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S V C文型ー理解しやすくするために
まず英文では動作動詞を過去形で使った場合、それらが表れた順序が時間的継起と一致する。1-2-5ー7の順に事件が起きている。これが時間の前後関係を表現するもっとも基本的なものである。 従って4を過去形で書くことはできない。steal は動作を表すので、もし過去形であらわしたとすると2-4ー5の順で事が生じたことになるからである。 また、be動詞のようにもともと状態を表す動詞の場合は(My car wasn't there.)前後の事件との時間的関係は問題にならず、単にある時点<この場合は窓の外を見たとき>での状態を表す。 4番と6番の文の過去完了の場合は動作そのものはより以前に起こっているが、その結果として生じた状態<ある過去の時点での>を表現するために使用される。 状態動詞及び動作動詞の進行形(これはある過去の時点での状態を表す)はわざわざ過去完了にしなくともある過去の時点での状態は表せるわけであるが、過去完了にすれば、その時点までの継続された動作・状態が表現される。その結果、問題の時点での状況がより明瞭になるわけである。 言語表現の最も基本的な分類法として語、句、節の3つが挙げられる。あることがらをあらわす場合、その内容の複雑さに応じて3つのレベルを設定することによって伝達内容を効率的に伝えることができる。 語は最も単純な単位で、基本的には1つの単語で伝達内容をあらわすものである。言語的抽象の出発点はここに見いだすことができる。語の中では名詞、形容詞、副詞の三つの品詞が独立した語機能を果たすことができる。その他の品詞は相互依存の関係にあって、一つだけまとまって意味を持つことは困難なことが多い。 正しく選ばれた語は、長々と続く駄文に比べると、はるかに訴える力が大きいことがある。従って、それだけで十分に伝わるならば、作文や会話に大いに活用すべきである。語の意を正確に捉えるには英英辞典と同意語辞典( Thesaurus )の活用が有効である。 句は語と節の中間的存在で、明確な分類が難しいが、語の不十分な点を補い、節の冗長さを避けることが可能である。 名詞句は不定詞と動名詞を中心として作ることができる。この2つは本来、動詞から変換されてきたもの(準動詞)であり、もと主語やもと目的語を加えたり、副詞で修飾したりすることもでき、大きなかたまりになる。名詞に of や for などで他の名詞をつないで一つのまとまった名詞的性質を持ったものも一つの独立した名詞句として扱っておこう。(例; the man in the shop on the corner of the street ) 形容詞句は名詞を修飾するものであるけども、節に劣らぬ長さを持つものも多く、また必ず名詞に対して後置される。(例 a room full of people ) 主要な働きは不定詞と現在・過去分詞がしている。不定詞は未来、予定を示し、名詞とは主格関係、目的格関係、同格関係の3つがあるのに対し、分詞は状態、動作を示し、主格関係のみである。(例 something to drink, a horse drinking water )前置詞と名詞との組み合わせはやはり名詞に後置され、動詞的要素を含まない。場所を示すことが多く、副詞句との兼用もあり得る。前置詞は、使いこなせれば動詞以上の働きを示すことができるので、用法をマスターすると簡潔な表現が可能になる。(例 the men under the officer ) 副詞句は形容詞句と形態上は全く同じであり、修飾対象が名詞以外を見ていることが違うだけだ。分詞から作られる副詞句、つまり分詞構文は節を簡略化したものと見なせる。主語と時制が主節と共通なら、手際よく伝えるのに便利な道具である。 次に、不定詞は分詞構文が付帯状況や時を受け持つのに対し、原因、目的といった違う種類の副詞的表現をうけもち、たがいに機能が重なりあうことはほとんどない。最後に前置詞と名詞との組み合わせは使用頻度の点からいけば、形容詞句の場合よりはるかに多く、時や場所はもちろん、一般的状況を示すのに有効である。 最終段階として節が登場するが、これによって主語と述語との対立関係を中心に今まで述べたあらゆる語、句を補助的要素として加えることができる総合的体系である。英語においては特に動詞が全体のパターンを決定し、意味関係を厳しい語順の枠にはめて明確化しようとする。動詞は句においても不定詞、動名詞、分詞として大きな役割を果たしているが、節ではさらに主語の確定、厳密な時制の設定、そして接続詞の有無によって、一連の文中での相対的位置をも決定する。 主節は文の文字通り中心的存在であり、接続詞によって支配されない。他から形容詞や副詞の働きによって修飾を受けるのみである。従って伝達内容の中心を通常受け持つものである。これに対し、名詞、形容詞、副詞の各節は文頭に接続詞か、それに類するものが付く。そして語や句から受け継いできたのと同じ性質を持つ。 名詞節は主語や目的語の内容を最大限に明確化するためであり、いわゆる「文の中の文」という形で存在する。that と疑問詞、関係詞の一部がその始まりを示す。難しい一語を用いるより、易しい単語を使い節の形で表現した方が明確、かつ直接的なこともある。(例 his possession = what he has ) 形容詞節は関係代名詞や関係副詞などを用い、先行詞という名の名詞を修飾するものである。先行詞が主節の中の主語であれ、目的語であれ、外部からの修飾という点では語や句の場合と同じである。ただ不定詞の場合と同じく、単なる形容詞の場合とは修飾方法が根本的に違っていて、いわゆる「残りの部分」のの活用ということが特徴となっている。(例 He loves a girl ---a girl whom he loves ) 副詞節はその接続詞や接続詞的な働きをする副詞の豊富さによって多種多様な表現を可能にしている。時と場所といった基本的なものだけではなく、理由、原因、結果、目的といった論理の流れの基礎を作るものから、譲歩、様態のように付加的性質を持つものに至るまで、使いこなし方一つで複雑な表現を可能にしている。これらの関係を示す働きは語や句にも見いだされるが、その種類はずっと限られてくる。これに対して接続詞の方は名詞や副詞から変形してできたものもあるように、あらゆる細かい表現に対処できる。また、主語の働きをする部分と時制が主節と異なる場合は、従属節の使用が絶対に必要になってくる。 以上のような語、句、節の特徴がうまく生かされた文は読みやすく、変化に富み、伝達効率が良くなる。作文をする場合はそれぞれの利点、欠点をよく知った上で適切な配置を決めるようにすると良い。逆に読解の場合は語、句、(従属)節であっても、その共通の性質、つまり名詞か形容詞か副詞かを知ることにより、そしてそれぞれを一つの意味を持ったグループにまとめることにより、効率的速読ができるようになる。(以下、表参照) 品詞の分類表
この表では今までに述べたものをまとめてみた。この表に見るとおり、英語では9種類の表現が用意されてあって、それぞれの文法的、語法的な細かい言及はここでは省略するものの、このバリエーションをいかに巧みに利用し、上手な文をつくっていくかに奥深い技術が要求されることがわかるであろう。 タテ方向でのそれぞれの用法は守備範囲が決まっていて、互いに言い換えることができないが、ヨコ方向は単純ー複雑への変化なので、表現密度を変えることにより形式を変更することがかなりの程度可能である。また、熟語としてこれらの分類にまたがるものは多くあるが、一般的な表現の次元ではすべてこれらを基礎として成り立っているのである。 基本5文型にさらに2文型を加えたのは、ことさら文法体系を複雑にしたいからではない。むしろ英語に特有なさまざまな動詞句を統一的に説明するために必要だからである。 S,V,O,C以外の要素を副詞的付属部分adverbial adjunct,略して A と呼ぶことにする。 新しく加わるのは1文型 SV から派生した SVA である。このタイプは A なしには意味をなさない。 次の2つの例で見るとおり、動詞は目的語をとれる他動詞でもないし、補語をとれる自動詞でもないから、副詞(ここでは前置詞プラス名詞)の助けを借りて文を構成するのである。 例 A pen is on the table.........(1) 例 Look at the bird!..............(2) (1)の例では、 on という前置詞は be動詞ではなく、うしろにある table によって決定されている。従って、この種のものは動詞句とは呼ばない。これに対し(2)の例では at は look によって決定され、その結びつきは固く、一つの単語のようである。これは動詞句と呼ぶにふさわしい。ほとんど他動詞のようである。辞書に載るのはしたがって後者の方である。 例 The airplae took off.............(3) この例文では、単一の副詞が一つ付くことにより、 take とは違った新しい意味「離陸する」が生じる。この種のものも動詞句といえよう。この副詞は限られていて、方向性や状態など特有の意味を含んでいる。たとえば in, on, off, toward などがあげられ、前置詞と兼用になっているものがほとんどである。 もう一つの文型は3文型 SVO から派生した SVOA であり、 A の働きは SVA の場合とほぼ同様である。 例 He put the car in the garage.........(4) 例 I took him for a Japanese.............(5) (4)の例では前置詞 in はうしろにある名詞 garage によって決定される。(5)の例では O と前置詞のうしろにある名詞との関係は「 O を・・・と取り違える」としてあらかじめ決定されているので前置詞は動詞と共に固定されており、動詞句として通用する。 例 Somebody was putting the toys away..............(6) この文例では A は単一の副詞であり、動詞と共に固定され、動詞句として新しい意味を生じることになる。O の位置は V と A の間に置かれる。特に代名詞は絶対である。これに対し、普通の名詞である場合は、長いときなど VAO の順をとることも少なくない。 例 She took care of the baby............(7) (6)の文型のうち O までもが固定されたのが(7)の例文である。( O = care )したがって、VO プラス前置詞の形を取った動詞句となり、care を主語としても baby ( of の目的語)を主語としても通常の受動態を作ることができる。 このように SVA, SVOA はそれぞれ3つのタイプを持ち、前置詞と副詞とを駆使してほとんど無限ともいえるバリエーションを生み出すことに成功しているのであり、これがフランス語やドイツ語に比べて動詞的性質を帯びた語が圧倒的に多い理由である(例 postpone と put off )。したがって、例にあるような固い語( big word )とイディオマチックな表現の両刀使いも自在となる。 文法体系を単純化しようという向きからいえばこのような分け方はまさに逆行しているといえるであろうが、副詞(句)が自由に取り外しのきく修飾語句としてだけではなく、動詞と結びついて固定化する方向を取っているものもあるということに注目していただきたい。 したがって動詞句を使いこなしていくためには、単語の単なる暗記に頼るだけでは不十分である。動詞と頻繁に結びつきを持つような前置詞や副詞の持つ性質をよく知っておかねばならない。ちょうど単語を覚える際に接頭辞や接尾辞が大いに役立つように、これらに対する豊富な知識は初めて見る動詞句に対しても漠然とした手がかりを与えてくれることになる。 我が国の中学・高校の英文法は5文型が基本として教えられているが、いくつかの問題点がある。 まず以前にも指摘したように目的語と補語の区別が論理的に考えると難しいことである。したがってこの区別に固執しすぎると、文法のための文法という本来の英語学習の目的を忘れた一種のクイズ解きのような印象を与えてしまうおそれがある。こうしたことにならないために文型分類の意義を明確にした上で、実用的な習得方法を考えてみたい。 そもそも何のために文型などを分類するのであろうか。我々日本人が日本語を話したり書いたりするとき、文型などを意識してはいない。同様に英米人も英語の文型など気にして英語を使ってはいない。この事実は文型というものはいったん言語が習得されれば忘れ去られるものであることを示している。いずれ忘れてよいならばなぜ学習しなければならないのかという疑問が生ずるが、この疑問に対して一つの比喩で答えてみたい。このことにより文型の意義が明確になるだろう。 子供が初めて自転車に乗ることを覚えるときよく補助輪を付ける。そのおかげでよりスムーズに(転んでケガなどしないで)自転車に乗れるようになる。いったん乗れるようになれば補助輪は余計なものとして取り外されるのである。いつまでも付けていればむしろ邪魔になる。5文型(あるいは7文型)も同じである。これは英文という車に乗って自由に走るための補助輪であって、やがては取り外される運命にあるのである。 実用的な文型の習得法としてまず次のことに注意したい。それは、 SVO も SVC も共通の構造として「名詞ー動詞ー名詞」の形を持っているということである。後の名詞は形容詞にもなるが、大事なことは両側から動詞をはさむ形になっているということである。この N-V-N の形が英語の基本構造として(リズムとして)確立している。語順という点でもこれが日本語と大きく異なっている点であるから、この形式に十分慣れることが必要である。 どんな思想を表現するにもこの *-V-* という動詞をはさむ形でリズムよく言えばよく、このリズムを練習によって体得することである。この形式がいかに強力に英語において定着しているかは次の動作動詞を目的語にした表現からもわかる。左より右の方の言い方のほうが好まれる。 I talk with him --- I have a talk with him. この種の例は無数にある。 May I dance with you next? --- May I have the next dance with you? You play tennis very well. --- You are a good tennis player. We rested for a while. --- We took a short rest. He answered briefly. --- He gave a brief answer. They discussed the problem for a long time. --- They had a long discussion about the problem. 現在完了形も歴史的にはこの英語の基本構造の強力な影響のもとに成立したと考えられるのである。次のように左側から右側にある言い回しが確立したのは14世紀頃と言われている。 I have the work done. --- I have done the work. また英語では主語を省略しない理由もできるだけこの「名詞ー動詞ー名詞」のパターンをくずしたくないからであろう。このことがさらに主語を省略した場合の命令形の確立に寄与したと思われる。 Watch your step. を「足下に注意する」と訳す学習者がいる。 Watch を辞書で引くと「注意する」とあるからそのまま訳したわけであるが、主語を省くと命令文になるということが分かっていない。この事実が逆に英語では主語をなるべく省かなくなった大きな要因であっただろう。したがって主語や目的語を省かないという英語の性格は、よく言われるような自他の区別を明確にする英米人の心理性に原因があるというより、むしろかなり形式的な習慣であったと思われるのである。 英語の文を作り上げる上で欠かすことのできないのが名詞を中心とした文である。動詞を中心として作られる節とは異なり、形容詞や前置詞を使って文を構築してゆく。 最も単純な形は動詞の名詞化である。 例1 He swims well.--- He is a good swimmer. ここで見られるように名詞への変化に伴って最も重要なことは、副詞が動詞を修飾している関係がそのまま平行移動して形容詞が名詞を修飾する関係に移されているということである。 文法面ではすべての動詞は ing形を付けることによって動名詞にすることが可能である。 例2 He insisted that she take the present. --- He insisted on her taking the present. この例では insist の目的語としての位置にあるが、節に存在した SVO の形をそのまま受け継いでいることがわかる。特に所有格は主語の代わりとして広く用いられている。動名詞構文は節とほぼ同じ内容をあらわすことができるものの、時制だけは的確に表せない。せいぜい主節より前の時点を示すのに having p.p. を用いるくらいなものである。 例1のように「・・・する人」を示す語尾の "er" でなく、抽象的意味を持つ動詞の名詞化についてはどうなるだろう。 例3 The technology quickly advanced. --- the quick advancement of technology 例4 France developed a new reactor. --- France's development of a new reactor S と V の関係が of によって連結され、順序が逆になったのが例3の文である。副詞については例1で述べた原則通り形容詞化している。これに対し、V と O の関係を of によってそのままの順序で連結したのが例4である。 S については of であとにつなぐこともできるが、混乱をますおそれがあるため、例2で述べたような所有格で示している。 この2つに共通していえることは、もと V だったものの前置であるが、 of のあとが S だったのか O だったのかは意味関係からしか推し量るしかない。しかし実際の使用ではほとんど問題はないようである。 of が出てきたところで of プラス抽象(的)名詞の組み合わせについても注意しておこう。 例5 This matter is of great importance that nobody has ever put emphasis on. 一般に important = of importance といわれているが、 of がどんな役割を果たしている過去の例でよくわかると思う。すなわち形容詞 important のままでは修飾できる副詞(句)の数は限られてくるが、名詞化することにより形容詞(句、節)で修飾することができ、より複雑で高度な内容を付け加えることができるのである。このことは同族目的語の場合においてもいえる。 例6 He died a miserable death that no one dared pay attention to. この例のように V とその同族目的語との間や、そのあとにさまざまな要素を付け加えられる。 以上、6つの例により名詞構文の主な形を見てきたが、まず第1に例1から例4に見られるように節全体、またはその一部を名詞化することにより、長い S, O, C を作る条件を整えることである。 S, O, そして場合によっては C も名詞(句、節)によって構成されているのであるから、形容詞、所有格、そして前置詞などによって連絡され、内容がいっぱい詰まった S, O, C を作ることが可能である。 例5,例6で示した形容詞による修飾によっても内容を包み込むことができる。かくして、例1のように短い文であれば簡潔にリズムのよい形にしてくれる一方で、内容が複雑多岐にわたっている場合には、切れ切れに節を作ることなしに、もっと無駄を省いた形で情報量の増加が可能になる。 英語に準動詞と呼ばれる特殊な動詞の形態が3つある。それらは不定詞、分詞、動名詞と呼ばれている。準動詞が普通の動詞と異なる最大のポイントは、これらは文の述語としては機能しないことである。 言い換えると述語動詞として使われていない動詞を準動詞と総称して呼んでいるのである。初学者はこの点をしっかり理解して混乱しないようにすべきである。準動詞は応用範囲が広く、慣れるには時間がかかるが、基本的な働きは3つである。 すなわち、名詞、形容詞、副詞である。3つの準動詞がそれぞれ3つの働きに対応していれば話はずっと簡単であっただろうが、そこは人工言語ではない悲しさで、対応は複雑である。不定詞は名詞、形容詞、副詞の3つの働きがあり、分詞は形容詞、副詞、そして動名詞は名詞の働きのみである。(下図)
図からわかるのは用法のダブリがかなりあることである。まず形容詞として動詞を使う場合、不定詞 ( to 原形) と分詞 ( ing形, ed形 ) のいずれを使うのかという疑問が出るが、とりあえず例を見てみよう。 something to do (すべきこと) no money to spend (使う金のない) a man to betray us (私たちを裏切る人) time to go to bed (寝る時間) a decision to retire (引退しようという決心) dripping water (滴る水) a beckoning cat (招き猫) a stolen bicycle (盗まれた自転車) an acquired taste (あとからできた好み) the trees swaying gently in the wind (風で静かに揺れている木々) belief rooted in prejudice (偏見に根ざした見解) 以上の例でわかるのは不定詞による形容詞用法は時間的には未来的で動作をあらわすが、分詞による形容詞用法は現在進行的で状態を表す点が違っている。この相違は関係詞節(これも形容詞の働きがある)を使って書けば明らかになる。その際、述語機能を持つ be動詞を使う。 He is not a man who is to betray us. time when we are to go to bed the trees which are swaying gently in the wind a bicycle which was stolen be動詞の後に来る不定詞の用法は「予定・義務・可能・運命」といった内容をあらわすことがよく知られているが、その根本的意味はその動詞が表現している行動がまだ現実に起こっていないことを表すと考えれば納得できる(以下の例文参照)。 We are to be married in June. (結婚予定) Visitors are to leave when the bell rings. (退出しなければならない) The ring was nowhere to be found. (見つからない) 次に副詞用法としての不定詞と分詞の相違は何だろうか。これは明確化が困難で同じ事項をどちらを使ってもいえる場合が多々ある。 To be frank with you,= ( Frankly speaking,) you can be a successful barber. (率直に言って君は床屋で成功するだろう) To return to ( = returning to ) the main point of our discussion, (本論に戻って) したがって多くの例に接してカンを養うことが必要である。一般的にいえるのは不定詞が好んで使われるのは行動の目的、感情の原因、判断の根拠などを表現する場合である。分詞による副詞用法は分詞構文と呼ばれているが、一つの文を接続詞をはずして簡略化したもので、したがってその意味は、副詞節を導く接続詞の数だけあるが、 and で書き直せるのもあれば、適当な接続詞を使って書き直せない分詞構文独自のニュアンスを持つものも多い。多くの例に接して慣れることが第一である。 最後に動名詞と不定詞の名詞用法の相違であるが、主語や補語として使う場合はどちらもほぼ同じような意味となるが、次の2点に注意するとよい。まず仮主語 it を使う場合は不定詞が普通であること、他の動詞の目的語になる場合はその動詞のクセによって使い分けが必要になることである。 |