カモメの生活

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カモメ(鴎)を題材にした作品に何があるだろうか?男二人女一人による世界一周をしたヨット「白鴎号」、小説ではベストセラーになった「カモメのジョナサン」が、そして音楽のタイトルではまず、童謡の「カモメの水兵さん」、そして渡辺真知子の「かもめが翔んだ日」、中島みゆきの「かもめはかもめ」、浅川マキの「かもめ」、カルメンマキの「かもめ」などが思い出されよう。歌詞にでてくるカモメのことばはまるで数え切れない。

動物の中ではこんなにとり上げられるのはカモメが一番だろう。なぜ犬や猫は歌にならないか?それは家畜だからだ。どんなにかわいくても彼らは人工的環境の中にぬくぬくと生きている、寺山修司の言葉によればいわば「マイホーム主義」の権化みたいなものだ。彼らは人間と同じく「依存」の檻に入れられて一生抜け出ることができない。

人々は自分たちの自然と切り離された便利で快適な生活にどっぷりつかり、そこから抜け出せないことはわかっていても、これがなんとなく「ニセモノ」ではないかとひそかに思っている。だがそれを明言することは、自分たちの生活と存在を否定することになるから、どうしてもできない。その代わり自然界にある最もわかりやすい「自由」をながめるので我慢しているのである。

それがカモメが取りざたされる理由だ。大海原の上で気まま勝手に魚をとり、誰にも束縛されず波間に漂い、大声を上げながら港の中を行き来する。もちろんカモメにはカモメなりの苦労と悲惨があるのだが、人々はそんなことよりも人間生活のしがらみ、管理体制にまるでかかわりを持たないカモメたちに憧れとため息の混じった気持ちを投げかけるのだ。

その気分は私にもある。海と野生の両方の象徴としてカモメを選んだ。東日本の太平洋岸には「ウミネコ」が多数生息する。彼らの声は猫の鳴き声に似ているということで名づけられた。彼らもれっきとしたカモメの仲間である。三陸海岸の豊富な魚をえさとして毎日をたくましく生きている。

気ままな飛行を行い、常に人間を警戒するカモメを撮影することは難しい。でも遠くからその姿をはるかに眺めるほうが、望遠レンズでじっとしている鳥を写すよりはるかにカモメらしいではないか。ということで荒い画像や、少々焦点がずれているにもかかわらずそれなりの雰囲気を再現してみたいと思う。

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