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朝のスープ

煮干

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新メニューとして考案したのが、朝のスープ。誰でも朝起きたときは体が水分不足となっている。血液も濃いから心臓は押し出すのに余計な力が要る。だから朝から血圧を上げなければならない。水分が多ければ血液は(昨夜の食事が脂っこくさえなければ)サラサラと流れ、体は睡眠状態から覚醒状態へとスムーズに切り替わる。

いしりパン食の場合にはコーヒー、紅茶以外にジュース類を飲むことが多い。また、コンソメやポタージュがある。一方、和食では味噌汁を飲むことが多い。だが、夕方にも味噌汁を飲むとすると1日2回もかなりの塩分を含む汁を体に入れることになり、食塩摂取量にやかましい現代人にとっては悩みの種だ。

そこで、塩分摂取過剰にもならず、ご飯、納豆、生卵、などと相性のよいスープを紹介しよう。必要なものはコーヒーメーカー。ポットなどと違い、コーヒーメーカーでは沸騰した手のお湯が手に入る。もちろんやかんで沸かしてもかまわないのだが、もし朝食の際にコーヒーを飲む習慣があるのなら、活用範囲が広がる。

しょっつるおわんの底に、煮干を3匹ほど、できるだけ手で細かくちぎりいれておく。その上に適量のトロロ昆布を置く。塩は好みに応じて入れるが、ほんのわずかでもききめがある。さて、熱湯を上から注ぐと、煮干はその場で煮立った状態になり、濃厚なだし汁がその場でできる。トロロ昆布というのはお湯をかけただけでは以外に物足りないものなのだ。なぜかというと植物性であり、その味があまりにあっさりしているからだ。煮干は動物性だし、同じ海産物だから、トロロとの組み合わせは非常によい味を作り上げる。

とろろ昆布つまりだし汁入りトロロ昆布。しばらく置くと、煮干もすっかりふやけて、柔らかくなっている。また、熱湯を注ぐ際に生卵をそっといれると、ポーチドエッグみたいなのができる。ぜひお試しあれ。塩分過剰にならない水分の補給、和式朝ごはんの友として、他のおかずやご飯とぴったりあう。

塩の代わりには、しょうゆが使えるが、日本の誇る、魚醤(ぎょしょう)である、「しょっつる」「いしり」「いしる」も実にいける。磯の香りが濃厚に漂い、まるで海岸の旅館での朝食のようである。

2008年9月初稿2009年4月追加

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© 西田茂博 NISHIDA shigehiro

 
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