政治時評

杭州・西湖

法制度や行政によって社会に実現するべきだと思われる具体的方法

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ペーパーレスを実行せよ
コピー機を置くな

パソコンやワープロが普及して、かなりの年数が立つが、デジタル化のかけ声とは裏腹に、紙の使用量はいっこうに減る気配がない。それどころか上質の用紙が湯水のように使われている。これには、デジタル化で用が済む一方で、紙でなければ用件を伝達できない層が同時に存在しているせいだ。

最近ではパソコンの信頼度が増し、わざわざ紙による保存をしなくても済むようになったわけだから、そろそろ強制的に紙の使用を制限するべき時が来た。すでにアジアの森林は日本の紙の消費によって伐採が進み、これらの国がいざ自国で紙を使おうというときには禿げ山だらけ、という事態に直面している。紙を永続的に使用するためには、ケナフのような栽培植物を利用することも大切だが、その前に、使用の「自粛」を実行しなければならないだろう。

紙の浪費の元凶はもう一つあり、それはコピー機の普及だ。ちょっとした会社には何台も設置され、コンビニには必ずあるため、どんなものも容易にコピーをとれるようになったおかげで、これが使用量に拍車をかけている。不要の紙や広告の紙の裏にコピーがとれるようになったのは朗報だが、それによって使用量が減少したということはないのである。むしろ人々は安心してさらに多くの紙を使うようになってしまった。

紙にどっぷり浸かった文明から離れるには、まず事典、辞書の使用から始めるとよい。平凡社の世界大百科事典は、図書館に行くとわかるが、20数巻の大変な分量の知識の宝庫である。それが CDROM 版ではたった1枚の円盤に収まってしまった。これによって伐採せずに済む樹木はどれだけになろうか。

困ったことに、まだペーパーレス化に、日本では余り本気でないらしい。電話帳は相変わらずとんでもない厚さだ。 CD-ROM にしてしまえば、日本全国版ができてしまうのに。紙の電話帳は、図書館か電話ボックスだけにして、家庭配布は原則として CDROM にしなければならない。

「知恵蔵」「現代用語の基礎知識」「イミダス」などは、毎年出され、年鑑として重宝だが、これがなんと紙製より CD-ROM のほうが価格として高いのだ。(平成12年現在)これでは、ペーパーレス化が徹底しないのは当然である。わずかでも紙製のほうが高ければ、これらの CD-ROM 版は急速に売れ、人々の間にデジタル化への違和感が著しく減少することだろうに。 

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