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:ひとふでがき日本一周(四国 篇)

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トライアスロン用自転車

四国というところは、旅人にやさしいところのようだ。もっとも頻繁にサイクリストとすれ違ったのがこの地方であり、お遍路さんが至る所に見かけるのも、この地方である。しかも北部は瀬戸内気候で温暖であり、南部は、黒潮に洗われている。工業地帯は別にして、農村では昔からの地蔵や神社が数多く残っている。そんな雰囲気を感じ取りたいのならば、少女が自分探しに四国を放浪する映画、「旅の重さ」を見てみるといい。

四国の食べ物で、最も印象に残ったのはなんと、”みかん”だ。正確にいえば”温州ミカン”であり、これは全国どこの家庭でもお正月ごろまで、たくさん食べられている。ところが、今度わかったのは、「獲りたて」と「収穫してから1週間」とでは、まるで味が違うということ。旅行中いろいろなスーパーを訪れたが、”なんでこんなに安いの?”と思われる値段で売っている小粒のミカンは、そのジューシーさ、甘酸っぱさでは、ほかのどんなかんきつ類にも負けない。

それどころか、アメリカ合衆国とか、南アフリカとか、イスラエルから輸入されている”しなびて”いるが、防カビ剤でしっかり武装している果物なんかとは比較にならないことが判明した。TPPとかそんな問題を議論している場合ではない。果物の命は”新鮮さ”であり、それは、国内、それも東日本まで運んでも失われてしまい、収穫した現地でしか味わえないことがわかった。

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日本のように自転車交通が無視され続けてきたところでは、輪行が欠かせない。また学生諸君のように長い休みを取ることのできない大多数の自転車愛好者は、立て続けに日本一周をすることは定年後にでもならなければ実現不可能だ。

このためコースを一日づつの細切れ(1レッグ one leg ということにする)にして、暇や金ができたときに予定の場所を走行し、いったん輪行で自宅に戻り、機会があったら再びその到着地点から出発しなおすのが現実的であろう。(九里徳泰氏の人力地球縦断(前編)からヒントをもらった)

それでも一周らしく、所々に盲腸線が出るにしても全体としては一筆書きで行きたい。1日の走行距離は50キロから150キロの間。トレーニングではなく、あくまでも旅なのだから、速度や距離にはこだわらず、自転車の速度で見られる限りのものを見てみたい。

走行ルール;日本列島各4島と沖縄県の中で、最も海に接近した国道(赤色)を通るものとする。しかし、さらに海岸に近い主要地方道(緑色)があるときには、半島部周遊のかたちでそこを通らなければならない。(ひとふでがきの観点から、盲腸線の場合は除く)。

新国道がバイパスとなっている場合は、できるだけそれと並行する”旧道”をすすむ。海に面した堤防が通行可能な場合は、そこも利用する。トンネルの横に同じく迂回する旧道があるときは、できるだけそちらを通る。

また、さらに海に接近した地方道(黄色)、一般道、河川沿いの道路がある場合には、ひとふでがきで連結可能な限り、主要地方道に代えることができるが義務ではない。なお、どうしても体力、時間的問題によって通ることができない場合には、別の機会に必ずその部分の空白を埋めなければならない。また、好みに応じ内陸部の走行をする場合は、すでに通過した路線の任意の点を出発地と定める。

写真解説にGPSの数値があるものは、これをコピーしてグーグル地図検索らんに貼り付ければ、地図上にその位置が示されます。

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© 西田茂博 NISHIDA shigehiro

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