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:ひとふでがき日本一周(北海道篇)

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トライアスロン用自転車

夏の北海道は、サイクリストとライダーが数多く行きかう。長距離サイクリストの大部分は単独行で、大きな荷物を携行し、野宿だ。時速10キロぐらいでゆっくりゆっくり進む。ライダーは、かつて道内には「ライダー・ハウス」が多数あって、雑魚寝(ザコネ)をしたりして宿泊費を安くしていたものだが、その多くが今では廃業し、たいていは普通のホテルに向かう。

北海道は、日本の他の地方以上に、過疎化が進んでいるが、もともと人口の少ない地域だから、これからは人口が少ないなりに効果的に機能できるインフラ作りに成功すれば、より魅力的な地方づくりができるだろう。もっとも、今のところはまだ開発による発展というような幻想に政治家たちが固執しているようだから、好転の兆しは見えないが。

人々の話す方言は、日本各地から集まってきたことから、特定の訛り(ナマリ)があるわけではない。どちらかというと標準語に近い。それでも時々関西弁や東北(北部)弁を話す人に出会った。それぞれの地方出身者は、故郷の習慣をいくらか持ち越しているらしく、特に神社が所々に建てられている。ただしその建築様式は、北海道らしく実に単純で、西日本などに見かける手の込んだ彫刻を施したような本格的な神社はほとんど見かけない。

レッグ(44)から(49)までは、函館から稚内にかけて、西海岸を北上した。このルートは冬は豪雪地帯で、繰り返し序説するものだから、道面が著しく傷んでおり、洗面器大の穴が開いているのはざらである。細いタイヤではひとたまりもない。しかも南のほうはリアス式海岸に近く、岩をぶち抜いたトンネルが連なる。留萌から北に向かうと海岸はその荒々しさをゆるめ、サロベツ原野に至っては、平坦な砂浜が稚内まで続く。

レッグ(50)から(54)までは、稚内から根室、そして釧路まで東海岸を南下した。紋別ぐらいまでは、稚内から続く平坦な砂浜が多いが、そのあとはサロマ湖に代表されるような、潮流によって形成された湖や入り江が多くなり、根室のあたりで最高潮に達する。また、根室から釧路にかけては緩やかな起伏の続く丘が見られる。

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走行ルール;日本列島各4島と沖縄県の中で、最も海に接近した国道(赤色)を通るものとする。しかし、さらに海岸に近い主要地方道(緑色)があるときには、半島部周遊のかたちでそこを通らなければならない。(ひとふでがきの観点から、盲腸線の場合は除く)。

新国道がバイパスとなっている場合は、できるだけそれと並行する”旧道”をすすむ。海に面した堤防が通行可能な場合は、そこも利用する。トンネルの横に同じく迂回する旧道があるときは、できるだけそちらを通る。

また、さらに海に接近した地方道(黄色)、一般道、河川沿いの道路がある場合には、ひとふでがきで連結可能な限り、主要地方道に代えることができるが義務ではない。なお、どうしても体力、時間的問題によって通ることができない場合には、別の機会に必ずその部分の空白を埋めなければならない。また、好みに応じ内陸部の走行をする場合は、すでに通過した路線の任意の点を出発地と定める。

写真解説にGPSの数値があるものは、これをコピーしてグーグル地図検索らんに貼り付ければ、地図上にその位置が示されます。

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© 西田茂博 NISHIDA shigehiro

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