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トライアスロン用自転車

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自家用車の時代は終わった。これからの旅はバス、列車、タクシーに自転車を載せての輪行による。だが日本では”袋”をかぶせてコンパクトにしないと受け入れてもらえない。分解のしやすい車種を選ぶことはもちろん、車重のちいさいものであるのが望ましい。今回は真ん中でボディが二つに割れる、つまり折りたたみでありながら、ロード仕様でもあるジャイアントの MR4F (私の現在の愛車;上の写真参照)をモデルにした。

輪行(モデルはジャイアントの MR4F )の手順
==説明==
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輪行袋を用意。意外と大きい。しかも丈夫な綿製の場合、けっこう重さがある。底のほうはいずれ泥がついたり引きずったりして傷むことが予想されるので、前もって布ガム・テープを張っておくとよい。かつぐときは肩にかけるのが基本。列車やバスでは少しぐらい部品が飛び出していても、自分で見守っている限りは問題ないが、航空便など、自分の目が離れる輸送の場合は、完全に内部に納めて、少々の乱暴な取り扱いでもびくともしないようにしっかりと固定し、詰め物を入れておく必要がある。
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まず前輪をはずす。その前に前ブレーキの黒いクリップをゆるめ、ブレーキゴムとリムとの間隔をあけておく。これはパンク修理のときと同じく、基本的な手順である。
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黒いクリップを上に上げて緩めたところ。これで前輪をはずす準備ができた。クイックレリーズであるならばすぐにはずせるが、その前に車体を安定させておかなければならない。旅先では広げた輪行袋の上で作業することになろう。
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最近の前ホークは先端( U 字型の白い部分)に落下防止のための出っ張りがついているので、十分に緩めなければならない。普通のボルト・ナット方式のほうが簡単かもしれない。
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サイクリングに熱心な自転車屋でもらえる、プラスチック製の前ホーク固定枠。組み立て前の自転車についていたものをもらった。これをしっかりつけておけば、少々荒い扱いでも、前ホークが微妙にゆがんだりする心配がなくなる。
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ワイヤレス方式なら心配ないが、サイクル・コンピュータから配線されているセンサーの位置ははどうせ輸送中に狂ってしまうもの。でもボロ靴下でも巻きつけておけば安心だ。
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油のついた部分はみなボロ布で覆うべきだ。これで組み立て後、トラブルがなく快適に走り出せる。サドルを抜いたあとのパイプにもグリースがいっぱいついているからこれも布で包む。
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この自転車は真ん中で折れる。台形となる。これだと後輪をはずさなくても相当小さくなる。普通の自転車では前輪も後輪も両方はずす。ところでチェーンだが、これが輸送途中で外れやすい。あらかじめ、前後のギア両方とも一番「内側」に移動させておくとトラブルがない。
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ハンドルに手をつけなければこのまますっぽりと袋に入ってしまう。もし列車がすいていて、改札口の人通りも少なければ問題なく通過して輸送できるだろう。大都市の通勤混雑の中では無理だが・・・
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袋に入れる前に車輪同士を固定する必要がある。古チューブを裂いて、細いひも状にして結束すれば便利だ。
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輸送中の最大の問題は部品同士が互いにこすれて傷がつくこと。予想される部分はボロ布を巻きつけ、先のチューブによるゴムひもでしっかり固定しておく。
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車輪の結束は1箇所だけでは必ずズレてしまう。最低3点で結んでおく必要がある。
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ハンドルをはずしてみる。(1)ステムそのものをはずす(2)ステムとハンドルの連結部分をはずす(3)連結部分とハンドルそのものとの間をはずす、など車種によっていろいろあるが、気をつけるべきことはかさばらないようにすることと、ワイヤーに無理な力がかからないようなおさめ方ができるものを選ぶことだ。ハンドルの角度はあとで変わってしまうと運転しづらいから、必ずもとの位置に戻せるように、色ペンキで印をつけておくべきだろう。
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今回は(3)の方法でハンドルをはずし、フレームと平行になるようにしてベルトで取り付けた。ナットや取付金具はなくさないようにビニール袋に入れてすぐ横に縛り付けてある。
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ハンドルがフレームと平行になり、できるだけ出っ張りがないように気をつける。サイクル・メーターはもちろん、本体はハンドルから取り外しておく。
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ハンドルを取ったら、ヘッドの部分だけが袋から出ている。この部分は微調整の必要な部分だから旅先ではいじりたくない。ビニールを頭にかぶせて保護しておく。
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ワイヤー類が最も無理のかからない位置を見つけて固定。袋はあとチャックを引き上げるだけである。
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チェーンの上にかぶせたボロ布をはずしたところ。実際に現地に行ってからでは間に合わないから、自宅で何度も分解と組み立ての練習をしておくことが肝心だ。旅には余裕が大切である。

2008年12月初稿

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© 西田茂博 NISHIDA shigehiro

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