各国語比較

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語順について

英語と日本語は、それぞれが属するいわゆる”言語グループ”が、実に対照的な性質を持っているがために、学習に非常に手間取る組み合わせである。

その最大のものは、”語順”であろう。これほど徹底的に言葉の並べ方が逆になってしまったのは、過去の人類の言語の歴史の中で、いったい何が起こったのか、いろいろ勘ぐりたくなる。たとえば、支配層が、奴隷階級に対して、まったく別の言語体系を発達させ、強制的な学習の結果、すっかり違った言語になってしまい、その後の天災やら戦争やらで、そのグループがちりちりばらばらになったというような・・・。

具体的に逆の語順を並べてみると・・・

  1. 前置詞+名詞 in the room ⇔部屋の中に
  2. 接続詞+節 when it rains ⇔雨が降るとき
  3. 主語+動詞 I think that SV... ⇔私は・・・だと思う。
  4. 動詞+副詞 He will come tomorrow. ⇔明日、来るだろう。
  5. 複合動詞 It began to rain. ⇔雨が降り始めた。

この5つの例を見てわかるように、何から何までとはいわないが、言語表現の重要な部分が、逆さになっているのがわかる。

(1)では前置詞+名詞の組み合わせが、名詞+後置詞(別名、助詞)となる。(2)では接続詞+節の構造が、節+接続助詞となる。(3)ではどちらも原則として主語は最初に来るが、英語はそのあとに動詞がなるべく早い段階で現れるのに対し、日本語では副詞、目的語などがすべて済んでから、最後に動詞が現れる。(4)では、時間、場所、様態など、吹く詩的表現と呼ばれるものは、英語の場合、文頭のときもあるが、多くは動詞のあとに現れる。これに対して日本語では一貫して動詞に先立つ。(5)では、ふたつの動詞が結びついたもの、つまり複合動詞とよばれるものだが、これらはまるで逆になる。

発音について

言語は音声から発したものであり、書き言葉はずっと後から考え出されたものだから、音声による伝達が、口から出た順に相手に理解され、音を発したとたんに空中に消散してしまう性質のものである以上、文法構造がこれほど異なるということは、次に相手が何を話すかを待ち受けるときの受け手の準備態勢も大きく異なるものであろう。

英語を学習している生徒は、学校で、実際に th-/s- や h-/f- や b-/v- の違いをきちんと区別する訓練を受けている例が非常に少ない。英語の子音には日本語にないものが多数あるのにである。そこのところで説明を省略して、すべてローマ字読みでなんとか間に合わせようというのが一般の学校の風潮であるから、ますます使い物にならない”綴りしか知らぬ”単語知識になってしまっている。母音も同様である。日本語には5つしかないのに、英語にはそれぞれにバリエーションがある。しかしそこのところはやはり、簡単に通り過ぎてしまう。

日本語では駄洒落が大いにもてはやされる。これは”同音異義語”が非常に多いということであり、その程度はコミュニケーションの阻害原因になっているほどである。中国語の4声のように、そして英語の変化に富んだ子音・母音のように、音を多様化して、誤解がないように多くの単語を区別しようという努力が日本語には過去において足りなかったが、それまた音声への関心の低さを引き起こしているのかもしれない。

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© 西田茂博 NISHIDA shigehiro

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