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副詞を取り上げると、数限りなくあるが、そのうちで頻度、程度、時、場所、接続、様態などに分けて考えることができる。基本語と呼ばれるものがあり、それぞれはある程度定まった文中の位置を持っている。 例1
頻度を表す副詞はゼロから、常にある状態に向けて never, seldom/rarely, sometimes, often, still/yet, always の順に並べることができる。もちろん、ほかの品詞を加えた熟語を入れれば、膨大な数になるが、一語でできているこれらの副詞の位置は be動詞のうしろ、一般動詞の前、助動詞(have を含む)のうしろである。 例2
程度を表す副詞は、 not, hardly/scarcely/barely, only, very/much, nearly/almost, all などが主なものである。これらは動詞だけでなく、他の副詞、形容詞などにもかかることが多く、特に only は位置によって微妙に意味が変わる。万能選手なので、たとえば scarcely/hardly に時を表す ever がつくと、seldom の意味になる。 例3
時を表す副詞は when の元である then が過去、now が現在(か過去)を示す。ago は過去専用、before はある時を起点にしてそれより依然、since は完了形の継続的な表現に用いる。また熟語に多いが、 this/these が含まれているときは現在を、 that/those が含まれているときは過去を示す。 例4
場所は here と there が基本である。ほとんどは前置詞と名詞の組み合わせで示されてしまうので、一語の副詞は少ないが、 on, off, up, down, out, over などの形の上では前置詞と重複しながらも動詞と結びついて特殊な位置関係を示すばかりか、さまざまな熟語を生み出すものもある。(短副詞の項参照) 例5
接続を示すものは接続詞に似ていて、理論的流れを示す thus, therefore, hence, thence や全文の内容の繰り返しの too, either や前文の肯定や否定を受け継ぐ、 so, neither (+倒置文)や、条件的な then, otherwise そして譲歩的な notwithstanding, nevertheless, nonetheless などがあげられる。これらは使い方によっては大変便利で、代名詞ならぬ「代副詞」と名付けたくなるような働きができる。 例6
一単語としての様態の副詞は数限りなくあり、多くは「 in +(形容詞)+ way/manner/fashion で書き表せるものである。自動詞にはうしろにつけ( vi + ad )、他動詞と目的語の場合はその前におく( ad. + vt + O )ことが割合に多い。文全体を修飾する場合には文頭に来る。 名詞は、その文中の働きを示すために、格と呼ばれるもので分類する。ラテン語のように、名詞の語尾にそのはっきりした印を付けるのと異なり、英語では所有格の 's 以外は動詞からみた相対的な「位置」によって判断する。 例1
主格は動詞の前、そしてまた be動詞のうしろにあるのが原則である。上の who, what の文では、前後どちらも主格であるといえる。また主格をうしろに持ってくると発音しにくい時は me, her, him, us, them の場合、「目的格」の形を借用する場合がある。 例2
目的格は他動詞や前置詞の後ろに置かれる。 what や which と違い、 who には疑問詞でも関係詞でも目的格専用の whom があるのだが、次第に発音しやすい who に置き換えられつつあり、前置詞があっても後置される傾向にある。 例3
所有格はそれと所有関係にある名詞の前に置かれるが、人や動物に用いる場合と、無生物に擬人的に用いる場合とに大別される。後者は慣用的なものが多く、自分勝手に作ると不自然な文になる。また共に並べられない語があるときは、所有格代名詞を of のうしろに持ってくることができる。 例4
動名詞の意味上の主語は目的格より、所有格にする方が文法的に正当であると言われている。ただし一般名詞は 's を省略する(つまり目的格)ことが多い。 例5
所有関係は of によって表すことができる場合があり、その場合は意味的な違いはほとんどないので、関係代名詞を使った場合でも、二通り書き表すことができる。 例6
固有名詞を修飾するという次元での所有格、 of と名詞、形容詞の3種類の持つ、名詞との関係はそれぞれ微妙に違う。所有格は実際の所有、擬人的用法も共に用いられている。形容詞は「・・・固有の」「・・・だけ特別の」という意味を含んでいる。 これに対し of は今の二つを含んでおり、理論的にはすべて of表現に還元できるわけであるが、実際には慣用的なものが多いので、不自然な表現になるおそれがある。 要するにそれぞれの特色を生かしたいのなら、上の二つがよいことになろう。ただし全体の趨勢としては 's は of に取って代わられつつある。ただし of が万能だといってもさらに場所などを細かく示すためには、、やはり前置詞( in など)を使わなければならない。 例7
最後に所有格が所有関係を全然持たない場合の例である。慣用的表現が多い。所有格には、その他主格、目的格、同格の用法もあるが、 of その他の前置詞を用いた方が文意が明確になる。 否定詞とは、一般に not, no, never, neither, nor の n がつく5つが代表的である。これらは文の中でどのように使われているだろうか。特に not と no の違いが判然としていない人が多い。これらの用法の基礎を学ぼう。 例1
副詞である not は動詞をはじめとする名詞以外のものに係り、一般的な否定文を作る。not を名詞に連結するには途中に a, one, any を挟む。また at all や in the least と結びつくと否定の語気を強める(完全否定)。また省略的な用法としては、 that 以下の内容や会話の返答を not 一語で否定文を代表する働きがある。 例2
部分否定は形容詞の every や all, 副詞の always, entirely, completely のような「100%」を示すような語と結びついて示される。二重否定的表現は un のつく語、small や low のような「減少傾向」を示す語と結びついて表される。 例3
また not は A を否定して B を肯定にする [ not A but B または B, not A ] や A よりむしろ B を選択させる [ not only A but (also) B (as well) ] 表現の材料として重要である。なお、 A と B は原則として同品詞で「対照」関係にある。だから、2番目の例文の場合の but はただの「しかし・・・」である。 例4
no + 名詞は not a/one + 名詞または not...any + 名詞と見なすことができ、「一つもない」ことをはっきり示す。また any + 名詞を not の先においてはいけないことになっているため、当の名詞が主語に当たるときには必ず no で始めなければならない。また、掲示でお目にかかるのは No + ing の形である。これは禁止事項を示す簡潔明瞭な表現である。 例5
例4では no を名詞の前に置く決定詞的働きを示したが、例5のように副詞的働きもある。no + 形容詞の原級は、単なる否定を越えてしばしばその逆の意味にまで達するが、not + 形容詞に比べると大げさな感じがする。(軽いどころか実に重い役割だ) no + 「減少傾向の形容詞・副詞の比較級」は予期したよりも多かったことを示す(・・・も)、no + 「増大傾向の形容詞・副詞の比較級」は予期したよりも少ないことを示す(たった・・・だけ)。 not と no 以外にはどんな否定の語があるだろうか。 例1
まず never は ever の否定形ということで主に時・頻度を表すのに用いられる。時を示すときは通常現在完了形と共に用いられ、否定の副詞の一種なので文頭に来るとそのうしろが疑問文のような倒置になる(・・・倒置の項参照)。 また命令形の強めにも Don't の代わりによく見かける。また現在完了形で、過去分詞を除いて返答をする場合にはリズムの関係から never を have の前に持ってくる。 例2
neither は both, either の系列で of の前につく代名詞用法と、名詞の前につく形容詞(決定詞)用法があり、二者間のものに関して両方を否定する。なお any の場合と同じように not を either の前に先立たせてはいけない。 例3
either の接続詞的な用法の時は、二者間でもそれ以上の個数でもすべてを否定にすることができる。このときに最後のものの手前に来るのが nor である。またこの言い方は not A (n)or B でも not either A or B でも代用できる。 例4
副詞的な用法では、対話文の中で先にしゃべった文の中の no, not, never に対応してこちらも否定であることを示すのに用いられる。代わりに nor を用いてもよい。 これに対して二つの文が結びついている形では、副詞である neither の前には and を必要とする。もともと接続詞である nor には and は不要である。なおこれらの文で気を付けるべきことは、 neither も nor も共にその後の語順が疑問文と同じく倒置になっていることだ。 例5
否定詞ではないが、 but は「・・・を除いて」「・・・しないで」というような否定的な意味を持ち、no と結びついたときは only に近い意味が生ずる。例文では1行目が前置詞的用法、2,3行目が接続詞的用法、4行目が関係代名詞的用法になっている。なお3行目の but は特別で、 that に置き換えられるので、否定的意味はない。 例6
前置詞の without はnot に近い意味を持っている。だからそのうしろの名詞の前に any を入れることがある。また動名詞を入れることによっても否定の句を作り、前にある動詞や名詞を修飾することができる。最後の例は名詞がうしろにつかない without の副詞的用法である。実際には coat を補って考える。 名詞節を形作るものとして that と what は中心的な働きをしている。これらのパターンをしっかり頭に入れておくと名詞節の入り交じった長い文の読解がスピーディになる。 例1
まず that と what との違いであるが、that は接続詞であるから、そのうしろに完結した、いかなる文をつけてもよい( that SV...)。これに対し what は主語・目的語・BE同士の補語の役割を果たすという3つの場合がある(what SV.../what V.../what S be... )。例文では saw の目的語となっている。that の系列では whether (接続詞) when, where, why, how (いずれも副詞)などがあり、what の系列では、which, who(m) がある。例1ではそれぞれの名詞節が is の主語となっており、原則として単数扱いである。 例2
名詞節の2番目のパターンは最もよく見かける形である、他動詞の目的語としてである。 think や know のように that も wh- も両方とれるものもあれば、 believe のように that のみのものもある。また wonder, decide, ask, know, doubt, see, remember などはうしろに whether だけではなく文頭にはつけられなかった if もくることもできる。なお afraid, aware, careful などの形容詞と that の結びつきも純粋な意味では名詞節ではないのだが、このパターンに類似している。 例3
第3のパターンはBE動詞のうしろの that/whether節である。reason のあとは because(副詞節)でないことに気を付けよう。ほかに The problem / The fact / The point is that...などがあるが、いずれも熟語的なものとして定着している。なお4番目の例にあるような question と whether 以下との同格関係はこの間にあったBE動詞を取り除くことによってできる。同格節は名詞を修飾するので、形容詞節と見る人もいる。 例4
4番目として、数は多くないが前置詞の目的語としての名詞節がある。これらは depend on などのように動詞と組になっているものが多い。ただし as to は wh- とよく結びつく。なお except that, in that の熟語的表現を除いては that の前に前置詞をつけることができない。 例5
最期に名詞節が2つついた例を示した。一般に what が前、 that が動詞のうしろに来ることが多いようだ。1番目の例では mean が使われているが、これはBE動詞についで使用範囲が広い。depend on は「・・・かどうか」の二者選択を示すので whether を使うことが多い。 代名詞の用法は冠詞の使い方と似ていて、特定・不定の2種類に大別することができる。種類がかなり多いのでここでしっかりまとめておこう。 例1
距離的に近いものをさす this, these は了解済みであったり、これから述べられようとしている人・もの・考えが現在存在していることを示す(現在・未来的)。一方、距離的に遠いものをさす that, those は現在了解済みのことのほかに、たった今話題にされた人・もの・考えをさす(完了的)。さらに that, those は it と違い、うしろに前置詞句(特に of )をつけることができる。距離的に中間的な it, they/them はすでに述べられたものをさす。だから this, that より常にあとに出てくる(過去的)。これらはみな I/me/mine などの人称代名詞と同様、「特定」のものをさしている。 例2
「不定」を表す代名詞の代表格は one である。it などがすでに出てきたものをさすのに対し、 one などはこれから登場するものを前もって述べていると考えられる。one の特徴は前に形容詞を、うしろに分詞や関係詞をつけることができ、複数形にもできることである。関係詞でつなぐときには the をつけることもある。 例3
数量の系列 all, each, many/much, some, any, few/little, none は普通の代名詞としてだけでなく、「全体の中の一部」を示すために「...of (the) 名詞」の形でも用いることができる。また none 以外のものは名詞の前につける決定詞的用法を兼ねている。(たとえば some milk ・・・決定詞の項参照) 例4
不定代名詞の中で人をさすときには every/some/any/no+one/body があり、ものをさすときには every/some/any/no+thing が使われる。例4のような使い方ではうしろに of をつけることができない。( x somebody of ) 例5
相関関係を持つ代名詞の対は3種類に分けられる。まず2者間では one...the other の組み合わせ、3者以上の中では one/ones...another/others/the other/the others の組み合わせがある。ここで other(s) に the がついたときに注意すること。 a がつけば another となり不定であるが、 the の場合は「残り全部」を特定することになる。不特定多数の中では some...others の組み合わせが用いられる。ここでも others の前に the がつかないならば、第3のグループ、すなわちリンゴもオレンジもどちらも好きでない人も存在することになる。 例6
再帰代名詞と呼ばれる oneself は人称代名詞の強調形として使われるほか、主語と同一人物の「体」や「考え方」を示す目的語を示すのに使う。such は it/one と違って前述の事実や行動を示す。 same はうしろに person, thing, condition などが省略されていると考えるので、必ず the を same の前につける。 |