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コミュニケーションの幅を広げるには、実際にどのくらいの手段があるのかを見てみる必要がある。人間は地球上に一説によれば6000以上の言語、あるいは方言を生み出してきたが、さまざまな条件の下、それ以外にも多様なコミュニケーション手段を出現させた。

そのいくつかは携帯電話などの高度の技術手段によって今やその役目を終わったように思われるかもしれないが、巨大で複雑な技術が災害などには非常に弱いものだから、いつなんどき復権のチャンスがめぐってくるかもしれない。

手話 点字 モールス信号 手旗信号

手話 音声を必要としない手段

手話はろう者のものだけではない。体の編み出すコミュニケーション能力は、ダンスと同じく人々に強く訴える力を持っている。特に無表情な現代人が増えた昨今、体の主張をもっと見直す時期に来ている。

手話は、ひとつの言語として独立した体系になっているのだ。独自の文法を持ち、音声に劣らず強力な伝達力を持っている。音声のほうでは英語が偏った勢力の強さを誇っている今、手話を世界共通語のひとつにする展望があるのだ。

まずは入門書をひも解こう。手話は音声言語と同じく世界中で細かく分かれ、”方言”も生じている。お互いに異なるものは通じ合うことができない。そのため世界共通の手話の形式、「国際手話」が作り出された。

ここに紹介されているのは、「国際手話のハンドブック」で、大杉豊(全日本ろうあ連盟)編である。三省堂から出版されている。

日本人向けの場合は「外部リンクNHK みんなの手話」を参考にしてはじめればよい。

点字 Braille 視覚を必要としない手段

オードリー・ヘップバーン主演の映画「暗くなるまで待って」では、ヒロインが盲目で点字を使うシーンがある。点字は”触角”を使ったコミュニケーション手段である。映画の中で、悪者たちは暗闇では手も足も出ない。接触や、位置感覚にすぐれた人が使いこなすことができる。

外部リンクWikipedia 点字

外部リンクWikipedia フランス語

外部リンクWikipedia 英語

モールス符号 Morse Code

有名な SOS は *** --- *** (トン・トン・トン・ツー・ツー・ツー・トン・トン・トン)である。長い音と短い音だけの単純な組み合わせは、まだ電信機が未発達の状態にあったときは、きわめて便利な通信手段であった。

携帯電話の時代でも、大災害や遭難のときには、懐中電灯やかがり火を使ってもこの信号を伝えることができる。符号に熟達すると、恐るべきスピードで打ち出すことができるし、大量の連続する情報を受信しても余裕をもって内容を書き留めることができる。

外部リンクWikipedia モールス符号

外部リンクアマチュア無線とモールス信号

手旗信号 Flag Semaphore

モールスが音や光の点滅によって伝えるものとすれば、手旗信号は昼間、、比較的近距離であるが音が届かないほどの距離にいるとき、たとえば岸壁から沖の船、船同士などの通信に有効である。

かつてはお城のてっぺんにある特定のマーク(旗、板切れ、布切れ)をぶら下げておき、下のほうに住む家来や農民たちに同時に内容を伝えるのに使われたようである。

外部リンクWikipedia 英語

外部リンクひらがなの手旗

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© 西田茂博 NISHIDA shigehiro

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