政治時評

杭州・西湖

法制度や行政によって社会に実現するべきだと思われる具体的方法

HOME > Think for yourself > 政治時評 > 食品輸入

食品輸入を規制しよう

自由貿易とは、発ガン性の強いカビ防止剤をグレープフルーツに塗りつけてよその国に送りつけ、それによって大儲けをする自由でもある。自由貿易によって被る被害は国中に及ぶが、食品については人々の健康に関わりがあるだけに早急に対策を必要とする。

カビ防止剤のほかに、ホルモン剤、抗生物質、保存料など、自分の国の中では使わないくせに、よその国に送るとなれば全く無神経になるのが国際的な食品会社の特徴だから、われわれはほとんど毎日のように体内に毒物を取り込んでいることになる。

輸入拠点での検査といっても検査人員が圧倒的に不足していて、たとえば1000個のうちの1個ぐらいしか検査できないのが現状だ。まずはこれ以上輸入食品の脅威に国民をさらさないためにも、まず食品輸入を規制すべきだ。もちろん同時にしておかなければならない問題が一つ横たわっているが。それは食糧自給率である。

度重なる農業に対する悪政のために日本の食料生産の基盤は疲弊しきってしまっている。今野菜を作ってくれているおおぜいの高齢の農民たちがこの世を去ったら、一体だれがこの国の食糧を作るのか。後継者がだれもいないというのはすでに20年以上も前から警告されていたことである。

ヨーロッパのような手厚い農業保護もせずに日本の農業が国際市場の中で生き残れるはずはないのに、政府は、農林省は農業の衰退を放置している。この事態が進めば自給率が、一部の素人を除いては、職業として食糧を生産する者がこの国にはいなくなる。

この恐るべき将来に手をこまねいて待っている方がいいのか。それとも輸入制限を強行して、自国の農業を保護する方がよいのか。それを決断する賢明な政治家は当面現れそうもない。

*****

BSE問題で、2004年の初頭から、アメリカからの輸入ができなくなったことは、この無差別な食品輸入に対して考え直す良い機会だ。全国チェーンで有名な牛丼チェーンは、他のメニューに変えなければならない。国産牛の値段は、これによって急上昇した。

まず大事なことは「安い」ということが輸入のおおきな動機になってはいけないこと。牛丼チェーンが牛丼をかけそばよりも安い値段で売れるということは、いかに品質を落としているかの証でもある。おいしければどんな食品でもかまわないのか。

輸入先をオーストラリアではなくアメリカにしたということは、価格設定でアメリカ側が大きく値段を下げてきたからに他ならない。どんな飼育方法を採っているか、牧場にいる病気の牛の割合はどのくらいか、抗生物質はどのくらいのませているか、屠殺での衛生管理はきちんとしているか、などの問題は価格設定に優先することは決してない。

BSEの発症は潜伏期間が長いから、おそらく5年から10年後になることだろう。日本国民の中には牛丼を山ほど食べ、すでに狂牛病が身体の内部で進行してしている人々がいるだろう。だが発症したときにはもうすでに遅い。

国産の食品が安全だと断言することはできない。だが距離的に近いから我々の監視下に置くことができる。我々はアメリカの牧場がどうなっているかを視察に行くことはできない。(視察に行ってもそのときはきちんとしたところを見せられだけだろうし)

食品では他の生産物と違って、価格だけで選択すると恐ろしいことになることを忘れてはいけない。しょうしょう高いものであったら、買う分量を減らせばいいだけではないか。国産食品を愛用し、農民達に絶えず作る意欲と生き甲斐を与え、その結果日本国の食糧自給率を高く保つことが絶対に必要なのだ。

2004年1月22日追加

HOME > Think for yourself > 政治時評 > 食品輸入

© Champong

inserted by FC2 system