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マヨネーズ

マヨネーズ

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マヨネーズを作ってみた。スーパーに行けば、有名食品会社の安いチューブ入りが簡単に手に入るではないかと思うだろうが、実際作って食べてみれば、決まり切った味にいかに日常的に「洗脳」されているかわかるだろう。

大量生産品は、脂っこくもなく、酸っぱくもなく、最大公約数でまとめてあるだけ。だが、我々の舌や体質は千差万別。食生活を規格品で満たす必要などどこにもない。これは他のドレッシング類にも言えることだ。およそ料理とは言えないほどの簡単なまぜものなのに、後生大事に瓶に入って売られている。

これらが売れるのはひとえに現代人の怠惰によるものだ。確かに醤油や味噌の類は素人にはむずかしい。だがいわゆる「ソース」類ぐらいは自分でいろいろ作ってみて最も自分の好みに合うものを決めてみたらどうだろう。

さて、マヨネーズの基本材料は、卵の黄身、サラダオイル(オリーブ油ならどうだろう)、酢(白ワインビネガーが最上だといわれているが)の三つだ。酢と油という普通ならとうてい交わらないものを卵の黄身がうまくくっつけてくれるのだ(いわゆるドレッシングはビンに入れて無理矢理振って混ざったように見せているのだ)。ただしそのためには手がだるくなるほど泡立て器で混ぜ合わせなければならない。

さらに味付けとして、塩、コショウ、カラシ(粉)の三つだ。これらの割合は自分のお好みで決める。卵一個につきオイルは200ミリリットルまで。酢は15ミリリットルまで。「まで」と書いたのはこれが卵の黄身が酢と油を結び会わせることのできる最大限を示しているから、それ以下でもいいわけだ。この範囲内での酢と油の比率は作る人の好みによって決まる。

それにしても自分で作ってみて驚いた。いかに大量の油を使っているかだ。ドレッシングはもとより、マヨネーズにしても摂取量に気をつけないと、たとえ植物油だとはいえ、ブクブク太ってしまう。これはおそらく野菜類には脂気がないから、その分を加えようという発想から生まれたものだろう。毎日激しい肉体労働をしている人ならともかく、机に座ったままで仕事をする大部分の現代人の場合には、自己管理が何よりも大切である。

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手順
陶器の産地、栃木県益子町で買った、卵の黄身と白身の振り分け器。10円玉2枚が入るぐらいの隙間がうまく開けられている。器用な人なら二つに割った卵の殻の間を中身が行ったり来たりしている間に二つに分けることができる。もっとも最近の卵は殻が柔らかいので、それも難しくなった。
このように上に乗せて隙間を下にして傾けておくと、自然に白身が下のさかずきにしたたり落ちる。それにしてもよく工夫された道具だ。
ボールは金属製ではないものを。今回は丸底の丼を使用した。まず黄身、カラシ、塩、コショウの4つを入れておく。
これを手早くかき混ぜて均一に混じるようにする。これはむずかしい作業ではない。20回もやればすぐ終わる。泡立て器は小さめのものを使った方がやりやすい。
まず酢を5ミリリットルぐらい入れ、よくかき混ぜる。次にサラダ油を入れるが、決してドバッと入れないこと。糸を引くようにゆっくり混ぜていくのがコツ。助手に横に立ってもらうのが一番よい。油によって固くなるから、適宜酢を垂らす。あとは忍耐力と腕力でひたすらかき回すのだ。その間にスルメを焼いておくとよい。焼酎とマヨネーズをつけたスルメのうまさは何にたとえられようか?

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© 西田茂博 NISHIDA shigehiro
 
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