たちはそれを信じ有力者はもちろん、貧乏人まで株券を争って買ってくれ、その集まった額の多さに詐欺師たちが震えあがってしまうほどだった。しかも渡瀬氏の後妻が子供を連れて転がり込んでくる。 そこに太平洋戦争が勃発する。一気に島民の士気は上がり、巨大な船「渡瀬丸」を作り上げてしまう。進水式の日、島の人々の真心に心打たれた二人は、自首してこの島を去ることにした。➡資料 深夜特急 第三便「飛光よ!ヨーロッパ編」 2016/11/03 最後の三分の一の行程を描く。イスタンブールでアジアを出た主人公はヨーロッパに向かう。まずはギリシャ、イタリア、モナコ、フランス、そしてスペイン、ポルトガルの国々を海岸沿いにたどり、最後にロンドンに到着する。(➡ 第1作) 007 : Casino Royale 2016/11/09 テロリストグループに資金を提供する謎の人物ルシフルは、カジノで次々と大金持ちから金を巻き上げていた。ロンドン本部の新しい試みとして、モンテネグロで行われるカジノの勝負に、007を参加させることになった。 資金はイギリスの大蔵省から出るため、ヴェスパーという会計士の女が007のもとに送り込まれる。しかし、この女は007のタイプではなく、カジノ会場に着いても、どうも二人ともしっくりいかない。一方、007はルシフルに勝ち続け、毒薬を盛られて危うく心筋梗塞になりかけるが、ヴェスパーが駆けつけてくれたおかげで一命をとりとめる。 だが、二人ともルシフルの一味につかまってしまう。007は拷問を受け、危うく殺されるところで何者かが現れてルシフルを射殺する。ようやく拷問から回復した007はヴェスパーを愛するようになり、二人でベニスに遊ぶが、カジノで手に入れた金が、いまだに大蔵省に振り込まれていないという。ヴェスパーを追った007には悲劇が待ち受けていた。➡資料 喜びも悲しみも幾歳月 Times of Joy and Sorrow 1994/02 (再)2016/11/17 昭和8年、灯台守の有沢史郎は父の葬儀の後、すぐ清子とお見合いをして結婚し、あわただしく職場である観音崎灯台へ戻ってきた。清子は後先考えず、すぐ灯台守の妻になってしまったのだが、その生活は大変厳しいものだったにもかかわらず、たくましく溶け込んでいく。 観音崎から北海道の石狩へ。雪の降りしきる中、清子は長女を出産する。史郎の同僚は妻を病気で失う。次に長崎県の沖合にある女島(メジマ)では、長男が生まれた後、島があまりに寂しく不便なので、子供を連れて「退息所(一種の家族寮?)」でしばらく生活する。史郎の後輩は娘に恋するが、灯台守だということで失恋してしまう。 次の佐渡ヶ島では、嵐の中消えかかった灯台の灯を再びどもす。次の御前崎では太平洋戦争の末期になり、灯台は機銃掃射をされた。終戦後、三重県の灯台に移るが、御前崎に疎開していた人の好意で、長女は東京の大学に進むことになる。 そして瀬戸内海の灯台に移った時、史郎が灯台長になったのもつかの間、長男が大学に落ちた後、チンピラに刺されて死ぬ。再び御前崎に戻ってくるが、長女は大学のときに世話になった、かつての疎開家族の息子と恋をして結婚を望む。今や老夫婦になろうとしている二人は、新婚夫婦が外国に向かう中、自分たちの使命に向かって進んでいく。➡資料 姿三四郎は、 武術の道を志し、門馬のもとに入門しようとするが、矢野がはるかに強いことを知り、浅草近辺の修道館に籍を置くことになる。すぐに最強のうわさがたつが、師の矢野から人間ができていないと言われ、池の中に飛び込み一夜を明かして、蓮華の花を見て無心の境地を得る。 試合で門馬は三四郎に投げ飛ばされ死ぬ。恨んだ門馬の娘は三四郎を刺殺しようとする。村井は警視庁の試合で三四郎と対戦することになるが、何も知らず切れた下駄の鼻緒を直した若い女が実は村井の娘、小夜だった。門馬の娘のこともあり、三四郎は大いに悩むが無心の境地を思い出して、村井に打ち勝つ。 村井には桧垣という弟子がいて、いつの日か決戦を避けることはできないと双方とも思っていた。村井の敗北を機に、二人は12月の木枯らしの吹き荒れる日に決戦を行う。桧垣には勝ったが、思うところがあって三四郎は旅に出る。小夜は横浜まで送ってくれた。➡資料 2年間の旅に出た三四郎は、横浜の町で拳闘(ボクシング)の試合を見物し、柔術の心得のある男がアメリカ人のボクサーにコテンパンにやられるのを見る。柔道は柔術とは違い、人間の道を求めることだと矢野に諭されるが、最強のうわさがたっても心に迷いが残り、小夜との恋にも打ち込めない。 そこへ二人の空手家が九州からやってくる。彼らはあの村井の弟たちだった。そして道場での三四郎との試合を求めるが、矢野は許してくれない。だが修道館の門下生の中に、彼らから暴行を受ける者が続出し、ただならぬ事態となった。 意を決した三四郎は破門を覚悟で、酒を飲まない、見世物に出ない、そして他流試合を行わない、という道場の三つの掟をすべて破ることにする。果たし状を受け取った三四郎は雪の降りしきる中、真ん中の弟と戦うのだった…終戦の年に作られた作品。➡資料 H O M E > 体験編 > 映画の世界 > コメント集(48) © 西田茂博 NISHIDA shigehiro |