きまじめ英文法

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目次

形容詞の働き There構文 

「前置詞+名詞」の慣用表現 限定詞とは

不定詞の性格 分詞の性格

動名詞の性格 動詞句と短副詞

進行形・完了形・受動態 数え方のいろいろ

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形容詞の働き 目次へ

形容詞には二つの大きな働きがある。一つは名詞を修飾(限定)する働きと、もう一つは動詞のうしろについて主語について述べる(叙述)する働きである。動詞とその目的語との間に特別な関係があるように、形容詞も名詞や主語と特別なつながりを持つ。

例1

  • I'm not sure she really loves me.(本当に僕を愛してくれているのかしら)
  • It is impossible that man goes to the Sun.(人間が太陽に行くことはあり得ない)

上の形容詞は「人」しが主語になれないし、下の方では「ものごと (it) 」しか主語になれない。impossible に人の主語をつけたりすると、「どうしようもない」という違った意味になる。

例2

  • I am afraid because I am not used to darkness.(暗闇に慣れていないので恐ろしい)
  • The main street of this town is very spacious. (この町の中央通りは広々としている)
  • That you raised your right hand was right.(右手を上げたのは間違っていなかった)

afraid は叙述的な働きしかできず、逆に main は限定的にしか用いることができない。しかし大多数の形容詞は両方が可能である。中には三番目の例のようにそれぞれ「右の」と「正しい」と、意味のことなるものもいくらかある。

例3

  • She will be happy if she gets married. (結婚したら彼女は幸せになるだろう)
  • Her marriage will be a happy one. (彼女の結婚は幸せなものになるだろう)

難しいのは happy のような例で、持つ意味は大きく変化せずとも、人が主語の場合 happy だけの叙述用法でよいのに、主語がものごとになると happy は one 、すなわち marriage にかけなければならない。幸せというのは個人が内面的に感じるのであるから、 My life is happy. という言い方は不自然なのだ。

例4

  • It is difficult for her to enjoy ice skating. (彼女がスケートを楽しむのは困難だ)
  • It was careless of him to send a letter without her address. (彼が彼女の住所を書かないで手紙を出したのは不注意なことだった。

さらに一般状況を示す形容詞と、人の性質を示す形容詞との区別が要求される場合を考えてみる。前者に人が間接的に関わり合いを持つ場合は for を、後者ではたとえば、 He was careless. であるから、その関係を of で示すことになる。

例5

  • She was willing that she dined with me. (彼女は喜んで私と夕食を共にしたいと思った)
  • He is eager to study Spanish. (彼はスペイン語を熱心に勉強する気だ)
  • I am sure of winning the race. (私はレースに勝つことを確信している)

形容詞の中でも主として be動詞のうしろで特に感情、意識、意欲を示すものはそのうしろに that節、to不定詞、前置詞をつけることがある。三つを全部備えたものは少ないが、一つか二つを備えたものはかなり多い。

例6

  • She will be glad to get the present. (彼女は喜んでそのプレゼントを受け取るだろう)
  • John was disappointed to find that the purse was empty. (財布が空っぽだと知ってジョンはがっかりした)

感情を表す形容詞では、その感情が生じるようになった原因を to不定詞でうしろにつけることができる。「・・・してうれしい」(不定詞の副詞的用法・原因、つまり弱い because の代わり)例5で述べた to不定詞の付くものは、 because の意味は含まず、むしろ助動詞的な働きをしているもので、この場合と混同してはならない。

例7

  • What is that monster like? (その怪物はどんな様子だった?)
  • It looks like a lion. (ライオンのようだった)
  • It is worth while to read this book. (この本を読むことは価値のあることだ)
  • This book is worth reading. (この本は読む価値がある・・・You read the book.より)

限定的に名詞にかかるものと違って、前置詞のようにうしろに名詞や動名詞を取る形容詞がある。 like などは、ほとんど前置詞といってよい性質を持っている。be動詞のあとに直結したり、 as ... as ではさんだりできるのが形容詞らしいところである。ところが worth を見ると while という名詞と結びついて「価値がある」となるところは前置詞に似ているが、 reading がついた場合には実はその目的語であるはずの the book が主語の位置に来ているという特殊な形を持っている。

There構文 目次へ

文のうしろに置かれる場合の there は「そこ」であって、here 「ここ」と対応して遠くのものと近くのものをさすが、それが主語の位置に来て be動詞と名詞と必要に応じて場所を表す語句がうしろに来るときは「存在」を明示する特殊な構文となる。

例1

  • X A table is.
  • O A table exists.
  • OThere is a table.

be動詞には「・・・がある」を表すが、 exist のように文を単独で終わりにすることができない。三行目のように there という副詞を文頭につけて、一種の倒置形を使い、文のかたちを整える。

例2

  • A cat is under the table.
  • There is a cat under the table.
  • The cat is under the table.

場所を表す副詞(句)がつく場合、一行目の文では a がついているが、これは猫が初めて登場するからである(不定)。しかし猫の「存在を強調」するためには二行目の文が好まれる。これはいきなり cat を出すよりまず there を聞いて聞き手の方で心の準備ができるからではないだろうか。したがって、 There構文では the や所有格がつくことは少ない。

ところでこの訳は「テーブルの下の」ではなく、「下に」猫がいるとなるように、 cat と under 以下との間には主述関係が認められる。三行目の例では、猫はすでに一度出てきているので the を使い、 be動詞のうしろに場所を表す副詞をつける。

例3

  • There are girls dancing in the room.(= Girls are dancing in the room.)
  • There is a mountain covered with snow.(= A mountain is covered with snow.)

先に述べた主述関係を考慮すると、例3でも「踊っている少女」より、「少女が踊っている」、「おおわれた山」より「山がおおわれている」というように解釈した方がよいことがわかる。つまり現在分詞や過去分詞による名詞の修飾は there構文では「述語動詞」の役割をするのである。

例4

  • Some people say marriage is a lottery.(結婚はくじだという人もいる)
  • There are some people who say marriage is a lottery.
  • Something is wrong with this radio.(このラジオはどこか調子が悪い)
  • There is something wrong with this radio.

したがって例4の文はそれぞれともに似ている。ただし一行目は some に対する others を思い浮かべさせ、他の考え方をする人々もいることを暗に示しているが、二行目ではそのような人々の存在を強調している。「どこか故障している」の言い方も二通りあり、これらには大きな差はない。このような二通りの形で用いられるのは some のほかに any, (a) few, (a) little, no などがある。

例5

  • There lived a man and a woman in the mountain.(山の中に男と女が住んでいた)
  • There goes the train!(列車が行くぞ!)
  • There seems to be much snowfall in this area.(この地域は降雪量が多いらしい)
  • There used to run street cars on this road.(この通りには路面電車が走っていたものだった)

There構文に使える動詞は be動詞だけでなく、exist, remain, live のような存在を示すもの、 go, come, run のように移動を示すものもある。さらに seem to, appear to, happen to, used to のように助動詞的働きをするものがこれらの動詞の前につくこともあるが There構文のもつ基本的性質は変わらない。

例6

  • It is strange for there to be a lot of rain in January.(1月に雨が多いのは不思議だ)
  • I am anxious for there to be no misunderstandings this time.(今回は誤解のないようであってほしい)
  • There being no chairs, we were all standing.(いすがなかったので、私たちは全員立っていた)

最後に there が主語扱いされている例を to不定詞と分詞構文の中に示してみた。それぞれ There is a lot of rain. There are no misunderstandings. を主節の中にはめ込んだのである。

「前置詞+名詞」の慣用表現 目次へ

前置詞と名詞の組み合わせは、副詞と形容詞の2通りの働きをして、文の修飾を受け持つ。空間や時間を表す前置詞はよく知られているように、 at, on, in などが用いられる。of によって形容詞的表現に使ったり、with によって「・・・しながら」といった付帯状況の使用法もあるが、ここではある特定の名詞と慣用的に結びつき、主として副詞句を作るものを示してみよう。

例1

  • To what extent did you learn high school mathematics? (どの程度に高校数学を学びましたか?=程度)
  • In a very prudent way she nodded her head. (とても慎み深く、彼女はうなずいた。=やり方、方法)
  • He is absent from school for several reasons. (いくつかの理由で彼は学校を休んでいる。=理由)

この3つの例を見て、すぐにそれぞれの特性に気づくだろうか。ここに用いられている前置詞がどんな意味を持っているかを考えあぐねても時間の無駄である。それは文法学者に任せるとして、ここで大切なことはそれぞれの組み合わせを完全に頭に入れてしまうことだ。そしてそれぞれの組み合わせが残りの本文(本動詞を含めて)をどのように修飾しているかを考える。

例2

  • He studied to such a degree that he had a slight headache. (あまりに激しく勉強したので、少し頭が痛くなった。=程度)
  • You gave the answer almost to the point of completion. (ほとんど完璧といっていいほどの答えをくれた=到達程度)
  • She eats anything in a very impolite fashion. (どんなものでも、とても礼儀正しく食べる。=やり方、方法)
  • Speak to him in a friendly manner. (親しく彼に話しかけてごらん。=やり方、方法)

上の二つ degree, point は extent と、下の二つ fashion, manner は way と同じ働きをしている。manner はここでは「行儀」の意味でもないし、 fashion は「流行」の意味から遠くかけ離れている。

例3

  • There was a drought on a large scale in this area. (この地域では大規模な干ばつがあった。=規模)
  • Your grade in school is not bad on the average. (君の成績は平均してそんなに悪くない。=平均)
  • My house is the third one on the right. (私の家は右側の3番目です。=側)

scale は「目盛り」や「縮尺」の意味でも用いられるが、規模の程度を示すときに on が伴う。average は平均を示すときは常に on である。on the other side (反対側)のように side の意味を含むときも常に on である。

例4

  • After the party, the room was in a terrible state. (パーティのあとの部屋は惨憺たるザマだった。=状態)
  • This word has been used in many senses. この単語は多くの意味で用いられている。=意味)
  • Let's consider the plan once again in terms of finance. (財政の見地からもう一度この計画を考えてみよう)

上の例での state はもちろん「国家」や「州」ではない。しかし「状態」を示すのには in は適格といえよう。一方 sense には in のつかない場合には「感覚」「意識」「美的感覚」など、多義語である。term(s) もこれに劣らぬ多義語である。

このように前置詞とある名詞が特定の結びつきを持つことの意義を考えてみよう。一つにはたくさんある意味の中から在る特別のものを示してくれることだ。sense がいい例だろう。in のおかげでたくさんの意味の中で、とにかく一つの方向に限定することができる。

第2に、前置詞と名詞の間に形容詞を入れることができることだ。これは「 of +名詞」の場合でもそうであったが、面倒な副詞を引っぱり出してこなくとも、例えば scale に large や small をつけてしまえばことがすむ。

副詞1語で済ませるのと、前置詞+形容詞+名詞の3単語で書き表すのとどちらが簡単かについては議論の余地があろうが、後者のように分析的に表した方がやさしい単語だけで書けるという利点があるのは確かだ。

第3の点については長所とはいえないが、まず実例を見てもらおう。

例5

  • This is the reason for which ( = why ) I like to live in the country. (田舎に住みたいというのはこの理由によるものです)
  • The extent to which people suffered from drought was tremendous. (日照りによる人々の苦しみようはきわめて大きかった)

この例のとおり、前置詞は関係代名詞と結びついて、それぞれの内容を説明している。上の例では「・・・である理由」となり、下の例では「・・・の程度」となってうしろの文へとつながる。

for which では関係副詞の why として一つにできるが、大部分は下のように、関係代名詞と結びついたまま用いる。このときにどの前置詞を使うかわかっていなければ、関係代名詞の正しい節を作ることはできない。

限定詞とは 目次へ

冠詞 the, a は、そのうしろに来る名詞を限定したり、総称を示したりさまざまな働きをするが、冠詞以外にもその働きの一部果たし、さらにもっと広範囲の意味も付け加えているものがある。これらをまとめて限定詞(または決定詞) determiner と呼び、正しい英文を書くときには欠かすことのできないものである。なお、これらは冠詞を含めて、広い意味では形容詞の仲間である。

例1

  • Japanese garden --- the garden of Japan (日本(風)庭園9
  • people's wealth --- the wealth of the people (人々の富)

名詞に形容詞がついた場合でも、所有格がついた場合でもたいていそれをひっくり返して the と前置詞の of とでその名詞を包むことができる。それによりその名詞は of のうしろにある語により限定される。このように名詞を of と the の型にはめることにより、それまであいまいであった「庭」や「富」が何の、誰の、ということがはっきりしたことが示されるのである。

例2

  • Look at those people who like jogging. (あのジョギング好きの人たちを見てごらん)
  • This book is more instructive than that. (この本はあれよりためになる)

ところが単数複数、遠近の違いは the だけでは示しきれない。従ってそれらは this, that, these, those の助けを借りて示す。特に those の場合は関係代名詞の先行詞の前について明確化するのによく用いられる。これらは名詞の前について形容詞のように振る舞うので、指示形容詞という。

例3

  • Every pupil has his or her own note book. (すべての生徒はそれぞれの本を持っている)
  • The provision was offered to each refugee. (それぞれの難民に食糧が提供された)
  • Much labor is needed to cut down many trees. (多くの木を切り倒すのに多くの労力が必要とされた)
  • She drank two cups of coffee. (彼女はコーヒーを二杯飲んだ)

また、たとえその名詞が示すものが現実には複数でも、集団の中の一つ一つの場合を表すときには every や any 、集団とは無関係に一つ一つを強調する時ならば each のような限定詞を使うとよい。これらは the の代わりというより、不定冠詞 a の働き(つまりいろいろあるうちのどれか任意の一つ)を延長させていると考えられる。

名詞には可算のものと、量的なものに代表される不可算のものと、2種類に分けられるから、それぞれに応じた大小、数量を表す形容詞も限定詞として用いられる。

例4

  • The wealth of our country must be distinct from your own (wealth). (我が国の富は、貴国の富とは区別されねばならない)
  • My land is your land. (私の土地はあなたのもの)
  • We live in a society; its relation to the individual is inseparable. (我々は社会に住んでおり、社会と個人との関係は切り離すことができない。)

ここでは人間関係が入ってきて所有の概念をつけ加える必要が出てくる。ここまで来れば、 the ではとても示しきれない。 my, your, his, her, our, its, their は所有形容詞と呼ばれる(所有格)。

この中では its と their は注意を要する。というのはこれらは必ずしも人ではなく、それでもなおかつ所有関係を明示しようと言う特殊なものだからである。3つ目の例でゆくと、 its relation とは social relation のことではなく、 society's relation のことを示しているのである。

例5

  • a friend of mine
  • that car of yours
  • many books of Tom's

このように限定詞は4種類に分類することができるが、文を作ったり読んだりした経験上わかるように、これらのうち二つ以上を共に用いることはできない。これはお互いの機能が似通っていて、働きが競合するからである。

ただし所有格に関しては抜け道がある。先に述べた所有形容詞のほかに、mine, yours, his, hers, ours, theirs, its という所有代名詞のグループが存在する。例えば a my friend といってはいけないのなら、 my を名詞の前から取り外し、mine に変え、friend のうしろに of を使って結合させればよいのだ。固有名詞の場合は、Tom's のようにアポストロフィS をつけておけばよい。

<追加>

ただし、名詞一つに対して、一つの限定詞がつくのが原則ながら、元々は「形容詞の一種」だけに、その働きを超えたものが見受けられる。all, both, such がそのいい例である。これらは、限定詞の前に被さる形で使われることがある。

a my friend では、friend という名詞に対して a と my が競合するので、まずいわけだが、all my friends では、all が my friends 全体を包み込むような働きをしているので、許されるわけである。

英英辞典の Longman をみると、all, both, such について、そのような見地から、predeterminer (前につける限定詞)という名前が「苦肉の策」として加えられている。また、many や much にしても quantifier (数量詞)という名を付け、ふつうの限定詞を上回る働きを備えていることから、区別している。

ふつう日本で出版されている辞書では、煩雑になるので、そこまで踏み込んで品詞を並べることは少ないが、一般の形容詞と区別して覚えておくためには上の二つを新用語として加えておくことも役に立つかもしれない。

不定詞の性格ー不定詞の4用法 目次へ

不定詞が文中で一定の位置を占めるとき、文法上のさまざまな意味を持つ。しかしそのが意見は常に to プラス動詞の原形であり、外国人として英語を学習する者としては、判定が常に困難なものの一つである。

例1

  • To see is to believe.(S) be (C)(見ることは信ずることである;百聞は一見にしかず)
  • I don't want to give up smoking. SV(O)(私はたばこをやめたくない)
  • I promised her to wait at the station.SVO(O)(私は彼女に駅で待つ約束をした)

これらの文の中で用いられている不定詞は、それぞれ()で挟まれた部分にはめ込まれている。これらはすべて名詞が入ることのできる部分であるため、不定詞の場合も同様に「名詞的用法」と呼ばれる。

例2

  1. I don't have books to read.(.***which I will read)(私は読むための本がない)
  2. Do you have friends to help you in need?(***who will help you)(いざというときに助けてくれる友だちはいますか)
  3. This is her way to speak in public.(これが彼女の公衆の面前でのしゃべり方だ)

例2の上の二つの文は、時制や助動詞を適当に決めれば、関係代名詞の目的格と主格に書き直すことができる。3つ目の way だけは総合的抽象的単語であり、関係代名詞で表すことはできないので、内容を to不定詞でつないで同じもの、つまり「同格」関係にして表す。これらはみな、名詞を説明する形容詞的な働きをしていることがわかる。

例3

  • She went to America (.) to study English. (手段+ to 目的;彼女は英語を勉強するためにアメリカへ行った)
  • I am glad (.) to see you here again. (結果+ to 原因;ここで再びあなたに会えてうれしい)
  • He took the examination (.) only to fail. (原因+ to 結果;彼はその試験を受けたが失敗した)
  • She must be crazy (.) to wear jeans at the party. (判断+ to 理由;そのパーティにジーンズをはいて行くなんて彼女は気が狂ったに違いない)
  • This fruit is good (.) to eat. (形容詞+ to 限定;この果物は食べるにもったいない)

例3でピリオドがカッコに入っているのは、もしそこで文をやめたければやめられる、意味的に独立した部分である。したがってそのあとに続く部分は副詞的な修飾をしていると考えられる。前を主節、うしろを不定詞部分とする。

1行目はある行動が未来における結果を目指しており、「・・・するために(行った)」、2行目では現在の状態をそれに至らせた原因「・・・して(うれしい)」、3行目はある行動とその結果「・・・した(が失敗して)しまった」、ただし only は but の働きをする。4行目では must や感嘆文を使って話者の考えを述べたあと、そのうしろにその根拠を示すやり方「・・・とは(気が狂ったに違いない)」、5行目では good と形容詞で示しておき、それだけでは何が「良い」のか不明確なので、不定詞をつけてもっと詳しく「(食べるのに)良い=食用に適する」と説明する。

副詞的用法はこのように主節と to不定詞の部分に特別な関係が成立してはじめてその機能が決まる。Native Speaker たちは読みながら、聞きながらその組み合わせを一瞬に判断するのであろう。

例4

  • We are to start working on May 3.(予定;われわれは5月3日に働き始める予定だ)
  • You are to say hello when someone comes in.(義務;あなたは誰かが入ってきたらあいさつをしなければなりません)
  • No cloud was to be seen at the top of the mountain.(可能;山のてっぺんには雲が一つも見えなかった)
  • If the pollution is to be checked we must take action. (意図・願望・義務;もし汚染を止めたいのなら、行動を起こさなければならない)

BE動詞に to不定詞がつく形は略式の助動詞のような働きをしている。未来にかかわるものは「・・・することになっている」、礼儀作法や常識的なものには「・・・するべきだ」、ものを主語とする受動態は行為者のはっきりしない「・・・できる(できない)」、 if の節では「もし・・・したいなら、するつもりなら、するべきなら」と示すことができる。助動詞のように明確な性質を持っていないから、今述べたような状況判断でその持つ意味を決める。

分詞の性格ー形容詞用法を中心に 目次へ

ing形や過去分詞形は進行形や受動態、形容詞としての働き、補語として分詞構文、と働きが実に多彩なのに、みんな表向きは同じ形をしている。ここでは形容詞的用法を中心に見ていこう。

例1

  • 'Haru no Ogawa' is a song sung in many schools in Japan.(「春の小川」は日本の多くの学校で歌われている唱歌である)

ここでは sung 以下が song という名詞を修飾している。これは a song which is sung というように主格の関係代名詞によって書き換えることができる。 a song のあとに singing が入るか sung が入るかについての判断に際しては、決して日本語を頼りにしてはいけない。なぜなら日本語では「・・・で歌っている歌」とも、「・・・で歌われている歌」とも、まったくいい加減に使われているからである。

まず sing の主語は「人間」で目的語は「ものごと・対象(ここでは歌)」であるから The students are singing a song. という文を想定する。 the students を先行詞にして関係代名詞でつなぐと、 the students (who are) singing a song となり、カッコをはずすと ing形がつくことがわかる。

ただし注意してほしいのは、この文はたまたま進行形が材料だったから、そのまま be動詞をはずせば分詞が生まれたが、この原理は進行形ではなくて普通の現在形や過去形の場合でも、「能動態」である限り、通用することを忘れてはいけない。ing形は分詞では「進行形」の印と言うよりは「能動態」の印なのである。

今度は先の文を受動態にしてみよう。 A song is sung by the students. ができ、 a song (which is) sung by the students が生まれることになる。普段、日本語に慣れきってしまっていると、ここまで受動と能動の関係を厳密にしなければ、正確に分詞を使いこなすことができない。

例2

  • Did you hear of the surprising new?(その驚くべきニュースを聞いたか)

ここでは a new which is surprising と見なすことができる(関係代名詞をつけると、当然のことながら後置になることに注意)。さて、 surprise の主語は「ものごと・原因(ここではニュース)」、目的語は「人間」であるから、例えば The news surprised the girl. を想定する。ここで気づいたと思うが、この surprise という(他)動詞は、さきほどの sing とは「人間」と「ものごと」の主語・目的語の位置関係が全く逆なのである。

それでも例1の方法にならって the news (which is) surprising [to] the girl と the girl (who is) surprised [at] the news を作り出すことができる。( [ ] は分詞化・形容詞化することによって必要になった前置詞)このようなタイプの動詞は感情( excite など)、心理全般( convince など)、被害( injure など)に特に多く見受けられる。

例3

  • Look at the airplane flying north! (北へ向かって飛んでいる飛行機をごらん)

この文は the airplane which is flying north と見なすことができるが、「飛ぶ」という意味での fly は come や go と同じく自動詞ということで、受動態にはできないので ing形のみである。fly には They fly the airplane. 「(飛行機)を飛ばす」という他動詞の使い方もあるが、ここでは用いられていないことは明らかである。

例4

  • There are many fallen leaves in the garden.(庭にはたくさんの落ち葉があった)

自動詞としての fall には「落ちる」という意味があるが、これを過去分詞形にすると、もちろん受動の意味は出てこない。代わりにhave fallen のような完了としての意味となり、「落ちた、落ちてしまった」となる。このような働きは、ほかに gone 「死んだ、去った」や drowned 「溺れ死んでしまった」などがある。これらを going 「行こうとしている」や drowning 「溺れかけている」と比較してみるとよい。

例5

  • Taught in junior high schools, English has become the first foreign language in Japan. (中学校で教えられているので、英語は日本では第1外国語となっている)
  • Surprised, she hid herself in the corner.(驚いて、彼女は隅に身を隠した)
  • We found the result disappointing.(結果には失望した)

このように分詞の働きは、「能動」「受動」「完了」の大きく3つに分けることができる。これらの原則は、受動態や進行形には言うまでもなく、例5にあるような分詞の「副詞的用法」である分詞構文を含む主節の主語に対しても通用するし、find のような目的語のうしろに補語をとる動詞の場合でも成り立つ。最後の文は The result was disappointing [to us]. と考えればよい。

動名詞の性格 目次へ

in形をしているもののうちで、現在分詞は進行形、形容詞的用法、そして副詞的用法である分詞構文と、いろいろ使い道は広いが、名詞的用法だけは区別して動名詞と呼ぶようになっている。判断の目安は文中の位置である。大きく分けて4種類になる。

例1

  • Collecting stamps is fun.<SVC>(切手集めは楽しい)
  • His favorite pastime is smoking cigars.<SbeC>(彼のお気に入りの過ごし方は葉巻を吸うことだ)
  • cf.He is smoking cigars.<進行形>(彼は葉巻を吸っているところだ)
  • She regrets rejecting his offer.<SVO>(彼女は彼の申し出を断ったことを後悔している)
  • On receiving the letter, he was rejoiced.<前置詞+O>(手紙を受け取ったとたん、彼は大喜びした)

それぞれ太文字で囲まれた部分に in 形が入るときそれは動名詞と呼ばれる。Cの場合に cf. の進行形と区別するための目安は be動詞を介して主語がうしろの in形の部分と内容的に一致していれば動名詞「SはCである」、そうでなければ be動詞+現在分詞の進行形となる。

最後の前置詞のうしろに動名詞が来る場合はこの例文のように単に一つの前置詞のうしろにつく場合のみならず、前置詞を含んだ動詞句( be used to ing, look forward to ing )にも当てはまる。

このように、文中の位置に関しては前置詞のうしろに来る場合を除いては不定詞の名詞的用法と同じである。

例2

  • a waiting room / a sleeping car / a living room(待合室・寝台車・居間)
  • a sleeping baby / a standing man(寝ている赤ちゃん・立っている男)

「待合室」を a room for waiting の代わりに a waiting room と表すとき waiting は動名詞と呼ばれる。他の2つも同様である。これに対し a baby who is sleeping を言い換えた a sleeping baby では sleeping は現在分詞であり、 baby を修飾する形容詞とみなされ、「進行・状態」を表す。

例3

  • I don't mind her ( Mary / Mary's ) rejecting my offer.(彼女が、メアリーが私の申し出を断っても気にしない)
  • I remember her having accepted my previous offer.彼女が私の前回の申し出を受け入れてくれたことを覚えている)

動名詞が文全体の主語と異なる主語を必要とするときは、その動名詞の前に主語の役割を果たすものを置かなければならない。代名詞の場合は her のような所有格、一般の名詞はそのままか、所有格を示す 's をつけて明示する。さらに主動詞の時制を基準にして明らかに以前にあったことを示すときは、「完了形」 having p.p. を用いる。この形をもって主動詞の現在形に対する「現在完了か過去形」、過去形に対する「過去完了形」を示す。

例4

  • She didn't promise me to see me next Sunday.(彼女は今度の日曜日に私に会うとは約束してくれなかった)
  • Why don't you stop smoking?(たばこを吸うのをやめたら?)
  • She insisted on my dog being taken good care of.(彼女はぜひ私の犬が十分な世話をしてもらうべきだと言った)
  • This book is worth reading. (---read this book)(この本は読む価値がある)
  • Your car needs washing.(---wash your car)(あなたの車は洗う必要がある)

動名詞は不定詞と比べてどのような点に特徴があるだろうか。 decide to..., promise to..., want to.. に見られるように、「将来・予定」の内容を.示す動詞には不定詞の目的語が付く傾向があり、 enjoy in, stop in, remember in に示されるように「状態、完了的」なものを示すときは動名詞を使うことが多いようである。

また受動態に関しては不定詞には to be p.p. の形があるように、動名詞にも being p.p. が存在する。また、主語と同一の目的語を省略する need ing や worth ing のような特殊な形式にも注意が必要である。

動詞句と短副詞 目次へ

副詞、特に一見前置詞のような短い副詞は動詞句を構成する際に、大きな役割を果たしている。目立たないのだが、その使い方をある程度知っていると同じ副詞を使った動詞句に出会うときに、その意味を推定することができるようになる。

まず副詞の用いられる位置を示すと、大きく3つに分けることができる。

例1

  • The party is going on.(パーティは続く)
  • She took it off > She took off her hat.(彼女は帽子を脱いだ)
  • I can't put up with her words any more.(私は彼女の言葉にはもう我慢ができない)

これらはそれぞれ自動詞+副詞と他動詞+(目的語)+副詞と自動詞+副詞+前置詞+(目的語)となり、2番目のタイプでは目的語の位置が副詞のうしろに来る場合もあるが、普通は間にはさみ、特に代名詞の場合はリズムの上からも必ずそうしなければならない。

on, in, through, off, by, over などは前置詞と副詞が同じ形をしており、それらの持つ意味も重複している場合が多い。だが注意しなければならないのは、同じ後でも前置詞と副詞とでは全く異なった意味をいくつかもつ場合があることだ。また、out, away, up, down, aside などは普通副詞としてだけ用いられる。

さてこれらの前置詞でも副詞でも共通していえることは、異なる意味を持つ動詞の間でも同じ前置詞や副詞がついているのと似たような意味になる可能性が大きいことだ。そして逆に似たような動詞は同じ前置詞や副詞をつける傾向にあるといえる。

例2

  • come off (船から下りる、取り外しができる)go off (立ち去る)let...off (発射する、放免する)
  • put shoes on (靴を履く) keep one's shirts on (着続ける、落ち着く)try the suit on (スーツを試着する)
  • catch up with (・・・に追いつく)keep up with (・・・に遅れずについてゆく)come up with (追いつく、思いつく)

はじめの3つは「離れる、去る」ことを意味する off による動詞句であり、次の3つは「のせる、身につける」ことを意味する on によって構成され、最後の3つは「現れる、顔を出す」意味の up が with と結びついてできている。こういった特徴は慣れることによってちょうど漢字の偏や冠のように一目瞭然となる。特に米語では難しい単語( big words )よりも好まれて使われるようになった理由がわかるだろう。

例3

  • give up (あきらめる)use up (使い果たす)end up (・・・に終わる)
  • cheer up (元気づける)light up (輝く)pick up (景気などが上向く)

しかし副詞の持つ意味は1つだけとは限らない。ここでの up のはじめの3つの例は「すっかりある状態になってしまうこと」を示す。これに対し、あとの3つの方は up の本来の意味、すなわち「上昇傾向」を示していることがわかるだろう。

例4

  • go on (続く、起こる)carry on (続ける) hang on (しがみついている、待つ)
  • read through (読み終える) go through (通り抜ける、経験する) come through (通り抜ける)

3つの例が示すように、副詞の on の代表的な意味に「継続」を示すものがある。これなどは前置詞で持っていた「表面に接する」という空間的な意味からすっかり離れてしまっている。これに対し、 through では「全部を終える」という意味を持ち、前置詞の持っていた「通って」という意味がよく活かされている。

例5

  • Are you through? (終わったかい?)The light is on. (明かりがついている)
  • Summer is in. (夏が来た) He is off. (彼は休みだ)
  • from now on (これから)on and on (どんどん)

副詞は一般動詞だけでなく、be動詞にもつき、状態を示すのに一役買っている。また、他の成句にも副詞の要素は欠かすことができない。

進行形・完了形・受動態 目次へ

一般動詞の現在形は BE同士とHAVE同士の後ろに現在分詞や過去分詞の形でつけることにより、3つの形態を持つことができる。英語ではこれらが言語構造全体の中でどのような位置を占めているかを少し考えてみたい。それぞれの役割をはっきりさせるため、まず前もって動詞を大きく「動作」と「状態」の2つに分けておく必要がある。

***状態動詞 » get to, come (動作化) » 完了形(継続) » 受動態(状態) » become, get (動作化)

例1

  • We know her. » We have come to know her.

現実世界をそのまま写し取るには、状態動詞の助けが必要である。know だけでとぎれることなく「知っている」ことを示すので進行形は必要ない。しかし状態に変化が生じたときには「・・・になる」「・・・でなくなる」というような、助動詞的な get to や come to が必要になる。

例2

  • We have known her for a year.
  • We are glad to hear her success because we have known her effort. または We are glad to hear her success because we know her effort.

完了形では状態を示す動詞はとぎれ目がないので、いつから始まったか、どのくらい続いているかという目印があった方がよい。それ以外の点では時間的領域が不明確なので、単純時制と完了形との区別ははっきりしない。

例3

  • She is known to us. » She becomes known to us.

受動態でも、状態を示すだけなので変化を示すときは BE動詞の代わりに GET, BECOME を入れ替えて、過去分詞は補語としてつける。

***動作動詞 » 進行形(状態化) » 完了形(完了・結果・経験) » 完了進行形(継続) » 受動態(動作・状態) » 受動進行形(状態化)

例4

  • He breaks the window. » he is breaking the window.

動作動詞の現在形は一種の「理想状態」で、実際には「習慣、繰り返されること」を示す以外にはあまり使わない。従って、「今、真っ最中」であるとして現実世界を直接示すためには、進行形が必要になる。これにより「現在の状態」をしめすことができるようになる。

例5

  • He has just broken the window. (完了)
  • He has broken the window once. (経験)
  • He has breaking the window since his teacher left. (継続)

完了形では、出来事がある時点に影響を及ぼす場合の時間的距離に応じて、完了・結果・経験の3種類に分けることができるが、その場合に、 just (ちょうど)や once (一度)のような副詞で見分けられる。完了進行形にすると、再び状態化が可能になるので、 since で示されるある時点から、または for で示されるある期間、状態が継続していることを示すことができる。

例6

  • The window is broken by him. (動作)
  • The window is completely broken. (状態)
  • The window is being broken by him. (一時的状態)

受動態ではどちらかというと、「状態」を示す傾向があり、「動作」にとろうとすると「理想状態」に近くなってしまう。動作を強調して示すには、受動進行形が用いられる。

例7

  • She is sick.
  • She has been sick for three days.
  • She got sick when she saw the sight.
  • The leaves turn red.
  • Milk went sour.
  • Dreams come true.

なお、上の例のように、形容詞の多くも「状態」を示すようにできているから、状態動詞とにたような形を持つことができる。「動作化」を示すには get と become がもっともよく用いられるが、慣用的に他の動詞も使われる。

数え方のいろいろ 目次へ

まず例1,例2,例3で数詞についてみてみよう。

例1

  • hundreds of people
  • tens of thousands of people

概数の表現方法は、最後に s をつければいいのだが、「数百」の代わりに「数万」にするためには 10 × 10000 の考え方で of をつなぐ。

例2

  • twice the number of accidents
  • ten times of the size of my trousers

倍数は once, twice, (thrice; 古語)から始まって、それ以降は ...times にすればよい。

例3

  • one third of the students
  • two thirds of the population

分数は前半が分子で、ふつうの基数、後半は分母を表し序数、分子が one 以外であるときは s をつければよい。倍数も分数も原則として of のうしろに the をつける。

名詞には可算名詞と不可算名詞とがあり、後者は数えられないものとされているが、実際には特定の意味を示す以上、あらゆる名詞は数える必要がでてくる。その様々な形態をみてみよう。

また、特定の数量を示すときは主として ...of で表される。ふつう of は the study of English というように of の前に来る名詞が主体であって、of のうしろは形容詞的に前の名詞を説明することになっているが、これから述べる「単位表現での of は、意味的にはすべてうしろの名詞が主体である。

例4

  • a pair of scissors
  • a pair of glasses
  • two pairs of shoes
  • a school of fish
  • a herd of sheep
  • a patch of cabbages
  • a flock of birds

この中で数えられても、日常生活において常に一対にして使う必要があるものには pair of がつく。また動植物が群をなしている場合には、それぞれ独特な名前がつく。

例5

  • a sheet of paper
  • an article of furniture
  • a piece of advice

不可算名詞では、単位表現はなくてはならないものである。物質名詞では薄いもの( sheet )、固まり( loaf )、入れ物( glass, cup, box, etc )のように目に映る形態を示すもので数えるようにする。家具のように「一式」になった扱いをしているもの、さらに抽象的なものに関しても、部分やバラで示すときには、item, article, piece などが用いられる。

例6

  • a bag
  • baggage
  • a poem
  • poetry
  • a machine
  • machinery

実際の日常生活では数えて使うものでありながら、それらを総合して「・・・類」としてまとめる働きがある名詞の場合には、注意を要する。前者は加算であるが、後者は不可算なので数えようとすると、例5のような特別な表現( a piece of )が必要になる。

例7

  • breakfast
  • a light breakfast

このタイプの代表格である「朝食」は普段は不可算名詞である。ところがある種の形容詞がつくと「いろいろな朝食のうちの一つ」ということで a がつくようになる。もっとも two, three になることは考えにくいが、 various breakfasts という形で複数になることはある。

例8

  • knowledge
  • a wonderful knowledge
  • a good knowledge of biology

「知識」は不可算ということになっているが、やはり形容詞がくると a がつくようになる。ただ breakfast と違うところは、常に複数のままでしか使えないことにある。このようなタイプは抽象的な名詞であっても、日常生活によく使うものに多く見受けられる。

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