(2013年4月)

北駅を出るタリス

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 パリの北駅からブリュッセル南駅を通り、さらにアムステルダム、別ルートでケルン方面にも向かう特急列車「タリス」はノンストップで、パリ・ブリュッセル間を約1時間半で結ぶ。大体1時間に2本のダイヤである。片道99ユーロ(二等)で、270キロは少々高い気もするが。メトロを北駅で降り、国鉄の駅構内に向かう。日本の緑の窓口みたいなのがあって、そこで往復切符を買った。全席指定。乗る列車の変更は1回まで。
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ノルマンジーに行った時と同じように、車窓にはどこまでも平らな牧草地や畑が広がる。線路はカーブがないし、勾配もないから、時速300キロは軽い。別に高架ではないが、人口密度が低いから、日本のように誰かが線路内に立ち入った、というようなことは少ないのだろう。車内はほぼ満席(9:25発10:47着)。 
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タリスは南駅に到着し、さらにプレメトロ(小型メトロ、地下を走り幅が狭い)にのって4つほど行くと、Bourse という駅で降りて、市役所のあるグランプラス(広場)に着く。 市役所は、仕事をする場所というよりも、観光の中心だ。ディズニーランドのおとぎの国にあるような尖塔がそびえているのが市役所なのだ。
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大勢の観光客が行きかい、市役所の前では結婚式が行われたり、若者たちがダンスの練習をしたりしている。周りの建物は、みんな中世のギルド時代からの古いものばかりで、レストランやホテルがひしめいている。広場の北側の裏手には、ムール貝の料理を食べさせるレストランが、価格競争をしている。呼び込みが激しい。 
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市役所の裏の道をたどると、「小便小僧」のある街角に出る。大きさは30センチぐらいで、 意外に小さい。
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 観光客は、われもわれもと写真に収めている。
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 両側にはチョコレートの店やワッフル屋がたちならぶ。
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 グランプラスの北東には、非常に古いショッピングアーケードの「ギャルリー・サン・チュベール」がある。両側は本屋やチョコレートや、文房具屋など。
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アーケードを出て左に向かうと、エスパーニュ広場に出た。ここにもモンマルトルと同じように、”石像”のふりをした生身の人間が立っていた。それを見て、学校の集団旅行らしい、中高生たちが嬌声をあげていた。 

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観察日記(2)
日本の学校では、しばしば「あいさつ運動」なるものを見かける。これは生徒や児童たちがあまりにあいさつをせず、それを見かねた先生や父兄たちが、状況を改善しようとおこなったのであろう。このように日本では、言葉を使ってコミュニケーションをしようという意欲が薄い。単なる会話どころか、日常のあいさつさえ満足に行われていないのだ。コンビニやスーパーに行けば、一言も口をきかずに買い物を済ませることができる。

しかしフランスでは、逆に挨拶過剰ぐらいの状況だ。ホテルのフロント、スーパーのレジ、単にウィンドー・ショッピングの場においても、「Bonjour」は欠かせない。電車の中で、足を踏んづけた場合はもちろん、出入り口が混んでいてなかなか降りることができないときも必ず何か一声かける。朝、ホテルのエレベーター内であいさつをしないのは日本人同士だけである。日本人は「言わなくてもわかる」と思っているから、あいさつやちょっとした会話がないのだろうか。もしかして、日本人が極端に外国語が不得意なのと、これは関係があるのだろうか。

パリでは、さほど英語が通じるというわけではない。もちろんホテルでは問題ないが、駅の国際列車の切符売り場などでも、必ずしも流暢に英語をしゃべるというわけではない。パリの若者たちは英語がうまいだろうが、意外にもインド、エジプトなどで専門職を持つ若者たちのように、生活がかかっている場合ほどではないようだ。

ベルギーは2言語体制(フランス語とフラマン語)だといわれている。確かに町ではこの2言語が併記されている。だが、カフェなどで耳を傾けると、ビジネスマン風の人々はみんな英語をしゃべっている。やはりここはECの本部があり、国際機関がたくさんあるので、自然とそうなる傾向があるのだろう。バルセロナでも、スペイン語とカタルニア語の2言語体制だが、国際的な商業都市だけあって、同じ現象が見られた。

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