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今年見た映画つづき(2019年) Taste of Cherry 桜桃の味 2019/02/27 ➡キアロスタミ監督 自殺願望の男が、テヘラン郊外を車を運転して、自分の死後の後始末をしてくれる人を探している。声をかけてもその雰囲気から、だれもそんな頼みごとに乗ってくれる人はいない。やっとヒッチハイクの若い兵士を説き伏せて、山の頂上まで連れてゆき、自分の死体が横たわっているはずの穴を見せようとする、一目散に逃げていってしまった。 次に丘を巡る車に乗ってくれたのは、セメント工場で働く男の友人である神学生だが、自殺は良くないことだと言い、いくら自分が金に困っているからといって、とてもそんな仕事をするわけにはいかないと言って、断ってくる。 3番目に乗ってくれたのは、自然史博物館の職員で、自分の子供が白血病のこともあって、金は欲しいが、自分が自殺しようとした時の経験を話し、生きることがどんなに素晴らしいか、自分が変われば世界はまったく違って見えてくることを男に説く。そして雷鳴のとどろく一夜が明ける。➡資料 Waterworld 95/10 (再)2019/03/11 未来世界では、地球温暖化のために地球全体が水で覆われ、生き残った人類はかつての船舶などの残骸をかき集めて住居を作り、辛うじて生き延びていた。でもどこかに「乾いた土地」があるといううわさがあり、(耳の後ろに鰓ができているほどの)一流の船乗り、マリナーが持ち込んだ土を見て、人々はそれが本当だと思い込む。人々の裏切りで危うく殺されかけたマリナーは、スモーカーというならず者襲来に紛れて逃げおせる。その時マリナーの艇に乗ってきたのが、水売り娘ヘレンと背中に地図を入れ墨している謎の少女エノラだった。 ヘレンとエノラはマリナーが「乾いた土地」に連れていってくれると信じているし、後を追ってきたスモーカーたちも、エノラの背中の地図を解き明かせば、その土地にたどり着けると思っている。スモーカーとの攻防の末、エノラは彼らに誘拐されてしまうが、マリナーは危険を冒して救いに行く。 スモーカー一味をやっつけたマリナーは「乾いた土地」があるなんて思っていない。でも地図の解読が成功し、彼らはついにその土地に到着する。そこはエノラの両親が暮らしていたところだった。一緒にたどり着いた人々は地面に降り立って狂喜するが、マリナーは海の生活が一番だと、一人船出をしていく。➡資料 And Life Goes on そして人生は続く 2019/03/17 ➡キアロスタミ監督 1990年のイランの大地震。キアロスタミ監督の撮影した「友だちのうちはどこ?」から3年後の事だった。監督とその息子は、小さな車で震源地近くの村コケルへ向かう。そこはこの映画のロケをした場所だったのだ。 幹線道路は大渋滞し、親子はわき道に入り、村人たちに道を尋ねながら進んでいく。多くの家族や親族を失った人々は、その不幸にもめげず、がれきを取り除き、再建に向かって働いていた。「神の思し召し」として踏ん切りをつけ、新しい生活を始めようとしていた。 やがて、コケルに近い所にある被災者テント村にたどり着く。そこにはかつての撮影に出演した少年もいた。息子がテレビのアンテナを見て、サッカーの試合を見たいというので、そこに残し、父親は、急な坂道の続く山道を登っていく。➡資料 戦火の続くアフガニスタンで、ソ連の侵攻が終わった途端、今度はタリバンが村に侵入してきた。女たちは仕事に就くことを禁じられ、厳しいイスラムの掟による統治が始まる。少女は、母親と祖母との3人暮らし。家族の中の男はことごとく戦いで命を落としていた。女3人では飢え死にしてしまう。 母親が思いついたのは、娘の髪を切って男に成りすまし、どこかで仕事をさせることだった。夫の戦友だったミルク屋の男に頼み込み、娘に仕事の手伝いをさせる。ようやく食料が手に入ったものの、タリバンは少年たちを集めて軍事教練を開始した。娘も男のなりをして参加させられる。 少年たちは、女だとかぎつけるが、親切な香料売りの少年のおかげでオサマ(男名)と名付けられ、何とかしのいでいく。だが、月経の血が足からしたたり落ちているのを見られ、宗教裁判にかけられる。死刑にはならずに済んだが、タリバンの有力者の花嫁として奴隷生活が始まろうとしていた。➡資料 Monsieur Ibrahim et les fleurs du Coran イブラヒムおじさんとコーランの花たち 2019/04/01 パリの裏通りに住むユダヤ人の少年モモは、母親と兄と別れ父親と二人暮らし。周辺の娼婦たちに手ほどきを受けたりするのだが、食料品店を経営するトルコ人のイブラヒムおじさんと親しくなり、コーランの教えを通じて人生のことを少しずつ学んでいく。 父親が解雇され、モモを残して自殺してしまう。一人残されたモモは母親にも相手にされず、思い切ってイブラヒムおじさんの養子となる。それでおじさんは車を買い、モモを連れて故郷へ戻る旅に出る。スイス、アルバニア、ギリシャ、そしてトルコに入った。故郷はトルコとペルシャにまたがる黄金の三日月地帯であった。 麻薬栽培の危険な場所で、イブラヒムおじさんの車は爆破され、モモは一人残されることになる。パリに戻ったモモはイブラヒムおじさんのの遺言によって店を受け継ぎ、コーランの教えに沿って暮らしていくのだった。➡資料 The Wind will Carry us 風が吹くまま 2019/04/03 テヘランからやってきたテレビ取材班が、 丘のてっぺんに行かないと携帯が通じないような、大変な山奥にある村を訪れる。そこでは珍しい葬式が行われるということだ。だが、危篤と聞いていたおばあさんは体調を取り戻し、なかなか死なない。取材班のボスは、ほかにすることもなく2週間が過ぎ、他のメンバーも寝てばかりいる。 それでも村人の親切が身にしみた。ただでミルクを分けてくれたり、道案内をしてくれた小学生、村のカフェを経営するおばさん、10人目の子供を産んだばかりの母親、墓場で一人で穴を掘る男、みんな取材班を客人として迎えてくれたのだ。 テヘランのテレビ局から、もうやめて戻って来いという命令を受けていた矢先、墓堀男が生き埋めになり、救出で知り合った医者から、老衰のおばあさんのための鎮静剤を手に入れる。おばあさんはやっと死に、村の女たちが集まってきた。取材班のボスは、彼らにカメラを向けるのだった。➡資料 フランスの美しい田園地帯に母親と暮らすミル。母親が突然に亡くなり、ミルの住む村に都会から子供や親せきが次々と詰めかけてくる。遺言状が公開され、子供たちに遺産分配されるのだが、屋敷も土地も売却しないと現金化することができない。そうなれば自然児であるミルは住むところを失ってしまう。 この日突然、パリで一大ストライキが起こる。この五月危機でドゴール政権は危機に見舞われ、ゼネストが全国に広がった。母の埋葬も葬儀屋のストのためキャンセルされ、家の前の大木の根元に埋められることになった。それどころか革命の火の手が上がったと思い込み、葬式の参列予定親族はみんな山の中に逃げ込む。 久しぶりに子供たちやその配偶者たちが集まったことで、お互いに恋や確執が起きたが、一夜明けてドゴール政権の安泰が伝えられ、彼らは和やかに葬儀を行い、遺産分割の事は忘れたかのように、にこやかに別れを告げ、ミルは一人田舎家に残るのだった。➡資料 Looking for Jackie カンフーキッド 2019/04/14 インドネシアに住む華僑の少年チャンは体育が得意だが、自国語である中国語の成績がすこぶる悪い。だが、北京に住むおばあちゃんのところで特訓を受けるのはいやだ。そこへあこがれのジャッキ・ーチェンが北京のお寺にやって来るというニュースを聞き、弟子にしてもらいたくて北京空港から直接会いに行こうとたくらむ。 ろくに漢字が読めないために、最初に行ったお寺は間違っていたし、次のお寺に向かうときに駅で財布を掏られ、悪人どもに人質にとられてしまう。捕まえるために奮闘した婦人警官は、チャンのおかげでけがは軽く済んだ。今度はジャッキーの映画のエキストラになるが、本人に会えることなく追い出されてしまう。 チャンがまるでジャッキーに夢中なのを心配したおばあちゃんは、直接ジャッキーに掛け合って、何とか孫をとりなして欲しいと頼み込む。チャンはジャッキーがスタッフたちと猛練習をしているところを見ることができ、一緒に写真を撮ってもらうが、中国語の試験を合格したならその写真をあげると言われてしまう。➡資料 Red Sorghum 赤いコーリャン 2019/04/21 貧しい村の娘(ナレーターからみた祖母)が金に目がくらんだ親のために、酒造りを営むハンセン氏病の男のところに嫁に行く。だが男はすぐ死に、彼女は跡を継いで従業員たちを率いて酒造りを始めることになる。コーリャン畑で彼女をレイプした男が夫(祖父)となり、優れたコーリャン酒を造り始めた。 夫婦の間に男の子(父親にあたる)ができた時、日本軍が進駐してきた。人々は強制労働に駆り出され、抵抗する人々は捕まえられた。その中には共産党員であった元従業員もいた。日本軍の生皮をはげという命令に従わなかった人たちは殺され、酒造りの会社の一同は復讐を誓う。 日本軍のトラックの通る道に火薬を仕掛けた彼らだったが、息子の知らせで食事を作って運んできた彼女は日本軍に見つかり、機銃掃射される。トラックの破壊は成功したものの、現場には従業員たちの死体がころがっていた。➡資料 ローマの富裕な父親を持つ娘のアンナはサンドロと恋仲であったが、彼の浮気癖を繊細な彼女は耐えられなかった。別れ話が出てくるころ、アンナの親友であるクラウディアやほかの友達と連れだってシチリア島近くの小島に上陸し、水泳や潜水を楽しむ。 ところが、突然アンナが行方不明になってしまった。事故で岩から海に落ちたのか、自殺して飛び込んだのか、ひそかに島を抜け出したのかまるで分らない。サンドロもクラウディアも必死になって探し、アンナをどこかの田舎町で見かけたといううわさを頼りに、探しに行く。 そしてサンドロはクラウディアとともに探すうち、親近感が恋情に変わってしまう。アンナのことが気になっていたクラウディアであったが、次第にサンドロに惹かれていき、愛し合うことに幸福を感じてしまう。そしてサンドロの浮気がばれたあとでクラウディアのとった行動とは…➡資料 ブリティッシュ・コロンビアの山中、クマの親子が蜂の巣を食べていたが、山崩れが起こって母親クマは死ぬ。残された子熊は山の中をさまよい、肩を銃に撃たれた大きなクマと友達になる。やがて傷は治り大熊は子熊の面倒を見て獲物を取る助けをしてやる。 大熊を逃したことで、執拗に追う猟師たちは犬を連れて大熊を岩山に追い詰めるが、かえって犬たちがやられてしまう。そしてうろちょろしていた小熊は猟師のジャケットで捕らえられ、キャンプでつながれてしまう。 翌日は何としても大熊を仕留めたい猟師たちだったが、一人が銃を持たずに水くみに行ったところ、この大熊に遭遇。彼はまず間違いなく殺されるところだったが、不思議なことに熊は手を出さずその場を去る。その猟師はクマを殺すことをやめた。無事脱出した子熊はめでたく大熊と再会できた。➡資料 ここは社会の最下層の住む宿屋。アル中、コソ泥、その他あらゆるどん底人間たちがうごめき、さらに悪いことにその宿屋の主人はとんでもない強欲男だった。ここに住むパペルは父親譲りのコソ泥だったが、借金で破産した賭博狂の男爵の家に忍び込み、たまたま話が合って無二の親友となる。家を失った男爵はこの宿屋に転がり込んできた。 パペルは宿屋の主人の妻の妹ナターシャを恋していた。宿屋を管轄する監督官がナターシャに目をつけデートに誘うが、彼女はこれを機にパペルへの気持ちをはっきりさせる。監督官を抱き込むつもりだった宿の主人はそれを怒り、ナターシャを折檻しようとするが、普段から彼に恨みを抱いていた宿の住民たちに殺されてしまう。 事件後、男爵はこの宿が居心地がよく、草むらに寝る幸せをパペルから学んだ。宿の主人殺しの嫌疑をかけられたパペルは釈放され、ナターシャとともに宿を出て新生活に向かうことになった。(最後の場面は「モダンタイムズ」を彷彿とさせる)➡資料 Pas sur la bouche 巴里の恋愛協奏曲 2019/06/10 ➡Allain Resnais 監督 パリに住む、実業家の夫とその妻、夫婦の娘、妻の妹らは茶会を開くが、実はその日夫が契約を結ぶ相手はアメリカ人で、妻の一番目の夫だった。.それが秘密にされていたので、厄介なことになった。彼はキスが嫌いで、そのくせ復縁を望んでいる。 一方、娘のほうは新進芸術家にあこがれていて、ぜひ恋人になりたいと思っていたのだが、結婚するつもりはないとすげなく断られてしまう。妻の妹はオールドミスで姉の恋多き生活とはまるで逆だ。 友人のおかげで密会に最適なアパルトマンが見つかり、それぞれ下心を持っていた男たちはお互いに連絡もなく一斉に集まり、3組の男女は大混乱に。オペレッタ。原題は「唇に(キスは)ダメ」。➡資料 短編集 アラン・レネ5編 2019/06/15 (Allain Resnais 監督)
Les herbes folles 風にそよぐ草 2019/07/25 (Allain Resnais 監督) 歯科医の女が、靴を買った後、かばんをひったくられる。カバンの中の財布を拾って届けてくれた初老の男は失業者。妻や娘の前で肩身の狭いを思いをして暮らしていたところに、こんな小さな事件が巻き起こった。 だがこの男少し変質的なところがあって、女に会いたいと言い出し、手紙を出したり、彼女の家を見つけ出して、車のタイヤをパンクさせてみたりする。彼女は警察に届けたのだが、何か気になり、男が映画館を出てくるところを待ち伏せしたりして、二人の(恋人ではない)新しい関係が生まれる。 女は単発飛行機を操縦するのが趣味だった。人の口の中を覗き込むのにウンザリしたある日、彼女は男とその妻を遊覧飛行に招待する。飛行機は高く飛びあがり、彼女は彼に操縦をちょっと試してみないかと言った…➡資料 La Marseillaise 2019/07/30 (Jean Renoir 監督) 1790年、前年のパリでの暴動を伝え聞いたマルセイユの若者たちは、その新しい思想に熱狂し、貴族を倒し王を追放し外国軍隊の侵入を阻止すべく、500人の義勇兵を組織する。その時にどこかから聞こえてきたのが、ある勇ましい軍歌だった。 彼らは故郷を出発した。この軍歌を歌いながら北上し、パリでは熱烈な歓迎を受けた。折からルイ16世は議会に連れていかれ、王位から追放されようとしていた。だが、王家を擁護する人々、革命軍内部での意見の分裂、そしてプロシアの脅しと非常に難しい情勢にあった。 王が宮殿から連れ出されると、国王の軍隊が、革命軍に発砲して、多数の死傷者を出した。だが、パリの市民たちは自分たちで組織を作り、その軍隊に対抗し、人民の政府を作る一歩を踏み出した。だが、外国の軍隊がパリまで迫っており、マルセイユの義勇軍もそれを撃退するために出陣していく。➡資料 French Cancan 2019/08/11 (Jean Renoir 監督) モンマルトルで、カフェを営むダングラールは人々が熱狂できるようなダンスのショーができないものかと思案していた。だが、今の店の経営も傾き、借金取りが催促に来るくらいだったので、周りは誰も相手にしなかった。 ある日、ダングラールは非常に踊りの巧みな洗濯女の小娘、ニニを発見する。彼女の才能を見て、レッスンを受けさせ、「フランス式のカンカン踊り」を始めようとする。知人らから資金を受けようとするが、なかなか大変だった。そこへ外国の王子がパリに遊学に来ていて、ニニに一目ぼれをしてしまう。 王子の資金支援を得て、ダングラールは女優たちや歌手たちを引き付け、次第にチームワークを固めていく。モンマルトルに真っ赤な風車が作られ、「ムーランルージュ」はニニの熱演で、大盛況を引き起こす。➡資料 Swamp Water 2019/08/24 (Jean Renoir 監督) フランス人監督が作った西部劇。ジョージア州のある田舎町の郊外に、底なし沼や毒蛇やワニのうじゃうじゃいる湿地帯があり、一人で行った者は生きて帰れないとされていた。若者のベンは迷い出た愛犬を探しに単身沼に出かけ、犬は見つかったが、殺人犯として追われているキーファーに捕まってしまう。 キーファーが毒蛇に咬まれたのを助けたため、二人は友人となり、豊富な獲物でトムはたくさんの毛皮を手に入れる。そしてキーファーは身よりもなく苦労している自分の娘ジュリーのためにベンに助けてくれるよう頼む。だが、ベンが前の恋人との喧嘩から、キーファーを沼地にかくまっているのではないかといううわさが広まってしまうが、ベンは決して口を割らない。 自分の両親のもとに出入りしている怪しい男を問い詰めたところ、殺人の真犯人が別にいることが判明。ベンの尽力でキーファーは無実となる。ベンは単身、沼地に出かけ、罠ではないかと怪しむキーファーを連れ出しに行く。だが、真犯人の兄弟が森の中で待ち伏せしていた…➡資料 Le petite teatre ジャン・ルノワールの小劇場 2019/08/28 (Jean Renoir 監督) Le dernier reveillon 最後のクリスマスイブ:クリスマスのお祝いをしているレストランにやってきた浮浪者が食べ物とコートを恵んでもらって、セーヌ河畔に野宿している妻のもとに持ち帰るが… La cireuse electrique 電気床磨き機:電気製品狂いの妻が、夫にねだって床磨き機を買ってもらうが、つるつるの床に滑った夫は死去し、二番目の夫は機械の音がうるさいと窓から機械を投げ捨てる。それを見た妻は、抗議を示すために… Quand l'amour meurt 愛が死に絶えるとき:ジャンヌ・モローによる歌唱。 Le rod d'Yvetot イヴトーの王様 :老船長は農園を持ち、ペタンクに熱中する悠々自適な生活だが、あまりにも若い妻がいる。愛犬の診察にやってきた男に惚れてしまった妻は、夫の外出中にその男と密会してばれてしまうが、夫は寛容の精神を発揮し…➡資料 Woman On the Beach 浜辺の女 2019/08/30 (Jean Renoir 監督) スコット中尉は自分の船が機雷にぶつかり沈没したトラウマから抜けきれない。復帰して浜辺を馬で散歩しているとき、難破船のそばで薪を集める女ペギーに出会う。婚約者がいるにもかかわらず、彼は彼女の不思議な魅力にひかれるが、ペギーには失明した画家トッドという夫がいた。 トッドは過去の名声にとりつかれ、自分を守ってくれる妻に執着していた。恋に落ちたスコットはトッドが見えないふりをしているのではないかと怪しみ、そのせいでトッドは崖から落ちてけがをしてしまう。しかしトッドがペギーを虐待しているかのように見たスコットはわざと、トッドを荒れた日に釣りに連れ出す。 二人の海上での対決は、ペギーがいち早く救難の通報を行っていたために中止となった。しかしこれがきっかけでスコットは自分の執着に気付き、自分自身も妻も自由にしようと、莫大な価値のある自分の描いた絵もろとも自宅に火をつける。➡資料 This Land is Mine 自由への闘い 2019/09/05 (Jean Renoir 監督) 第2次世界大戦中、ヨーロッパのある小さな町に、ナチスが占領軍を送り込んできた。人々の中にレジスタンスに従事する者があり、鉄道の爆破など、サボタージュが相次いだ。ドイツの司令官は躍起になって犯人を見つけ出そうとした。 マザコンで、同僚からも生徒からも臆病な教師と見られていたアルベールも身近にサボタージュ犯人がいるらしく、その中に巻き込まれるが、深くかかり合う勇気はない。ところが、母親がふとしたことで犯人の名前を漏らしたために、実行犯はドイツ軍に射殺され、それを苦にした仲間が自殺する。アルベールはその自殺した現場に来てしまったのだ。 アルベールによる他殺と思い込まれ、裁判では有罪となる可能性が高かったが、アルベールは獄中、ドイツ軍司令官からの訪問を受けて、そして牢屋の窓から自分の尊敬する先生が銃殺されるのを見て、逆に勇気をもらい、銃殺されるのを覚悟の上で、法廷で堂々と占領軍とその占領軍を利用して儲ける地元の有力者について弁論を述べ立てる。➡資料 Drunken Master Two 酔拳Ⅱ 2019/09/09 拳闘家の父を持つフォンは患者のために薬用ニンジンを手に入れるために遠出をするが、列車の中で税金を取り立てられる、ごたごたに巻き込まれ、ニンジンを失ってしまう。その代り、どこかの古代の王が使っていたらしい印章を持ち帰ってしまう。 故郷の町で、喧嘩を始めたフォンは母親にせかされて、父親から禁じられている酔拳を使ってしまう。そのためにひどい目に遭い、勘当されかかる。そこへ見知らぬ男たちが、印章を奪い返しに来た。彼らは海外に古美術品を持ち出そうとする外国人の手先だったのだ。 印章の元の持ち主も殺され、フォンの町の鉄工場は従業員たちが残業手当ももらえないままこき使われ、父親の土地もフォンの命と引き換えに買収されてしまった。これを黙ってみているわけにはいかない。フォンは一味たちに挑戦し、鉄工場の中で壮絶な戦いが始まる。➡資料 Gentlemen Prefer Blondes 紳士は金髪がお好き 2019/09/15 ローレライはダイヤの大好きだが、憎めない純朴アメリカ娘。親友のドロシーと組んで歌と踊りをやっている。恋人で百万長者のエスモンドとパリで結婚式を挙げるはずだったのだが、彼の父親の反対でドロシーと二人だけでひとまず大西洋を渡ることになった。 船内ではローレライの素行調査のためにやってきたマローン氏とはだまし合いをし、ドロシーと彼は恋仲になってしまい、世界第2のダイヤ業者ビークマンからは妻の持っているダイヤの王冠をせしめようとする。パリに着いて、いざ二人がホテルに泊まろうとすると、エスモンドの父親の差し金で宿泊拒否にあってしまう。 しかしたくましい二人はパリのキャバレーで仕事を見つけるのだが、ダイヤを盗んだという疑いをかけられ裁判沙汰になる。機転を利かしたドロシーのおかげで王冠はビークマンのカバンから出てきて落着、帰りの船内でめでたくローレライとエスモンド、ドロシーとマローン二組の結婚式があげられる。➡資料 Sex, Lies and Videotape セックスと嘘とビデオテープ 2019/09/29 専業主婦のアンは夫婦生活での不安を抱えて精神分析医に通っている。夫ジョンは売れっ子の弁護士、だが二人の触れ合いがない。そこへ夫の大学時代の友人グレアムがやってきた。新しい生活をこちらの土地で始めたいのだというのだ。しかし風変わりな雰囲気にアンは戸惑ってしまう。しかもグレアムは自分が不能だと伝える。 ジョンはアンの妹シンシアと浮気を重ねていた。シンシアはグレアムに興味を持ち、彼の新居に行ってみた。するとグレアムは若い女性に性的な事柄をインタヴューしてビデオテープに収めるのが趣味だった。というよりそれによって不能の代償としていた。好奇心を持ったシンシアはそのインタヴューに応じる。 ジョンの浮気がばれ、離婚する決心をしたアンはグレアムのもとに行って自分もビデオに撮ってもらいたいと申し出る。その中で明らかになったのは、グレアムは9年前の失恋の経験から今のような生活に陥ってしまったことだった。アンはグレアムに元の生活に戻る手助けを申し出る。➡資料 The Last Station 終着駅 トルストイ最後の旅 2019/10/04 ヤースナヤ・ポリャーナの農場に住む晩年のトルストイは、彼の理想を実現しようというチェルトコフの運動に取り組むが、自分たちの財産が持っていかれるのではないかと危惧する妻のソフィアとの不和のため、自分の仕事に満足に打ち込むことのできない状態が続いていた。 そこへチェルトコフから依頼されてモスクワからやってきた若き秘書ワレンティンが農場にやって来る。彼は村にいたマーシャという娘と恋をしたり、トルストイの家族の中の争いに巻き込まれそうになりながら、さまざまな体験をしていく。そして克明な日記をつけるのだった。 あらゆることに口出しをして、邪魔をするソフィアに我慢できなくなったトルストイはついに家出を決行する。だが、南ロシアに向かう途中で気分が悪くなり、小さな駅で高熱を発してしまう。チェルトコフ、ワレンティン、そして大勢の新聞記者たちがやってきた。妻と娘の見守る中、トルストイは死んだ。➡資料 The War of the Worlds 宇宙戦争 2019/10/29 1953年作品。20世紀の半ばごろのロスアンゼルスで突然、空から彗星のような光輝く物体が丘に落ちる。人々は隕石だと当初思ったが、その中から不思議な飛行物体が出てきて、熱線銃で人も建物も焼き払い始めた。 火星人の襲来である。軍が登場して攻撃を始めたが、全く歯が立たない。そしてその物体は世界中のいたるところに次々と着陸し、都市も文明も次々と破壊し始めた。火星人はここを新たな住処にしようとしたのだ。原爆も効果なく、あと6日で世界は征服される。 ロスアンゼルスでは空襲を避けて大勢の人々が避難を始めたが、暴徒たちが略奪の限りを尽くし、一方では教会では信者たちが集まって世界の終わりを祈りとともに過ごそうとしていた。ところが攻撃がやみ、飛行物体が突然墜落した。出口が開き、見えたのは火星人の死体だった…➡資料 海岸の田舎町の製糖工場で働くアルドは、7年間同棲していたイルマに突然愛していないと言われ、娘を連れて放浪の旅に出る。最初はかつての婚約者の家に寄ったのだが、自分がその中に入っていけないと感じて、そこを去る。 ヒッチハイクの途中にガソリンスタンドに寄る。一人で店を切り盛りする若い女はアルドが元機械工で重宝なものだから一緒に住むことを希望するが、アルドの娘を疎んじたので、関係はぎくしゃくし、結局は娘をイルマのもとに返し、自分は新たな放浪の旅に出る。 船舶の仕事についたが、川べりにいた若い女と親しくなる。だが彼女はぎりぎりの貧困に暮らし、金を得るためには何でもしかねない女だった。行き詰ったアルドはかつての町に戻ると、空港建設反対運動が行われており、すでに製糖工場は閉鎖されていた。そこへアルドの姿を見かけたイルマがやってきたのだったが・・・➡資料 Au revoir les enfants さよなら子供たち 2019/12/11 第二次世界大戦中、フランスがナチスドイツに占領されたころ、中学生カンタンは親と別れて田舎にあるカトリック系の中学校に入っていた。校長をはじめとして教員たちはきちんと子供たちをしつけ、戦時中で何もかもが不足する中、子供たちは寄宿生活をしていた。 そこへ新入生ボノが入ってくる。成績は優秀でピアノもうまかったが、カンタンは彼に興味を持ち、ボノの本名からユダヤ人であることを知る。学校の行事で山の中に迷子になったり、本の貸し借りをするうち二人は親しくなる。 だが、悪童たちがひそかに取引をしていた給食係の男がばれて学校をクビになるとドイツ軍に密告し、ゲシュタポがやってきてボノはすぐに発見されて連行されることになった。何人かの子供も摘発され、ユダヤ人をかくまったことで学校は閉鎖された。ドイツ兵に連行される校長は整列している子供たちに「子供たちよ、また会おう」と別れを告げる。・・・➡資料 スイスからパリに帰った富豪婦人レジーナは夫が殺され、行方不明になっている25万ドルの分け前をよこせと男たちにつけ狙われる。スイスで知り合ったピーターという初老の男の助けがなかったら殺されてしまっていただろう。戦争中5人の男が金塊を手に入れてそれを地中に埋めていたのだが、レジーナの夫が独り占めにしていたのだ。 ところが逆に5人の中の3人が次々と殺されてしまう。ピーターはその5人の中の一人の弟だというのだが、レジーナは訳が分からなくなり、だれも信用できない。そしてその25万ドルの行方もまるで分らない。だが、その秘密が、封筒に何げなく貼ってあった切手であることが明らかになる。 レジーナに情報をもたらしたアメリカ大使館の男が、実は彼女をだましていたことがわかり、3人を殺した犯人もわからぬまま、レジーナはピーターが実は犯人で、この金を最初から狙っていたのだと思い込むのだったが…➡資料 The Last Detail さらば冬のかもめ 1997/08 (再)2019/12/23 バージニア州ノーフォークの海軍基地から3人の水兵たちがニューハンプシャー州ポーツマスに向けて出発した。8年の刑に決まり、まだ未成年のメドウーズと護衛のバダスキーとマルホールである。途中ワシントン、ニューヨークを通ってバスと列車を使い一般の客の中を旅が続く。 護衛たちは、些細な罪でこんなことになったメドウーズに同情jと興味を持ち、ビールを飲ませたり、娼家で初体験をさせたりする。彼は日蓮宗の題目「南妙法蓮華経」を唱えることをたまたま転げ込んだ集会で覚えたりする。また黙ってないで主張することの大切さを知る。 バダスキーのカッカとしやすい性格と、マルホールの慎重なやり方は、メドウーズのことを気にかけながら旅の途中の様々なハプニングを切り抜ける。ついにポーツマスに着いてメドウーズを引き渡した時、彼はだいぶ大人になっていたかもしれない。➡資料 男はつらいよ50おかえり寅さん 2019/12/27 渋谷ユーロスペースにて 満男は6年前に妻に病気で死なれ、娘と二人で暮らしていたが、中年になって小説を書き、それが思いがけなく評判になろうとしていた。出版記念のサイン会を開いていたところ、思いがけない人が目の前に現れた。 それは若き日にヨーロッパへ旅立ったあの泉だった。ジュネーブの国連難民高等弁務官事務所で働き、たまたま日本に来ていたのだ。6回忌を終え、再婚を勧められていた満男の心に不思議な思いが行きかう。 妻の死のことを泉にを隠したまま、満男は泉の父親が入っている老人ホームに付き合ったり、さくらと博の住む柴又のとらやに連れていったりする。そしてこんな時”伯父さん”がいてくれたらどんなことをアドバイスしてくれただろうかと、かつての場面を次々と思い出すのだった。 泉がジュネーブに戻る日が来た。成田空港で別れるとき、満男は自分が妻の死を隠していたことを打ち明ける。満男の気持ちを理解した泉は旅立ち、満男も家に帰り、娘から「この数日間はお父さんがどこかに行っていたみたいだった」と言われ、再び新たな生活を始めていく。➡資料 今年見た映画つづき(2020年) Merry Christmas Mr. Laurence 戦場のメリークリスマス 2020/01/14 英国兵のローレンス氏は日本語ができたために、通訳としてジャワにある捕虜収容所で、捕虜たちの管理を行うハラ軍曹の手伝いをさせられていた。収容所のヨノイ指揮官は大勢の捕虜の中から、銃刀に知識のある者を見つける必要があったが、捕虜たちの抵抗にあい、うまくことを進められないでいた。 そこへ新しい英国人捕虜セリエ大佐が連れてこられる。彼も何かにつけて反抗したが、ヨノイは何か惹かれるところがあってセリエを拷問ではなく、穏健に扱おうとする。だが、収容所での日本軍の捕虜に対する扱いは、国際法をまるで無視したやり方であった。英国人たちは、集団で動いているときの日本人を狂気とみて、ハラキリの場面にショックを覚える。 ハラ軍曹もその手荒い扱い方でローレンス氏をひどい目にあわせるが、自分の判断の誤りで無実の彼を苦しめたことを知ると、即座に釈放して「メリークリスマス」の声をかける度量もあった。ヨノイ指揮官のやり方が行き詰まり、捕虜のリーダーが殺されそうになった時、捨て身のセリエが止めに入った。このためセリエは砂埋めの刑で死ぬ。 終戦後、生き残ったハラとローレンス氏は悲惨な過去を乗り越えてこれからも生きていかなければならないことを互いに確かめ合うのだった。➡資料 The Lost Horizon 失われた地平線 1997/08 (再)2020/01/21 英国外交官コーンウェル氏は中国で起きた暴動から英国民を救い出すため、現地の飛行場に派遣されていた。ようやく救援機が到着し、上海に向けて氏と弟、株式仲買人、古生物学者、アメリカ女の5人が飛び立ったのだが、飛行機は東に向かわず、逆に西に向かって飛び続け、パイロットはピストルを突きつけて操縦室に入れない。 長時間飛行ののち、チベットの山奥に飛行機は激突し、パイロットは死んだが、5人はなんとか助かった。その吹雪の中を地元の人たちが救援にやってきた。彼らの住むところはシャングリラと呼ばれ、楽園で5人は歓待を受ける。中庸を重んじ、欲もほどほどにして幸せを実現している国だった。弟を除き、始めは懐疑的だったほかの4人は次第にこの国が好きになっていく。 コーンウェルは実は”誘拐”されたのだ。彼の著書を読んで感銘を受けた若い女サンドラが、彼女の育て親でありこの国の創始者である神父に頼んで連れてきてもらったのだ。年老いた神父は後継者ができたと安心してこの世を去る。ところが弟はどうしてもこの国を脱出したくて自分の恋人、そしてコーンウェルを巻き込んで吹雪の山へ脱出を試みる。しかしその結果は…いったんは現世への脱出に成功したコーンウェルは、超人的な努力で再びシャングリラに戻ろうとする(1937年作品)➡資料 Days of Wine and Roses 酒とバラの日々 2020/01/28 PRの仕事を受け持つジョーは、ある日連れてきた美女の中に混じっていた、秘書をするキルステンに一目ぼれしてしまう。二人の仲はとんとん拍子に進み、結婚して女の子が生まれる。ジョーの仕事は接待が多かったから、いつも酒を飲んで帰ることが多かった。妻のほうは、チョコレートに目がなくていつも食べていた・・・ 仕事から酔って疲れて帰ると、妻は酒を飲まないものだから、彼女に酒を強要していつしか二人は酒浸りになる。ジョーの飲み方はひどくなり仕事をクビになるが、妻も酔って自宅から火事を出してしまう。 ジョーは園芸を営む妻の父親のところに居候している間に、ちょっと酒を口に含んだだけで我慢できなくなり、温室で大暴れをしてしまう。即強制入院。アル中更生会に入って、断酒を進め、仲間の前で自分がアル中であることを宣言するほどまでに回復する。 一方、更生会に入ることを嫌がる妻は家出をして、モーテルに泊まっているところにジョーが迎えに行くが、更生会幹部の忠告を忘れて自分も飲み始め、2回目の入院となる。これで深く反省したジョーは漸くまともな生活に戻るが、妻は行方不明になったり、まだ這い上がることができないでいるのだった。➡資料(ヘンリーマンシーニの名曲が流れる) The Italian Job ミニミニ大作戦 2020/02/03 老金庫破りのジョン、リーダーのチャーリーを含めた7人の仲間たちは、ベネチアのある家に侵入し、床に穴をあけて金庫を運河の中に落とし、まんまと金塊を盗み取る。だが、メンバーの中に、スティーブという裏切り者がいて、逃走中のスイスの山の中で金のすべてを奪われてしまい、ジョンはスティーブに撃たれて死ぬ。 それから1年後、フィラデルフィアに集まった6人は、旧型ミニを巧みに駆るジョンの娘で、やはり金庫を開けるすばらしい才能を持つステラを仲間に入れて、スティーブの大御殿から金塊を奪い返す計画を立てる。メンバーのそれぞれが3台の新型ミニの改造、市内の信号機の制御、綿密な逃走ルートの作成を行う。 だが、彼らの計画はばれてしまい、別の場所に大型トラックで搬出しようとするスティーブとその部下たちを追うことになる。ヘリコプターで追われる中、地下鉄に忍び込んだ彼らは、イタリアのときのように道路に四角の大穴を開けてトラックを地下に落とし込み、まんまと金塊を取り返す。3台のミニは、地下鉄から下水道へ抜けて地上に出て、鉄道の駅に急ぐのだった。➡資料 Le clan des Siciliens シシリアン 2020/02/10 札付きの殺し屋ロジャーはシシリア島出身のマナレーゼ一家に警察からの脱走を手伝ってもらい、ボスのヴィットリオと3人の息子たちの仕事に一枚加わることになる。ただ、息子たちの一人の嫁と抱き合っているところを甥の少年に見られてしまっていた。しかし警察は執拗な追跡を開始していた。 シシリア島の土地を買い占めるのが夢であるヴィットリオは宝石展覧会を襲うことを計画する。ニューヨークにいる同郷の旧友とつるんで、ローマからパリ、そしてニューヨークに向かった航空機をハイジャックして、まだ開通していない高速道路に着陸させ、まんまと宝石を手にする。 だが分け前をすぐにもらえないことを不審に思ったロジャーは計画をめぐらし、息子たちを警察が捕まえるように仕組んだうえで、ヴィットリオに自分に金を渡すように要求する。ヴィットリオの車とロジャーの車は人気のない海岸地帯で落ち合うことになった…➡資料 天国と地獄 High and low 1994/03 (再)2020/02/13 横浜市内の丘の上に豪壮な邸宅が立っており、そこには靴会社の重役であり何とか株を買い占めてトップに立とうという野心家、権藤がまさに乗っ取りを始めようとした矢先、自分の息子の代わりに彼の運転手の息子が誘拐にあい、3千万の身代金を要求される。権藤は思い悩むが、人の命には代えられないと、身代金を出すことにする。 運転手の息子は無事に戻ったが、戸倉警部らは犯人の追及に乗り出す。丘の下に住む住人らしいことがわかり、誘拐された子供の記憶を頼りに、江ノ電沿いの鎌倉市腰越あたりに隠れ家があるとにらむ。だがそこを発見した時、家の中にヘロイン中毒による二人の死体があった。 そこから犯人はそれまで貧しさに苦しんできた、医者のインターンらしいこと、そしてまだ二人が死んでいることを知らないことを突き止めた戸倉警部たちは、「バラすぞ」という偽の手紙で脅し、横浜の雑踏の中を尾行し、犯人が麻薬の売人からヘロインを手に入れ、それをもって腰越の家に向かうところを追跡する。➡資料 釣りバカ日誌 Free and easy 2020/02/16 高松市に住む浜崎伝助は釣りが何よりも好きで出勤前に大物を釣ったりして喜んでいる。新妻の道子さんと二人暮らしなのだが、突然東京本社への転勤を命じられる。栄転のはずなのだが、本人はそれより東京湾での新しい釣りを待望している。 鈴木建設の本社勤めも、持ち前の明るさで人気者に。ある日昼ご飯で同席した背中のまがった元気のない老人スーさんと出会い、釣りの魅力を話して一緒に釣り船に乗ることに。釣りの魅力にすっかり引き付けられたスーさんはこんどは砂浜でのシロギス釣りに連れていってもらう。スーさんは新しい楽しみを見つけてすっかり元気になる。 ところが、スーさんはは鈴木建設の社長だったのだ。始めは隠していたのだが、道子さんと社内で出会ったことからばれてしまい、気まずくなってしまった。伝助の転勤はコンピュータミスであることが判明し、再び高松に戻されることになる。二人は新幹線の中でスーさんに仲直りの電話を掛けたのだった。➡資料 人間の証明 Proof of the Man 2020/02/20 ファッションデザイナー、八杉恭子は少女時代に進駐軍の黒人との間にジョニーという男の子を生み、そのあと大物政治家になる夫との間に郡恭平を産んだ。麦わら帽子を飛ばされた思い出のあるジョニーは父親の助けではるばるニューヨークから恭子に会いに来るが、胸を刺されて謎の死を遂げる。恭平はひき逃げ事故を起こし、被害者の遺体を遺棄したのだが、恭子の助けでニューヨークへ高飛びする。 この事件を手掛けた警察の中で、かつて進駐軍に父親を殴り殺された棟居刑事が、八杉との接点を持ち、彼女の過去を捜査し始める。霧積温泉で恭子を知る老婆から聞き込みをしようとするが、何者かに殺されてしまう。そして恭平を捕まえるためにニューヨークに向かい、現地の刑事の助けを得て追い詰めるが、恭平は射殺される。 恭子は仕事の集大成として参加していたデザイン大賞で優勝した。だがその横に立っていたのは棟居刑事らだった。受賞を辞退した恭子は霧積温泉に向かい、自分が犯した殺人のことを追ってきた刑事たちに告げるのだった。麦わら帽子は霧の濃い谷底に舞っていった。➡資料 H O M E > 体験編 > 映画の世界 > コメント集(53) © 西田茂博 NISHIDA shigehiro |