英会話の楽しみ

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J / K / L

各項目のspeakerをクリックするとその会話文音声が聞けます

 

Just the place

会話文音声speaker

Tourist E : Will you help me?

Mrs. Akiyama : Yes, I'll be glad to, if I can.

Tourist E : I have been walking and riding all morning, and I am very tired. I wonder if you know any place where I can just sit down and rest.

Mrs. Akiyama : Oh, I know just the place.

Tourist E : Is it very far?

Mrs. Akiyama : No, it's right here.

Tourist E : It looks like a big store.

Mrs. Akiyama : It's a department store.

解説

Just the place ちょうどよい場所

Tourist E : Will you help me? お願いがあるのですが。

Mrs. Akiyama : Yes, I'll be glad to, if I can. はい、わたしのできることでしたら喜んで。

これは I'll be glad to help you, if I can help you. の省略文です。

Tourist E : I have been walking and riding all morning, and I am very tired. I wonder if you know any place where I can just sit down and rest. 私は午前中ずっと歩いたり、、乗り物に乗ったりしたのでたいへん疲れてしまいました。ちょっとすわって休めるところをどこかご存知ですか。

この話が行われているのが正午前なので、時制は現在完了(進行形)となっています。I wonder if SV... は相手にぶしつけでなく質問や依頼をするときに、最初に言う表現です。if 以下は疑問の内容ですから some place の代わりに any place をつかっています。place は単数形です。rest は can のあとなので、名詞ではなく、動詞です。

Mrs. Akiyama : Oh, I know just the place. ええ、ちょうどよい場所を知っていますよ。

この表現でのポイントは、 < just the + 名詞>の使い方です。つまり、「まさに自分の求めにかなう・・・、ぴったりの・・・」という意味を含んでいます。

Tourist E : Is it very far? それはとても遠いのですか。

Mrs. Akiyama : No, it's right here. いいえ、ここです。

副詞 right は here の強調です。

Tourist E : It looks like a big store. 大きなお店のようにみえますね。

Mrs. Akiyama : It's a department store. デパートです。

応用

You're just the man for the job. 君こそその仕事にうってつけの人だ。

This is just the place for our party. こここそわれわれのパーティにちょうどいい場所だ。

This is just the time for your song. 今こそあなたの歌に一番いい時です。

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Just the same

会話文音声speaker

Mr. Butler : I always feel uncomfortable in a Japanese restaurant.

Mrs. Butler : What's wrong?.

Mr. Butler : The table is too small, and the chair is too low.

Mrs. Butler : That's because you're big.

Mr. Butler : Are you comfortable?

Mrs. Butler : I'm all right. Besides, remember we are in Japan.

Mr. Butler : I know that. Just the same I wish they'd make them a little bigger.

解説

Just the same やはり、それはそれとして

Mr. Butler : I always feel uncomfortable in a Japanese restaurant. ぼくは日本の食堂に入るとどうもきゅうくつな思いをする。

「・・・に感じる」は <feel + 形容詞>の文型を用いています。

Mrs. Butler : What's wrong?. 何がいけないのですか。

Mr. Butler : The table is too small, and the chair is too low. テーブルが小さすぎるし、椅子が低すぎる。

Mrs. Butler : That's because you're big. あなたが大きいからですわ。

この表現では、because 節のまえに That's/This is/It's など、”話題になっている事柄”を示す文をつけます。逆の表現は「そんなわけで・・・」、That's why ... となります。

Mr. Butler : Are you comfortable? お前は楽かい?

Mrs. Butler : I'm all right. Besides, remember we are in Japan. わたしは大丈夫です。それに、わたしたちは日本にいるのだということをお忘れにならないでください。

副詞 besides は「前述のことに付け加えて」という意味です。動詞 remember の命令形は「覚えていなさい」というよりむしろ、否定形の「忘れるな」という感じです。

Mr. Butler : I know that. Just the same I wish they'd make them a little bigger. わかっているよ。それはともかくとして、テーブルだの椅子だの、もう少し大きくしてくれるといいんだけどな。

副詞句の just the same は「ある事実や主張が、状況や誰かの意見によって変わってはいない」ことを示す表現です。この場合ですと、「日本の椅子やテーブルが小さいことはじゅうじゅうわかっているが、もっと大きくしてほしいという気持ちに変わりはない」という流れになります。

応用

Just the same you should have apologized to him yourself. それはともかくとして、あなたも彼にあやまるべきでした。

助動詞 should have p.p. は「あとになってしたことを後悔する」気持ちをあらわします。

I went just the same. わたしはやっぱり行きました。

You are dependent on me just the same. それでもやっぱりお前はわたしのすねかじりをしているのだ。

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Keep a straight face

会話文音声speaker

Mrs. Boothe : Well, you are home earlier than I thought.

Mr. Boothe : Do you have any objection?

Mrs. Boothe : Don't be silly.

Mr. Boothe : You know what? There was a sort of stage show at the party.

Mrs. Boothe : I bet you saw pretty dancing girls.

Mr. Boothe : Nothing of the kind. A couple of comedians did an act, and I had a hard time keeping a straight face.

解説

Keep a straight face 笑いをこらえる

Mrs. Boothe : Well, you are home earlier than I thought. 思っていたよりお早くお帰りになったわね。

You are home は現在形になっています。ということは「(すでに帰宅して)家の中にいる」状態を示していることになります。You came home./You went home. などと比較してみましょう。

Mr. Boothe : Do you have any objection? いけないかね。

これは直訳すると「あなたに反対意見はあるか?」という、法廷、閣議などの”おごそかな”場所で用いる表現です。これをわざと夫婦の会話に持ち出しているということは、少しふざけた気分をあらわしているといえます。

Mrs. Boothe : Don't be silly. とんでもありませんわ。

直訳すれば「バカなこと言わないで」で妻が応じています。

Mr. Boothe : You know what? There was a sort of stage show at the party. あのね。宴会でステージ・ショーのようなものがあったよ。

You know what? は「あなたはこんなこと知っているか?」というぐらいの意味で、会話の中で”新しい話題”を導入するとき、あるいは自分の言っている内容を”強調”するときに使います。 形容詞句 a sort of は「一種の・・・」ということで、ほかに適切な表現が思いつかないとき、間に合わせに用います。

Mrs. Boothe : I bet you saw pretty dancing girls. きれいな女の子達が踊ったのね。

本来は I bet that you saw... となります。動詞 bet はもともと「賭ける」という意味で、「きっと・・・」のように、自分の確信の度合いが強いときに用いることができます。

Mr. Boothe : Nothing of the kind. A couple of comedians did an act, and I had a hard time keeping a straight face. 全然そういうものじゃなかったよ。コメディアンが二人でちょっとしたことをやってね、それがおかしかったので、笑いをこらえることができなかったよ。

第1文は There was nothing of the kind. の省略文です。the kind は「その種の(ものごと)」ということで、ここでは dancing girls のことをさしています。形容詞句 a couple of は「2」、または「少数の、2,3の」の意味をあらわします。< have a hard time + Ving > は < have a difficult time + Ving > や < have trouble + Ving > などと同じく、「・・・するのに苦労する」をあらわします。

形容詞 straight は「直線の、まっすぐな→まじめな」という意味を含みますので、keep a straight face を直訳すれば「くそまじめな顔をし続ける」というところです。

応用

All through the show you kept a straight face. Anything wrong? 劇の間ずっと君は笑いをこらえていたね。何かよくないことでも?

前置詞 through の前についている all は強調のためです。第2文は Was there anything wrong? の省略文です。

How can you keep a straight face listening to that? あれをきいてよく笑いをこらえていられますね。

How can you...? という疑問文の形は、「どうやってできるの?→よくできるものだなあ」となり、”感心している”、”いや、できるわけないと思う”などという気分を出すのに用いられます。

listening に使われている Ving は<分詞構文>であり、「聞きながら、聞きつつ」となり、意味上の主語は you となります。前にある名詞の face にかかっているのではありません。

I'm not trying to keep a straight face. I don't think he is funny at all. 別に笑いをこらえているわけではないよ。彼はちっとも面白くないよ。

not ... at all は「まったく・・・でない」という、否定の強調です。

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Keep ... a secret

会話文音声speaker

Mr. Ota : Good evening, Mr. Dewey !

Mr. Dewey : Oh, Mr. Ota ! It's nice of you to come and see us off, but it's so late at night. We did not want to cause anyone the trouble of coming out here. That's why we kept our departure time a secret. How did you find out?

解説

Keep ... a secret ・・・をかくしておく、・・・を秘密として守る

Mr. Ota : Good evening, Mr. Dewey ! こんばんは。

Mr. Dewey : Oh, Mr. Ota ! It's nice of you to come and see us off, but it's so late at night. We did not want to cause anyone the trouble of coming out here. That's why we kept our departure time a secret. How did you find out? おや、太田さん。わざわざ見送りに来ていただいて恐縮です。こんなに夜遅いのに。ここまで来ていただくのは大変ご迷惑だと思いました。それでどなたにも私たちの出発を知らせずに秘密にしておいたのですよ。それなのにどうしておわかりになったのですか?

<You are nice to V>の文は、nice of you のかたちをとることによって、<It is nice of you to V>に変形できます。このことは nice に限らず、”人の性質をあらわす形容詞(foolish, careless, cautious, kind など)”全般にいえることです。

動詞 < cause O(人) + O(物事) >は「(人)に(物事)を引き起こす」というのが原義です。ですから cause anyone the trouble of ... の直訳は「だれかに(ここに来てもらう)面倒を引き起こす」となります。日本語の発想では生まれそうもない表現です。

成句< keep O a secret >は「 keep O standing (O を立たせておく)」や「 keep O warm (O を暖かくしておく)」などのように、目的語のあとに”補語”をつけるタイプです。O がなく、keep a secret だけなら、「ある秘密をまもる」ということになります。

その他の成句;「see O off 見送る」「「 that's why (これこれが原因だ→)そんなわけで」「 find out (偶然か努力によって)発見する」

応用

It takes one to make a secret. It takes two to keep a secret. 秘密は一人で作る。秘密を守るということは2人の人のすることである。

ここでは take = need であり、< It takes O to V >は、「・・・するのには O が必要」というのがもともとの意味です。

If I tell you what I know, will you promise to keep it a secret? もし私の知っていることをあなたに教えたら、秘密を守る約束をしますか?

what I know = it となります。<promise to V >は「・・・する約束をする」。

I would like to tell you, but I promised her that I will keep it a secret. 教えてあげたいけれど、それを秘密にしておくと彼女に約束してある。

<promise O(人) that SV... >は、「人に・・・ということを約束する」。」

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Keep a pet

会話文音声speaker

Mrs. Tucker : Oh, here's a pet shop. May I stop here a second?

Mrs. Takei : Yes, of course. Do you like dogs?

Mrs. Tucker : I love them.

Mrs. Takei : Do you keep a dog as a pet at home?

Mrs. Tucker : We had one at home in the States, but when we came to Japan, we had to give it up.

Mrs. Takei : We have a watch dog.

解説

Keep a pet ペットを飼う

Mrs. Tucker : Oh, here's a pet shop. May I stop here a second? あらここにかわいい動物のお店があるわ。ちょっと寄ってもいいですか。

There's a pet shop. は”(ある場所での)存在を示す”だけなのに対し、Here's a pet shop. は”目の前にあることを指す”ところに違いがあります。a second は「2番目」ではなく、「(時間単位の)1秒」です。これがここでは副詞的に用いられて、「ほんのわずかな時間だけ」という意味に使われています。

Mrs. Takei : Yes, of course. Do you like dogs? どうぞ。犬がお好きですか。

Mrs. Tucker : I love them. 大好きです。

Mrs. Takei : Do you keep a dog as a pet at home? お宅では犬を飼っていらっしゃいますか。

タイトルにある keep a pet は単に「ペットを飼う」、これに対し keep O as a pet は「O をペットとして飼う」となり、前置詞で”使用目的をあらわす” as が利用されています。

Mrs. Tucker : We had one at home in the States, but when we came to Japan, we had to give it up. アメリカにいるときは犬を飼っていたのですが、日本へ来るとき手放さなければならなかったのですよ。

one = a dog となる代名詞です。the States は the United States of America の略です。そして it = the dog です。one の場合は不定冠詞 a 、it の場合は定冠詞 the がついていることに注意しましょう。

Mrs. Takei : We have a watch dog. うちには番犬がおりますわ。

watch が動詞の場合「見張る」、名詞の場合「見張り」という意味があります。

応用

Midori keeps a turtle as a pet. みどりは亀をペットに飼っている。

Do you like to keep cats as pets? 猫をペットとして飼うのは好きですか。

I hate to keep animals as pets in the house. 私は動物をペットとして家の中で飼うのは大嫌いだ。

小説や映画で有名な「ティファニーで朝食を Breakfast at Tiffany's 」のヒロイン Holly Golightly は、ペットは生き物としての自由を奪われ、飼い主に全面的に依存するから、飼いたくないといっています。

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Keep an eye on ...

会話文音声speaker

Dick : What time is it? I wonder why my mother and father are late.

Masao : Take it easy.

Dick : Masao, will you keep an eye on my suitcase? I want to phone home and find out.

解説

Keep an eye on ... ・・・を見守る

Dick : What time is it? I wonder why my mother and father are late. いま何時?お母さんとお父さんはなぜ遅いのだろう?

<wonder + 疑問詞(if/whether も含む)SV... >は”心配・不安”をあらわします。一方、<wonder that SV... >のほうは”驚き”をあらわすことが多いようです。

Masao : Take it easy. まあ落ち着きたまえ。

この表現は、相手が”恐怖””不安””神経質”な状態に陥っているときに、リラックスするようにと声をかけるときに使います。

Dick : Masao, will you keep an eye on my suitcase? I want to phone home and find out. 正男君、ぼくのスーツケースを見ていてくれない?うちに電話してきいてみる。

動詞句<keep an eye on ... >を直訳すれば「・・・に注意力を釘付けにしておく」となります。複数 eyes なら「(本物の)目玉」ですが、単数 an eye ということは、「視力、注意力、鑑賞力」のような抽象的な意味を持つようになります。

応用

Keep an eye on the baby for a while. しばらく赤ちゃんを見ていてね。

副詞句 for a while は「(そんなに長くない)期間」のことです。

I told you to keep an eye on the dog. 犬を見張っていろっていったのに。

最初の出だし、 <I told you to不定詞>は tell が過去形になっていますので、「(私が前もって)警告していたのに、(あなたがそれを守らなかったから困ったことになった)」という文脈を生み出します。

I can't keep an eye on my brohter all time. 弟の見張りばかりしていられないよ。

副詞句 all time は「四六時中」のこと。否定の not と結びついて<部分否定>を作ります。

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Keep house

会話文音声speaker

Tony : You are always busy, aren't you, Mom?

Mother : Am I ?

Tony : You have to cook, clean the house, wash our clothes, iron them, and go out for shopping.

Mother : Someone has to.

Tony : Is that why you do it?

Mother : Oh, no! I love to keep house for Dad and you.

Tony : You know something?

Mother : What?

Tony : I want to marry a girl just like you.

解説

Keep house 家事をいとなむ

Tony : You are always busy, aren't you, Mom? いつも忙しいですね、お母さん。

<付加疑問>がついています。もし相手が”忙しい”のかどうか知らないなら、Are you always busy? とやるでしょう。でも家族ですから、相手が忙しいことを当然知っています。ただ相手の同意を求めるだけなのが付加疑問です。

Mother : Am I ? そう?

Am I always busy? の省略文です。これも相手に同意を確かめるだけの疑問文です。

Tony : You have to cook, clean the house, wash our clothes, iron them, and go out for shopping. お母さんはお料理をしたり、家の掃除をしたり、洗濯したり、それにアイロンをかけたり、買い物に行ったりしなければなりません。

動詞兼名詞 iron の発音に注意しましょう。この文は動詞が全部で5個使われています。接続詞 and は、4個目と5個目の間です(つまり、最後の手前)。

Mother : Someone has to. 誰かがしなければならないことよ。

Someone has to cook, clean ... shopping. の省略文です。Someone does. ではありません。

Tony : Is that why you do it? だからお母さんが、それをするんですか?

<That is why SV ... そんなわけで・・・>の疑問形です。日本語に訳すと、You do it. が疑問文であるかのように聞こえます。

Mother : Oh, no! I love to keep house for Dad and you. いいえ、とんでもない!私はお父さんやあなたのために家事をいとなむことが好きなのよ。

keep house は成句であるため、house に a をつける必要はありません。これによって house は単なる”建物”ではなく、”家の中で行われるもろもろの出来事”を示すように意味が広がります。名詞形は、これを逆にした house keeping です。

Tony : You know something? こういうこと知っていますか?

この something は、これから述べようとする内容を”予示(ヨジ・ヨシ)”します。相手が聞く体制になってもらうのに、効果的な表現です。

Mother : What? 何?

something を受けて、疑問代名詞 what で返しています。

Tony : I want to marry a girl just like you. ぼくはあなたのような女性と結婚したい。

まだ、社会経験や恋愛経験の乏しい、特にローティーンの少年は、しばしばこんなことを口走りますが、まあ、成長の1段階だと思ってあげましょう。

応用

We are both working and need someone to keep house for us. われわれは共稼ぎをしているので、誰か家事をしてくれる人が必要なのです。

someone to keep のうちの不定詞部分は someone にかかる<形容詞的用法>です。

The woman who is keeping house for us is leaving. 家事をやってくれている人がやめるのです。

動詞 leave を「やめる」ととるか、「出発する、出かける」ととるかは、文脈をよく見極めなければなりません。

I'm busy all day keeping house. I have no time to call balls and strikes for you. 私は一日中家事で忙しいのよ。あなた方のために野球の審判などしている暇なんかありませんよ。

call balls and strikes は直訳すれば文字通り、「ボールだ、ストライクだ、と叫ぶ」となります。

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Keep in mind

会話文音声speaker

Mother : What are you crying about?

Anne : He hit me.

Mother : Who? Dean?

Anne : Yes. He hit me on the head.

Mother : Dean! Did you hit Anne?

Dean : Yes.

Mother : Why did you do such a thing?

Dean : She played with my model train, and something has gone wrong with the engine.

Mother : You must keep in mind that she is much younger than you are.

解説

Keep in mind 忘れない、心がけている

Mother : What are you crying about? なに泣いているの?

もとの文 You are crying about something. を疑問形にしたものです。前置詞 about がないと、動詞 cry と代名詞 something が結合しません。

Anne : He hit me. ぶったの。

動詞 hit の活用は hit-hit-hit とみな同じなので、三単現の -s がないことから、これが過去形だと分かります。

Mother : Who? Dean? 誰が?ディーンが?

Anne : Yes. He hit me on the head. うん、頭をぶったの。

この文は<動作動詞+人+前置詞+ the +体の部分>という、英語独特の分析的な表現で、He hit my head. よりも”ぶったのは分かったが、それはどこの部分か?”を強調しているといえます。他の例;kick me in the leg / look her in the face / catch me by the arm などと、それぞれの体の部分によって使う前置詞が異なります。

Mother : Dean! Did you hit Anne? ディーン!アンをぶったの?

Dean : Yes. うん。

Mother : Why did you do such a thing? なぜそんなことをしたの?

Dean : She played with my model train, and something has gone wrong with the engine. ぼくの模型の機関車で遊んで、機関車が変になっちゃたんだもの。

my model train は遊ぶときの”道具”ですから、前置詞の with が必要です。成句<something is wrong with... >は「・・・が故障している」であり、動詞部分を現在完了の has gone に置き換えると、「・・・が故障してしまった」となります。

Mother : You must keep in mind that she is much younger than you are. アンはあなたよりずっと年が下だということを忘れてはいけませんよ。

動詞句 keep O in mind / bear O in mind は「(役に立つことや、将来自分に影響を及ぼしそうなことや情報)を記憶にとどめておく」ことです。目的語の部分は応用文の場合のように that (=そのこと)を入れることが多いですが、この本文のように in mind のあとに that SV... をおくこともできます。

<much + 比較級>の場合の much は強調の副詞です。また、比較級のあとが you are というように are を添えてありますが、これは she も you も、共に文の主語であり、このふたつを比べているということをはっきり示すためです。

応用

I easily gain weight. I must keep that in mind when eating. 私はすぐ体重が増える。食事をするときそれを忘れてはならない。

gain weight の対立表現は lose weight です。when eathing は when I am eating の省略文です(主語と be動詞の省略)。

We are running a business organaization, not a charity show, always keep that in mind. われわれは会社を経営しているので、慈善のショーをやっているのではない。いつもそれを忘れないように。

目的語を持つ run 、つまり他動詞の場合は「・・・を経営する、運営する、・・・をとりしきる」などの意味になります。ここでの not の使い方は、<A, not B (= not B but A )>であって、否定を優先して訳せば、「 B ではなく、A である」となります。Always keep は命令形になっています。

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Keep one's fingers crossed

会話文音声speaker

Mrs. Boothe : Oh! This is March the fourth!

Mr. Boothe : What's the matter?

Mrs. Boothe : Our passports! They expired yesterday!

Mr. Boothe : No kidding! Yes, they did. Why didn't I think of it earlier? Why didn't you remind me?

Mrs. Boothe : Why didn't you remember it?

Mr. Boothe : O.K., O.K. I'll go to the Embassy today and plead guilty.

Mrs. Boothe : Good luck, dear. I'll keep my fingers crossed.

解説

Keep one's fingers crossed うまくいくように祈る

Mrs. Boothe : Oh! This is March the fourth! あら、きょうは3月4日ね!

Mr. Boothe : What's the matter? どうかしたかね?

What's the matter/the trouble/wrong ? は”何か悪いこと(健康、用事など)”が起こったのではないか、と不安に駆られたときに出てくる言葉です。

Mrs. Boothe : Our passports! They expired yesterday! 私たちのパスポートのこと!昨日で期限が切れたわ。

動詞 expire は、ここでは「(公的)書類がもはや法的効力を持たなくなる」ことです。

Mr. Boothe : No kidding! Yes, they did. Why didn't I think of it earlier? Why didn't you remind me? 本当かい?うん、そうだ。なぜ、もっと早く気づかなかったんだろう?なぜそのことをぼくに言ってくれなかったんだい?

成句 No kidding! 「じょうだんじゃない、ふざけるな」は、動詞 kid 「からかう」から生じたものです。名詞 kid は「子供、ガキ、山羊」のこと。

They did = Our passports expired となります。

動詞< think that SV... >は「・・・と思う」の意味が中心なのに対し、<think of O >は「・・・について考える、思いつく」の意味が中心です。動詞<remind O ( of O / that SV... )>は「人に(・・・を)思い出させる」となりますが、丸カッコの部分はすでにわかっているのであれば、今回のように省略されます。

Mrs. Boothe : Why didn't you remember it? あなたこそ、なぜ覚えておかなかったんですか?

動詞< remember O >は上の remind と異なり、「物事を覚えておく、忘れない、思い出す」の意味になります。

Mr. Boothe : O.K., O.K. I'll go to the Embassy today and plead guilty. わかったよ、わかったよ。きょうは大使館へ行ってあやまってくるよ。

動詞 plead は本来、ask の意味ですが、plead guilty/innocent/no contest という組み合わせになると、裁判(あるいはその他の公的場所における)用語として用いられ、それぞれ「罪を認める・無罪を主張する・抗弁しない」となります。

Mrs. Boothe : Good luck, dear. I'll keep my fingers crossed. しっかりね。うまくいくように祈っているわ。

ここでは動詞句< keep + O + adj./Ving/p.p.>、つまり「 O を・・・に保つ」の組み合わせが利用されています。You cross your fingers. とは「(成功するよう祈願するとき)指を交差させて(おまじないをする)」ことです。これを受動態に変形すると Your fingers are crossed. となり、過去分詞の crossed がこの文で使われています。

応用

This is the big day for you, isn't it? I keep my fingers crossed. 今日はあなたにとって大変な日ね。

ここでは big = important というところです。特定の日ですから a ではなく the が使われています。

Well, I'm going! Keep your fingers crossed for me. さあ、行くよ。ぼくのために成功を祈っていてくれたまえ。

I have a date tonight. / I'll keep my fingers crossed. きょうデートがあるのよ。・うまくいくよう祈っているわね。

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Keep one's hands off

会話文音声speaker

Peter : What are you doing?

Wendy : Can't you see? I'm fixing the dolls for tomorrow.

Peter : What's tomorrow?

Wendy : It's Doll's Day.

Peter : You are just like a little girl.

Wendy : Oh, never mind.

Peter : What's this?

Wendy : Keep your hands off my dolls. They are delicate Japanese dolls. If you ever lay a finger on any one of them, I will never forgive you.

解説

Keep one's hands off さわるな

Peter : What are you doing? 何しているの?

かなりとげとげしい会話が始まります。この質問も何かブシツケに感じられます。

Wendy : Can't you see? I'm fixing the dolls for tomorrow. 見ればわかるでしょ。あすのためにお人形の準備をしているのよ。

直訳すると「見えないの?」とかなり”防衛反応”のつよい言い方です。動詞 fix は「修理する repair 」のほかに「(会見、催し物などを)準備する arrange 」意味もあります。

Peter : What's tomorrow? あすは何?

Wendy : It's Doll's Day. 雛(ヒナ)祭りよ。

Peter : You are just like a little girl. 小さな女の子みたいだな。

年長の女性に対する、こういう言い方は、時として”軽蔑”の気持ちを含むことがあります。

Wendy : Oh, never mind. いいじゃないの。

成句 never mind には「(たいしたことない)気にするな」という気持ちの場合と、「そんなことは話題に取り上げてもらいたくない」という気持ちの場合に大別され、今回は後者に属するといえます。

Peter : What's this? これは何?

Wendy : Keep your hands off my dolls. They are delicate Japanese dolls. If you ever lay a finger on any one of them, I will never forgive you. 私のお人形にさわらないで。デリケートな日本人形なんですから。お人形にちょっとでもさわって傷つけたら承知しないわよ。

動詞句<keep A off B >とは「B に対し A が悪影響や損害を与えないように(両者を)遠ざけておく」ことです。A の部分に one's hands を代入すると、<keep one's hands off B>が出来上がります。また、off が前置詞用法なら、この文の場合のようにうしろに名詞( my dolls )がつきますが、副詞用法の場合には、うしろには何もつきません。

接続詞 if + ever の場合、この ever は「いついかなるときでも・・・ at any time 」という気持ちを表すためについています。

動詞句< lay a finger on O >は、文字通り「・・・に指をのせる」ということで touch に近いですが、”傷つける””叩く”というイメージが伴います。

any one of them = any one of the dolls ということで、ここでの any は ever と同様に、 if と連結しており、「そのうちのどの(人形)であっても・・・」という気持ちを表します。

応用

Keep your hands off my typewriter. わたしのタイプライターにさわらないで。

Keep your hands off my case. 私の事件に手を出さないでほしい。

この文は、刑事同士、あるいは新聞記者同士の会話かもしれません。 ここでの case は「事件、、問題、事情、立場」などの意味を持ちます。case が”入れ物”の意味で使われるときは単独ではなく、 a pencil case/a packing case/ a case of wine のようにほかの単語と結びついていることが多いのです。

Tell him to keep his hands off my sister. 彼に私の妹にさわるなといっておいてくれ。

この動詞句が、実際の品物だけでなく、「ちょっかいをだすな、色目を使うな」にまで意味が広がって使われた例です。

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Keep one's head

会話文音声speaker

Norman : Ouch!

Mr. Dewey : What happened?

Norman : That man who just went out stepped on my toes. May I run after him and punch him in the nose?

Mr. Dewey : Keep your head , Son. I'm sure he didn't mean it.

解説

Keep one's head 冷静を保つ

Norman : Ouch! いたい!

発音注意です。ouch の 'ou' は how の 'ow' と同じ音です。

Mr. Dewey : What happened? どうした?

Norman : That man who just went out stepped on my toes. May I run after him and punch him in the nose? 今出て行った男の人が僕の足をふんだんです。あとを追いかけていって鼻を殴りつけてもいいですか?

動詞句< step on/in O >は「自分の足をある物体の上、またはその中におろす」ことです。日本語で”あいつを踏みつけにする”などというように、英語でも step からは状況次第でさまざまな意味が派生しています。足の指は toe であり、手の指は finger です。

この punch him in the nose は look her in the face /catch him by the hand / hit him on the head などと同じく、<動作動詞+人+前置詞+ the +体の部分>による表現の一つです。

Mr. Dewey : Keep your head , Son. I'm sure he didn't mean it.まあ冷静になりなさい。彼だってやるつもりでやったんじゃないだろうよ。

動詞句< keep one's head / lose one's head >とは「(困難な、あるいは危険な状況の中で)冷静沈着でいる、あるいはあわてて判断力を失う」ことです。動詞 mean は本来の「意味する」のほかに、<mean to V >< mean it >の形で、「自分がやろうと、または言おうと意図している」ことをあらわすことがあります。

応用

Don't lose your head over something like that. そんなことぐらいで理性を失ってはだめだ。

前置詞 over は「・・・について」というように”特定の事項との関連”をあらわしています。

I admire you for keeping your head. きみは冷静を保った。えらい。

動詞句<admire A for B >は「B (という理由)で A (という相手)を賞賛する」ことです。

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Keep one's head above water

会話文音声speaker

Mrs. Dewey : What do you have to do tonight that you can't do in the morning?

Mr. Dewey : The boss wants this report the first thing in the morning.

Mrs. Dewey : I'm sorry you have to push yourself so hard.

Mr. Dewey : If I want to keep my head above water, I'm afraid I have to.

解説

Keep one's head above water 生きている

Mrs. Dewey : What do you have to do tonight that you can't do in the morning? あしたの朝ではだめで、どうしても、今晩やらなければならないことって何ですの。

この文章はちょっと読みにくいでしょう。後半の文は”関係代名詞・目的格”の that を先頭とする文ですが、その先行詞は、いつものようにその直前にある名詞ではなく、疑問代名詞 what になります。これは、もとの文が「 You can't do a thing in the morning. あることは朝にできない」だったのだが、その a thing の内容が不明であるために what の形で文頭に出たからです。

Mr. Dewey : The boss wants this report the first thing in the morning. 社長が、明日の朝いの一番にこの報告を見たいといっているんでね。

副詞句< the first thing in the morning >は「明日の朝、起きてすぐに、または仕事を始めてすぐに」ということです。

Mrs. Dewey : I'm sorry you have to push yourself so hard. あなたがご自分をそんなに酷使するのを見ていると、お気の毒で。

動詞< push O >には「(誰かに)仕事を一生懸命やらせる」という意味もあります。ですから push oneself というのは「自分を仕事に駆り立てる」ことです。

Mr. Dewey : If I want to keep my head above water, I'm afraid I have to. なんとか生計を立てていくためには、こうしてやらなければならないんだ。

動詞句< keep one's head above water >は、文字通りとれば「頭を水面の上に出しておく」ことです。泳ぎに失敗すれば溺れ死んでしまいますから、「かろうじて生きていることができる」とか「多くの問題をかかえながらも仕事を続行する」という意味に転じています。

I have to とは I have to push myself so hard. の省略文です。

応用

Keeping my head above water is no easy task these days. この頃ではなんとか生計を立てるのも容易な仕事ではない。

動詞 is の主語になるために keeping という動名詞になりました。not easy と異なり、no easy は「easy どころか very difficult だ!」という気持ちです。

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Keep one's mind on ...

会話文音声speaker

Eveline : I'm glad we swapped the cars.

Mr. Knox : Didn't you like the other car?

Eveline : The car was O.K. Mommie wouldn't let us talk to the driver.

Mr. Knox : I wouldn't, either. The car is going at a hundred kilometer or more. The driver must keep his mind on the driving.

解説

Keep one's mind on ... 注意を集中する

Eveline : I'm glad we swapped the cars. 車をかえてよかったわ。

「・・・してうれしい」の I'm glad (that) SV... の文章です。ここでの that は弱い because みたいなものです。動詞 swap とは< swap A for B A を B と交換する>の形でよく使われ、同意語である exchange/trade も同じ文型を持っています。かつて swapping は「夫婦交換」という意味で有名になりました。

Mr. Knox : Didn't you like the other car? もう一つの車はいやだったのかい?

この the other は swap the car for the other からきており、全部で”2台”の車を使って移動していることがわかります。

Eveline : The car was O.K. Mommie wouldn't let us talk to the driver. 車はよかったの。ママが私たちに運転手さんに話しかけてはいけないっていうんです。

助動詞 would not には”過去の意志”という表現があり、「どうしても・・・しなかった」となります。また使役動詞の文型< let O 原形>に注意しましょう。

Mr. Knox : I wouldn't, either. The car is going at a hundred kilometer or more. The driver must keep his mind on the driving. 私だっていけないというよ。車は時速100キロか、それ以上で走っているんですからね。運転手さんは、運転することに注意をしなければならないだろう。

第1文は I wouldn't let you talk to the driver, either. の省略文で、ここでも”過去の意志”が用いられています。また、 not + either は”否定内容の繰り返しで、「・・・も・・・ない」となります。第2文は going at a hundred kilometer のあとに per hour が省略されています。前置詞の at が”速度(の割合) at the rate of... ”を表していることに注意しましょう。数字の後に続ける or more は「・・・か、それ以上」となり、or less であれば「・・・か、それ以下」となります。

名詞 mind は「精神的な働きをするもの」のことですから、<keep one's mind on ... >というのは「(ある対象)に向けて、精神的な働きかけを絶えず続ける」ことです。

応用

You'd better keep your mind on your study. 勉強に集中したほうがいいよ。

You'd better keep は< had better 原形>を使っています。

I can keep my mind on the study while listening to the radio. 僕はラジオをききながら勉強にも集中できる。

You cannot drink and keep your mind on the driving at the same time. お酒を飲んで運転に注意を集中することはできないよ。

格言「 You cannot have your cake and eat it too. ケーキを手に持って、それと同時に食べることはできない→両方いいことはできない」の形式がここにも生かされています。

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Keep one's seat

会話文音声speaker

Mr. Goto : Will you take my seat?

Elderly Lady : No! Keep your seat.

Mr. Goto : All right, if you say so.

Elderly Lady : Your kind gesture was kindness enough.

Mr. Goto : This is a pleasant town, and I want to be a part of it.

Elderly Lady : We try to keep it that way, too. Where in California do you live?

Mr. Goto : I just come from Japan.

Elderly Lady : Well, I'll be!

解説

Keep one's seat 着席のままでいる

Mr. Goto : Will you take my seat? おかけになりませんか。

「座る」には動詞として sit down と be seated が有名ですが、単に腰を下ろすなら take a seat 、(自分に座る権利がある)座席に腰を下ろすなら take one's seat を用います。

Elderly Lady : No! Keep your seat. いいえ!席をたたないでください。

これに対し、座ったままで席を離れないでいるなら keep one's seat を、席を離れるなら leave one's seat があります。

Mr. Goto : All right, if you say so. そうですか。あなたがおっしゃるなら。

Elderly Lady : Your kind gesture was kindness enough. あなたの親切なお申し出だけで結構です。

形容詞 kind の(抽象)名詞形 kindness を be動詞のあとにわざわざ使うのは、ひとつの強調表現です。さらに enough まで追加しています。日本語訳では現れていませんが、この英文では was と過去形になっていることに注意しましょう。これは gesture が人前で示す1回きりの動作として扱われているからです。

Mr. Goto : This is a pleasant town, and I want to be a part of it. この街はとても気持ちのいい街なので、わたしも協力しようと思いまして。

後半の be a part of というのは直訳すれば「・・・の一部になる」ということですから、「その場の雰囲気の中に溶け込む」意味を表しています。

Elderly Lady : We try to keep it that way, too. Where in California do you live? 私たちも努力しています。あなたはカルフォルニア州のどこにお住まいですか?

that way は頭についていたはずの前置詞 in が省略された副詞句ですから、「そのようなやり方で」と、<で>がプラスされます。後半の疑問文における in California の位置に注意してください。

Mr. Goto : I just come from Japan. わたしは日本から来たばかりのものです。

副詞 just を入れることによって、現地に来て日の浅い旅行者であることを示しています。

Elderly Lady : Well, I'll be! ああそれはそれは!

慣用句 I'll be はうしろに darned が省略されたものです。動詞 darn は一説によると damn の変化したもので、「呪う、罵る」という、あまり品のよくない言葉なのですが、なぜか話し言葉では、その受動態が”非常に驚いた”ことを示すようになりました。

応用

An old woman came on, but everybody kept their seats. おばあさんが乗ってきたけど、みんな席を立とうとはしなかった。

I'm getting off at the next stop, please keep your seat. 次の駅でおります。どうぞおかけになってください。

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Keep on

会話文音声speaker

Mr. Suzaki : Are you in a hurry to get to your hotel?

Mr. Scott : Not particularly, but why?

Mr. Suzaki : I want to drive some more on this highway.

Mr. Scott : Fine. Keep on going. Now, I see some familiar landmarks.

Mr. Suzaki : Hold your breath. A brand-new hotel to your right.

Mr. Scott : Good gracious! Am I really in Japan?

Mr. Suzaki : You certainly are.

Mr. Scott : Seeing is believing, they say, but the more I see, the more unbelievable it gets!

解説

Keep on 続ける

Mr. Suzaki : Are you in a hurry to get to your hotel? ホテルにつくのを急いでいらっしゃいますか?

句< be in a hurry to V >のかたちで「・・・しようと急いでいる」となります。

Mr. Scott : Not particularly, but why? いいえ別に。でもなぜですか?

I am not particularly in a hurry to... の省略文です。Not particularly は「特に・・・というわけではない」という<部分否定>的な表現です。

Mr. Suzaki : I want to drive some more on this highway. わたしはこのハイウェイをもう少しドライブしたいのです。

more に対する数量・分量表現に注意しましょう。some more/any more/no more の三つが基本表現です。例;Do you want to drive any more on this highway? / I want to drive no more on this highway.

Mr. Scott : Fine. Keep on going. Now, I see some familiar landmarks. いいですね。走り続けてください。ああ、よく知っているランドマークがいくつかみえます。

動詞句 keep on はそのまま< keep on >として使うことも、<keep Ving >や、この本文のように< keep on Ving >の形にすることもできます。いずれも「動作を継続する、または同じ動作を何度も繰り返し行う」ことをあらわします。名詞 landmark とは「自分がどこにいるかすぐ分かるような、高い木、高い建物のようなもの」をさします。

Mr. Suzaki : Hold your breath. A brand-new hotel to your right. すごいでしょう。右側の新しいホテル。

Hold your breath. を直訳すれば「息を(吸って、そのあと出さないで)こらえなさい」で、「次に何が起こるか(心配して、期待して)待ち受ける」という意味に使われます。

Mr. Scott : Good gracious! Am I really in Japan? わあすごい!わたしは本当に日本にいるのですか?

Good gracious! はやや古めかしい表現ですが、驚きを表す間投詞として使われています。

Mr. Suzaki : You certainly are. 確かに日本にいらっしゃいますよ。

You are certainly in Japan. の省略文で、リズムの関係から、certainly の位置が異なっています。

Mr. Scott : Seeing is believing, they say, but the more I see, the more unbelievable it gets! 「百聞は一見にしかず」といいますが、見れば見るほど信じられなくなってきますよ!

間に挟まっている they say とは、「”世間の人”が言っているが・・・」ということです。うしろの文は”比例関係”をあらわす<the 比較級 + SV... , the 比較級 + SV... >を使っており、元になっている文は、I see more. と It gets more unbelievable. のふたつです。

応用

I heard the bell, but I kept on reading. ベルの鳴るのは聞きましたが、私は読み続けました。

He kept on sleeping through the earthquake. 彼は地震もものかはねむりつづけた。

If you keep on drinking like that, you'll get sick. そんなに飲み続けると病気になりますよ。

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Keep your shirt on

会話文音声speaker

Tony : Do you know what happened today?

Father : No. What happened?

Tony : I was almost hit by a ball.

Father : How? Where?

Tony : Coming home from the corner store. I had to walk by the boys who were playing catch.

Father : Didn't they stop playing for you?

Tony : No, they didn't. They kept right on, and as I said, the ball just missed me by an inch.

Father : I trust you kept your shirt on.

解説

Keep your shirt on おちつけ

Tony : Do you know what happened today? きょうは何がおこったかわかりますか?

Father : No. What happened? いや、どうしたんだい?

Tony : I was almost hit by a ball. ぼくはもう少しでボールをぶつけれられそうになったんです。

副詞 almost は「ぎりぎりのところまで」をあらわしますので、これが入ると、実は(わずかの差で)それが起こらなかったことをあらわします。同様にして、 almost all とは「100%に近いが、それでもわずかに足りない」ことです。

Father : How? Where? どうして?どこでだね?

それぞれ How did it happen? / Where did it happen? の省略文です。

Tony : Coming home from the corner store. I had to walk by the boys who were playing catch. 角の店から帰ってくる途中。ぼくはキャッチボールをしている少年たちのそばを通らなければならなかったのです。

Coming home... は”分詞構文”で、 when I was coming home... のことであり、本来は I was almost hit by a ball. に接続しているはずのものです。

Father : Didn't they stop playing for you? 彼らはキャッチボールをやめてくれなかったのかい?

動詞 stop が「・・・スルことをやめる」という意味で他の動詞とつなぐときは< stop Ving >とします。

Tony : No, they didn't. They kept right on, and as I said, the ball just missed me by an inch. いいえ、やめてくれませんでした。彼らは続けました。それでぼくがいったように、そのボールは1インチの差で当たりそこなったんです。

動詞句 keep right on は keep on の間に副詞で強調の役割を果たす right を挿入したものです。接続詞 as は said のあとに the ball just missed me by an inch. と同じ文が続いていることを示すためのもので、”様態”とよばれ、「・・・と同様に」「・・・のように」とあらわされます。動詞 miss はここでは「当たりそこなう、外れる」の意味。前置詞 by は“差”をあらわします。例;She is taller than I am by 2cm. なお、ヤード・ポンド法による1インチは2.54センチです。

Father : I trust you kept your shirt on. お前が落ちついていたと信じるよ。

動詞 trust は、ここでは trust that SV... の形で用いられ、接続詞の that は省略されています。動詞句 keep your shirt on とは、直訳すれば「シャツを着たままでいる→シャツを脱がない」となり、興奮して相手の前で裸になるようでは大ゲンカのような異常事態の発生ですから、こんな成句ができたのでしょう。

応用

You should have kept your shirt on no matter what. どんなことがあってもお前は落ちついているべきだった。

助動詞 should have p.p. は「・・・すべきだった(なのにそうしなかった)」をあらわします。後半は no matter what happened の省略文で、no matter who 「誰でも」、no matter where 「どこでも」、 no matter when 「いつでも」などと同様に、”譲歩”をあらわします。文法での”譲歩”とは「いろいろあっても、結果は同じ」という意味です。

Don't get excited. Keep your shir on. 興奮するな。おちつけ。

目の前でみるみる興奮してしまったときは be excited ではなく、変化を強調する get excited のほうが向いています。

Why didn't you keep your shirt on? きみはなぜおちついていなかったのだ。

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Keep one's word

会話文音声speaker

Mr. Butler : Who do you think came to see me today?

Mrs. Butler : I haven't the slightest idea.

Mr. Butler : Bill Anderson, of all people.

Mrs. Butler : What did he say?

Mr. Butler : Poor fellow, he lost his wallet.

Mrs. Butler : Did he borrow money from you?

Mr. Butler : Sure. I lent him a couple thousand yen.

Mrs. Butler : Did you get an IOU from him?

Mr. Butler : No, but he said he would pay me back tomorrow. He will keep his word.

解説

Keep one's word 約束を守る

Mr. Butler : Who do you think came to see me today? きょう誰がわたしに会いに来たと思う?

do you think の位置に注意してください。これを取り除くと Who came to see me today? となりますが、その返事はどちらの場合でも同じです。つまり、do you think という挿入部分は、「事実を知るというより、あなたの考えをききたい」という気持ちがこめられていることがわかります。このため、文頭に持ってきて Do you think who...? というような疑問文にはしません。これはたとえば、 Do you know who...? などとは違う点です。

Mrs. Butler : I haven't the slightest idea. 全然わからないわ。

ふつう、こういった場合、 I have no idea. といいますが、成句 < not... the slightest+名詞 > や < not... the least+名詞以外 > は否定の強調をするのに用いられます。

Mr. Butler : Bill Anderson, of all people. 人もあろうに、ビル・アンダースンさ。

成句 of all people/things/places とは「特定の人、物事、場所について、それらが”よりによって”偶然に自分の目の前に現れたときの驚きを表す」のに使われます。この文ですと、「いろんな人が自分の目の前に現れるだろうが、まさかビル・アンダースンだとは想像もしなかった」という気持ちが現れています。

Mrs. Butler : What did he say? なんていって?

Mr. Butler : Poor fellow, he lost his wallet. かわいそうに、札入れをなくしたんだって。

Mrs. Butler : Did he borrow money from you? あなたからお金を借りていったの?

Mr. Butler : Sure. I lent him a couple thousand yen. うん。2000円貸してやった。

a couple (of) というのは「2」の意味で使われます。

Mrs. Butler : Did you get an IOU from him? 借入証もらっておいて?

略語 IOU を文章にすると I owe you. となり、直訳すれば「私はあなたに借金している、負債がある」となりますので、これが名詞化して、”借入証”をあらわすようになりました。

Mr. Butler : No, but he said he would pay me back tomorrow. He will keep his word. いや、でも明日には返してくれるといった。彼は約束は守るよ。

成句 keep one's word は「約束を守る」ことですが、「相手に約束をする」ならば give one one's word となり、a man of his word/a womand of her word は「約束をきちんといつも守る人」の意味になります。いずれの word も単数形です。

応用

He is a man to keep his word. 彼は約束を守る人だ。

これは He is a man who will keep his word. ともいえます。

You will keep your word, won't you? 約束は守ってくださるわね。

If I say I will keep my word, I will. 約束を守るといったら守るよ。

後半の部分は I will keep my word. の省略文です。

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Keep out

会話文音声speaker

Luther : What does that sign say?

Masao : It says: Danger! High voltage. Keep out!

Luther : It's a transformer substation, isn't it?

Masao : Yes, it is.

Luther : I think I know what this sign says.

Masao : Well, what does it say then?

Luther : Keep out of the grass?

Masao : Very good! You can almost read Japanese, can't you?

解説

Keep out 立ち入るな

Luther : What does that sign say? あの掲示板はなんて書いてあるんですか?

サインとは「 signature 署名」のことではなく、「(一般人向けの)伝言板」のことです。また、日本語で「(本、手紙、伝言板など)に書いてある」という場合、それは write/be ritten ではなく、「主張している、言明している」ということで say を使うことが多いのです。

Masao : It says: Danger! High voltage. Keep out! 「危険、高電圧、近寄るな」って書いてある。

動詞句< keep out >は「人々に向かって、ある場所に立ち入ったり、入ったりすることを禁止する」のに使われます。

Luther : It's a transformer substation, isn't it? 変電所ですね。

Masao : Yes, it is. そう。

Luther : I think I know what this sign says. このサインになんて書いてあるかわかるな。

単に I know... というのと違って、 I think I know... は少し”謙遜”の気持ちが入った言い方だといえます。

Masao : Well, what does it say then? そうかな、じゃあなんて書いてある?

最後についている副詞の< then >は、if you know it の文を代行しているといえます。

Luther : Keep out of the grass? 芝生に入るなかれ、でしょう?

単なる< keep out >と異なり、keep out of O では具体的な場所を明示しています。

Masao : Very good! You can almost read Japanese, can't you? よくできました。君はほとんど、日本語が読めるっていっていいね。

副詞< almost >を入れると「完全とはいわないが、それでもそれに限りなく近い」という気持ちがこめられます。

応用

Private. Keep out. 私室。立ち入りを禁ず。

多くの人々が出入りしている建物の中などに、よく見かける掲示です。

Laboratory. Unauthorized personnel must keep out. 実験室。無用の者立ち入るべからず。

< authority 権威>から派生した、形容詞< unauthorized >は「公式な承認、許可を得ていない」という意味です。

We do not cater to people like you. Get out and keep out. お前のような人間には給仕してやるわけにはいかない。出て行ってくれ。入ってくるな。

動詞< cater (O) >とは本来、「(ウェイターかウィトレスが)お客に食事を配る」ことですが、< cater to O >となると、それがもっと幅広く使われ、「特定の人々の要求や必要に応える」という意味になります。

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Keep quiet

会話文音声speaker

Mr. Miller : You can hold on for another hour, can't you, Son?

Paul : Oh, I guess so, if you'll play a game with me.

Mrs. Miller : Let's all play a game.

Paul : O.K. I start. What has four eyes and can't see?

Norma : Oh, I know that one.

Paul : You keep quiet then.

Mrs. Miller : Two bats?

Paul : They can see at night.

Mr. Miller : It's a river, Mother.

解説

Keep quiet 静かにしていなさい

Mr. Miller : You can hold on for another hour, can't you, Son? もうあと1時間ぐらいは持ちこたえられるだろうね?

動詞句 hold on とは「(それを遂行することがとても困難なこと)をやり続ける」ことです。この場合だと、(いつも動き回っていたい)小さな子供が、じっと待ち続けたり、乗り物に乗り続けたりしている状況が想像できます。形容詞 another とはもともと、an + other のことですから、うしろに hour をつけると「さらに(追加して)1時間」ということになります。複数名詞にして、「another three hours さらに3時間」も可能です。

Paul : Oh, I guess so, if you'll play a game with me. だいじょうぶだと思いますよ。もしぼくとゲームをしてくれるなら。

Mrs. Miller : Let's all play a game. みんなでゲームをしましょう。

Paul : O.K. I start. What has four eyes and can't see? いいよ。ぼくからはじめるよ。四つ目があるけど見えないものはなあに?

動詞 see はここではうしろに目的語がありません。この場合には「見る能力がある、視力がある」と考えられます。

Norma : Oh, I know that one. それ私知ってるわ。

答えに that だけでなく one も加えてあるのは、「(数多くのナゾナゾの中での)ある質問と特定の答えの組み合わせ a set of a question and an answer 」であることを示したいからでしょう。

Paul : You keep quiet then. ノーマはだまっていて。

話し言葉で Be quiet. が単に「おしゃべりするな、音を立てるな」という意味なのに対し、動詞句 keep quiet/keep quiet about O のほうは「(ある情報を)秘密にしておく」という違いがあります。」

Mrs. Miller : Two bats? 2匹のコウモリ?

Paul : They can see at night. コウモリは夜には見えるよ。

Mr. Miller : It's a river, Mother. お母さん、それはある川のことだよ。

このナゾナゾの答えは Mississippi 、つまりアメリカ合衆国最長の川の名前です。地元のインディアン語から由来したらしい、この奇妙な名前の綴りには、i が4つ含まれています。i = eye という、ナゾナゾでは”同音異義語”を利用したタイプ(駄洒落)にあたります。

応用

Father is at work. Keep quiet. お父さんはお仕事中よ。静かにしていなさい。

ここでの keep quiet の用い方は、先の be quiet を時間的に”引き伸ばした”タイプです。

There is a conference going on in the next room. Let's keep quiet. となりの部屋では会議中です。静かにしていましょう。

こちらの keep quiet も上と同様です。構文< There is S + Ving >に注意しましょう。進行形の A conference is going on とほぼ同じ意味ですが、相手に注意を喚起するのにより適した表現だといえます。

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Laid up

会話文音声speaker

Mr. Pierce : I want to stay up a little longer tonight.

Mrs. Pierce : Do you have to?

Mr. Pierce : While I was laid up with a cold, unanswered letters piled up.

Mrs. Pierce : Can't you answer them tomorrow?

Mr. Pierce : I suppose I can, but I feel guilty.

Mrs. Pierce : Your health comes first. What can be more important than that?

Mr. Pierce : I guess you're right.

解説

Laid up 病床について

Mr. Pierce : I want to stay up a little longer tonight. 今夜は少し遅くまで起きていたい。

副詞 up は「起き上がった、立ち上がった、寝ていない」状態をあらわしますから、get up/stay up/wake up/sit up/stand up などの表現が生まれます。

Mrs. Pierce : Do you have to? そうしないといけないの?

これは Do you have to stay up a little longer tonight? の省略文です。

Mr. Pierce : While I was laid up with a cold, unanswered letters piled up. かぜで寝ているうちに、返事の済んでいない手紙がたくさんたまってしまったんでね。

自動詞「横たわる」の活用は lie-lay-lain であり、他動詞「・・・を横たえる」の活用は lay-laid-laid となります。今回はこの他動詞形による動詞句< lay O up >ですが、ほとんどの場合、その受動態で使われ、<be laid up ( with O ) >という形をとります。「・・・のため、(病気や怪我のため、否応なく)ベッドに寝かされている」状態をあらわし、前置詞 with のあとには、その原因となった”病名”が入ります。

unanswered の反対は answered で、「返事が済んだ」という形容詞用法。動詞 pile は多くの場合、他動詞用法で「・・・を積み重ねる」ですが、この pile up の場合は自動使用法で、「(勝手に、ひとりでに)積み上がっていく」という意味です。

Mrs. Pierce : Can't you answer them tomorrow? 明日ではだめなの?

Mr. Pierce : I suppose I can, but I feel guilty. 明日でもいいけど、なんだか悪いような気がしてね。

形容詞 guilty でよく使われる意味は、「(裁判における)有罪である」ですが、feel が追加されることによって「有罪に感じる→自分が悪いことをしたような気がする、気がとがめる」となります。反対語は innocent で、これにも「無罪である⇔無邪気な」という似たような組み合わせが見られます。

Mrs. Pierce : Your health comes first. What can be more important than that? あなたの健康のほうがたいせつよ。それ以外にもっとたいせつなことがあって?

come first は直訳すれば、「最初に来る」であり、”優先順位”が一番であることを示します。第2文は、「Nothing can be more important than that. それほどたいせつなものは何もない」、または「 That is the most important thing of all. それはあらゆるもので最もたいせつである」の持つ意味を、わざと疑問文(修辞疑問)にしたものです。

Mr. Pierce : I guess you're right. まあ、君のいうとおりだね。

応用

Mrs. Kimura is laid up with rheumatism. 木村さんの奥さんはリューマチで寝ています。

It happened while I was laid up with a cold, so I am not responsible. それは私がかぜで寝ているときに起こったことですから、私には責任はありません。

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The Last Leg

会話文音声speaker

Mr. Thomas : You did fly back, didn't you, from Denmark to Japan?

Mr. Goto : Yes, I did. Denmark was the very last leg of my whole trip.

Mr. Thomas : Then I bet you came back by way of the North Pole.

Mr. Goto : That's right.

Mr. Thomas : What was it like?

Mr. Goto : It was midnight when we passed over the Pole, but it was as bright as midday. The sun was up.

解説

The last leg 最終旅程

Mr. Thomas : You did fly back, didn't you, from Denmark to Japan? デンマークから日本へ飛んでお帰りになったのでしょう?

did fly に使われている do/does/did は一般動詞の強調の印です。

Mr. Goto : Yes, I did. Denmark was the very last leg of my whole trip. そうです。デンマークが私の旅行の最終旅程でした。

名詞の leg は「足」から派生して、「(長い旅行や長距離レースで)(いちどきに)進んだ部分」をあらわします。first/last は一種の最上級ですから定冠詞 the が必要です。

Mr. Thomas : Then I bet you came back by way of the North Pole. では北極を通って帰っていらっしゃたのですね、きっと。

前置詞句< by way of O >には「・・・を経由して」という使い方があります。この会話が行われたころは、ソ連がまだ健在で、自国の領土内(シベリア)を外国の民間機が通ることを拒否したため、ヨーロッパと日本の間は、アラスカのアンカレジ空港経由で北極の上空か、南回りでインド・パキスタン方面を通って飛行したという経緯があります。ロシアになった現在はシベリア上空を飛んでいます。(大圏コース:参照)

Mr. Goto : That's right. そのとおりです。

Mr. Thomas : What was it like? どうでしたか。

What was it? が「それは何でしたか?」と具体的な’単語’の提示を求めているのに対し、What was it like? は本来、It was like a dream. とか It was like a paradise. のように、前置詞 like のあとに、’たとえ’になるようなぴったりした言葉を入れて説明してくれるのを求めますが、そうそう適当な言葉が見つかることは少ないので、「ああだった、こうだった」と文章をいろいろ連ねることになります。

Mr. Goto : It was midnight when we passed over the Pole, but it was as bright as midday. The sun was up. 北極の上をすぎたとき、ちょうど真夜中でしたが、まるで日中のように明るいでした。太陽が高くのぼっていました。

前置詞 over は「・・・の真上を」という意味で使われています。

応用

Is this your first stop? / No, This is the last leg of my trip. ここが最初にお立ち寄りの地ですか?・いいえ、最終旅程です。

旅行途中の、ひとつのleg の出発地と到着地が stop ということになります。

Tokyo was the last leg of my previous tour. 前の旅行では東京が最後の旅程でした。

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Laugh about

会話文音声speaker

Mr. Goto : May I go in here? I want to buy some stationery.

Helen : Certainly. What are you laughing about?

Mr. Goto : Look at these cards. There are funny maxims on them.

Helen : "Wrong no man and write no woman."

Mr. Goto : "Work eight hours--Sleep eight hours. But not the same eight hours."

Helen : There's a bit of truth in all these things.

解説

Laugh about 笑う

Mr. Goto : May I go in here? I want to buy some stationery. ここにはいってもいいですか。文房具を少し買いたいので。

綴りに注意。stationery は名詞で「文房具」、stationary は形容詞で「動かない、ジッとした」です。「駅 station 」は後者の名詞形と考えられます。

Helen : Certainly. What are you laughing about? どうぞ。何を笑っていらっしゃるのですか。

次の会話で述べる成句の< laugh at >と異なり、< laugh または laugh about O >は、「(自分が自然な笑いの感情に満たされて、多くの場合声を上げ、ニコニコ顔になって)笑う」ことです。悪意はないのです。

Mr. Goto : Look at these cards. There are funny maxims on them. このカードをごらんなさい。おかしな処世訓が書いてあります。

proverb が「人生一般に対する忠告」を含んだものであるのに対し、maxim のほうは「分別ある行動のための規則」という方向に重点が置かれています。

Helen : "Wrong no man and write no woman." 「人(男)に悪いことをするな。女の人には手紙を書くな」

この文は命令形であり、write が動詞であることはすぐわかると思います。ですから、この場合の wrong は、形容詞「悪い、間違っている」ではなく、動詞です。<wrong 人>という形で「(人を)不適切に扱ったり、判断したりする」ことです。蛇足ですが、(自分が恋した)女に手紙を書いていけないのは、それが後で脅迫される材料になりかねないからでしょうか?熱い気持ちは、すべて口頭で伝えるべきなのでしょう。

Mr. Goto : "Work eight hours--Sleep eight hours. But not the same eight hours." 「8時間働き、8時間眠りなさい。ただし、同じ8時間ではいけない」

時間を過ごすときの中身の濃さについて述べているのでしょうか。24時間の残りの8時間のことも気になります。

Helen : There's a bit of truth in all these things. それぞれちょっぴり真理がふくまれていますね。

「ちょっぴり」というような文脈では、< a (little) bit + 形容詞・副詞>と<a bit of + 名詞>の二つのタイプに分けられます。この場合は後者です。その”名詞”というのは、(物理的な意味での)物体ではなく、truth/imagination/tension など、抽象的なものが入ります。

応用

What were you laughing about? / I was laughing about a little incident I remembered. 何を笑っていたの?・ちょっとしたことを思い出して笑っていた。

incident とは「普通でない、または深刻な、または暴力的な出来事」のことであり、accident とは「意図的な犯人がいないのに、誰かが負傷したり、何かが破損すること」です。

It's nothing to laugh about. 笑い事ではない。

< laugh about O >の中の O にあたる部分が nothing です。不定詞によって laugh about はうしろに移動し、nothing を説明する部分になっています。

Don't laugh about it. Take care that others don't laugh about you. 笑ってはいけない。・人にわらわれないように注意したまえ。

日本語では通常 about it のうちの it にあたるものは省略されるか、わざと言及されません。英語ではあるなら、必ずこの it を about もつけて言わなければなりません。文化的背景の違いがあらわれているようです。一般に、< take care of O >は「・・・の世話をする」ですが < take care that SV... >は「…について注意する」となります。

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Laugh at

会話文音声speaker

Paul : Look at the people down there, Mom. They are playing ball so early in the morning!

Mrs. Miller : They may be laughing at us, too.

Mr. Miller : I want to stop for gas at the next filling station, so watch out for one.

解説

Laugh at あざけり笑う

Paul : Look at the people down there, Mom. They are playing ball so early in the morning! ママ、(橋の)下の人をごらんなさい。こんなに朝はやくから野球をやっているよ。

副詞句 down there を使うのは、橋の上、ビルの屋上、飛行機に乗ってなど、上から下を見下ろす場面のときです。反対語は up there となります。副詞の so は単に強調の very とは異なり、「(今の状況を示して)こんなに・・・、そんなに・・・」という気持ちが含まれます。

Mrs. Miller : They may be laughing at us, too. むこうでもこっちをみて笑っていることでしょう。

<laugh at O>は、前述の<laugh about O>とは異なり、「(相手の愚かさや奇行、風変わりさを見て)悪意ある笑いを投げつける」場合に用いられます。ただし、laugh at the joke のように、”悪意のない笑い”にも使われますから、文脈に注意が必要です。

Mr. Miller : I want to stop for gas at the next filling station, so watch out for one. 次のガソリンスタンドでガソリンを買うために止まりたいから、注意してみておいてくれ。

動詞句<watch out for O>は「(けがをしないように、見落とさないように)用心して周りを見る」ことです。one = a filling station

応用

Were you laughing at me? / Did I look like it? I was laughing at that dog chasing his own tail. あなたはわたしのことをあざけって笑っていたのですか。・そんな風にみえましたか。私はあの犬が自分のしっぽを追うのをみて笑っていたのです。

過去進行形の疑問文です。さっきからずっと気になっていたからです。look like it の it は前文の内容です。

I wasn't laughing at you, but with you. わたしはあなたのことをあざけって笑っていたのではなく、あなたも笑っていらしたので、一緒に笑っていたのです。

この文が日本語にしにくいのは、後半の部分が、 I was laughing with you の省略文だからです。laugh with とは”共感の笑い”というところでしょうか。

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Lead a horse to the river, but...

会話文音声speaker

Father : Where's Cathy?

Mother : She's upstairs in her room.

Father : Anything wrong?

Mother : I asked her to do something, but she wouldn't.

Father : What did you tell her to do?

Mother : To wash her hair before supper.

Father : Perhaps she had a good reason. You may lead a horse to the river, but you cannot make him drink.

解説

Lead a horse to the river, but... 馬を水際までひっぱって行くことはできても、無理に水を飲ませることはできない。

Father : Where's Cathy? キャシーはどこ?

Mother : She's upstairs in her room. 2階の自分の部屋におりますわ。

upstairs/downstairs/home/downtown などは、<場所の副詞>として使えますので、be動詞のあとにつなぐだけで「…にいる」と、あらわすことができます。

Father : Anything wrong? なにかあったのかい。

somthing wrong がもとになり、疑問文にした Did anyting wrong happen?/Was there anything wrong? などからの省略文です。

Mother : I asked her to do something, but she wouldn't. あることをしてもらおうと思って、たのんだのですけれど、いやだっていうんです。

動詞句 ask O toV の形が用いられています。否定の助動詞過去形である wouldn't は「どうしても…しようとしなかった」というように強い拒絶の”意志”を表します。

Father : What did you tell her to do? なにをしろといったんだい。

動詞句 tell O toV の形が用いられています。

Mother : To wash her hair before supper.  夕食前に髪を洗いなさいって。

上の動詞句の中の toV が、この返答の to wash にあたります。

Father : Perhaps she had a good reason. You may lead a horse to the river, but you cannot make him drink. キャシーには何かちゃんとした理由があったんだろう。馬を水際までつれていくことができても、無理に水を飲ませることはできないからね。

形容詞 good は「良い」だけではまったく足りず、実に幅広い意味を持ちますが、reason と結びつくと、「誰かが何かをするにあたって、政党である、公平である(理由)」となります。「馬を…」のことわざは、文頭に You can がつき、to the river の代わりに to water になっている場合が多いですが、「ひとにやり方を教えることはできても、それをやるように強制することはできない」という解釈が広く受け入れられています。

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Let alone

会話文音声speaker

Masao : Have you ever slept on a train?

Cecil : Have I ever slept on a train? This is the first time I've ever been on a train, let alone sleep on one.

解説

Let alone とんでもない

Masao : Have you ever slept on a train? きみは汽車で寝たことがあるかい?

副詞 ever がはいっていると、現在完了形は、”経験”を表します。ほかにも never/before/once なども経験を表すしるしになります。

Cecil : Have I ever slept on a train? This is the first time I've ever been on a train, let alone sleep on one. ぼくが汽車で寝たことがあるですって?そもそも汽車に乗るのがはじめてなんです。寝るなんてとんでもない。

let alone を直訳すれば、「ほっといてくれ!」といったところですが、通常、二つの否定文をつなぐ役割を果たし、「一方が…でないのだから、もう一方が…でないのは当然である」という流れを作ります。主語や目的語が共通だったりするので、後半の文はかなり省略がおこなわれます。on one = on a train

応用

I can't even read French, let alone teach it. わたしはフランス語を読むことさえできないのに、教えるなんてとんでもないことです。

この二つの文で主語の I 目的語の French は共通です。異なるのは動詞の read と teach.

I don't want to see him, let along go out with him. 私は彼を見るのさえいやなのに、デートをするなんてとんでもないことです。

この文では I / him が共通。動詞が異なります。

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Let ... at it

会話文音声speaker

Peter : Pass me the peanut butter, please.

Wendy : Let me at it first.

Peter : O.K. Help yourself.

Wendy : I like peanut butter, but I don't like the way it keeps sticking to the roof of my mouth.

Peter : Same here, but I know a way to avoid it.

Wendy : How?

Peter : Put peanut butter on one side, turn the bread upside down, and then eat it. Well, how is it?

Wendy : It works!

解説

Let ... at it やらせる

Peter : Pass me the peanut butter, please. ピーナッツバターをこちらに回してね。

食卓で、自分の手の届かないところにある食品を自分に渡してほしいときにこの表現を使いますが、目の前にあるものを指しているので、定冠詞 the をつけなければなりません。

Wendy : Let me at it first. 先に私につけさせてね。

この表現は、本来使役動詞<let O 原型>から、Let me be at it. というべきものなのでしょうが、口語表現なので、その be が省略されてしまいました。ただし、let のあとに「人」は入れなければなりません。at it ということ自体が「やる」という意味を持っています。

Peter : O.K. Help yourself. いいよ、どうぞ

成句<help oneself ( to 食物名)>は、「配膳係や給仕係の手を借りずに、好きな食物や料理を自分の器に自分で取って食べる」ことです。

Wendy : I like peanut butter, but I don't like the way it keeps sticking to the roof of my mouth. 私はピーナッツバター好きだけど、口の上側にくっついてしまうのが嫌なのよ。

動詞 like のあとには名詞が来ますが、疑問詞はふつう来ないので、the way の代わりに how を入れることはしません。<keep Ving>は、「…し続ける」ということで、何かが”継続”しておこることを言います。

Peter : Same here, but I know a way to avoid it. ぼくも同じだよ。でもそれを防ぐ方法を知ってるよ。

成句<same here>とは、「自分が相手と同じ感じ方をしていることを示す」のに使います。 動詞 know のあとには名詞も来ますが、疑問詞も来るので、 the way の代わりに how を入れることができます。

Wendy : How? どうするの?

これは How to avoid it? または How do you avoid it? の省略文です。

Peter : Put peanut butter on one side, turn the bread upside down, and then eat it. Well, how is it? 片側にピーナッツバターをつけて、そのパンを裏返しにしてから食べてごらん。さあ、どう?

副詞句< upside down> は、2単語で「上下逆」の状態を表し、< inside out >の「裏返し」に、作り方が似ています。この分は3つの命令形動詞を and then 「そしてそれから」でつないでいます。

Wendy : It works! うまくいくわ。

動詞 work には「計画、方式が自分の望む結果を生んでいる」ことを表すこともできます。

応用

Don't stop him. Let him at it. とめるな。やらせておけ。

は本文中の場合に「許可」なのに対し、ここでの let は「放任・放置」の意味が強くなっています。

Will you let me at it? わたしにやらせてくれない?

この文では「許可」でしょう。

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Let ... down

会話文音声speaker

Mrs. Peterson : Our club wants you again.

Sachiko : What do they want me to do, Mrs. Peterson?

Mrs. Peterson : You remember that a year ago when you came to our club you showed us how to arrange flowers.

Sachiko : Yes, I do. Do you want me to do that again?

Mrs. Peterson : I told the women you were very busy, but there are some new members and they are just dying to meet you.

Sachiko : Well, I can't let them down, can I? Besides, I will do anything for you, Mrs. Peterson.

Mrs. Peterson : It's very sweet of you.

解説

Let ... down がっかりさせる

Mrs. Peterson : Our club wants you again. 私たちのクラブでまたあなたに来てもらいたいのですって。

動詞 want は便利な単語で、単に「欲する、望む」という使い方だけでなく、「来てもらいたい」「手伝ってほしい」「(こちらで)仕事をしてほしい」「逮捕したい(→指名手配にしている)」などと幅広い場面で使うことができます。

Sachiko : What do they want me to do, Mrs. Peterson? 私に何をしてもらいたいのですか?

動詞文型<want O toV>が使われています。

Mrs. Peterson : You remember that a year ago when you came to our club you showed us how to arrange flowers. 1年前に私たちのクラブに来た時、花の活け方を教えてくださったことを覚えていらっしゃるでしょう。

接続詞 that のうしろには、a year ago / when you came to our club / you showed us how to arrange flowers という3つの部分が含まれています。また、動詞文型<show O wh-/how >が使われています。この wh-/how とは<疑問詞>の総称です。

Sachiko : Yes, I do. Do you want me to do that again? ええ、覚えておりますわ。またやるんですか。

Mrs. Peterson : I told the women you were very busy, but there are some new members and they are just dying to meet you. 会員たちにあなたがとても忙しいと言ってあるのですけれど、新しい会員もいて、とてもあなたに会いたがっているんです。

動詞 told が過去形なため、うしろの文 you were も過去形になっていますが、本来は現在形なのです<時制の一致>。成句<be dying toV>は、動詞 die の進行形であり、「何かをとてもしたくてたまらず、待ちきれない場合に使われます。

Sachiko : Well, I can't let them down, can I? Besides, I will do anything for you, Mrs. Peterson. その人たちをがっかりさせるわけにはいきませんわね。そうでなくても、あなたのためなら私は何でもいたしますわ。

成句<let O down>は、O が”人”の場合、「無作法にふるまったり、約束したことを実行しなかったために誰かをがっかりさせる」場合に使います。副詞 besides はこのように文頭で用いると、すでに述べた理由のほかに、新たに理由を追加するときに使います。代名詞 anything は something と異なり、肯定文においては「何でも」と、制限を設けない言い方になります。

Mrs. Peterson : It's very sweet of you. あなたって本当にやさしい方ね。

ここでの形容詞 sweet は本来の「甘い」から派生して、kind/gentle/friendly の意味でつかわれています。”人の性質”を表す形容詞なので、You are sweet. とも言えますが、逆転させて前置詞 of でつなぐこともできます。of でつないだいい方は、この分のように主語を it ではじめたり、How sweet of you! のように感嘆文にも利用できます。

応用

Don't let me down. わたしをがっかりさせないで。

ビートルズの有名な曲の題名にもなりました。

I'm afraid I let you down. あなたを失望させたことをおそれています。

この出だしの I'm afraid は、何か悪いこと、不吉なことをこれから言おうとしていることのシグナルです。

He feels that his son let him down. 彼は息子にがっかりさせられたと思っている。

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Let go of ...

会話文音声speaker

Anne : Let go of my arm!

Dean : Not until you promise.

Mother : Promise what, Dean?

Dean : She messed up my desk.

Mother : Did you, Anne?

Anne : I was just looking for something.

Dean : I caught her reading my letters.

Anne : I promise not to read your letters any more.

解説

Let go of ... を手放す

Anne : Let go of my arm! 腕をはなして!

Let me go. といえば、「私を行かせて、私を自由にして」という意味が含まれますが、Let me go of (体の一部)となれば、体のどこかを捕まえているのを放せ、ということです。

Dean : Not until you promise. 約束するまではだめだ。

この文は、I will not go of your arm until you promise. の省略形です。前文と比較して、not/your 以外はみな同じ部分だからです。

Mother : Promise what, Dean? 約束ってなんですか、ディーン。

動詞 promise は文型が、<promise toV ><promise that SV... >などですから、あとの部分が何なのかを聞きたいわけです。

Dean : She messed up my desk. アンは僕の机をすっかりちらかしてしまったんです。

動詞句<mess O up >は、 「重要なもの、きちんと計画を立てたことなどをめちゃくちゃにしてしまう」、あるいは単に「物を乱雑にしたり汚したりする」ことです

Mother : Did you, Anne? そうなの、アン?

Did you mess up his desk? あるいは You messed up his desk, did you? の省略文です。

Anne : I was just looking for something. ちょっと、さがしものをしていただけなのに。

副詞 just は only ほど強くなく、「軽い気持ちで・・・」ぐらいの意味です。

Dean : I caught her reading my letters. ぼくの手紙を読んでいるところをつかまえたんです。

動詞 catch の文型に<catch O Ving >があります。この文型の場合には、物理的に”逮捕”したというよりは、”目撃”といえるでしょう。

Anne : I promise not to read your letters any more. もう読まないって約束するわ。

この答え方は、先の文型<promise toV >を使ったものであり、否定の not を不定詞の前においているので、「…することを約束しない」ではなく、「…しないことを約束する」となります。また、not ... any more の組み合わせは「もうこれ以上…(し)ない」をあらわします。

応用

Let go of my fingers. 私の指をはなして。

Let him go. 彼を行かせてやれ。

これまで彼を(精神的、あるいは物理的に)拘束していたが、これからは解放するという意味でつかわれます。

I asked, "Let go of me!" and he let me free. 「放して」とたのんだら、彼は自由にしてくれました。

この場合の of me は、Let me go. とは異なり、自分が物理的に拘束されていたことを想像させます。

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Let them loose

会話文音声speaker

Mr. Tucker : Do you think we need interpreters on our trip?

Mr. Takei : I hardly think so.

Mr. Takei : At the big plants where you meet Japanese leaders, there will be English-speaking executives.

Mrs. Takei : They all speak English at the shops and hotels.

Mr. Tucker : It's good to know that.

Mr. Takei : As a matter of fact you could just let them loose in Kyoto or Osaka.

Mr. Tucker : You have a point there, Mr. Takei. To let them alone once in a while is one of the ways to welcome them.

解説

Let them loose 放す

Mr. Tucker : Do you think we need interpreters on our trip? われわれの(関西行の)旅行では、通訳が必要になるとお考えですか?

動詞「通訳する」は interpret で、その名詞形は interpretation / interpreter となります。trip につく前置詞 on に気を付けましょう。

Mr. Takei : I hardly think so. そんなことはないと思いますけれど。

もとの文 I think so. に”弱否定”の hardly を加えたもので、 I don't think so. より若干、語気が弱まります。

Mr. Takei : At the big plants where you meet Japanese leaders, there will be English-speaking executives. 日本人の(業界の)指導者の方々に会うことになっている大きな工場には、英語を話す幹部の人たちがいるでしょう。

「植物」を表す plant が「工場・機械装置」に転用されるようになったのは、じっとその場で動かないからでしょうか。幅広い意味を持つ、leader とちがって executive は”ビジネスの巨大組織”を担当します。

Mrs. Takei : They all speak English at the shops and hotels. お店やホテルでも英語を話しますし。

Mr. Tucker : It's good to know that. それはいいことを知りました。

Mr. Takei : As a matter of fact you could just let them loose in Kyoto or Osaka. 実際問題として、京都や大阪では、お客さんたちは放っておいても大丈夫ですよ。

副詞の成句、<as a matter of fact>は、聞き手が驚いたり予想もしなかった答えを、これから言おうというときに、最初に述べます。could は仮定法過去で、can よりソフトな表現です。let の文型は<let O adj.>となっています。loose には free という意味も含まれていますから、物理的のみならず、”束縛”から人を解放するのによく用いられます。

Mr. Tucker : You have a point there, Mr. Takei. To let them alone once in a while is one of the ways to welcome them. なるほど。時には一人だけにしておいてあげるのも歓迎の一方法かもしれない。

成句<You have a point>は、相手の言った考えや意見が、まことに正しい、と思った時に発します。To let... はうしろに is がありますから、不定詞主語(名詞用法)となっています。副詞句<once in a while>は often ほど頻度は高くなく、sometimes ぐらいです。

応用

I wish he'd let us loose. 私たちを自由にしてくれるといいのにね。

he'd = he would であり、I wish のあとでは仮定法過去として使われ、”緩やかな命令口調”となります。このことばは、しつこいセールスマンの攻勢にあっているときに、お互いにささやきあうような場面に使われます。

You can't keep them fenced in all the time. Let them loose once in a while. いつもとじこめておくわけにはいかない。たまには放してやりなさい。

この場合の them は犬でしょうか。ここでの keep の文型は<keep O Ved>です。

Thanks for letting us loose. We got lost, but we met many interesting people. われわれを自由にしてくださってありがとう。道にこそ迷いましたけれど、おもしろい人にたくさん会いました。

成句< Thanks for Ving >のため、let は動名詞 letting に変化しています。

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Let oneself go

会話文音声speaker

Dad : Barkie is barking harder than usual, isn't he?

Amy : He lets himself go like that once in a while.

Bob : I know why.

Amy : Why, then?

Bob : You scared him, didn't you?

Amy : I did not. He was standing in my way, so I asked him to move.

Bob : Something is eating him.

解説

Let oneself go やりたいほうだいやる

Dad : Barkie is barking harder than usual, isn't he? バーキーが、いつもよりひどく吠えているんじゃあないか?

<比較級+than usual >で「普段よりも…」をあらわします。同様に<比較級+than before >なら、「以前より…」、<比較級+than expected >なら、「予想したより…」などと使えます。

Amy : He lets himself go like that once in a while. ときどき、あんなふうに吠えほうだい吠えることがあるわ。

動詞句<let oneself go>は、直訳すれば「自分自身がどんどん進むのを許してしまう」というところです。うしろには<like that><once in a while>の二つの副詞が付属しています。

Bob : I know why. ぼくにはわけがわかっているよ。

I know why he lets himself go like that. の省略文です。

Amy : Why, then? じゃあ、なぜなの?

副詞の then にはいろいろ使い方がありますが、ここでは「もしそれが正しいというなら、(それによって導かれる結論は…)」ということです。

Bob : You scared him, didn't you? エミーがバーキーをおどかしたんだよ。

動詞< S scare O >「S がOを怖がらせる」は、”感情の他動詞”、たとえば surprise と同じパターンであり、<S be scared >にすれば、「 S が怖がっている」となります。

Amy : I did not. He was standing in my way, so I asked him to move. わたしそんなことなんかしなかったわ。じゃまになるから、どくようにいっただけよ。

第1文は I did not scare him. の省略文です。副詞句<in one's/the way>とは「(途中に妨害があって)自分が通り抜けるのに困難」な場合を示します。

Bob : Something is eating him. なにか気にいらなくて、むしゃくしゃしているんだ。

この言い方の疑問文も進行形で、 What's eating you? といい、「気分がささくれ立っている状態」を示します。

応用

Our son passed the difficult college entrance examination, so we gave him some spending money. That's why he is letting himself go 息子は難しい大学の入学試験にパスしたので、お小遣いをやったのです。それで思う存分、羽を伸ばしているのです。.

spending money における Ving は、もちろん「使っているお金(現在分詞)」ではなく、「使うためのお金(動名詞)」というように”使用目的”をあらわしています。waiting room/sleeping car などと同じです。

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Let up

会話文音声speaker

Mrs. Lee : It's very kind of you to say that you will go my way first, but which way will you be going later?

Masako : My home is up that way. Where is your home?

Mrs. Lee : My home is in the opposite direction. So, thanks just the same. I will wait for the rain to let up.

解説

Let up (雨などが)やむ

Mrs. Lee : It's very kind of you to say that you will go my way first, but which way will you be going later? 私の家のほうへ先によってくださるとおっしゃるのはご親切さま。でもあなたは後でどちらの方向においでになるのですか?

形容詞 kind は人の性質を表し、You are kind となりますが、逆にして前置詞を用い kind of you とすることもできます。これを<it ... toV >の中に組み込んで相手への”評価”に用いることができます。It's nice of you to help me. とか It's cruel of him to beat the dog. などと同じパターンです。go my way の言い方に注目しましょう。go to my way ではありません。あとの文は will you be going 、つまり<未来進行形>を使っています。これは”予定”を表すためです。このように英語の時制を適切に使いこなすのはなかなか難しいものです。

Masako : My home is up that way. Where is your home? 私の家はあちらのほうです。あなたのお宅は?

第1文は前置詞 up と that way とが組み合わされました。 up は「上へ」という意味ではなく、「(道の)奥、先のほうへ」として使われています。

Mrs. Lee : My home is in the opposite direction. So, thanks just the same. I will wait for the rain to let up. 正反対の方向です。ですから結構です。私は雨がやむのを待ちましょう。

direction と対応する前置詞は、 in the north/in the west などと同じく in を用います。thanks にくっついている just/all the same という副詞句は、「(私にしてくれることのできない状況)にもかかわらず、それでも(感謝しています)」というようにつかわれています。動詞 wait は<wait for O toV >という文型で用いられています。The rain will let up. という文章を中に取り込んでいるのです。

応用

I may go out if the rain lets up. 雨がやんだら外出するかもしれない。

この文のように、状況が未来であっても if the rain will let up とはしないで、現在形にしておかなければなりません(時や条件の副詞節中での未来形の使用禁止)。

Now is your chance, their vebal duel is letting up. 今が君のチャンスだ。彼らの口論が下火になった。

名詞 verb の形容詞形が verbal です。verbal duel は直訳すれば「言葉の上での決闘」。動詞句<let up >は、天候以外の状況では「(周りに悪影響を及ぼすものが)やんだ、あるいは激しさが減じた」ような場合に用いられます。

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Line up

会話文音声speaker196

Gene : Diana, Fanny, Florence, Hiroko, Hank, Irene, Joe, Jack, Masao. Will you all line up over there?

Hank : You can't order us around.

Irene : That's right.

Gene : I didn't mean to. I just want to take your picture.

解説

Line up 並ぶ、並べる

Gene : Diana, Fanny, Florence, Hiroko, Hank, Irene, Joe, Jack, Masao. Will you all line up over there? ダイアナ、ファニィ、フロレンス、裕子、ハンク、アイリーン、ジョー、ジャック、正男。みんなそこに並んでくれないか?

動詞句< line up / line O up >は、もっとも基本的な意味では「列ができる、列を作る」ことです。この O が”人”の場合には、「…を並ばせる」となります。

Hank : You can't order us around. われわれに命令はさせないよ。

動詞句< order O around >は、単なる order とは異なり、「(相手をいらいらさせたり、怒らせたりするようなやり方で)、ひとに絶えず命令をくだす」ことです。

Irene : That's right. そうよ。

Gene : I didn't mean to. I just want to take your picture. そんなつもりじゃなかったんだ。ただ写真をとりたかったんだ。

第1文は I didn't mean to order you around. の省略文です。動詞句< mean toV >は< intend toV >と似て、「…するつもり、…する意図を持っている」ことを示します。副詞 just の持つ働きと文中の位置に注意しましょう。これは「重大なことではなく、軽く受け止めてもいいことだよ」という気持ちを表すのに使われているのです。

応用

Will you line up the books alphabetically? 本を ABC 順に並べてくれないか?

副詞 alphabetically は、名詞 alphabet 形容詞 alphabetical 動詞 alphabetize をもっています。

The men have been lined up. 男たちを準備しておきました。

動詞句<line O up >には、さらにすすんで「(何か仕事などをおこなうための)下ごしらえ、下準備を行う」ことを意味する場合もあります。この文では、現在完了形の受動態で示されています。

Line up behind the white line. 白線のうしろに並んでください。

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Listen to the radio

会話文音声speaker 197

Cathy : What are you doing?

Amy : I'm listening to the radio.

Cathy : Won't you play with me?

Amy : I want to listen to this. Why don't you play with Bob?

解説

Listen to the radio ラジオをきく

Cathy : What are you doing? なにしているの?

Amy : I'm listening to the radio. ラジオをきいているのよ。

動詞 hear は「聞こえてくる」というようにどちらかというと受身的なのに対し、listen to は「音源に向かって耳をそばだてる」というような積極的な姿勢がうかがえます。ラジオは”受信機”を示すということで、定冠詞の the をともないます。

Cathy : Won't you play with me? 私と遊んでくださらない。

否定疑問< Won't you... ? >は肯定疑問< Will you... ? >と比べて、相手に Yes の返事をより強く要求するところがあります。

Amy : I want to listen to this. Why don't you play with Bob? わたしこれききたいの。ボッブと遊んだら?

< Why don't you... ? >は「なぜあなたは…しないの?」という問いかけよりも、「…したらどうですか?」と相手に勧めたり、提案したりする気持ちを込める場合が多いのです。

応用

I spent the evening watching television. 夜はテレビをみてすごしました。

ここでは動詞の文型< spend O Ving >が用いられています。O にあたるのは”時”を示す語です。radio と異なり、television / TV には冠詞がつきません。”受像機”というよりは”テレビ番組”というイメージだからでしょう。

I watched the game on television. テレビで試合をみました。

「テレビで…をみた」という場合の前置詞 on に注意しましょう。

The radio says it will clear up. ラジオは晴れるだろうといっている。

radio を主語にして、動詞 say を使うことができます。

According to the radio, no one was hurt. ラジオによると、負傷者はありませんでした。

前置詞 according to は”情報源”を示しています。

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A little

会話文音声speaker 198

Hiroko : How's your mother?

Billy : She's fine.

Hiroko : How's your father?

Billy : He's fine, to. How's your mother?

Hiroko : She's fine, thank you.

Billy : And your father?

Hiroko : He's better.

Billy : Was he ill?

Hiroko : Yes, just a little.

解説

A little すこし

Hiroko : How's your mother? お母さまはいかがですか?

おなじみのあいさつ、How are you? の主語である you を your mother に取り換えました。

Billy : She's fine. 元気です。

Hiroko : How's your father? お父さまは?

Billy : He's fine, to. How's your mother? 父も元気です。あなたのお母さまは?

Hiroko : She's fine, thank you. おかげさまで元気です。

Billy : And your father? で、お父さまは?

Hiroko : He's better. よくなりました。

この文を現在形で書かれているからといって、単に「よりよい」ととってはいけません。この文のあとには than before が省略されていると考えられ、「以前より…」となり、現在と過去とを比較しているのです。別の文脈では than I expected/thought などが省略されていると考えられ、その場合は「思っていたより…」と自分の予想と現実とを比較しているのです。

Billy : Was he ill? ご病気だったんですか?

そのため、この文では Billy は過去形を使ってたずねているわけです。

Hiroko : Yes, just a little. ええ、ほんのちょっと。

この厄介な単語、little には<代名詞・形容詞・副詞>の3つの用法がありますが、大きく二つに分けられます。 a little では、some/not much/not very の感じに近く、肯定的文脈を作り出します。、一方、 little では、no/none のように徹底的にゼロではないにせよ、否定的文脈を作り出します。なお、few には副詞用法がありませんが、a の有無については little と同じパターンです。

応用

Do you speak English? / I speak a little. / I speak little English. 英語話されますか。:少しなら。:ほとんど話せません。

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A little bit

会話文音声speaker 199

Mr. Boothe : I may be a little bit late coming home tonight.

Mrs. Boothe : Oh? Anything special?

Mr. Boothe : Mr. Ota is giving a party.

Mrs. Boothe : What's the occasion?

Mr. Boothe : Someone in his firm has been promoted to something.

Mrs. Boothe : You seem to go to all such parties.

解説

A little bit ほんのすこし

Mr. Boothe : I may be a little bit late coming home tonight. 今夜は帰るのが少し遅くなるかもしれないよ。

成句<be late Ving >は「…するのが遅い・遅く…する」となり、これがこの文の中心に置かれています。 副詞句 a little bit は a little に比べて、さらに少ないという意味を含み、”遠慮””謙遜””抑え気味”の気持ちを込めていることがあります。この文で使っているのは、奥さんに対して話をあまり大きくしたくない、という心理が働いているからでしょう。

ミュージカル My Fair Lady には With a bit of luck という歌があり、「ほんのちょいとだけ運がよけりゃ、人生なんていいほうに向かうものさ」と、のんきに暮らし余計な責任を負いたくない、(ヒロインの)父親の気持ちをあらわしています。

Mrs. Boothe : Oh? Anything special? あらそう?何か特別なことでもあって?

some/any/every/no + thing には原則として形容詞が後につきます。この文は Is there anything special? の省略文です。

Mr. Boothe : Mr. Ota is giving a party. 太田さん主催の宴会があるんだ。

現在進行形なのは、予定として”確定”しているからです。

Mrs. Boothe : What's the occasion? 何のための?

名詞 an occasion には、重要な「お祝い事、儀式、集まり、イベント」などを指すことがあります。

Mr. Boothe : Someone in his firm has been promoted to something. 会社の人が何かの役に昇格されたらしい。

someone/something を使うと、具体的な名前や事実を言わずに、全体を語ることができます。例;You know something? これは日本語で言えば(あのね…)という気持ちで、これから何か大きな話を詳しく話し始める前に、相手に注意を喚起する言い方だといえます。

Mrs. Boothe : You seem to go to all such parties. あなたはいつもそういう集会にいらっしゃるみたいね。

ここで使われている動詞 seem は<S seem tosV >の形をとっており、< It seems that SV... >とは異なります。all such の語順に気を付けましょう。all/no/some/any はいずれも such の前に来ます。

応用

Do you like me a little bit? / I like you a lot. わたしがちょっぴり好き?大好き。

この疑問文で a little bit を使っているのは、ぶしつけに相手に聞きたくないという、”控えめ”な気持ちが込められているからでしょう。

I know a little bit of Spanish. 私はほんの少しスペイン語を知っています。

この文では a little bit に”謙遜”の気持ちが入っていると考えられます。

When you left, Miss Yokoyama cried a little bit. あなたが去った時に、横山さんはほんの少し泣きましたよ。

この文では a little bit が使われることによって、「まもなく横山さんは、あなたのことをすぐ忘れた」という気持ちが入っているのかもしれません。これは考え過ぎかな…

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Live on

会話文音声speaker 200

Mr. Goto : Grand Central.

Cab driver : Why don't you walk?

Mr. Goto : I'm tired. That's why. What's the matter? Don't you want business?

Cab driver : Business? Just look! The streets are jammed with cars.

Mr. Goto : The meter is clicking away just the same.

Cab driver : I know, but this way everybody gets cranky and stingy. After all I live on tips.

解説

Live on ・・・で生活する

Mr. Goto : Grand Central. グランド・セントラル(駅)

グランド・セントラルはニューヨーク市マンハッタン区にあるターミナル駅。

Cab driver : Why don't you walk? 歩いたらどうです。

<否定疑問>というのは、相手から肯定の答えが出てくるのを期待していると思っていいでしょう。

Mr. Goto : I'm tired. That's why. What's the matter? Don't you want business? 疲れているんだ。だからだ。どうしたのかね。商売がしたくないのかね。

That's why のあとには、 I don't want to walk. とか I want to take a taxi. あたりが省略されていると考えられます。What's the matter? は What's the trouble? / What's the problem? などと同じく、相手に何か異常があったのではないかと、問いかける形式です。business (不可算名詞)というのはよく見れば、形容詞 busy の名詞形です。”商売”というものは、常に忙しいものですから。want business の関連表現に、 do business があります。

Cab driver : Business? Just look! The streets are jammed with cars. 商売ですって。見てください。道は車の洪水です。

look に just がつくのは、「ただ、見るだけでいいから」という気持ちです。「(車・人・その他)で混雑している」は be jammed with ... で、「人で混雑している」ときは特に、 be crowded with people が好まれ、ともに受動態から導かれた形容詞の形を使っています。

Mr. Goto : The meter is clicking away just the same. でも、メートルはカチカチ動いているじゃないか。

メートル meter は odometer/speedometer/barometer/gas meter/parking meter など、”計量器”全般に使われている言葉です。動きをあらわす動詞 click や work などに、副詞の away がつくと「継続的な動き」を強調する働きをすることがあります。副詞句< just the same >が使われるのは、「あることが、状況を変えることはない」場合です。ここでは「(いくら混んでノロノロ運転をしていても)それでも(メーターは回り続ける)」という流れになります。

Cab driver : I know, but this way everybody gets cranky and stingy. After all I live on tips. それはそうですが、これじゃお客さんはイライラして、ケチになるんです。なにしろ私はチップで生活しているんですからね。

副詞句< this way >は、「このような状況では、このような状況が続くと・・・」というように、今問題になっている事柄を指します。副詞句< after all >は、「いろんなことがあるけど、(それにもかかわらず)事実、真理は一つである」という気持ちを表すのに用いられます。動詞句<live on O>は、食物が入る場合には、”主食”の意味を表し、金額が入る場合には、家族全員が暮らしていくのに必要な”総収入”を表します。いずれにせよ、それがなくては生きていけないものです。チップは、おこづかいというようなものではなく、薄給というより、ほとんど無休といえるような仕事についている人にとっては、ほぼ唯一の収入源となります。

応用

We live on rice. われわれはお米を食べて生きている。

We cannot live on 10.000 yen a month. 1か月1万円では生活できない。

What do they live on in Egypt? エジプトでは何を食べて生活していますか。

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A Long way to go

会話文音声speaker 201

Mrs. Peterson : Don't you need new nail polish?

Sachiko : You know I don't use nail polish.

Mrs. Peterson : Oh, I'v forgotten that. How about a new lip stick?

Sachiko : The one I have has a long way to go yet.

Mrs. Peterson : Powder?

Sachiko : I've got enough at home.

Mrs. Peterson : You are lucky, because you are pretty as you are.

解説

A long way to go だいぶ残っている

Mrs. Peterson : Don't you need new nail polish? あなたはネイル・ポリッシュいりませんか?

ここでは女性の使う化粧品の名称が出てきます。 nail polish は nail enamel, nail varnish ともいいます。

Sachiko : You know I don't use nail polish. 私はネイル・ポリッシュは使いませんわ。

先頭に You know をつけたのは、これが新しい情報ではなく、ただ相手がそのことを忘れていたからです。

Mrs. Peterson : Oh, I'v forgotten that. How about a new lip stick? そうそう、そうでしたね。では新しい口紅は?

動詞 forget が現在完了形になっていることに注意しましょう。「”あるとき”忘れた」のではなく、「”今(指摘される)まで”忘れていた」からです。相手に提案や勧誘をする How about... ? はうしろに名詞、または Ving がつきます。

Sachiko : The one I have has a long way to go yet. 今持っているのがまだだいぶ残っていますの。

one = a lip stick のことですので、もとの文は I have a lip stick であり、a lip stick を先行詞にして、関係代名詞(目的格のため省略)でつなぐと、The one I have がこの文の”主部”となります。成句 (have) a long way to go は、直訳すると「行くべき長い道がある」となり、”先が長い”とか、”まだまだやらなきゃいけない仕事が山積している”というような意味を持ちます。文尾に、”まだまだ、これから”の意味をあらわす副詞の yet が添えられています。

Mrs. Peterson : Powder? 白粉(オシロイ)は。

How about powder? の省略文。

Sachiko : I've got enough at home. うちにじゅうぶんございます。

I've got = I have とみていいですが、前者のほうが発音しやすい。

Mrs. Peterson : You are lucky, because you are pretty as you are. あなたはそのままで美しいからいいわね。

成句 as S be は、”今あるがままの現状”を表します。この発言は、若い娘に対する”やっかみ”の気持ちが、ややあらわれているようですが、女性ならば、このような英語表現も知っていたほうがいいかもしれません。

応用

You don't need a new pencil. The one you have has a long way to go yet. あなたは新しい鉛筆はいりませんよ。今持っているのがだいぶ残っています。

I have done only ten pages. I have a long way to go. 10ページしかやっていない。これからが大変だ。

do の現在完了形に注意しましょう。

We have just begun. We have a long long way to go. われわれは始めたばかりだ。これから先がずっと延々とある。

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Look after

会話文音声speaker 202

Mr. Takeda : You remember Mr. Anderson?

Yoichi : Yes, He works for your firm, doesn't he?

Mr. Takeda : Yes. He wants to go to Hakone with his family this weekend.

Yoichi : Does he want a guide?

Mr. Takeda : No. He wants someone to stay at his home and look after his dog and the plants.

解説

Look after 世話をする

Mr. Takeda : You remember Mr. Anderson? アンダースンさんをおぼえている?

この程度のものなら、わざわざ疑問文にする必要はありません。ただ語尾のイントネーションを上げればいいのです。

Yoichi : Yes, He works for your firm, doesn't he? はい、お父さんの会社につとめている人ですね。

company が一般的な会社を示すのに対し、firm は小さな会社、特に法律、技術、デザイン、建築などを扱う場合に多くつかわれます。

Mr. Takeda : Yes. He wants to go to Hakone with his family this weekend. そう、彼はこの週末に家族と箱根に行きたがっている。

Yoichi : Does he want a guide? 案内人が必要なのですか?

Mr. Takeda : No. He wants someone to stay at his home and look after his dog and the plants. ちがうんだ。彼はだれか彼の家で犬や植木の世話をしてくれる人を求めているのさ。

この文では代名詞 someone に対し、うしろの不定詞で始まる全部の文が説明をしています(不定詞の形容詞用法→形容詞句)。動詞句< look after O>は受動態も可能で、<take care of O>に似ていますが、「相手を助けたり、相手の必要なものを供給したり、安全に守ってやる」ことを特徴とします。目的語が生き物ではなく、物事の場合には、「何も悪いことが起こらないように見守る責任を負う」ことです。

応用

Who will look after my plants while I am gone? わたしの不在中誰がわたしの植木の世話をしてくれますか。

be gone の形式は、gone を形容詞とみなし、「去ってゆく、いない、死んでいない」などの意味を表します。

I have looked after you ever since father passed away. お父さんが亡くなってからずっとわたしはお前の面倒を見てきた。

動詞句<pass away>は die の尊敬をこめた表現の一つです。

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Look around

会話文音声speaker 203

Salesgirl : Good morning!

Mrs. Boothe : Good morning!

Salesgirl : May I help you?

Mrs. Boothe : May I just look around?

Salesgirl : Please do.

解説

Look around みてあるく

Salesgirl : Good morning! おはようございます。

日本人はあまり気にしていないようですが、向こうでは、黙って店にはいるのは好ましいことではありません。特に小さな店では、かならず声をかけるべきです。

Mrs. Boothe : Good morning! おはようございます。

Salesgirl : May I help you? なにか・・・?

店員の決まり文句。

Mrs. Boothe : May I just look around? みてあるいていていいですか

動詞句<look around>は本来、「見回す」という意味ですが、買い物をする予定がない時に使います。

Salesgirl : Please do. どうぞ

Please look around. の省略文です。

応用

What are you doing? / Oh, I'm just looking around. 何をしていらっしゃるのですか。やあ、ただほんのぶらぶらみてあるいているだけです。

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Look down on

会話文音声speaker 204

Mr. Dewey : I hope you are doing your Japanese friend some good, too.

Norman : Yes, I am. At least I think I am.

Mr. Dewey : What are you doing for him?

Norman : When he helps me with geometry, I help him with his English.

Mr. Dewey : How is his English?

Norman : Not too good right now.

Mr. Dewey : Don't look down on him.

Norman : Oh, I don't. He's a wonderful person, and I look up to him in many ways.

解説

Look down on 見下げる

Mr. Dewey : I hope you are doing your Japanese friend some good, too. きみがきみの日本人のお友だちになにかいいことをしてあげているといいのだがね。

動詞 do が現在進行形になっているのは、一般論ではなく、 (ある特定の人に対して)行っているという”限定的”な気持ちを表すためです。動詞 do のここでの文型は<do + 人 + ものごと>となります。some good = some good things とみなしていいでしょう。

Norman : Yes, I am. At least I think I am. はいしてます。少なくともぼくはしていると思います。

I am = I am doing ... の省略文です。また、あとのほうの I am も同様です。

Mr. Dewey : What are you doing for him? 彼になにをしてあげているの?

これも現在進行形になっていることに注意しましょう。

Norman : When he helps me with geometry, I help him with his English. 彼がぼくの幾何学をてつだってくれる時、ぼくは彼の英語をてつだっています。

動詞 help のここでの文型は、<help + 人 + with + 仕事・作業>となります。動詞 help には、ほかに<help + 人 + (to)原形>といった文型もありますから、注意しましょう。

Mr. Dewey : How is his English? 彼の英語はどうだね?

「ごきげんいかが? How are you? 」というのがありますが、これはその主語の部分に his English を入れ替えただけなのです。

Norman : Not too good right now. 今はあまりじょうずではないんです。

not too good を直訳すれば「あまりに素晴らしいというわけではない」となり、部分否定的なニュアンスから、婉曲的な雰囲気を醸し出しています。「まるで下手なんだ!」では、直截(チョクセツ)的すぎますからね。

Mr. Dewey : Don't look down on him. 彼を見下げてはいけないよ。

動詞句<look down on 人>は<look down>だけですと、単に「見おろす」ぐらいの意味になってしまいますが、そのあとの前置詞の on がつくことによって、”対人侮蔑”の気持ちが加わります。

Norman : Oh, I don't. He's a wonderful person, and I look up to him in many ways. ええ、しません。彼は立派な人です。ぼくは多くの面で彼を尊敬しています。

上の動詞句の反対表現が<look up to 人>です。動詞句の成立には、同じ原理が働いています。副詞句<in some/many ways><in every/no way>などは、そこに含まれている way(s) が、「どの表現が最も適しているかを考えるうえで、対象になっている状況、考え、計画などのもつ諸特徴」を示します。つまりは、多くの場合「面」「点」と訳されることが多いようです。

応用

Don't look down on the natives.  現地人を見下げてはいけません。

He looks down on colored people as a habit. 彼は癖で黒人を見下げる。

名詞 habit は「常に発現する個人的な習慣」のことで、多くは”好ましくない”ことです。

Looking down on others is bad manners. 他人を見下げるのは行儀の悪いことですよ。

ここでの Ving形は動名詞主語となっています。

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Look like

会話文音声speaker 205

Silvia : Goodby, Mother.

Mother : Goodby, Silvia

Silvia : Oh, Mohter, do you think I should take my raincoat along?

Mother : Does it look like rain?

Silvia : Unfortunately, it does. Isn't it awful?

Mother : Then take it along by all means.

Silvia : How about the rubbers?

Mother : You'are not going to walk around too much today, are you?

解説

Look like ・・・のようだ

Silvia : Goodby, Mother. いってまいります、お母さん。

Mother : Goodby, Silvia いってらっしゃい、シルヴィア。

Silvia : Oh, Mohter, do you think I should take my raincoat along? ああ、お母さん、レインコートを持って行ったほうがいいとお思いになる?

「モノを持っていく」を表すのに動詞 take を使うときは、<take モノ along>または<take モノ with 人>の語順にします。 take には非常にたくさんの意味があるので、このような形にしないと、別の意味にとられる恐れがあります。

Mother : Does it look like rain? 雨が降りそうなの?

<look for><look at>などは”自分の意志”で何かを見るという雰囲気が含まれていますが、この動詞句<look like O>は、まったく異なっていて、seem/appear のように”外の情報が受身的に飛び込んでくる”ことに特徴があります。ただし、<look + 形容詞><look as if SV... ><look like O>という3つのタイプがあり、それぞれあとに来る品詞が異なります。

Silvia : Unfortunately, it does. Isn't it awful? あいにく、降りそうです。いやね。

it does = it looks like rain となる、省略文に注意しましょう。

Mother : Then take it along by all means. それではぜひとも持っていらっしゃい。

副詞句<by all means>は肯定を強調するためにあります。否定の強調には<by no means>または<not...by any means>を用います。もともと means とは「手段」という意味ですから、直訳すれば”いかなる手段を用いても…”という感じなのです。

Silvia : How about the rubbers? ゴムの靴カバーはどうしましょう?

複数語尾 -s のない rubber は単なる物質名詞の「ゴム」ですが、複数になると”普通の靴の上にかぶせて使うカバー、overshoe ”の意味でつかわれます。パーティなんかで長靴を履いてドタドタ歩いたら、サマになりませんからね。

Mother : You'are not going to walk around too much today, are you? あなたは今日はあまり歩かないんでしょう?

この文章には<not ... too much>の組み合わせが用いられているために、否定が弱められています。最後の(否定)付加疑問、are you? は、「歩かないんだから、ゴムの靴カバーはいらないよ。」という話し手の気持ちを込めています。このくらいのテクニックを使って会話をすすめられれば、気持ちに余裕が出てきたといえるでしょう。。

応用

It looks like snow this evening. 今晩は雪のようだ。

He looked like a ghost. 彼は幽霊のように見えた。

He looked like an Indian on a warpath. 彼は戦いに行くインディアンのようだった。(=カンカンに怒っていた。)

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Look put out

会話文音声speaker 206

Mrs. Dewey : You look put out. What's the matter?

Norman : I saw some Japanese boys spinning tops, so I went up and spoke to them.

Mrs. Dewey : Were they big boys?

Norman : No, they were just like me.

Mrs. Dewey : Were they mean to you?

Norman : No, but they looked at me and started laughing at me.

Mrs. Dewey : That's funny. Was there any reason why they should have laughed at you?

解説

Look put out 元気がなくみえる

Mrs. Dewey : You look put out. What's the matter? 元気がないようね。どうしたの?

動詞句<put O out >は「(火を)消す」という意味に使われることがありますが、動詞句<look put out >は直訳すれば、「(火が)消されたように見える」となるでしょう。この場合の put は過去分詞で、受動的な意味になっています。同様な表現として<feel put out >があります。

Norman : I saw some Japanese boys spinning tops, so I went up and spoke to them. 日本の少年たちがコマを回しているの見たので、ぼくはそばに行って話しかけたのです。

ここの動詞 see は知覚動詞として、< see O Ving >の文型となっています。<go>と<go up>との違いは、副詞の up がつくことにより、”接近”の意味が加わることです。

Mrs. Dewey : Were they big boys? その人たちは大きい少年たちだったの?

Norman : No, they were just like me. いいえ、ちょうど僕と同じぐらいでした。

Mrs. Dewey : Were they mean to you? あなたに意地悪だったの?

ここでの mean は< be + mean >となっているため、動詞ではなく形容詞です。 意味がまるで異なりますから注意しましょう。

Norman : No, but they looked at me and started laughing at me. いいえ、でも彼らは僕を見て、あざけり笑い出したのです。

ここでは<start Ving>になっています。また、<laugh>と<laugh at>との違いは、前置詞の at がつくことにより、「自然な笑いではなく、誰かに向けられた悪意のある笑い」になることです。

Mrs. Dewey : That's funny. Was there any reason why they should have laughed at you? それはおかしいわ。どうしてあなたを見てあざけり笑ったか、何か理由があったのではないの?

<reason why SV... >の形式は、why 以下の文章が名詞の reason を説明している(形容詞節)になっています。助動詞の should は「…べき」の用法の一つだといえますが、”(笑うべき)正当な理由があったこと”を示すものとして用いられています。このように should を文に取り込むようなことは、ネィティブ以外にはなかなか思いつきませんね。また、laugh at が<should 原形>ではなく、<should have p.p. >の形式になっているのは、”笑った”のが、すでに過去のことになっているからです。

応用

Yoshio looks put out. Go and speak to them. 良夫が浮かぬ顔をしている。いって声をかけてやりなさい。

Everybody looks put out. The bonus envelops were not very fat. That's why. みんな元気がない。ボーナス袋がペッチャンコだったからだ。

形容詞 fat は本来「太っている」という意味ですが、「(中身が)いっぱい入っている」という意味に転用されています。

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Look up

会話文音声speaker 207

Mr. Dewey : How are you doing at school, Son?

Norman : I'm doing all right. I used to have trouble with my geometry, but I think I'm going to get on top of it before long.

Mr. Dewey : I'm glad to know that.

Norman : I'll tell you what happened. Do you remember the Japanese boy who asked me to play softball? He and I became good friends, and ever since he started helping me, things began to look up.

解説

Look up 上向きになる

Mr. Dewey : How are you doing at school, Son? 学校のほうはどうだね?

現在形の How do you do? にしないで、進行形にするのは、状況が常に移り変わる性質のものだから。英語では「息子よ」とはっきり言うのが習慣です。日本語の場合のように、誰に向かって話しているのだか第3者にはわからない状況でも、ムードでわかってしまうのとは大違いです。

Norman : I'm doing all right. I used to have trouble with my geometry, but I think I'm going to get on top of it before long. うまくいっていますよ。ぼくは幾何学に苦労したけど、間もなく征服できるように思います。

助動詞<used to V >に注意しましょう。これは「かつては…だったが今ではそうではない」ことを示すために使われています。成句<have trouble with O>が使われています。成句<get on top of O>は、直訳すれば「…のてっぺんに至る」でわかるとおり、「(努力することによって)仕事や目標を達成する」ことです。成句<before long>は「それほど時間がたたないうちに」という副詞句です。

Mr. Dewey : I'm glad to know that. それはよかった。

相手の話を聞いて、その内容を示すには、it より that のほうが’包括的’です。

Norman : I'll tell you what happened. Do you remember the Japanese boy who asked me to play softball? He and I became good friends, and ever since he started helping me, things began to look up. どうしたのかおしえてあげましょう。ぼくのソフトボールをしようといった、日本の少年をおぼえていますか?彼と僕はよい友だちになりました。それ以来、彼はぼくを助けてくれて、万事が上向きになりはじめたんです。

最初の出だし、< I'll tell you + 疑問詞・・・>は、自分の話を始めるのに、なかなか便利な表現です。動詞句<start Ving >と<begin toV>が使われています。動詞句<look up>は、本来、「見上げる」という意味ですが、”ものごと”を主語にすることによって、「状況が改善してゆく」のを示すことができます。

応用

The situation is looking up. 情勢は上向きになりつつある。

このように進行形による表現が向いています。

The business is slow now, but it will look up in the near future. 今商売はうまくいっていないけれど、近い将来によくなるだろう。

形容詞 slow は「仕事」や「取引」が主語になると、「客の数が少なく、販売量が低下」している状況を示します。

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Loose one's temper

会話文音声speaker 208

Dean : I told Anne over and over not to fool around with the engine.

Mother : You used to fool around with your father's typewriter, and I wonder what made you stop that.

Dean : He put a lock on it.

Mother : Did he ever lose his temper?

Dean : No, I guess not.

Mother : Well, then, couldn't you keep your temper, too?

解説

Loose one's temper 平静さを失う

Dean : I told Anne over and over not to fool around with the engine. 僕はアンに機関車をいたずらしてはいけないってなんども言ったんです。

動詞 tell が使っている文型は<tell O toV>です。間に副詞句 over and over が挿入されています。動詞句<fool around with O>は、「(愚かな、あるいは不注意なやり方で)何かを扱う」ことです。

Mother : You used to fool around with your father's typewriter, and I wonder what made you stop that. あなたはお父さまのタイプライターでよく遊んでいましたね。なぜやめたのかしら?

助動詞 used to が含まれていますから、「かつてはやっていた(が今はしていない)」ことをあらわしています。動詞 wonder が使っている文型は<wonder wh-/how SV...>です。つまり、うしろに疑問詞の文が続いており、「何が起こるか(起こったのか)確実でなくて、いろいろ思い悩んでいる」ことを示します。動詞 make が使っている文型は<S make O 動詞原形>です。直訳すれば、「何があなたにそれをやめさせたのか」となります。

Dean : He put a lock on it. お父さんが錠をかけてしまったんです。

動詞の lock もありますが、ここでは名詞の lock を<put a lock on O>にはめこんであります。

Mother : Did he ever lose his temper? お父さんはおこったことがあって?

動詞句<lose one's temper>は 「突然腹が立って、自分を抑えられなくなる」ことです。真ん中の所有格を忘れてはいけません。副詞 ever が過去形の疑問文に使われた時は、現在完了形の時と違って、”驚き”や”不信”の気持ちを強調するのにつかわれ、やや古風な表現です。

Dean : No, I guess not. いいえ、なかったでしょ。

これは I guess that he didn't lose his temper. の省略文です。that 以下が否定文のときに guess not となり、肯定文の時は guess so となります。think/hope/be afraid などと同じ省略法です。

Mother : Well, then, couldn't you keep your temper, too? それなら、あなたもおこらないでいられないかしら?

「怒りを抑えていることができる」状態の場合には<keep one's temper>となります。couldn't が過去形になっているのは、<仮定法過去>だからで、「(お父さんが起こらないでいられたけど)あなたは怒らないでいられるかな、どうかな?」という気持ちを込めるためだと考えられます。本当に過去のことを言いたければ、Weren't you able to keep your temper, too? となるでしょう。

応用

Temper! Temper! 平静に!平静に!

騒がしい人々や興奮した人々に向っていいます。

Lose your temper and lose a friend. 平静さを失うと友だちも失う。

ていねいに書けば、If you lose your temper, you will lose a friend. となります。

He was so mean that I lost my temper. あんまり彼が意地悪だったので、つい私は冷静さを失いました。

be動詞のあとなので、mean は形容詞(「人」が主語)です。全体としては< so...that構文>ですので、前半が”原因”、後半がその”結果”を表します。

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In luck

会話文音声speaker 209

Mr. Thomas : Where did you stay in Stockholm?

Mr. Goto : I stayed at the Royal.

Mr. Thomas : That's a splendid hotel, one of the very best in all Europe.

Mr. Goto : I could see the palace right across the water.

Mr. Thomas : Yes, and all the sightseeing buses and boats start from and return to the Royal, don't they?

Mr. Goto : Yes, they do, and I took an all day boat ride.

Mr. Thomas : They call Stockholm "the Venice of the North". You can see a good part of Stockholm from a boat.

Mr. Goto : I was in luck again.

Mr. Thomas : A beautiful guide?

解説

In luck (幸運が)ついている

Mr. Thomas : Where did you stay in Stockholm? ストックホルムではどこにお泊りになりましたか?

Stockholm の前の前置詞 in に注意しましょう。この疑問文はストックホルムの中のさらに細かい地名を求めています。

Mr. Goto : I stayed at the Royal. ローヤルに泊まりました。

I stayed at a hotel. となりますから、前置詞は at を用います。

Mr. Thomas : That's a splendid hotel, one of the very best in all Europe. ローヤルはすばらしいホテルでヨーロッパ中でも最高のホテルの一つです。

これをていねいに書けば、 That's a splendid hotel, which is one of the very best hotels in all Europe. となります。the best にはさまれた very は<最上級の強調>です。

Mr. Goto : I could see the palace right across the water. ホテルの前の湖水をへだてて宮殿が真正面に見えました。

前置詞 across の前についている副詞の right は<前置詞の強調>です。

Mr. Thomas : Yes, and all the sightseeing buses and boats start from and return to the Royal, don't they? そうでしょう。そして、すべての観光バスと観光船はローヤルのところから出発し、またそこへ戻ってきますね。

start from and return to the Royal の部分は、<v prep. and v prep. O >の形式であらわされており、O が<共通の目的語>になっています。

Mr. Goto : Yes, they do, and I took an all day boat ride. そうなんです。私は一日がかりの船の旅をしました。

動詞 take については take a bus/a train とあるように take a ride もあります。そして take a ... ride の ... の部分に、”形容詞的”に使えるのなら、何でも入れることができるのです。

Mr. Thomas : They call Stockholm "the Venice of the North". You can see a good part of Stockholm from a boat. ストックホルムは「北のベニス」とよばれていますね。船からストックホルムの大部分を見ることができます。

<a good part of O >は”良い部分”ではなく、「(量、面積、範囲において)大きい」ことをあらわします。a good deal of/ a good while などの場合と同じ用法です。

Mr. Goto : I was in luck again. 私はここでもついていましたよ。

成句<be in luck >は「(予想もしていなかったのに)幸運が舞い込んだ」状態を表します。

Mr. Thomas : A beautiful guide? 美人のガイドさん?

男たちの話題のつまるところはこれです。これしかありません!?

応用

I was in luck all the way. ぼくは、はじめからしまいまで、ついている。

副詞句<all the way>での way は「距離」をあらわしています。直訳すれば「すべての距離をたどって」というところでしょうか。

You can't be in luck always.. いつもついてばかりいるものでない。

副詞 always が文尾にあるのは、「続けざまにはありえないよ」という気持ちをあらわす、<部分否定>をする際の強調と考えられます。ふつうは You can't always be in luck. です。

I was out of luck. ついていなかった。

前置詞 out of は in の逆の意味として使われています。

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© 西田茂博 NISHIDA shigehiro

 
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