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モントレマリーナ・藤井正

これをやる前にホントに使える英語(1)

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目次

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第9章 動詞句

第10章 BE,HAVE 動詞と機能語の組み合わせ

第11章 等位接続詞

第12章 英作文への道


第9章 動詞句  



英語の動詞は5つに分類しただけでは不十分で、短い副詞や、前置詞との結びつきによる動詞による「成句」によってさらに幅広い表現を可能にしているのです。

なお、短い副詞とは、その大部分を占めるのが、ふだんは前置詞として使っていながら、目的語をつけないものをさします。(on, out, in, over, off, up, down など)また、動詞句に使用される動詞は基本的なものが大部分です。( put, have, take, go, come, make, get, keep, give など)また、これらの動詞句が他動詞タイプの場合、目的語は原則として、「名詞、代名詞、動名詞」のみで、名詞句、名詞節は伴いません。

これらによって作られた動詞句は5種類が考えられます。・BR>
<1>自動詞+副詞
<2>自動詞+前置詞
<3>自動詞+副詞+前置詞
<4>他動詞+副詞
<5>他動詞+前置詞


<1>自動詞+副詞

(120)Please come over whenever it is convenient for you.
本来自動詞である come に副詞の over をつけることによって、単なる「来る」から「(わざわざ)やってくる」というように、意味に変化が生じます。元々第1文型である上に、副詞が追加されただけですから、このタイプではうしろに目的語が来ることは決してありません。[ go on ],[ get off ],[ give in ]などはこの形式で使われることが多い。(注:この<1>のタイプでのみ使われるとは限らない)

<2>自動詞+前置詞

(121)Why are they waiting for him, knowing he would never come?
すでに副詞句のところで述べたように、自動詞のあとの前置詞はうしろの目的語と結びついて副詞句を作ります(例文99参照)。ここでは for him にあたります。ただし、wait と for は慣用上、非常に深い結びつきを持っているので、一緒にして覚えておくのが得策なのです。[ live + in ],[ go + to ], [ look + at ]などがその例です。

(121)You should look for the job at once.
ところが、 look と for が結びつくと、「みえる」という look が本来持つ意味とは違う、「さがす」という全く新しい意味が生じます。このように別の単語のような様相を示したものこそが「成句」であり、辞書の「見出し」にもなります。この場合、前置詞のあとに目的語がついていることから、多くは受動態を作ることも可能で、「第3文型」の一つの動詞のように見なすべきなのです。[ see to ],[ take after ],[ look into ]などがその例です。

<3>自動詞+副詞+前置詞

(122)I can't put up with his rudeness any more!
この動詞句も、本来の put とは全く意味を持っているので、成句と見なし、「第3文型」の一つに見なしたほうが便利です。真ん中に短い副詞を挟んでいることが特徴で、[ look forward to ],[ keep up with ],[ make away with ]などがその例です。

<4>他動詞+副詞

(123)Why don't you put your coat on, when it's so cold?
この動詞句も、本来の put とは違った意味を持っているので成句と見なし、他動詞であることから、もちろん「第3文型」に属します。

ところで、目的語の位置ですが、代名詞はもちろんのこと、例文にあるように、他動詞と副詞の「間」に挟むという原則で、辞書の見出しもそうなっています。ところが、目的語がうしろに形容詞句、形容詞節などが付属するなどして長い場合、副詞のあとに置くことも許されています。[ get-over ],[ take-up ],[ set-aside ]などの例があります。

<5>他動詞+前置詞

(124)Please inform me of the recent development of the affair.
他動詞のあとに前置詞があるということは、それぞれに目的語が1個づつ付く、ということであり、一種の「第4文型」となります。特に、この例文では、 inform のあとには「相手」、of のあとには「物事」が来ている点でも似ています。[ deprive-of ],[ exchange-for ],[ provide-with ]などの例があります。

(125)Take care of yourself when you leave your house.
同じ他動詞と前置詞の組み合わせでも他動詞側の目的語が「固定」されているものもあります。この場合は care がその目的語にあたります。前置詞 of の後にくる目的語は何を入れてもかまいません。 [ catch a glimpse of ],[ make a fool of ],[ get hold of ]などがその例です。

その他の表現 動詞句というのは、基本的に、辞書の見出しに出るものということです。その点からすると、あと2種類あげておいた方がいいでしょう。

(126)She made tremendous efforts to get over the difficulty.
(127)Why don't you have a look at her condition?
例文(126,127)では、「コロケーション( collocation )」と呼ばれるもので、make, take, have, do といった、第3文型の他動詞と「特定の目的語」の結びつきをいいます。たとえば、take a mistake や、have a mistake とは言わず、make a mistake というように決まっているわけです。

(128)Are you afraid of ghosts during the night?
(129)We are willing to offer our help.
(130)I am sure that he will do his best.
もう一つは「形容詞」を中心とする表現です。これは (be) 形容詞のあとに to 不定詞、前置詞、 that 節のどれかをつけるタイプの成句です。be をカッコに入れたのは、第2文型のほかの動詞( become, keep, remain など)に入れ替わる可能性があるからであり、(例文102,103,104)また、be 抜きで分詞構文を作ったり(例文24)、*** People afraid of ghosts during the night had better not live in the country のように、名詞をうしろから修飾して形容詞句になる可能性もあるからです。

第10章 be, have 動詞と機能語の組み合わせ  



動詞の中で、have と be のふたつは、さまざまな表現の基本形を作ります。それらについて確認してみます。共に動詞というよりは「助動詞」といったほうがよく、意味の中心部分はそのあとの機能語に置かれます。

<1> be + ing 形
<2> be + 過去分詞
<3> be + to 不定詞
<4> have + 過去分詞形


<1> be + ing 形

いわゆる、進行形です。「動作動詞」は元々特定の場所や時間の定まっていないことが特徴なので、これを「(その場での)一時的状態」に変える形式です。ただの動詞の原形としての「走る」では抽象的でとらえようがありませんし、現在形では走ることの「繰り返し、習慣」を示すだけですが、「走っている」と言われれば、今、この場所で走っていることがわかり、現実性が示されます。

(131)Yesterday he was running around the track a lot of times.
例文(131)では時間も場所も指定してありますから、(過去)進行形が使われています。

(132)The actress was being interviewed by the reporters.
例文(132)では受動態になっていますが、同時に進行形にもする場合には、be と 過去分詞形との間に、being を挟めばいいわけです。

(133)He had to keep standing all the way to Osaka. 進行形の考え方は、keep のあとの ing 形にも現れています。*** He was standing all the way to Osaka. と比較してください。

<2> be +過去分詞

いわゆる、受動態です。この働きは他動詞や前置詞の目的語を主語にすることですが、自動詞の一部を「完了」にする働きもあります(形容詞句・例文52参照)。受動態が何から作られたかをよく理解し、そのもとの形を「復元」できることが大切です。

(134)The bear was struck by lightning, but none the worse for it.
第3文型の動詞の受動態。本来の主語は by で表すか、ありふれたものなら何も書かないのが普通です。

(135)They were offered a three-month-pay, but they turned it down.
第4文型の動詞の受動態。目的語が2個あるので、残った1個は過去分詞のあとに置かれます。

(136)I was made to pay the fine, though I opposed it.
第5文型の受動態では目的語が主語に移動したあと、目的語の述語部分(補語)はそのまま過去分詞のあとに置かれます。 (注:述語部分が make の場合のように、能動態では「原形」であっても、受動態になると発音しにくいので、「 to 不定詞」の形をとります。)

(137)On her being told the truth, they were afraid that she would begin to cry.
(138) I hate to be laughed at in their presence.
例文(137,138)にあるように、受動態は主節中の本動詞に用いられるだけではなく、ing 形や to 不定詞にも応用可能です。

<3> be + to 不定詞

進行形が「そのときの一時的状態」だとすれば、be + to 不定詞は「未来志向、予定」を示すのに利用されます。しかし曖昧な表現ですから、文脈に応じて様々な解釈も可能です。

(139)They are to get married next June.
この文の be to では助動詞の will の働きに似ていますが、「確定的な予定」になっている点が違っています。また、 *** The problem remains to be solved. の文では [ remain + to 不定詞 ]の形になっていますが、これも一種の未来志向の文だといえます。

(140)You are to hand in the report on Monday.
この文の be to では未来志向であっても、「義務」的なものが含まれており、助動詞の must, should の働きに似ています。

(141)No figure was to be seen under such a dark light.
この文の be to では「能力、可能性」に重点が置かれ、助動詞の can に近い。

(142)If you are to get rich in no time, invest in this business.
この文の be to では、条件節の中に組み込まれているので、「将来へ向けての希望、意図」を示していると考えられます。

<4> have + 過去分詞形

いわゆる完了形を作ります。本来は「未完了」である動作動詞を「そのこと自体はすでに終わっている」ことを示すために用いられるのが主な用途です。

たとえば「なくす lose 」では単なるなくすという行為を、時間的な設定もなく、抽象的に示しているにすぎませんが、「なくしてしまう have lost 」ことによって、初めてこの動詞が現実に即して表現されることになるわけです。

完了している時点が、現在(現在完了)であれ、過去の時点(過去完了)であれ、未来の時点(未来完了)であれ、それは変わりません。ただ、使う動詞の性質によってそれぞれのバリエーションが出てきます。 「完了」・「結果」・「経験」はみな同じ線上にあるとみていいでしょう。ただし「継続」だけは完了の持続期間に重点を置いているといえます。

(143)I have lost my key, and cannot open the front door.
最も一般的な完了状態を示し、動詞も普通の「動作動詞」が使われます。これが、過去形で *** I lost my key. ですと、「なくしたこと」は事実でも、そのあと見つかったかもしれません。完了形では「(今でも)見つかっていない」のです。(結果)

(144)She has just finished her assignment, so she is watching TV.
この例文では just が入っているので、例文(143)と比較すると、完了してから時間がわずかしかたっていないことを示します。(完了)

(145)Has he ever been to Italy? この文で国の名前が入っているということは完了してからだいぶ時間がたっていることを示しています。これが Italy ではなく、post office であったら、例文(144)に近いといえます。(経験)

なお、完了形における been とは「行って、居て、帰ってきた」という3つの動作の完了を示します。つまり「往復」です。

(146)We have known him since our childhood.
know のような「状態動詞」や married, dead のような形容詞が使われている場合は、すでにその状態に入っていることはわざわざ「完了形」にしなくともわかっているはずですが、どれくらいその状態が続いているかを示すのは必要なので、「ある時点に至るまでの期間 ( for )、または開始時点( since )」を示すことが行われます。(継続)

(147)It has been raining for two days.
進行形は、「一時的状態動詞」ですから、例文(146)と同じことが通用します。(継続)

補助的動詞について have にはおなじみの have to 不定詞の用法もあります。このように助動詞的にほかの動詞を「補助」する働きについて、この章では見てきました。本物の助動詞はもちろん、be や have にしても、いわゆる「動詞部分」はいくつかの動詞の寄せ集めになっており、最初に来る動詞が一番軽く、最後に来る動詞こそが最も重要性を持つといえます。

ですから、たとえば *** He seems to have enjoyed dancing last night. の場合ですと、seem, have, enjoy, dance と4つもの動詞が異なる形を呈しながらも連結しているわけですが、最後の dance こそが主語の He と最も深い関係を持っているといえるのです。残りの3つの動詞は dance にたどり着くためのまさに補助的部分なのです。

第11章 等位接続詞 

最後に等位接続詞 and, or, butなどについて一言触れて置かねばなりません。というのもこれほど、最初から学んでいるにもかかわらず、これほど軽視されているものも珍しいからです。つまり「そして」「あるいは」「しかし」という日本語の意味への置き換えでことを済ませ、それらが何と何を結んでいるのかほとんど考えもせずに、文を読んでゆく人がいかに多いかということです。いかに副詞節や形容詞節の扱いがうまくなったとて、肝心のこれらの接続詞が結ぶものについての誤解があったのでは何にもなりません。ではまず and から順に実例を見てみましょう。

(148)We are free to buy any commodity if we can pay the price asked, and we decide the amount we think we can afford.
この文で使われている and は「動詞 are を含む文」と、「動詞 decide を含む文」とを結びつけています。途中にある if 節は関係ありません。if 節は動詞 are を含む文を修飾しているだけです。

ここで基本的な and の性格を確認する必要があります。つまり、[ A and B ]においては A と B とは共に同じ品詞の単語、または、同じタイプの文であることが原則です。ところが、 [ A + C and B ]の場合、C の内容が A や B と異なり、「副詞的」なものであるとき、and の結合関係の中で C を排除しなければなりません。例文(148)ではその C にあたるのが if 節なのです。ここから得られる教訓は and の左隣にあるものは必ずしも右隣にあるものと結びついているわけでないということです。特に and の前にコンマがあるときは何のためなのか要注意です。

(149)He was interested in science fiction and the book in Buddhist and Christian cults.
また一般に、and で結ぶものが3つ以上に及ぶとき、A, B and C のような形式にして、and の位置は最後に来るもの(ここでは C )の直前に来るわけですが、例文(149)にあるように and がふたつあるときはどのように解釈すべきなのでしょうか?このような場合、安易に A and B and C とするわけにはいきません。一方の and が下位グループに属するように分割しなければなりません。従ってここでは A and ( B and C )と考えることができます。手がかりは文脈のほかに book の前に付いた the とか Buddhist や Chiristian が共通して cults を修飾していることなどです。

(150)You cannot marry Jane and are engaged to Mary.
この文で使われている and は「動詞 marry を含む文」と「動詞 are を含む文」とが結ばれています。問題なのは not がどの範囲までカバーしているかです。この文ですと文脈から判断してわかるとおり、「両方」同時にはできないということでしょう。

従って、[ not A and B ]の形式の場合、しばしば、[ not both A and B ]と同じく、「部分否定」の意味を含む場合があることを知っておいてください。もちろん文脈によって、あるいは and の前のコンマの使い方によっては必ずしもそうはならない場合も多いですが。

(151)I don't have any sugar or milk.
この文で使われている or は「名詞 sugar」 と「名詞 milk 」が結ばれています。この文では not を含み、「どちらもない」という意味が容易に察せられます。

従って、[ not A or B ]の形式の場合、しばしば、[ not either A or B ]や [ neither A nor B ]と同じく、「完全否定(全部否定)」の意味を含む場合が多いと知っておいてください。

(152)What is important is not what you have but what you are.
この文に使われている but は従来の「逆接」的用法とは異なり、not とははっきりした対応関係があるのがわかります。なぜなら、what you have と what you are は同じ名詞節であり、どちらも is のあとに連結可能だからです。

このような形式は [ not A but B ]で表すことができますが、普通の but と区別をするために、A と B は基本的に同じ品詞であること、そして両者は「対応」関係にあること、の条件が必要です。これによって A は否定され、反対に B は肯定されることになります。

これ以外の等位接続詞として、 nor, for があり、また副詞から転用された so をはじめとする語がたくさんありますが、やはり and, or, but の3つこそ文の基本になるといえます。

第12章 英作文への道  



今まで、11章にわたって、英語の文章の構造的骨格となるものについて述べてきました。しかしこれらは文法書のつもりで書いたのではありません。一つ一つの品詞について詳細な説明を加える、文法書の一般的傾向とは異なり、ここでは文を組み立てる材料の性質と用途について説明を試みたつもりです。

言い換えると、あなたが自分の力で英語の文章を作るときに、必要な材料を提供したともいえるのです。確かに、文に必要なのは語彙ですが、それは辞書に頼れば、時間がかかってもある程度、目的は達せられます。しかし相手にわかってもらうためには文の構成についての正確な知識がなければなりません。「土台は地面に埋め」、「梁は空中にわたす」という当たり前のことができなければ、人に通じる文章は作れないのです。

これまで得た知識を持って早速、英語の文章を作ってみることをお奨めします。動詞はその文型に沿って、修飾部分は形容詞句、形容詞節、副詞句、副詞節のうちのどれか適切なものを選んで、文と文は等位接続詞をうまく利用して、作っていけばよいのです。実際に書いてみることが、ここで得られた知識の定着に最も役立つ方法です。語彙に自信のない最初の段階では、ある文をばらして、「整序」することから始めるのが最も有効です。それでだいぶ慣れたら、日記レベルの易しいことを書き並べればよい。

作文練習はこの項目すべてを網羅するぐらいの練習量を積んでください。そして使用目的に応じてどのように使い分けるかの判断を素早くしてゆくのです。たとえば、「目的」なら to 不定詞にしようかな、とか、この名詞の修飾には「 ing 形」が適切だ、というように。大量の練習を積むうち、ほとんど無意識のうちに必要な道具が出てくるようになります。

さて、この構文がすっかり身に付いたところで、数多くの英文を読んでゆく作業も、急に楽に見えてくるにちがいありません。しかも内容を正確にとることもできるようになります。そこで次の段階に移ってほしいのが、このシリーズ第3番目に当たる、「文章の切り方」です。ここでは文章をいかに効率よく切ってゆき、そのセンテンスグループの意味を素早く読みとれるようにするかについて紹介します。それはいよいよ、「速読」へとつながってゆく道なのです。 おわり

1999年1月作成

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