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今年見た映画つづき(2017年) モンマルトルのピガール広場の屋根裏部屋に住むジョジョはまだ未成年なのに、同じアパルトマンのストリップの踊り子ジェニーに惹かれているが、実は父親が継母と暮らし始めたので、それを嫌って出てきたのだ。 いつも空腹だが、雑誌の販売、彫刻家のモデル、をやって小銭を稼ごうとしてもうまくいかない。ジェニーの元ボクサーの恋人には、馬鹿にされる。そして恋心を抱いた同じ年の少女マリエッタとのデートのお金もない。 何もかもうまくいかないことだらけで、自暴自棄になったジョジョは屋根裏部屋から屋根に上って、この世に悪態をつき、ネオンサインの電球を思いっきり叩き壊す。でも隣人たちが必死に止めにかかってくれ、そして父親も・・・ ➡資料 春桜 ジャパネスク(鈴木清順 オリジナル・ビデオ) 2017/04/07 山道をトラックがやってくる。荷台には満開の桜の木が積まれている。運転している男は、道をふさぐ若い娘に、乗せてくれるように頼まれる。男は桜が大好きで、どこかで余った桜の木を植える場所を探して歩いているのだ。 一方、娘のほうは、犯されてさ迷い歩いていたのだった。男はもし桜の番をしてくれるなら、ずっとトラックに乗せてやるというが、娘は自分を抱くよりも桜のほうが気になる男から何度も逃げ出そうとする。 何回かの逃亡のとき、娘は、男が「桜泥棒」として指名手配されているのを知る。愛想が尽きた娘は本当に出て行ってしまうが、あとを追う男の目の前で、自害して果てる。その跡には若い桜の木が枝を伸ばしていた…➡資料 東京流れ者 Tokyo Drifter 2017/04/08 堅気になって間もないテツだったが、かつての親分倉田への義理は守り続けるつもりでいた。だが、倉田の仇敵たちは金貸しを罠に陥れ、殺す。彼らを押しとどめておくため、テツが殺しの罪をかぶることになり、恋人の千春を残し、倉田の舎弟たちの住む地方に流れることになる。 だが、雪深い庄内では地元のやくざ同士の争いに巻き込まれ、そこをまた離れ、日本各地を流れることになる。そして佐世保にたどり着いた時、倉田が仇敵の要求をのんで、テツを消すことを了承した。思いがけない裏切りに、テツは急遽、上京する。 テツが死んだと知らされた千春が無理やり歌わせられているところで、テツは突然現れ、敵を撃ち倒す。そして倉田の目の前で、縁を切るしるしとして、ワイングラスを握りつぶすのだった。流れ者に女はいない。千春を一人残し、テツは去ってゆく。➡資料 関東無宿 Kanto Wanderer 2017/04/11 落ち目の伊豆組の若い衆、鶴田は何とか組を立て直そうと奔走している。だが、それまでの賭場の衰退を食い止めようとしても、親分や弟分たちの弛みにはなすすべもない。 ある日、自分たちより羽振りの良い吉田組の一人”ダイヤモンドの冬”を訪ねたところ、応対に出たのが、姉の辰子だった。夫と共謀してインチキ花札をやっていたのだが、鶴田はこの女にいやおうなく惹かれてしまう。 だが、吉田組との争いから鶴田は、仁義の道を全うすべく、10年の刑期を覚悟で二人を切り倒した。一方辰子の弟、冬もそそのかされて伊豆組の親分を撃ち殺し、これまた長期の刑を食らうことになる。二人が出るころには世の中はすっかり変わっているだろう。➡資料 野獣の青春 Youth of the Beast 2017/04/27 3年前に、やくざの罠にかかり刑務所にぶち込まれた、元刑事のジョーは、復讐のために野本興業に”就職”する。その能力を認められたあとは、野本興業と敵対関係にあるやくざと連携して、この二つの団体の壊滅を狙う。 ジョーには竹下という警察時代の先輩がおり、謎の心中事件で死んだのだが、彼は他殺の疑いを持っていた。その殺しの犯人はどうやら野本興業の中にいるらしいのだ。そしてそれは社長の愛人の一人であるらしい。 野本興業の幹部に疑われて拷問されたり、九死に一生を得ることもあったが、ついにその真相を明かす機会が来た。昔の警察の同僚の忠告も聞かず、ジョーは単独で、この事件を解決するために奮闘するのだった。➡資料 竹久夢二は、東京で肺の病に侵された女を置いて、金沢に向かう。そこでは湖に沈められた夫をボートで探す女がいた。夫はほかの女との浮気の最中に、その女の夫に殺されたのだという。夢二はその女とねんごろになる。 ところが、その夫は生きていた(またはその幽霊だった?)。そして殺しそこなった男は付きまとい、もう一度殺そうとする。一方、夢二には嫁入りのときに花嫁の着物の片袖を引きちぎって、描こうとした若い女がいた。そのころ東京から、肺に侵された女が金沢まで追いかけてきた。 夢二のために、その女は残ったもう一方の袖を引きちぎり、夢二はその中にインスピレーションを得て、着物の白地に新たな絵を描く。女たちは次々と現れ、自分をモデルにして夢二に描いてもらいたいのだ。➡資料 殺しの烙印 Branded to Kill 2017/05/02 炊きたてご飯が何よりも好きな花田は殺し屋ナンバー3である。ドジを踏んだ仲間に代わって、ある人の護衛を引き受け、何とか成功する。そのあといくつかの依頼を引き受け、自慢のライフルで次々と仕事を片付けていく。 だが、帰り道に拾った女、美佐子に頼まれた件は失敗してしまう。失敗どころか、一連の仕事のつながりがあったため、美佐子は誘拐され行方不明になり、逆にほかの殺し屋たちに狙われることになる。だが、何とかナンバー2,4,5などは片づけた。 しかし、ナンバーワンに狙われた。彼は花田よりはるかに腕が上のようで、常にもてあそばれる。だが、ボクシングリングでの最後の戦いのとき、花田はナンバーワンを消せば、自分が代わりになれるのだと言い聞かせて、暗闇に潜む敵に向かって発砲するのだったが…➡資料 ニューヨークで、ルパンはあるおばあさんと知り合いになる。そのおばあさんによれば、マンハッタンの地下から出土した楔形文字の粘土板が示しているのは、バビロンにはどこかに埋もれた黄金があるのだという。ルパンはさっそく黄金のありかを見つけようとするが、銭形刑事の妨害、ギャングたちに狙われるなど、なかなかはかどらない。 ようやくバビロンで、塔の遺跡を発見し、そこで黄金の獅子をみつける。これで解決したかに見えたが、なんだかその獅子は小さく、物足りない。もしかしてほかにもあるのではないか?その時ルパンにひらめいたのが、マンハッタンの地下だった。 やはり黄金は、そこにあった。しかしハレー彗星が地球に最接近する夜、黄金の塔がマンハッタンの地下から姿をあらわす。と同時に、あのおばあさんの正体がわかって、彼女が故郷に帰るこ夜にあたったのだった。➡資料 探偵事務所23の所長、田島は悪党どもが取引をする際に、さらにその上前をはねる悪党がいることを突き止め、彼らの子分を捕まえた熊谷警部に協力を申し出る。拳銃と偽の証明書をもらった田島はその足で、ガソリンスタンドに偽装した彼らの本部に”就職”する。 だが、すぐに身元がばれてしまい、双方はキツネとタヌキのバカしあいの様相を帯びてくる。悪党どもの女、千秋は実はこのグループから抜けたがっていたが、そこに田島が現れたので、少しずつ彼に協力をするようになった。 盗聴して得た情報をもとに、田島は地下室に潜り込み、そこに隠された銃を突き止めるが、一緒に入ってきた千秋とともに、焼き殺されそうになる。だが、田島の機転で、悪党どもの相打ちをさせることに成功し、警察は彼らを一網打尽にする。➡資料 大金持ちの玉脇はドイツ留学のときに連れ帰ったイネを妻にしたが、帰国後に新たに品子を新しくめとった。イネは病気で死に、品子が正式の妻となったが、たまたま、品子がイネの見舞いに訪れた時に出会ったのが、玉脇の友人で作家の松崎である。 松崎は、品子に心惹かれるが、そのあと偶然にか4回も彼女と会う。だが、イネが死んでも、二人の女の情念の争いに巻き込まれてしまう。夫の玉脇を愛していなくとも、二人とも意地の張り合いで、金沢に出向いても続いた。そして玉脇は松崎が品子と心中するのを見物したいのだという。 子供だけでやっている芝居(陽炎座?)があり、その芝居ではこの二人の女の生きざまが描かれていた。それが明らかになるにつれ、松崎もすっかり飲み込まれて、品子と一緒に心中をしたくなる。品子は自分の魂をほおずきの中に閉じ込めて吐き出した・・・➡資料 戦争直後、荒廃した闇市の中を、アメリカ進駐軍の Miltary Police が巡回する。5人のパンパンは仲間を組み、自分たちの縄張りを守って、生きるために奮戦していた。そこへ復員した強盗殺人者の伊吹が、足にけがをして彼女らの隠れ家に転がり込んでくる。 その荒々しい生き方に、伊吹は女たちの尊敬を集めるようになる。或る夜、仲間の一人が金を受け取らずに寝るという、彼らの掟を破ったためにリンチにかけられる。だが、マヤは実は伊吹にひかれてしまっていたのだ。 マヤは伊吹と寝て、初めて男を愛するということを知るが、同じくリンチにかけられることになる。仲間外れになれば、明日から食べていくことができない。伊吹を唯一の希望としたマヤだったが、橋のたもとに行くと、MPに犬のように撃ち殺された伊吹が残した、出征のときの寄せ書き日の丸の旗が流れていくのだった。・・・➡資料 西鶴一代女 The Life of Oharu 2017/06/02 お春は洛中に両親と暮らしていたが、諸国の青年に言い寄られ、一緒にいるところを見つかって、青年は打ち首に、お春は両親とともに洛外へと追放される。ところが、ある大名に跡継ぎがいないので、側室を募集していて、お春は殿の要望にかなってしまう。 男の子を産んだのだが、正室に疎まれ、暇を出されてしまう。お春の父親が呉服を多量に仕入れて借金漬けになり、返済のためお春は島原の郭(クルワ)で働くことになる。だが、その雰囲気に合わず、花街からも追放されてしまう。そのあと親戚の店に奉公することになるが、郭で働いていたことがばれて居られなくなる。 お春に惚れていて、自分の店を持てるほどの有望な青年に見初められ、結婚して幸せな暮らしが始まった矢先、夫は追剝に殺される。いっそのこと尼になろうとするが、トラブルで誤解され、お寺からも追放されてしまう。 行き倒れになるところを、街の女たちに救われ、自分もその商売を始めようとするが、参詣のリーダーに、「こんな化け猫」の実例だと、みんなの前で説明されてしまう。お寺の羅漢を見て、昔の男を思い出しているところで気を失い、気づくと母親がそばにいた。 自分の産んだ子が成人したのだという。だが、これまでの身を落とした生活のために、子と面会することは許されず、その場を抜け出したお春は、托鉢僧になって、本当に出家していくのだった。・・・➡資料 サンダカン八番娼館 望郷 Brothel No.8 2017/06/06 女性史を研究する三谷恵子は、天草で”南方”に行ったことがあるという老婆オサキに出会う。話を聞きたいが、村人たちの口がうるさくて、なかなか教えてくれない。だが、1週間もするうち、少しずつオサキは三谷に心を開くようになった。 オサキは家庭が貧しく、明治末期13歳で、ボルネオのサンダカンという町の娼館に売られた。そしてほかの若い娘とともに客をとらされる。一度は自分と結婚してくれるという男にも出会ったが、果たせないまま、娼館の女主人が死ぬまで居続けた。 時代は変わり、このような「からゆきさん」は、日本の恥だと受け入れられなくなった。オサキは天草に戻るが、そこには差別の冷たい目があった。満州で結婚をしたが、夫に死なれ、一人息子は嫁を貰って別居している。 三谷は最後に自分の身分を明かすが、オサキはそれまで黙っていたことを少しも責めることなく、受け入れてくれた。三谷はそののちボルネオを訪れ、からゆきさんの墓参りをする。墓はみな日本に背を向けていた。・・・➡資料 さくら隊散る 2017/06/14 ➡進藤兼人監督 日本が戦争に向かって突っ走っていたころ、日本の新劇のグループは、軍部によって解散させられたり、公演の禁止措置を受けたりしていた。なかには、軍隊の慰問に出たり、地方興行に出た劇団もあった。 その中に若き役者、丸山定夫率いる9人のメンバーからなる、「さくら隊」もあった。八月は、中国地方を巡業し8月6日には、広島市内にいた。そしてあの悪魔の閃光を受けたのだった。丸山は他の劇団員によって発見され、園井恵子は、高山象三とともに先輩の家に駆けこみ、仲みどりは東京の母親のもとに帰った。 だが、4人とも脱毛、傷の悪化、高熱を起こして、数日後に死んだ。他の団員は現場で骨となって掘り出された。このドキュメンタリーは、彼らの仲間、後輩、先輩の言葉を随所に入れながら、劇団の姿とその運命を追っていく。・・・➡資料 狼 2017/06/16 ➡進藤兼人監督 矢野明子は戦争で夫を失い、兎口で言葉がうまくしゃべれない幼い息子と二人暮らし。どこにも職が見つからず、ついに生命保険の勧誘員となった。だが、はじめ22人いた新人たちも、次々と落伍し、ついに5人となった。しかも明子の場合はまだ一口も契約が取れていない。 この五人はいずれもどうしようもないところまで追いつめられていたが、お互いに親しくなるにつれて、“強盗”を思いつく。三浦半島の人気のない海岸を通る、郵便車を襲ったのだ。計画は成功し、一人7万円ずつ分け前をもらい、それで借金を返したり、手切れ金を払ったり、家賃を収めたり、そして明子の場合には息子の手術をすることができた。 だが、“素人”強盗であるこの5人はたちまち、警察に探知されてしまう。男3人は次々とつかまり、女一人は自殺し、最後に明子も、息子の手術の経過を見ようと病院にやってきたところに、手錠が待っていた。・・・➡資料 人間 2017/06/27 ➡進藤兼人監督 石積み船「海神丸」の船長、亀五郎は、お盆の前にひと働きしようと、甥の三吉、若い衆の八蔵、そしてたまたまアワビを売るために便乗させてもらった女、ゴロスケを乗せて船出する。ところが嵐に遭遇し、燃料を失い舵が壊れ、船は漂流を始める。 金比羅さまを信じる亀五郎は、食べ物の配給を決め、決して生きる希望を失わないようにと、ほかの3人に言い含める。だが、10日、20日たっても状況は悪くなるばかり。空腹に我慢ができなくなった八蔵はゴロスケを巻き込んで、自分たちに食料を分けるようにと要求する。 だが、結果はもっと悪くなり、八蔵は殺して食うのだと、三吉を刺し殺してしまう。そこへ2回目の嵐がやってきた。亀五郎の予言通り、サンフランシスコから帰港中の船に、ギリギリのところで救助され、三人は命を取りとめる。だが、助けてもらった船の中で、悲劇が待ち受けていた。・・・➡資料 母 2017/06/29 ➡進藤兼人監督 民子の父親は女をつくり、兄、弟、母を残し家を出てしまった。民子の最初の結婚は夫の戦死、2番目の結婚は夫に逃げられ、幼い一人息子は脳腫瘍が見つかった。そこへ母の世話した田島という印刷屋の縁談があった。田島は妻に死なれ、小学生の一人娘がいた。 もう結婚に気が進まなかった民子だったが、息子の治療費を出してくれるとのことで、朝から晩まで仕事に追われる新生活を始める。間もなく母を置いて逃げた父の訃報が届く。そして弟の春夫は生活に意欲がなく、大学もやめてしまっていた。 息子の脳腫瘍の手術は成功したが、再発しあと3か月と告げられる。春夫はオルガンを甥のために買ってやるが、職場でのけんかで命を落としてしまう。そして息子もついに死ぬ。だが民子の体には田島の子が宿っていた。そしてその子をぜひ産みたいという気持ちがわいてくるのだった。・・・➡資料 Les vacances de Monsieur Hulot ぼくの伯父さんの休暇 2017/07/07 フランスで、ようやく一般労働者も、バカンスを楽しめる時が来た。「海辺のホテル」には今年もいっぱいの客が集まってきている。ユーロおじさんも、とんでもない爆音を立ててちっとも進まない自家用車を運転して浜辺にやってきた。 それでも伯父さんの振る舞いが一風変わっているので、みんなから好奇の目でみられている。それでもテニスはうまいし、花火大会を自演したり、お葬式に特別出演したりして、それなりにバカンスを楽しんでいる。 良家の子女も興味を示し、一緒に仮装舞踏会で踊ったりもしている。1泊きりでなく、2週間ぐらい同じホテルに泊まるものだから、宿泊客のあいだも親密になって、長いバカンスの終わりにはお互いに名残を惜しんで去っていく。・・・➡資料 舞台はパリといっても、凱旋門やルーブルではなく、オフィス街。ユロ伯父さんは面接のために巨大ビルに入るが、会議屋良見本市やらをやっている人々の中に紛れ込み、一向に用事を果たすことができない。 パリは、外国人観光客が大勢バスに乗って団体で訪れる。アメリカ人が特に多い。パリの街を、そしてオフィス街も物珍しそうに歩き回る。たまたま、新しいレストランが開店した。だが、直前まで内装工事をしていたために、床板が外れたり、電気画商ーとしたり、大騒ぎ。 それでも夜が明けるまで人々は、飲んで食べ朝のパリに散っていく。ユロ伯父さんはある女性観光客と仲が良くなり、お土産屋で、急遽スカーフを買って、ホテルへ帰るバスに乗った彼女に送り届けた。バスはラウンドアバウトの中をぐるぐる回る。・・・➡資料 ひょうきんなウサギを抱えた初老の手品師(illusioniste)は、パリでの公演の後、英仏海峡を越えてロンドン、そして仕事を求めてイギリスの田舎町へと巡業に出る。さびれた町の酒場で手品をしていると、掃除係の少女アリスに出会い、親しくなる。 手品師が次の町へ移動するとき、アリスもついてきてしまった。ホテルでは手品師はソファの上に寝て、アリスにドレスや靴を買ってやったり、アリスも頑張ってシチューを作って見せたりして、二人の奇妙な旅は続く。 手品師はショーウィンドウの中で演技をするという仕事にありつき、好評を博すが、ほどなくアリスが青年といっしょに歩いているところを見つけてしまう。寅さんのような状況に陥った手品師は、「この世に魔術師は存在しない、ぼくは手品師だ」との書き置きをアリスに残し、ウサギを野に放ち、夜行列車で一人でどこともなく立ち去る。・・・➡資料 Saboteur 迷走迷路 2017/07/25 ➡ヒッチコック監督 飛行機製造会社で働くバリーは仕事が終わった瞬間に、工場の火事に会い、同僚を失う。その直前にある男とすれ違い、その男はガソリンの入った消火器を持っていた。同時に落とした手紙の束からバリーは名前がフライでその宛先も目にしていた。 警察はバリーを事件の重要参考人と断定し、追われる身となる。砂漠に逃げたバリーは盲目の老人に助けられ、一緒に連れ出した彼の姪パットに、はじめは信用してもらえなかったが、サーカス一座にかくまってもらったところから、バリーの協力者そして恋人となる。 バリーはフライの身元を突き止め、裏に巨大な政治組織があり、彼らが破壊工作(Sabotage)にかかわっていることを突き止める。組織の幹部が主催する慈善パーティを抜け出したバリーは、ニューヨーク港での軍艦爆破を知り、フライを「自由の女神」像に、今や恋人となったパットとともに追い詰める。・・・➡資料 若い女で霊術師のブランシュは、金持ちのおばあさんが遺産を残すため、自分の行方不明の甥を見つけてくれたら1万ドルの報奨を出すと聞いて、タクシー運転手のジョージと組んで捜索にとりかかる。 その甥の両親の墓場に行ってみると、不審な焼死をしたことがわかり、ガソリンスタンドの男を訪ね当てて、聞き出そうとするが、過去に何か悪事をしたらしく、逆にジョージたちは殺されかかる。宝石商の甥はなんと札付きの悪党で、妻と組んで誘拐をした身代金を取り立てていたのだ。自宅の秘密の場所に、奪った宝石をシャンデリアにして飾っていた。 彼らの名前と住所を知った、ブランシュはその隠れ家に忍び込むが、見つかって麻酔注射を打たれてしまう。後を追って助けにやってきたジョージは一計を案じて悪党たちを自分たちの隠れ家に閉じ込め、報奨金も盗品を見つけた手柄も得ることになる。・・・➡資料 Torn Curtain 引き裂かれたカーテン 2017/08/09 ➡ヒッチコック監督 アメリカ人物理学者のアームストロング博士は、フィアンセのサラとともに学会に出席するはずだったが、πという人間に接触するため急遽東ベルリンに向かう。わけのわからないサラは同じ飛行機に乗って尾行を試みるが、アームストロングが東側の学者にアメリカの軍事機密を漏らすと知ってショックを受ける。 だが、彼は逆に東側の学者の情報を盗むという目的を持った二重スパイだったのだ。博士はπのいる農場で、自分たちの後をつけてきた監視役の男を殺してしまい、二人は窮地に立たされる。πも含む西側へ逃げる人々の逃走を助ける組織により、彼らは次々とバトンタッチされていく。 東ベルリンへ向かう通常の定期バスを装った偽バス、アメリカへの移住を望むポーランド人の老女、郵便局員、バレー団の一員らに助けられ、一時は劇場の中で万事休すとなるが、「火事だ!」というアームストロングの機転でその場を逃げ出し、無事スウェーデンの港にたどり着く。 冷戦当時、イギリスのチャーチル首相が、自由のない東側諸国との国境のことを「鉄のカーテン the Iron Curtain」と呼んだことから、このタイトルがついたらしい。・・・➡資料 Lifeboat 救命艇 2017/08/12 ➡ヒッチコック監督 第二次世界大戦の大西洋で、主にアメリカ人の乗った船が魚雷攻撃を受け沈没した後、世界を股にかけて取材する女ジャーナリストを筆頭に数人が救命艇にたどり着く。死んだ赤ん坊を連れた女は間もなく身を投げた。ところが、魚雷攻撃をしたドイツ戦艦(U-boat)も沈み、その船長が救命艇に救い上げられた。8人のアメリカ人は海を知らない人ばかりで、ドイツ人船長に頼らずには生きて帰れそうもない。 しかも彼は元外科医だったので、一人の男の片足切断までしてのける。だが、彼が船長であったことを隠し、西ではなく東へ進んで、自国の補給船の助けを求めようとしていたこと、英語を喋れないふりをしていたこと、片足の男が落水したのを救わなかったこと、そしてひそかにコンパスと水と栄養剤を隠し持っていたことが判明し、怒ったアメリカ人たちは彼を海に放り出す。 嵐で食料も水もなくなり、帆も飛ばされてしまった救命艇はあてもなく漂流して、遭難者たちは魚釣りに希望を託す。そこへドイツの補給船が姿を現したのだが、彼らの見ている前で攻撃を受けて沈没してしまった。その沈没船から一人のドイツ兵が泳いで救命艇に助けを求めた…・・・➡資料 Tales of Manhattan 運命の饗宴 2017/08/17 マンハッタンのある有名俳優が上等の夜会服を作らせるが、裁断師がクビになった腹いせに、この服に呪いをかける。この俳優は道ならぬ恋に落ち、彼女の夫から銃撃を受けてしまう。銃弾の穴の開いたこの服は古着屋を通して、結婚式を迎えた新郎の手に渡るが、花嫁は心変わりして新郎の親友の恋人になってしまう。 また古着屋を通して新進音楽家が着るのだが、ステージでわきの下が裂け、物笑いになるが演奏会は無事成功する。またまた古着屋を経て、かつて有名大学を出て腕利きの弁護士だったホームレスが着ることになり、同窓会の会場で自分の過去をさらけ出して新しい社会復帰の一歩を踏み出す。 また古着屋を経て、禁酒運動家が着ることになる。飲み物に何者かが酒を混ぜていて講演会場はてんやわんやとなるが、酔った勢いで募金がわんさと集まった。さらに古着屋からこの夜会服を盗み出した男が、とばく場で金を強奪、軽飛行機で高飛びを試みるが、雷に打たれて4万ドルの札束を入れた夜会服は農地へ落ちていく。 農地で働く貧しい村人たちは、拾った服と金を教会の牧師の指導の下にクリスマスということでお金を分け合い、残ったお金も村の福祉に使えることになる。村一番の貧乏人のじいさんは、何も欲しいものはないが、カラスがうるさいので案山子(カカシ)がいると言い出し、夜会服はようやく最後の居場所に落ち着くことになる。・・・➡資料 Maria Chapdelaine 白き処女地 2017/08/20 マリアは開拓家族の娘だ。カナダのケベックは厳しい自然で、300年前にフランスから移住してきた人々は筆舌に尽くしがたい困難と闘ってきた。マリアは評判の美しい娘に成長し、猟師や伐採を行う有能な男に見初められ、翌年の春に戻ってくると約束するが、クリスマスの夜の嵐で遭難し、死体として帰ってくる。 都会の工場で働く男が、この厳しい自然の土地を離れて一緒に暮らすように勧める。だが、マリアの家族の近所に住む男はこの地に根を下ろし、いっしょに暮らしていこうとマリアに勧める。いずれの方向に進むべきかマリアが迷っているとき、母親が腎臓を患い、間もなく死んだ。 母親の死は、医者もやってくるのが困難な真冬のことだった。葬式の日、司祭は参列者の前で、自分たちの祖先がたどってきた道をこれからも進んでいくべきだと説教をする。これを聞いて、マリアはこの地で生き続ける決心をするのだった。・・・➡資料 リディアと祖母はボストンの上流階級の暮らしを送っていた。リディアが年頃になると舞踏会や社交界に出て、その美貌から多くの男たちに求婚されるようになる。この家の執事の息子で医者のマイケル、同じ上流階級のボブ、リディアが設立した盲学校のピアニスト、フランクそして船乗りのリチャードの4人。 何十年もあと、老境に入ったリディアが慈善団体への功績で表彰されたことをきっかけに、4人が“同窓会”を開くことになる。リディアは若い時の思い出を少しずつみんなに語る。そしてどうして聡明で気立てのいい彼女が結婚をしないでこれまで来たかに、男たちは知りたくてたまらない。 リディアは、ある日突然姿を消した船乗りのリチャードのことが忘れられなかったのだ。ところが、遅刻してやってきたボブは、リディアを見ても誰だか思い出すことができない。彼にとってはリディアは無数にもてあそんだ女たちの一人にすぎなかったのだ。人生なんてそんなものだったのだ。・・・➡資料 Trzy kolory : Niebieski トリコロール/青の愛 2017/09/02 ジュリーは大作曲家の夫と5歳の娘がいたが、交通事故で突然二人を失う。人生に絶望を感じたジュリーは自殺を試みたり、家屋敷をすべて処分しようとしたり、そして夫の残した最後の作品も捨ててしまう。だが、道端で演奏する老人の笛のメロディが、なぜか夫の作曲したものに似ていたのだった。 誰にも知られたくないと、ジュリーはアパートを借りて一人暮らしを始める。同じアパートの娼婦と知り合い、ネズミに怯え、なんとか過去を振り払おうとするが、テレビで夫の友人オリビエが遺作の完成に着手したと知る。そして同時に自分の夫に恋人がおり、子供を宿していることも明らかになる。 だが、オリビエとともに作品を完成させようとしているうちに、新しい人生の展望が開け始め、邸宅も生まれてくる子供のために用意したり、夫の残したメモを手掛かりに楽譜の復元に力が入り始める。そしてそれもオリビエを愛し始めたからだった。・・・➡資料 Trzy kolory : Bialy トリコロール/白の愛 2017/09/09 パリに住む腕利きのポーランド人の理容師カロルは、不能だということで妻のドミニクに離婚訴訟を起こされる。ドミニクを愛していながらトランク一つで追い出されたカロルは、メトロの駅で知り合った同郷のポーランド人の大型トランクに入れてもらい、故郷に舞い戻る。 故郷では心機一転、土地買収の情報をつかんで大儲けをする。再びパリに戻りたいが、ドミニクは相手にしてくれないし、フランス警察に追われる身でもある。そこで一計を案じたのは、遺言状を書いて妻に全財産を譲るということだった。 自分が”死ぬ”ために、どこかから死体を調達し、立派な葬式を執り行った。連絡を受けてパリから急遽やってきたドミニクは、彼の“死”に涙を流し、それを見たカロルはドミニクの泊まっている部屋に忍び込み、不能を克服する。偽パスポートを作ったカロルは、ドミニクの住むパリにようやく戻ってくることができたのだった。・・・➡資料 Trzy kolory : Czerwony トリコロール/赤の愛 2017/09/18 売れっ子のモデル、ヴァランティンは車を運転中、犬と衝突する。首輪の名札から、このリタという犬は元判事ジョセフが飼い主であることが判明するが、彼は犬を飼う気がなくて連れていってもいいという。幸いリタの怪我は軽く済み、7匹の子犬を産んだ。 ヴァランティンは、ジョセフが隣人の盗聴をしているのを知るが、彼女の毅然とした態度で、ジョセフは自首をする気になった。妻もなく孤独な生活をしているジョセフを見て、ヴァランティンは自分の恋人とは違う雰囲気を感じて、興味を覚える。 ジョセフは自分が若いときに恋人に裏切られたこと、そして恋人が死んだあと相手の男を有罪を宣告したことなどを彼女に話し、次第にお互いに心を許すようになる。バランティンはイギリスにいる母親に会うために、フェリーに乗るが大事故を起こし多くがおぼれ死んだ。ジョセフは生存者の中に彼女がいたことを知り、自分が心配する相手を持ったことを感じるのだった。・・・➡資料 H O M E > 体験編 > 映画の世界 > コメント集(50) © 西田茂博 NISHIDA shigehiro |