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いわゆる旧市街地は”お宮”でいっぱい。日本の神道にあたるのが、ヒンズー教。仏教、キリスト教、イスラム教と違い、モラルを重視するよりも、現世の利益をまず求める。日本風にいえば、願いがかなうように”お百度を踏む”の類のおまじないや儀式が無数にある。そしてこの街には歴史とともに、神様が異常に?増えてしまったのだ。街角を曲がると次々と新たなお宮が出現し、木造よりも石造りであることを除けば、基本的な構造と礼拝形式は日本のそれとそっくり。
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市街地の西側を流れるヴィルシュヌマティ川。乾季は特に流量が減り、完全にドブ川と化す。最大の犯人は赤や青のポリ袋だ。これで水が流れなくなる。河原には牛、豚、アヒル、犬、ハト、その他の動物がたむろする。
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トルコでも野犬の数に驚いたが、ここはその比ではない。ボーっとしているもの、ふてぶてしく昼寝しているもの、何か忙しそうに仲間を集めているもの、必死にゴミに食いついているもの、毛がほとんど抜けてしまったもの、骨と皮だけのもの・・・ここでは鎖につながれた犬は存在せず、完全に犬社会のネットワークが出来上がっている。一生をソファの上で過ごす、お座敷犬とどっちが幸福か? |
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朝の通勤に急ぐカトマンズ市民。農村と異なり、大都市での人々の生活は忙しい。正社員というものは存在するのか?待遇などを考えると、市民すべてがアルバイトとみても間違いではなさそうだ。 |
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白いドームの上に突き出た部分に目玉が書き入れられている、チベット・タイプのお宮。沖縄の漁船に書き入れられているように、これは魔除けなのだろう。一見、万国旗と見間違えそうな、タルチョ(祈祷旗)がみえる。 |
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お宮の裏にはこのようにさまざまな像や塔が置いてある場合がある。 |
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カトマンズの中心部では、昔からあったお宮や祠(ホコラ)が、道路の中に厳然と置かれていて、ハトたちのパラダイス。 |
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貧しさから逃れるには、海外への出稼ぎしかない。ボンベイ、香港、ドバイなど。インドは力を振りかざす隣国で、あまり好感が持たれていない。そうなると、日本へのあこがれが高まるのは無理はない。町中に貼られている、このポスターには「急げ!急げ!日本で勉強する絶好のチャンス!東京、仙台、名古屋など多くの都市に行ける…」などと甘い言葉が並べられている。 |
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カトマンズ市の中心には歩道橋がいくつかある。その理由は信号機がないから…信号機があっても停電でつかないから…これは歩道橋の上から眺めた北方向のカンディ・パト(目抜き通りの一つ)。左側に特にたくさんの銀行がある。右側の先は王宮になっている。 |
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池の中にお宮が浮かぶ、ラーニ・ポカリ。同じ歩道橋の上から南東方向を見ている。 |
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歩道橋の西側にはアサン・チョーク(交差点広場)へ続く、細い道が伸びている。 |
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アサン・チョークから、ダルバール広場へ続く道は細く、迷路のように横丁が分岐し、人々が肩を触れ合うほどに歩いていて、そのたたずまいは中世のころそのままだという。 |
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細い道でもオートバイはお構いなしに入ってきて警笛をガンガン慣らし、リキシャ、歩行者とぶつかりそうになる喧噪状態。昔は、ここは王国の首都であり、こんな狭い道であっても王宮に通じる重要なルートだったのだ。 |
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お宮の前を通るカトマンズ市民。人々の服装は様々で定番がない。必ずしもインド風の服装(サリー)を着ているわけでもない。 |
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色とりどりの服を着たマネキン人形たち。ここのデザインは一般に無地よりも、インカ帝国の末裔たちのように、色とりどりの組み合わせを好む。”クルタ・スルワール”とよばれ、仕立ててもらえる。インドラ・チョークにて。 |
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道路工事。狭い道を拡幅するのだが、横が崖になっているので、大きな石を詰めて補強しようとしている。この通り建設機械は一切なく、すべて人力による。そして完成までに途方もない時間がかかり、しばしば(予算不足のため)放棄される。 |
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ごみの中でエサを探す鶏たち。もしポリ袋さえなければ、有機物はすべて順調に腐り、スムーズな自然の循環が実現していたであろう。かつてはそうであったから、この街はそんなに不潔ではなかった。今やすべての包装や買い物袋はプラスチック製である。 |
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これは何だろう?今ではインドやネパールのトイレには必ずあるもの、つまりお尻を洗うためのシャワー装置である。かつては大きなバケツに水を用意し、小さな手桶で汲んで洗っていた。お尻の清潔さにかけては、日本の温水便座に少しもひけをとらない。気温が高いので、水を温める必要はない。トイレットペーパーを使うなんて、なんて不潔なんだろう! |
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これは何だろう?民間の食堂なら大抵あるもの、つまり地元のどぶろく、トンバを入れて飲む容器である。トンバは粟(アワ)、稗(ヒエ)を利用して作られ、味は甘酒に何となく似ている。容器の底に発酵の進んだこれらの穀物を入れ、上から熱湯を注ぐ。中の棒は実はストローで、先がすぼまって穀物の殻を吸い上げないような構造になっている。アルコール濃度は大して高くないが、熱湯を少しずつ加えながら、ゆっくり吸っていると、緩やかに酔ってくる。これはアルミ製だが、かつては木製が主流だった。 |