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音声できくブラジル・ポルトガル語のあいさつ

こんにちは Bon Dia (ボン・ジァ)・ありがとう Obrigado/da (オブリガード:男 オブリガーダ:女)

広域言語 スペイン語、中国語、ロシア語、フランス語と並び、ポルトガル語も広域言語だと言えます。国連の公用語にはなっていませんが(2023年現在)、ブラジルという広大な国があり、今は政治的にも経済的にも混迷の度合いを深めていますが、影響力の増大はますます目につくようになっています。

一方、アフリカのギニア・ビサウ、カーボ・ベルデ、サントメプリンシペ、モザンビーク、アンゴラとか、インドネシアと隣り合う東チモールなどは、国民のすべてがポルトガル語を話すわけではないけれども、今後その国の中のコミュニケーション手段としては中心的な役割を果たしていくと思われます。かつて植民地だった国は民族の分布などお構いなしに、旧宗主国が勝手に定規で直線を引いて国を作らせたために、ちょっとしたことでも民族間の紛争が起きやすく、その時の交渉言語はどの地域言語を用いても、それ以外の地域から不満が出るため、どうしてもヨーロッパの言語を公用語にするしかないのです。

それではポルトガル語の本家ともいえるポルトガルはどうなのか?イギリスとアメリカ合衆国とのような言語関係が、ポルトガルとブラジルの間にあるのかと言えば、それはますますこれから強まっていくことでしょう。

言語はいったん地理的に隔絶されると、どんどん異なっていくと言われています。第2次世界大戦前の英米の間でもそうでした。しかし国際的な行き来が頻繫になるにつれ、その違いは逆に縮まってきています。同じ言語であればビジネスもやりやすい。ブラジルポルトガル語とポルトガル語の間も将来的にはそのような方向に行くでしょう。

ヨーロッパ言語のひとつ 

すでにスペイン語やフランス語を学んでいる人々は、ヨーロッパのポルトガル語から入ったほうがなじみやすいでしょう。これらの言語の間には勉強すればするほど、その類似点が目立つようになります。しかしまたヨーロッパの多様性を痛感するようにもなります。

まずはお隣のスペイン語ですが、マドリッドからリスボンまでわずか200キロぐらいしか離れていないのに、好まれる音楽(前者はフラメンコ、後者はファド)から始まって、言語にも相当な違いがみられますが根は同一です。例えば「オレンジ」はスペイン語で naranja(ナランハ)、ポルトガル語では laranja(ラランジャ) となり、明らかに同じ響きが感じ取られます。

それでも、リスボンの観光名所では、英語やフランス語は言うまでもなく、スペイン語を話すガイドがわざわざ待機しています。つまり、歴史・地理のように込み入った説明においては、お互いの言語を話す人々は正確には理解できないのです。EUの方針としてもひとつの言語に収束させるより、通訳を大勢動員していずれの言語も平等な立場で通用させるという流れになっています。

それほどまでにスペイン語とポルトガル語は異なってしまっています。フランス語、イタリア語に至ってはもっと遠い関係になります。それでも、動詞の活用や、日常的な言い回しの中に、突然そっくりな表現が出てきたりするのは、はやり古代ローマ帝国の求心力がなせる技でしょう。

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男性、女性名詞 英語を除くほとんどのヨーロッパ系の言語は男性、女性名詞と分けられています。この「性」に対するこだわりの理由は今ひとつはっきりしませんが、ポルトガル語もその例に漏れず区別をして運用しなければなりません。幸いなことに、語尾が [-o] で終わるか [-a] で終わるかによって大部分は区別がつきます。

ただ、英語やフランス語の知識のある人にとっては、語彙の問題はそれほどではありません。多くが語源の点で似ており、類推で知ることもかなりできるからです。問題はその名詞にかぶさる冠詞でしょう。これは他のヨーロッパ言語とは異なる音を持っているからです。また前置詞と冠詞との結合系についても用心する必要があります。どんな言語でも、発音しやすくするために、新しい発音システムを作ったりしますが、ポルトガル語についても結構それが多く厄介です。

一致 

主要動詞 英語のbe動詞は「ある」(存在)と「・・・です」(連結)のふたつの働きを兼ね備えています。ところがポルトガル語ではおおざっっぱに、前者は estar であり、後者は ser と分けられています。なお「・・・です」であってもそれが一時的な状態の場合は ser を使います。このふたつの動詞のほかに英語の do にあたる hacer を加えて主要動詞とします。少なくともこの3つの動詞活用はなんとしても覚えておかなければならないのです。

¿?¡! スペイン語を読んでいると逆さまの ¿ や ¡ が文頭についていますが、このように習慣として疑問符や感嘆符を文の前後につけることになっています。文全体を読む前に感嘆文か疑問文かわかってしまうという利点があります。これがポルトガル語にはありません。

 インターネット・ラジオで聴くポルトガル語

ポルトガルからの放送としては、RTP がもっともおすすめ。ニュース、インタヴュー、音楽と幅広い番組構成である。スペイン語になじんでいる人には、その違いに驚くだろう。

RFI=SpanishRFI 放送局はフランスに本拠を置くが、そのポルトガル語語版。きわめて明瞭な音声が楽しめる。右上の Escucharr のマークの下にある、

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動詞活用 ポルトガル語の活用はかなり複雑ですがスペイン語ほどではありません。名詞、形容詞が、英語やフランス語から想像できるものが多いのに対し、時制ごとの細かな活用が、おそらく学習者にとっての最大の難関でしょう。「文法手帖ー動詞活用表」をみてください。

まずはすべてのもとになる不定形があって、これが、人称(1・3の単数・複数)4種類にわかれます。スペイン語の場合は6種類です。不規則動詞は大きく分けて5種類ですが、それぞれ内部にはある程度の規則性があって、その系統に属するものはその特有のパターンで覚えてゆきます。

文型 だいたいフランス語に似ていて、直接目的語「・・・を」間接目的語「・・・に」とそれぞれ決まった代名詞があり、その語順も決まっています。また英語の to に当たる前置詞 a があって、それを間接目的語の代用にすることもできます。直接目的語の代名詞をきちんと覚えておかなければならないのは、これを文頭にして、最後に主語をつけるという変わった動詞(好き、うっとりさせる、興味を持たせる)の一群があるからです。

時制 普通の現実を表す直説法では全部で9種類あり、語尾変化だけで表す「単純時制」は現在形と未来形があります。未来形は活用が比較的規則的です。これに時制の一致で主に用いる、過去未来形もあります。

過去形は二種類に分かれ、まず点過去(=完了過去)というのは過去のある時点における「行為」を表します。多少とも不規則な活用が混じっています。これに対し線過去(=不完了過去)というのは、過去における「状態」「繰り返し」などを示すのに使われます。

完了過去と不完了過去の文をうまく組み合わせることにより、さまざまな表現が可能になります。「彼女に電話したけれど(完了過去)彼女は家にいなかった(線過去)」「彼らが食事をしていたら(線過去)、父親が戻ってきた(点過去)」

これに対し「複合時制」は haber という動詞を助動詞代わりにして、そのあとに動詞の過去分詞形を取りつけます。 haber の現在形と過去分詞の組み合わせが現在完了、 haber の過去形と過去分詞の組み合わせが過去完了、 haber の未来形と過去分詞の組み合わせが未来完了となり、ところが、 habler の過去未来と過去分詞との組み合わせがあって、これは現在では滅多に使いませんが、過去未来完了と呼びます。

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 直説法の他に、命令法と接続法の二つがあります。命令法は(親しい)君、とその否定形、(親しい)君たち、あなた、あなた方、とその否定形と合計6種類の相手によって活用が変わり、不規則も少なくない難物です。それぞれニュアンスの違う命令を生じますが、どうしてこれに限ってこんなに複雑になってしまったのでしょうか。接続法とは、英語が昔捨ててしまった表現方法で、英語の接続詞 that に当たる que などに導かれる文中で、話しての態度や心の状態を示すのに使われます。接続法にも時制があって、現在、現在完了、過去、過去完了の4つです。

学習書 外部リンク白水社の「ニューエクスプレス・ポルトガル語・フクシマノリタカ著」を使いました。全部で20課あり、文法の基礎を学ぶことができます。ニューエクスプレスは以前のエクスプレスと比べて格段にわかりやすくなりました。単語増強、表現力アップ、文法説明、いずれの面でも至れり尽くせりです。

すでに述べた時制をすべて覚えることよりも、重要単語を含んだ基礎例文のマスターのほうが大切です。ポルトガル語の教科書は、英語などと違って学習者の数が問題少ないのですが、最近は次々と新しい編集のものが登場しています。中には海外旅行の即席ものも少なくありませんが。理屈は後回しでも、テープを聴いて、自分でも発音して暗唱し、早いところ音声にはなじんでしまって下さい。音声こそ言語の基礎ですから。

ところで、英語以外の外国語のテキストは、最近では語学ブームを反映してか、初心者向けのテキストは花盛りです。ところが中級、上級向けとなると、とたんに種類が乏しくなります。まあ、たいていの人は初級段階でポシャるのが現実なので、どこの出版社もこの種のテキストを作るのに二の足を踏むのでしょう。

中級ポルトガル語に関しては、手頃なテキストを見つけました。外部リンク東進ブックスの一つ、「今すぐ話せるポルトガル語・応用編」と「今すぐ話せるポルトガル語・自由自在編」です。これは「入門編」と共に3部作となっていますが、白水社のエクスプレス・シリーズは、初級をカバーしているので、日常会話に磨きをかけるには「応用編」、多少とも単語面では苦労するにしても、この「自由自在編」が中級以上へ力を伸ばそうと志す方には有効かと思います。しかもしっかりしたCDが二枚ついており、リスニング面でも確実な力がつきそうです。ただし、入門編はともかく、中級以上の参考書は買う人が少ないだけに、すぐに絶版になってしまうのは悲しいことです。大勢の人々が初級レベルで学習をやめてしまうのですね。

初級を終えた中級者向けなのが三修社の「ポルトガル語定型表現365田所清克著」です。かなり難しい文章も入っていますが、会話や作文をする場合に役立ちます。これらの例文を暗記したら、言語習得への自信が大いに増すでしょう。

オンライン辞典
dictionarios.com ポルトガル語辞典(1) ES

ポルトガル語での同意語、反意語、対英、対仏、対カタロニアが相互可能。ハコの中に自分の知りたい単語を入れて Buscar(さがす)を押せば出てきます。

From Language to Language ポルトガル語辞典(2)

英西独仏伊露相互可能。真ん中の from と to にそれぞれの言語名を入れ、その下のハコの中に自分の知りたい単語を入れて Search を押せば出てきます。

PORUTUGUSE DICT ポルトガル語ー英語辞典

やたらに多国語間の翻訳をするより、このサイトのようにポルトガル語だけを専門としているほうが内容が豊かであるかもしれない。

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辞書 初心者向けとして使いやすいポルトガル語の辞典がありません。つまり収録語数を絞ったうえで、細かい用法の説明が加えられている、「パスポートフランス語辞典」のようなものが見当たらないのです。今後見つけ次第発表しますが、それは英語版になりそうです。

音声できくポルトガル語のあいさつ 

(みなさん、さようなら ¡Adiós a todos!)

以後随時更新します

1999年2月初稿作成 2023年5月改訂・増補

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