映画の世界

コメント集(5)

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  1. 前ページ
  2. Lord of the Flies 蠅の王
  3. Conquest of the Planet of the Apes 猿の惑星・征服
  4. Battle for the Planet of the Apes 最後の猿の惑星
  5. El Cid エル・シド
  6. leri, oggi, domani(Yesterday, Today, Tomorrow)昨日今日明日
  7. MASH マッシュ
  8. Chinatown チャイナタウン
  9. The English Patient イングリッシュ・ペイシェント
  10. Le Mepris (Contempt) 軽蔑
  11. Braveheart ブレイブハート
  12. One Flew Over the Cuckoo's Nest カッコウの巣の上で
  13. The Caine Mutiny ケイン号の反乱
  14. 芙蓉鎮 Fu rong zhen
  15. The Goodbye Girl グッドバイガール
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今年見た映画(2000年)

Lord of the Flies 蠅の王 00/02/27

Lord of the Flies飛行機が海上に墜落して、大勢の少年たちが無人島に流れ着く。ここまで聞けばジュール・ベルヌの「十五少年漂流記」を思い出してしまうだろう。ところがそのあとが違う。建設的で自立した集団を営む代わりに、少年たちは仲間割れを起こし、ついに事故ながら、殺人を行ってしまう。その後もさらにいじめ的な内紛は続き、本物の殺人も犯してしまう。最初にリーダーになった(まともな)少年が次々と支持者を失い、ついに追いかけられて、あわや殺されるところで、救助隊に救われる。ぞっとする物語である。だが実際の社会を見ればきわめて現実的な筋立てであるともいえる。ふだんは社会秩序に隠れて見えない、人間の心の「」がむき出しになっているからだろう。タイトルはまさにぴったりだ。切り取られた豚の首に群がる蠅の群、そして少年の群・・・原作をぜひ読んでおくべきだそうだ。また、1963年にも制作されていて、これと比較してみたい。Directed by Harry Hook Writing credits William Golding (novel) Sara Schiff  Cast : Balthazar Getty .... Ralph / Chris Furrh .... Jack / Danuel Pipoly .... Piggy / Badgett Dale .... Simon (1990年)

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Conquest of the Planet of the Apes 猿の惑星・征服 00/02/28 : 2020/12/03

Conquest of the Planet of the Apesいよいよ猿の惑星シリーズも第4作目となる。前作では、未来の世界からやってきた猿の夫婦は射殺され、すり替えられた息子はサーカスの経営者に引き取られることになるが、20年後、成人して立派な指導者は、こともあろうにシーザーという名を付けられ、犬猫の絶滅した世界で、ペットから奴隷にされた猿たちを率いて革命に立ち上がる。

ストーリーは、シーザーの指導の下、ニューヨークの町を征服するところで終わる。シーザーの歴史観を示す言葉が発せられる。「力がなければ自由は得られない。奴隷のままだ」。これはフランス革命のときから繰り返し語られた言葉だ。その結果、歴史では半永久的に血が流されるわけだが、これは致し方ない。現代では中国の北京政府を転覆させるのに、この同じ言葉が必要になる。

筋立てはすでに予告されたものであり、新味はないが、歴史のやむにやまれぬ流れには、個人も個「猿」も抵抗できないものらしい。おもしろいのは、時間の永久回転である。未来の猿夫婦から生まれた知能の高い猿が、人類を征服し、猿の王国をうち立て、さらに2千年後にまたその夫婦が現れて、(地球が消滅し)過去の世界に戻るわけだから、誰かがじゃまを入れない限り、永久に続くのだといえる。このアイディアは、「ターミネーター」や「バックトゥーザフューチャー」にも見られる。・・・資料外部リンク

Directed by J. Lee Thompson Writing credits Paul Dehn Cast: Roddy McDowall .... Caesar / Don Murray .... Breck / Natalie Trundy .... Lisa / Hari Rhodes .... MacDonald (1972年)

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Battle for the Planet of the Apes 最後の猿の惑星 00/03/02 : 2020/12/05

Battle for the Planet of the Apesこうなったら全部見るしかない。こうして第5作目に到達した。つまり前に述べたように時間の永久回転が完結したのだ。だからこれからいつまでもぐるぐると歴史は回り続ける?ことになる。

未来からやってきた猿夫婦の息子シーザーを指導者にたてて、前回では人類を征服したが、放射能だらけの地下都市に生き残った人間たちに攻撃され、さらにゴリラを中心とする軍部に反抗され、さらに息子を殺されるということで、結局人類と同じ歴史を繰り返す運命を負う。

「猿は猿を殺してはならない」という彼の命令も最初から破られ、自らも復讐として自分の息子を殺したゴリラを殺す。聖書のカインとアベルの話と同じだ。こうして猿の歴史が始まったのである。

それから600年後にも立っている彼の石像は、涙を流していた。チンパンジーの遺伝子と人間の遺伝子では比較してみると、異なる部分はわずか3%でしかないというから、たとえ猿が人間に取って代わっても、憎しみ、殺し合いはいつまでも本質的なものとして残るのだろう。これはすべての地上の生物の運命であるかもしれない。・・・資料外部リンク

Directed by J. Lee Thompson / Writing credits Paul Dehn (story) / John William Corrington Cast : Roddy McDowall .... Caesar / Claude Akins .... Aldo / Natalie Trundy .... Lisa / Severn Darden .... Kolp / Lew Ayres .... Mandemus / Paul Williams (III) .... Virgil / Austin Stoker .... MacDonald (1973年)

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El Cid エル・シド 03/03/00

El Cidハリウッドお得意の、大規模史劇の一つだ。11世紀初頭、イスラム教徒の侵入に悩むイベリア半島のおける国土回復戦争(reconquista)の中で生まれた英雄の話である。

本名ロドリゴは当時のカスティリャ王国のアルフォンソ6世との不和のため、長い亡命生活を送って最後に、イスラム教徒を撃退する手柄を立てながら、バレンシアで死んだのである。叙事詩に詠われるほどの英雄として今日に言い伝えられている。

映画ではアルフォンソ6世が間抜けな、知恵のない国王として描かれており、またロドリゴは妻の父親を、自分の父親の名誉回復のために殺害してしまい、ロドリゴが国外追放にあうまで、妻と冷たい関係にあったというのは、史実かどうかわからない。

なお、妻とはソフィア・ローレンであり、その表情が実に変貌自在なのには驚かされる。ロドリゴ役は、「猿の惑星」第1作でおなじみの、チャールトン・ヘストンであり、彼は古代史劇の英雄なら実にぴったりな顔や体格をしている。

Directed by Anthony Mann Writing credits Philip Yordan and Fredric M. Frank Cast : Charlton Heston .... El Cid (Rodrigo Diaz de Vivar) / Sophia Loren .... Jimena / Raf Vallone .... Count Ordonez / Genevieve Page .... Princess Urraca / John Fraser (I) .... Prince Alfonso / Gary Raymond (I) .... Prince Sancho (1961年)ヒアリングー早口ではなく、比較的わかりやすい

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leri, oggi, domani(Yesterday, Today, Tomorrow) 昨日今日明日 03/06/00 (再)2013/01/13

昨日・今日・明日久しぶりのイタリア映画。ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニのコンビが演ずる、オムニバス形式コメディ3話。第1話はナポリの貧民街に住む妻が、「腹ボテは逮捕できない」という法律をタテに、投獄を免れようと絶えず妊娠し続け、夫がフラフラになる。でもみんなの募金や西岸のおかげで、無事7人の子供を持つ妻は刑務所を出ることができた。第2話は舞台はミラノで、大金持ちで仕事中毒の夫に飽き飽きした女が、愛人と共に郊外にドライブに出かけるが、男の方は女の根性の悪さに胸くそが悪くなる話。第3話は、ローマの高級売春婦が、隣の家に里帰りしている神学生を夢中にさせてしまい、ついには外人部隊に参加すると言い出し、彼の祖父母は困り果てて説得を彼女に頼み込む。マルチェロはいずれでも引き立たせる役だが、ソフィアは、いずれの場面でも変貌自在に演ずる。いやみな金持ちも、たくましい貧乏人も、醜い女も、美しい女もみな演じてしまう。Directed by Vittorio De Sica Writing credits Billa Billa Eduardo De Filippo Cast; Sophia Loren .... Adelina Sbaratti/Anna Molteni/Mara Marcello Mastroianni .... Carmine Sbaratti/Renzo/Augusto Rusconi (1963年)ヒアリングーもちろんイタリア語・・・資料外部リンク

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MASH マッシュ00/03/08 (再) 2012/07/31

M*A*S*H朝鮮戦争のさなか、前線からわずか6キロしか離れていない、医療キャンプ「MASH」に次々と負傷兵が運び込まれてくる。待ち受けているのは百戦錬磨の外科医と看護婦たちだ。だが彼らとて人間。仕事中は「鉗子だ」「止血しろ」と叫びながら治療に没頭するが、仕事を離れると全く普通の若者と変わらない。婦長のあだ名が Hotlips なのは、男好きの彼女がテントに相手を引き込んで、営みの最中にベッドの下に仕掛けられたマイクから、キャンプ全体にこの言葉を口走ったうめき声が放送されてしまったから。アナウンスの合間に当時の日本の流行歌が流れる、狭いキャンプの中では自殺志願者、フットボールの試合、と次々と事件が巻き起こるコメディ。Directed by Robert Altman Writing credits Richard Hooker (I) (novel) Ring Lardner Jr. Cast: Donald Sutherland .... Capt. Benjamin Franklin "Hawkeye" Pierce, MD / Elliott Gould .... Capt. John Francis Xavier "Trapper John" McIntyre, MD / Tom Skerritt .... Capt. Augustus Bedford "Duke" Forrest, MD / Sally Kellerman .... Major Margaret "Hot Lips" O'Houlihan (1970年)ヒヤリングーかなり聞き取りにくい。医学用語が頻発する

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Chinatown チャイナタウン 03/12/00 (再) 2013/11/10

Chinatown終わり方がどうもやり切れないサスペンスドラマ。だが現実とはこのようなものなのだ。ロサンゼルスの水源としてダムを造ることに強硬に反対する水道局の局長が殺される。 本来公共企業の仕事であるはずの水道事業が私企業の手に落ちると恐るべきことになる。

ここに見え隠れするのは建設会社を中心とする利権をむさぼる集団だ。オレンジ畑が将来の値上がりを見込んで買収されるが、その地主というのは、ある老人ホームの老人たちだったりする。殺された局長の妻の父親こそがその集団の黒幕であり、ニコルソン演ずる私立探偵はこの事件に巻き込まれるが、結局解決できないままに終わる。

巨大権力に対して探偵はあまりに弱く、また局長の妻にまつわる事情もあまりに複雑なのだが、最後まで見る人を引っ張ってゆく緊迫感がある。チャイナタウンは探偵が元警部だった頃の古巣であるが、最後の悲しい場面もまたチャイナタウンで起こる。Directed by Roman Polanski / Writing credits Robert Towne / Cast: Jack Nicholson .... J. J. (Jake) Gittes / Faye Dunaway .... Evelyn Cross Mulwray / John Huston .... Noah Cross (1974年)ヒアリングー聞き取りやすいが、ストーリーが込み入っているため内容についていけるかどうか・・・・・・資料外部リンク

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The English Patient イングリッシュ・ペイシェント 03/15/00

The English Patient第2次大戦末期にイタリアに運び込まれた負傷兵は記憶喪失で、国籍不明だったが、イギリス人らしいということで「イギリス人の患者」と呼ばれた。顔面を火傷し、もう先の長くないこの男を、一人の看護婦が古い教会の中で面倒を見る。地雷処理班や、この男を知るかつての情報部員が教会のまわりに現れ、このイギリス人が、北アフリカで、数奇な運命をたどったことが、記憶を取り戻すことによって次第に明らかになる。飛行機による北アフリカの地図作り、砂漠の真ん中での人妻との恋、ドイツとの戦争の勃発、そして飛行機の墜落による恋人の死、とそのスケールの大きな展開は「ドクトル・ジバゴ」を思わせる。2時間半に及ぶが、少しも長さを感じさせない。Directed by Anthony Minghella Writing credits Anthony Minghella Cast : Ralph Fiennes .... Count Laszl EAlmasy / Juliette Binoche .... Hana / Willem Dafoe .... Caravaggio / Kristin Scott Thomas .... Katharine Clifton / Naveen Andrews .... Kip (1996年)ヒアリングーイギリス英語も混じる、スピーディな会話が中心

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Le Mepris (Contempt) 軽蔑 03/18/00 (再)2013/05/06

最初にでてくるベッドシーンでは、妻が夫に向かって、「私の目が好き?」「わたしの腕が好き?」「わたしの腿が好き?」と際限なく執拗に夫に尋ねる。夫はそれに対し、一つ一つ「大好きだよ」と答えるが、もちろん内心は、<なんて馬鹿な質問を繰り返すんだ>と思っているに違いない。男と女の思考と論理はまるで違うのだ。

ところで妻が夫を軽蔑するようになったのはなぜか。それには映画の中でバルドー演じる妻の、夫を見る目をよく観察しなければならない。それは夫のふがいなさなのだ。妻に向かって撮影所のプロデューサーの車に同乗してゆくようにすすめ、自分はあとでタクシーで追いつくという。妻はカチンときた。まるで他の男との浮気を勧めているみたいではないか。

だが夫は理解できない。なぜ妻が機嫌を悪くしたかその理由を執拗に聞く。だが女の思考方法は男と完全に違うから、二人の会話はまるでかみ合わない。あんなに仲がよかったのに、彼女の愛は消えた。最後に妻はプロデューサーと出奔し、交通事故で即死するが、残った夫は自分の本来の仕事である劇作家の生活に戻って行く。

英語しかしゃべれないプロデューサーには、逐次フランス語に通訳してくれる女性がいる。このまだるっこしさは現代のコミュニケーション不全を象徴しているのか?アパルトマンでの、(犬も食わぬ?)妻と夫の論争も、まるでかみ合わない。これはまた不毛のやり取りに聞こえる。

原作はアルベルト・モラビアで、そして舞台がイタリア、カプリ島も出てくる。ギリシャ神話「オデッセイ」で、夫が長い航海に出たのは妻に飽きたためであり、妻の不貞に対し相手の男を殺すという話が伏線になっている。

Directed by Jean-Luc Godard Writing credits Jean-Luc Godard Cast: Brigitte Bardot .... Camille Javal / Jack Palance .... Jeremy Prokosch / Michel Piccoli .... Paul Javal / Giorgia Moll .... Francesca Vanini (1963年)・・・資料外部リンク

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Braveheart ブレイブハート 03/20/00

Braveheartエドワード1世(1239-1307)時代における、スコットランドの独立戦争に活躍した,英雄ウイリアム・ウオーレス(1272頃ー1305)の話。史実では、息子のエドワード2世は性格が弱く、フランスから嫁いだイザベラによって後に王位を追われ暗殺されてしまうのだが、映画では何と、彼女はウイリアムの恋人となる。またウイリアムは何度もスコットランドの貴族たちの協力を取り付けようとしたが、イングランドとのつながりが断ち切れない彼らに何度も裏切られる。スコットランド王であるロバート・ブルースも、はじめはイングランド寄りなのだが、映画によれば、ウイリアムが捕まって拷問にかけられ殺されたのを機に心を入れ換え、1314年にはエドワード2世率いるイングランド軍に勝利する。「エル・シド」と同じく、ロマンスが濃厚に入っていて、史実と区別を付けるのが難しい。Directed by Mel Gibson Writing credits Randall Wallace Cast : Mel Gibson .... William Wallace / Sophie Marceau .... Princess Isabelle / Patrick McGoohan .... Longshanks - King Edward I / Catherine McCormack .... Murron / Angus MacFadyen .... Robert the Bruce (1995年)ヒアリングー主演のメルギブソンのしゃべり方は素晴らしい。明晰で、しかも率直である。この映画の登場人物は何も難しいことはしゃべらない。

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One Flew Over the Cuckoo's Nest カッコウの巣の上で 00/03/23 (再)2019/05/24

実にコワーイ話だ。舞台は精神病院。そこに君臨する看護婦長の顔も、とりわけ怖そうだ。刑務所から精神鑑定のために送り込まれてきた主人公(ニコルソン)は、病院の体制に言いなりで無気力に陥っている患者達に活を入れる。だが、このために看護婦長ににらまれ、さらに何度か騒ぎを引き起こしたため、最後に前頭葉切開手術を受け、廃人同様となり、彼を慕っていた大男のインディアンによって「安楽死」させてもらう。

もちろんこれは単なる精神病院の実態を語っただけが目的ではないだろう。これを現代社会に当てはめれば、「はずれ者、反抗者」は常に「権力」によってつぶされる真実が浮かび上がってくるはずだし、たとえ監督がそう思わなくとも観客は当然それを感じ取るべきだろう。なお、cuckoo を辞書で調べてみると、やはりカッコウ鳥の意味のほかに、「きちがい」の意味があった。・・・資料外部リンク

Directed by Milos Forman Writing credits Bo Goldman Lawrence Hauben Cast : Jack Nicholson .... Randle Patrick McMurphy / Louise Fletcher .... Nurse Mildred Ratched / William Redfield .... Harding / Michael Berryman .... Ellis (1975年)ヒアリングー医者や看護婦のしゃべることばは聞き取りやすいが、患者たちの「ブツブツ」とつぶやく声はどうも・・・

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The Caine Mutiny ケイン号の反乱 00/03/25 

The Caine Mutinyタイトルだけ見ると、あの有名な「バウンティ号の反乱」を思い浮かべそうだが、艦長と部下との関係も似てはおらず、また舞台は第2次世界大戦末期のアメリカ海軍なのである。アメリカ海軍の様子を知りたい人はまずこの作品を見るべきだろう。船の中で交わされる会話、雰囲気、上と下と関係、軍紀の守られ方、いずれもこの映画でよくわかる。またイギリス海軍との違いも納得がいくだろう。 このストーリーは名門プリンストン大卒の若い海軍士官が乗り組んだ掃海艦ケイン号(機雷を始末する)の中で、ハンフリー・ボガード扮する歴戦のはずの艦長が偏執狂(いや、判断力のなさ)によって、船を沈没の危険に陥れる事件が中心になって展開する。こうやってみると船の船長、艦長とは、船と乗組員全員の生命という途方もない責任を負わせられているもので、これで無事務めを果たした人にはひたすら脱帽するのみだ。今はやりのマニュアル人間とは全く別世界の人間がいるのだ。なお、主人公のいいなずけに扮する May Wynn のジャズボーカルのうまさに注目。Directed by Edward Dmytryk Writing credits Herman Wouk (novel) Stanley Roberts Cast : Humphrey Bogart .... Lieutenant Commander Philip Francis Queeg / Jose Ferrer .... Lieutenant Barney Greenwald / Van Johnson .... Lieutenant Steve Maryk / Fred MacMurray .... Lieutenant Tom Keefer / Robert Francis (I) .... Ensign Willie Keith / May Wynn .... May Wynn (1954年)そもそも海軍というのは騒音や極度の緊張下でしゃべることを強要されているから、「アイ・アイ・サー」をはじめとしてきわめて明快。但し後半の軍法会議での場面では弁護士と検事の知恵の試しあいがあり、内容的にきわめて高度。

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芙蓉鎮 Fu rong zhen 03/27/00

中国に芙蓉という町(県の下に置かれる行政区を鎮という)があった。1963年、露天商をしているヒロインの玉音(ユーイン)は夫とともに屑米から作った米豆腐の売れ行きがよく、自宅を新築する。だが、うりざね顔で美人の誉れ高い彼女は、独身のガチガチ女である革命委員会の幹部ににらまれ、町にいられないようにされてしまう。この町にも文化大革命の波が押し寄せてきたのだ。彼女は親戚のところにも長居はできず戻ってきたものの、夫は女幹部の暗殺を企てて消され、「富農」の烙印を押されて家を取り上げられ、預けた金も横領され、寺のゴミ掃除をやらされる。一緒に掃除をしたのが、党から追放されたウスノロ陳で、地位や名誉を求めず、まわりからは馬鹿にされるが常に自分を失わない、そして生活を楽しむことのできる男であった。いつしか二人は愛し合い、彼女は妊娠する。だが、自身も一時紅衛兵につるし上げられたこともある女幹部はここでも二人をいじめ、陳は懲役10年を申し渡されてしまう。「死ぬな、牛や馬のように生きろ」というのが陳の彼女へ残した言葉だった。1979年、革命の嵐は収まり、陳は故郷に戻る。家や金も還付され、生まれて息子と共に三人はやっとまともな家庭生活を送ることができるようになった。陳をはじめとして、良心を貫いた者たちは、辛いながら、この10数年を何とか生き延びた。革命のお先棒を担いで、幹部になった者もいたが、時が経ってみると惨めな境遇に逆戻りしていた。大河ドラマ的な傑作である。Directed by Jin Xie Writing credits A. Cheng Jin Xie Cast : Wen Jiang .... Qin,shutian / Linian Liu .... Li, Guigui / Xiaoqing Liu .... Wu, Yuyin (1984年)ヒアリングーすべて中国語(北京語)だが、中国語を習っている人には理想的な、ゆっくりはっきりした発音だ。

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The Goodbye Girl グッドバイガール 03/30/00

The Goodbye Girlこのタイトルは、「さよなら、女よ」ではない。「さよならばかりしている女」だ。この映画のヒロインは男運がないのだ。最初の夫の間には娘をもうけたが、夫は「出世」して去ってしまい、次に同棲したトニーも仕事でイタリアへ行き、もう戻ってこない。3人目はトニーの友人で、彼のアパートに住もうとやってきた。立ち退きを拒否する母子は、やむなくこの男と奇妙な共同生活に。はじめはこの風変わりな俳優をいやがっていた彼女もいつしか惹かれてゆく。ところが彼も「出世」して、シアトルへ映画撮影に行くというのだ。また彼女は別離を耐えなければならないのだろうか?年も33を過ぎて、ミュージカル女優としても体力がついていかなくなった彼女は捨てられる恐怖にさいなまされる・・・Directed by Herbert Ross Writing credits Neil Simon Cast : Richard Dreyfuss .... Elliot Garfield / Marsha Mason .... Paula McFadden / Quinn Cummings .... Lucy McFadden (1977年)ヒアリングーきれいなニューヨーク英語で、登場人物はたいていショービジネスの人間だから歯切れがよい。

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© 西田茂博 NISHIDA shigehiro

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