ホントに使える英語(1)

英語構文文法=その基本的構造を完璧にする

モントレマリーナ・藤井正

これが済んだら基礎構文・後編(小ロゴ)

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ATTENTION!まず読んでください!

このシリーズは中3卒業レベルの英語力かそれ以上の人を対象としています。例文はできるだけやさしい単語を使い、文法用語の使用は最小限にとどめてあります。これは私独特の「機能理論」に基づくもので構成されていますので、必ず(1)から順を追って勉強してください。最終の(5)に達したとき、「英語の全体像」が見えてきて、英語を本当に自分の道具とすることができるようになります。

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内容目次

はじめに

第1章 いかに文を理解してゆくか

第2章 区切りを6種類に分類する

第3章 前置詞の機能

第4章 to不定詞の機能

第5章 ing形の機能

第6章 動詞のed形(過去分詞)の機能

第7章 接続詞の機能

第8章 wh-/how語族の機能

第9章 まとめ


はじめに 

英語の学習者から最大の能力を引き出すためには、英語という、言語の特質を十分にふまえた、科学的教授法に基づいたものでなければならない。その方法とは、中学1年で初めてABCを教わるときから6年間一貫して続けられるものでなければなりません。

具体的には、文法を自在に使いこなせる道具にすることがまず第1段階です。細かい規則に立ち入る前に、動詞の基本文型、形容詞(句・節)、副詞(句・節)の3大要素を徹底して理解させ、その運用力を完璧なものにすることなのです。

第2段階としては、第1段階での基礎が完成したものに対して、徹底的に多読練習を課すことです。この過程において、学習者の語彙力を増大させ、もっと大切なことは英文の特質を十分に飲み込み、無意識のうちに、日本語から離れた英語だけで完結した文の流れに乗ってゆけることを目指すものであります。

第3段階では、第2段階をある程度こなした者に対し、速読を課してゆきます。制限時間内に、大量の文を読ませ、その要約を書かせる。または内容一致問題を課することによって、学習者一人一人の理解度を確認します。この段階では、速読練習によって加速度的に英語力を付けるものが現れてくる。しかし、他の学習者でも語彙や言い回しの点で豊富な経験を積んできているから、この先へ進む準備は十分にできているものと思われます。

第4段階では、第3段階で十分に力を付けた者が、ヒアリングと自由英作文に挑むことができるし、また最も効率的な勉強の成果を上げることができるでしょう。ヒアリングはまず、語彙や速読の後ろだてがなければならず、自由英作文では日本語にもはやとらわれることのない、一人歩きできる英語力を身につけたものだけが真の意味で「自由に」文を作ってゆくことができるからです。

このページでは第1段階から第4段階の流れの中で、第1段階における、文章のいくつかの要素について学びます。

第1章 いかにして文を理解してゆくか

流れをつかむ方法 英文を読み、理解してゆくために文法の知識は欠かせません。しかしここではできるだけ文法規則についての記述は避け、日本語になるべく頼ることなく、原文の意味を流れの通りにたどってゆく訓練を目指すものです。従ってこの論文は中学3年、高校1年レベルの英語を履修したか、それと同程度にあたると認められる人を対象にしています。

ここで既成の文法書を書くつもりはないのは、もしその企てを実行に移すのなら、本で言えば、数百ページに当たる分量を覚悟せねばならず、多くの一時的な読者を対象とするインターネットの「紙面」では、とうていその目的を果たすことはできないだろうと思われるからです。

そこで細々した規則については市販の文法書に譲るとして、英文の流れに基づいた、数少ない要素に集中して説明を試みたいと思います。(それでも、この論文を書き終わった頃にはさらに詳しい構造を説明する必要に迫られました。それについては第2回以降に述べてゆくつもりです。)

6つの要素 言語の構造は英語に限らず、他のどんな言語にもいえることですが、いくつかの機能に分割できると思われます。なるべく文法用語は使いたくないのが私の立場ですが、ここで*8品詞*の中で、少なくとも3つの要素を紹介しておかねばなりません。

それは(1)動詞(2)形容詞(3)副詞です。そしてそれらの機能を明確にするのが(4)主語と(5)述語と(6)修飾です。いちどきに6つの用語が出てきてしまいましたが、我々は子供が言葉を勉強するのとちがい、すでに自国語の言語体系ができあがってしまった大人として、話を進めなければならないので、おのずとこのような言葉が必要になってしまうのです。 *8品詞:動詞、名詞、代名詞、形容詞、副詞、前置詞、接続詞、間投詞

さて次の例を見てください。(訳は敢えて入れてありません。自分で調べて下さい。)

(1)You are my destiny.

(2)He stepped on my toes.

この二つの例文のうち、(1)での areは、前後の単語を連結しているだけですが、(2)での steppedは前後の単語を連結するだけでなく、ある動作が前後の関係で生じたことを示しています。このように、動詞は「主語」にあたるものと、そのあとの「述語」にあたるものとを結びつけ、しかもそれらを活性化する役割を果たしています。

さらに次の例を見てください。

(3)beautiful flowers

(4)run fast

(5)absolutely true

(6)walk much faster

例文(3)での beautifulは後にある名詞を「修飾」している、つまり形容詞です、ところが、(4)での fast,(5)での absolutely,(6)での muchは名詞以外(動詞、形容詞、副詞)を「修飾」している、つまり副詞です。修飾とは、このように名詞専門の形容詞と、名詞以外が専門である副詞の働きの両方を指します。

6タイプ これから進めてゆく話は、すべてすでに述べた6つの要素をもとにしてゆきます。また、複雑な文というのは、<1>形容詞<2>副詞<3>主語・述語をそれぞれ拡大、発展したものと考えられます。それらのかたまりを名づけて、本物の動詞による文を含まないものを「句」、中心となる動詞による文を含むものを「節」と呼びますので、ここから合計6タイプが生ずることになります。

形容詞句 では次の例を見てください。

(7)the people in the village

(8)books to read

(9)boys running in the yard

(10)the team defeated by its opponents

例文(7)では前置詞 inと名詞の組み合わせ、(8)では to不定詞、(9)では現在分詞、(10)では過去分詞が、それぞれ前にある名詞を修飾しており、「形容詞句」と呼びます。

形容詞節 ではさらに次の例を見てください。

(11)the people who live in the village

(12)the time when we can travel to the Mars

例文(11)では関係代名詞 who以下が、また(12)では関係副詞 when以下が前の名詞を修飾しており、「形容詞節」と呼びます。

副詞句 では次の例を見てください。

(13)live on the mountaintop

(14)go to the United States to study English

(15)Reading the book, he fell asleep.

(16)Hit by the car, she was seriously injured.

例文(13)では前置詞onと名詞との組み合わせによって、(14)では to不定詞で、(15)では分詞構文(現在分詞)、(16)では分詞構文(過去分詞)が、それぞれ動詞(または中心となる文全体)を修飾しており、「副詞句」と呼びます。

副詞節 ではさらに次の例を見てください。

(17)Because he was busy, he could not attend the meeting.

(18) I will stick to the end, whatever may happen to me.

(17)では接続詞 because以下が、(18)では複合関係代名詞以下が、その前か後ろの中心となる文を修飾しており、「副詞節」と呼びます。

名詞句 では次の例を見てください。

(19)We like to travel in the Asian countries.

(20)Traveling is my favorite way of spending vacation.

(19)では to不定詞以下が主語 Weの述語となり、(20)では ing形以下が動詞isの主語となっていて、「名詞句」と呼びます。

名詞節 ではさらに次の例を見てください。

(21)I don't know where he is.

(22)What he said was surprising to me.

(19)では where以下が、主語Iの述語で knowの目的語、(20)では what以下が、動詞 wasの主語となっており、「名詞節」と呼びます。

動詞の文型 最後に動詞はそれぞれ独特の述語形式を従えることになっており、それによって「文型」を区別しています。最もおおざっぱなのは2つに分類することですが、さらに5つに分類もされ、さらに他の要素を加えた、いわゆる「動詞句」も存在します。

では次の例を見てください。

<基本5文型>

(23)He doesn't go to school every day.

(24)They remained silent.

(25)She received a lot of presents.

(26)I owe him thirty thousand yen.

(27)Hard work makes me sleepy every night.

<動詞句>

(28)Go on!

(29)She put her clothes on.

(30)Don't look at her.

他動詞と自動詞 (23)(24)(28)は動詞が述語として対象になる名詞を伴っておらず、「自動詞」と呼びます。(25)(26)(27)(29)は動詞が対象とする名詞を伴っており、「他動詞」と呼びます。(30)は自動詞であっても atが前置詞としてついているので、対象とする名詞を伴っています。

目的語 なお、対象とする名詞は、他動詞でも前置詞のあとでも、共に「目的語」と呼びます。 これによって、文を作り上げる要素が出そろいました。機能による分類は次の6つとなります。 <1>形容詞句 <2>形容詞節 <3>副詞句 <4>副詞節 <5>名詞句 <6>名詞節

第2章 区切りを6種類に分類する

区切りをつける 英語の文章を読むためには、上の6つの機能ごとをそれぞれ見分ける必要があるのですが、そのためには6種類の区切りに使われる語に注目する必要があります。それは次の通りです。 <1>前置詞 <2> to不定詞 <3>動詞の ing形 <4>動詞の ed形 <5>接続詞 <6> wh-/how語族

機能語 英文を読んでいて、この6つのうちのどれかに遭遇したら、それぞれの持つ、特定の機能を果たしているはずです。ところがこの6つは1つでそれぞれ、数多くの機能を兼ね備えているので、その働きを決めるのは容易なことではありません。そのためその語の前後をよく観察して、そこに使われている機能を一つにしぼらねばなりません。 これができるようにするためにはそれぞれの機能語の働きをあらかじめ熟知しておく必要があり、その知識のうち一つでも欠けたら使いものにはなりません。英文の読めない人はそれを知らないためです。ある文を読んで、分からない単語は辞書で引けば分かります。

速読へ ところが、機能語の分析は自分で決めてゆく以外に方法はなく、これを実地に助けてくれる参考書はありません。従ってこれから述べる機能語の使用法は100パーセント!頭に入れておく必要があります。 機能語の判定ができるようになれば、その小さな単位の中での英文の解釈に専念すればよく、短く細かくなった文の中ではさほど難問は存在しません。いわば、複雑な文、難解な文とは、小さなかたまりの集合体にすぎなくなるのです。この段階を通り過ぎた人は、この先、機能語を先頭とする文の中身を理解するだけでよく、急速に英語力が高まり、慣れは速読を可能にしていきます。

それでは次の章から、この6つの機能を詳しく見て行きましょう。すでに述べたように、これは極端に簡潔にまとめたもので、第2回以降にさらに詳しい分類を試みるつもりです。

第3章 前置詞の機能 

前置詞の機能は3つあります。 <1>形容詞句を作る <2>副詞句を作る <3>動詞句の一部をなす

<1>では例文(7)the people in the villageにあるように、前置詞プラス目的語の組み合わせを作って、前にある名詞に対して「後置」されて、修飾します。

<2>では例文(13)live on the mountaintop にあるように、同じ組み合わせが、前にある名詞に対してではなくて、前、または後にある動詞を修飾します。

<3>では 例文(30)Don't look at her ! にあるように、特定の動詞と結合してそれまでになかった、新しい意味(熟語)を作ります。このタイプはそのほとんどを辞書の動詞句としての「見出し」に見いだすことができます。

しばしば<1>と<2>の区別に困ることもありますし、場合によってはどちらにとっても大差ないこともあります。<3>の場合はその人の単語・熟語の知識量にかかっていますので、せいぜい記憶量を増やしましょう。

*****

統計的には、圧倒的に副詞句の場合のほうが多いのです。<前置詞+名詞>のまえに名詞がなければそれは必ず副詞句だからです。しかし、<1>と<2>のいずれにもとれ、それぞれの意味がお互いに異なっている場合は、読み手に誤解を招く悪文です。書き手はそのような場合が起こらないように、工夫をしなければなりません。

なお、辞書では、ある名詞とその形容詞句に使われる前置詞が固定されている場合には、それが明示されています。of が圧倒的に多いようですが、それ以外の前置詞も使われています。例;reason for.../effect on.../belief in.../attention to...・disappointment with...等々

副詞句を目立たせるには強調構文というのがあります。副詞句だけを取り出して It is ... that の間にはさみ、残りは that のあとにおくというものです。例文13ですと、They live on the moutaintop. → It is on the moutaintop that they live. とするものです。On the mountaintop they live. のように主語の前においてしまう例がたくさん見受けられますが、これは強調構文の it is that をはずしたものと考えてもいいでしょう。

形容詞句を目立たせるためには、関係詞を利用して形容詞節にしてしまいます。the people in the village の場合ですと、 the people who live in the village / the people who are in the village のように適当な動詞を選びます。形容詞句・節は「村の人々」と固定すると、そうでない場合、たとえば「村以外にいる人々」を想定する状況を作り出しますから、かなり注意を必要とします。

第4章 to不定詞の機能 

to不定詞の機能は5つあります。 <1>形容詞を作る <2>副詞句を作る <3>主語か目的語の名詞句を作る、be動詞のあとの名詞句を作る <4> be to不定詞 <5>他動詞の目的語のあとにつく(=第5文型)

<1>では 例文(8)books to readにあるように、必ず「後置」された to不定詞が前にある名詞を修飾します。

<2>では 例文(14)go to the United States to study Englishにあるように、さまざまな意味関係を持つ(たいていは「目的」を示しますが) to不定詞が最も手近な動詞に前から、あるいは後ろから修飾します。

<3>では 例文(19)We like to travel in the Asian countriesにあるように他動詞の「目的語」の役割を果たします。

また次の例を見てください。

(31)To watch videos never makes me bored.

(32)My favorite pastime is to watch videos

この(31)の例文でもto不定詞が動詞 makesの「主語」の役割を果たしていますので、同じく名詞句です。また、同じ名詞句といいながらも be動詞の後につくということで少々事情が違います。つまり、(32)の例文で、isが使えるのは、主語と to不定詞の内容が「等しい」からです。

<4>では beと to不定詞が一つに結びついて新しい「助動詞」のようなさまざまな働きをするようになったものです(たいていは「予定」をあらわします)。

次の例を見てください。

(33)They are to attend the party at 6 pm.

この(33)の例文では主語と to不定詞の内容が等しくはなく、are toを削除すると、Theyと attendは普通の主語と述語の関係だとわかります。この点で例文(32)と全く異なります。ここでは具体的な時刻を示しているので、未来形を示す willより確定性の強い「予定」を示しています。

<5>ではすでに他動詞があり、その後に目的語があるのに、さらにto不定詞が追加される場合です。

次の例文を見てください。

(34)She asked them to bring her bag.

この(34)の例文では、sheと askedの間が主語・述語の関係であるだけでなく、themと追加された to bring以下との間にも「ミニ」の主語・述語の関係が生じたことになります。この文型は特定の動詞によって決定されます。例文(27)のタイプです。(=第5文型)

第5章 ing形の機能 

ing形の機能は5つあります。 <1>形容詞句を作る<2>副詞句を作る(=分詞構文)<3>主語か目的語の名詞句を作る(=動名詞)、be動詞のあとの名詞句を作る(=動名詞)<4> be ing形(=進行形)<5>他動詞の目的語のあとにつく(=第5文型)

<1>では 例文(9)boys running in the yardにあるように、修飾する名詞の前、または後に置かれます。後に置かれるものは関係代名詞の「主格」で始まる文で置き換えることができる場合があります。

<2>では 例文(15)Reading the book, he fell asleep.にあるように、修飾する文の前、または後に置かれます。いろいろな関係をその文と持ちますが、特に「付帯状況」という名で、andで続く、または whileで始まる文と似た、曖昧な意味を持つことが多いのです。

<3>では 例文(20)Traveling is my favorite way of spending vacation.にあるように、travelingが isに対して主語の役割を果たしています。

次の例を見てください。

(35)They enjoyed playing baseball.

(36)My favorite pastime is taking pictures.

例文(35)ではplayingが他動詞enjoyedの目的語となっています。また、(36)の例文でisが使えるのは例文(32)の場合と同じく、主語と ing形の内容が「等しい」からです。

<4>では次の例文を見てください。

(37)The dog was running at full speed.

この(37)の例文では主語とing形との間が等しくなく、普通の ranの形に戻すと、普通の主語述語の関係だとわかります。この点で例文(36)と全く異なります。runが「動作」を示す動詞であるため、「一時的状態」を示すために、be ing形を使っています。

<5>では次の例文を見てください。

(38)I saw him running along the street.

この(38)の例文ではIとsawの間が主語述語の関係があるだけでなく、目的語である himと追加された running以下との間にも「ミニ」の主語述語の関係が生じたことになります。この文型は特定の動詞によって決定されます。例文(27)のタイプです。(第5文型)

第6章 ed形の機能 

ed形の機能は5つあります。 <1>形容詞句を作る<2>副詞句を作る(=分詞構文)<3> be p.p.(受動態)<4> have p.p.(完了形)<5>他動詞の目的語のあとにつく(=第5文型)

<1>では 例文(10)the team defeated by its opponentsにあるように、修飾する名詞の前、または後に置かれます。後に置かれるものは、例文(9)と同じく、関係代名詞の「主格」で始まる文に置き換えられる場合があります。

<2>では 例文(16)Hit by the car, she was seriously injured.にあるように、修飾する文の前、または後に置かれます。いろいろな関係をその文と持ちますが、特に「付帯状況」という名で、例文(15)と同じく、andで続く、または whileで始まる文と似た、曖昧な意味を持ちます。

<3>では次の例文を見てください。

(39)The mountain was seen in the evening.(=We saw the mountain in the evening.

この(39)の例文では本来他動詞sawの目的語であったmountainが主語の位置に移動しています。このように他動詞、前置詞を問わず、それらの目的語の主語化は、be p.p.で表します。(受動態)

<4>では次の例文を見てください。

(40)He has lost the key.

この(40)の例文では、本来「未完了」を示すはずの loseが、「完了」した状態になっていることを示しています。このように、それが示される「時制」(現在・過去・未来)の範囲内での「完了」化は have p.p.で示します。 過去形では「鍵をなくした(が、あとで見つかった?)」のに対し、現在完了形では「なくして(今でも見つかっていない!)」ことを表します。

<5>では次の例文を見てください。

(41)Why don't you have your hair cut by your wife?

この(41)の例文では youと haveの間が主語述語の関係があるだけでなく、目的語であるhairと追加された cut以下との間にも「ミニ」の主語述語の関係が生じたことになります。この文型は特定の動詞によって決定されます。例文(27)のタイプです。(第5文型)

第7章 接続詞の機能 

接続詞の機能は3つあります。 <1>同品詞のものを結合する(等位接続詞)<2>副詞節を作る(従属接続詞)<3>名詞節を作る

<1>では次の例文を見てください。

(42)Hurry up, and you will be in time for the bus.

この(42)の例文では、andの前後に2つの文があり、「時間的な流れ」に沿ってその2つは配列されます。 and,or,butが最も基本的な等位接続詞です。

<2>では例文(43)Because the sky was dark, they decided not to go out.のように、becauseを先頭にする文が中心となる文を前、または後ろから修飾する場合をいいます。(従属接続詞)。この従属接続詞とは等位接続詞を除くすべての接続詞をさし、「原因・理由」「時」「条件」などのさまざまな関係を生み出します。

<3>では次の例文を見てください。

(43)She doesn't know if he will try his best.

(44)Is it true that the volcano erupted?

(45)The question is Whether he can stand the test.

(46)Here is the question whether he can stand the test.

全部で、4つのタイプが見られます。(43)の例文では、他動詞 knowのあとに来る目的語が ifを先頭とする文の形をとっています。(44)の例文では、is の主語は itを仮にしているものの、thatを先頭にする文です。(45)の例文では、beのあとに来るべき所に whetherを先頭とする文が入っています。これは questionとwhether節の内容が「等しい」からです。また、(46)の例文では、(45)で等しいとした部分が、beの仲介なしに結合しています(同格)。

このように主語、目的語、beのあと、同格の4つの場合全部に名詞節を作る従属接続詞は、thatと whetherだけです。if は目的語の場合のみ、whetherの代用をします。(副詞節の ifと混同されるおそれがあるため)

第8章 wh-/how語族の機能  

wh-/how語族はまず、「代名詞(主格・目的格、所有格)」、「形容詞」、「副詞」に分類しなければなりません。

<1>代名詞 主格 who,what,which 目的格 whom,what,which 所有格 whose

<2>形容詞 what,which

<3>副詞 when,why,where,how

wh-/how語族の機能は3つあります。 <1>形容詞節を作る<2>副詞節を作る<3>名詞節を作る

<1>では次の例文を見てください。

(47)This is the lady who gave me this jewel.

(48)Do you remember the time when she was a child?

(47)の例文では、whoは、gaveの主語である ladyの代名詞であるとともに、ladyを後から修飾しています。(関係代名詞) また、(48)の例文では、whenが副詞句である in the timeを示しているとともに、timeを後ろから修飾しています。(関係副詞)( whatと howは形容詞節を作らない)また、これらの関係代名詞の多くを thatで交換することがあります。

<2>では次の例文を見てください。

(49)Whichever you choose, you will be disappointed.

(50)No matter which you choose, you will be disappointed.

(49)の例文では、whicheverで始まる文が中心となる文を修飾しています。一般に wh-/how語族の後に everをつけるか、例文(50)のように、前に no matterをつけることによって、「譲歩」の副詞節を作ることができます。( whyはその意味から譲歩節を作らない)

<3>では 例文(21)I don't know where he is.では、whereで始まる文が他動詞 knowの目的語になっています。このように wh-/how語族を「疑問詞」として使うとき、すべて名詞節になります。

次の例文を見てください。

(51)Why she has disappeared is a mystery.

(52)The problem is when it will be finished.

51)の例文では、whyで始まる文が、isの主語としての名詞節になっています。また、(52)の例文では、whenで始まる文が、be動詞のあとにあるため、problemと内容が「等しい」のですが、みな名詞節といえます。 ただし、例文(22)What he said was surprising to me.ではこの whatが「疑問詞」ではなく、a thing + whichの働き(関係代名詞)になっています。その区別は文脈によって決まります。

次の例文を見てください。

(53)I will take whatever you offer to me.

(54)I will take whichever you offer to me.

(55)Whoever is willing to pay is welcome.

(53)の例文では、whateverで始まる文が他動詞 takeの目的語、つまり名詞節になっています。この語の whatとの違いは whatever = anything + which(複合関係代名詞)である点です。(54)の例文では、whateverが、whicheverで始まる名詞節に置き換わっていますが、whateverと違い、whichever = any of the things whichであり、「選択範囲」が限定されている場合に使います。(55)の例文の名詞節では whoever = anyone whoと見なされます。 このようにwhat,which,whoの3つの代名詞( what,whichは形容詞も)は -everをつけることにより、譲歩の「副詞節」のみならず、「名詞節」に転用できます。( no matter-は副詞節のみにしか使えない)

第9章 まとめ 

SENSE GROUPSをとらえる このように6種類の機能語の働きをマスターすることにより、意味を持つかたまり、つまり( sense groups )を素早くとらえることができるようになり、他のかたまりへの修飾関係もはっきりしてきます。先に述べたように機能が3種類から6種類にわたるので、その使い方には十分な習熟が必要です。また、副詞句、副詞節では、修飾する対象との関係が10種類ほどに分かれ、それぞれが「分業」によって担当範囲が決まっています。また、形容詞句、形容詞節にもそれぞれ構成方法の違いから、異なる担当範囲が決まっています。従って今回は機能語をざっと見渡しただけなので、もう少し深く研究が必要になりますが、それは第2回にまわしましょう。

参考文献

英文法を受験のためではなく、広く英語を運用するのに役立つのはベティ・S・エイザーという人の書いた、世界中の英語教育機関で用いられている、プレンティスホール出版のエイザー(AZAR)シリーズです。全部で8冊ありますが、すべて日本語版が出ています。

エイザーの基本英文法初級(上巻・下巻)各1600円

エイザーの基本英文法中級(上巻・下巻)各1800円

エイザーの基本英文法上級(上巻・下巻)各1922円

エイザーのわかって使える英文法(上巻・下巻)各1922円

これが済んだらホントに使える英語(2)

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