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ヒースロー空港に着くと、空港駅ですぐさまロンドン交通局で出している、「Oyster Card」を買う(直訳すれば”牡蠣カード”)。これがあれば地下鉄もバスもほかの交通機関も、タッチするだけで通過できるし、単独で切符を買うよりずっと安く済む。金額が減れば、日本でいうところの”チャージ”(top
up)もできる。
西の端にあるヒースロー空港と東の市街地の中心部を結ぶ地下鉄線の中間あたりに Acton Town という駅がある。どちらに行っても30分弱で到着する、地の利の良さを見込んで、ホテルを選んだ。
Osborne Hotel といって、ロンドンにあるホテルの価格帯からすれば、最も低いラインに属するが、どうしてどうして部屋は清潔だしポット、電子レンジ、冷蔵庫がそろっていて静寂そのものの住宅地の真ん中だ。
欠点といえば、イギリス人はもちろん、日本人の体格でも狭いと感じるシャワー室(バスタブなし)だろう。駅からは歩いて2,3分。駅前には軽食屋もコインランドリーも、コンビニもそろっている。黒人のお兄さんがひとりで寝泊まりしていて、彼一人がスタッフだ。
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飛行機は夜の8時30分に着いたので、ホテルに着くとすぐ寝てしまった。正式なイギリス式朝食を提供してくれる大衆食堂が駅前にあり、翌朝さっそくそれを利用する。イギリスパン、卵焼き、太いソーセージ、豆の煮込み、そして紅茶か珈琲だ。後者の場合は粉を溶かしたものとなる。
幸いこのホテルでこの朝食のバウチャーを買うと、3ポンド80という破格の値段だ。あとで市の中心部に行ってこれより1ポンド以上高いのが普通だと判明。
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Acton Town駅の北口から見たところ。さっそく英国の国民車である、白の Mini Cooper を目にする。大きな駅前広場はないが、交差点がラウンドアバウトになっているので、車の流れがスムーズである。
ここに写っているように、自転車利用者が非常に多い。ただ、ママチャリタイプと違って、ヘルメットをかぶっているので、みんなが本格的なサイクリストに見える。
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Acton Town の駅は、鉄道がまだ地上部分を走っているので普通の駅の姿をしているが、ここから西に2,3個の駅を過ぎるといよいよ地下部分に入る。
Acton Town からの路線は Piccadilly line と District line がかなりの部分並行して都心部へ向かうが、東京の丸ノ内線と銀座線のように初期に開業した路線なので、老朽化がひどい。
トンネルが半円形のせいか、車両も断面が半円形で、窓に近づくとやたら天井が低い。ほかの路線では新型車両が使われていたので、この二つの路線が最も改良が遅れているようだった。
空港ターミナルが西の終点なのだが、空港からは新線を使ったノンストップ特急が出ているので、これらの路線だけ出遅れてしまったのだろう。ロンドン市内の地下鉄は100年以上もたち、あちこち故障続きで、遅れや運航停止が日常茶飯事だ。朝のテレビニュースで、各路線の
Good Service という表示を見るまでは、サラリーマンは安心して出勤できない。
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Acton Town から30分弱で、Hyde Park Corner 下車。ハイドパークは西側がくちばしのようにとんがった部分があり、そこにあるので
Corner というらしい。おりてみると広大な”森”が広がっており、歩道と自転車道が分けられている。
まだ朝の通勤時間帯のせいか、次から次へと自転車に乗った人がやってくる。日本では寺社建築や戦争のため、大木があらかた伐採されてしまったが、ここではこの写真の通り、きわめて太い幹がふつうである。
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Corner から西に向かって公園の内部へ進むと、Rose Garden がある。いよいよバラの咲き誇る季節が始まるのだ。あたりにはバラの香りが漂い、ジョギングをする人が頻繁に行きかう。 |
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やがて池に出る。まるで蛇がうねっているような形をしているので、The Serpentine という。カモやガチョウの群れが多い。 |
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池から離れて森の中に入っていくと鳥たちの姿が見られるが、この鳥の場合、たった5メートルの距離から撮影したものである。こちらが近づいて行ってもまったく逃げるそぶりもなく、完全に自然の姿である。その後、市内のどこでも、どんな鳥に近づいて行っても逃げることはなかった。つまり誰も動物をイジメないのだ。 |
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パリに始まった市の管理する貸自転車システム Velib はまたたくまに世界の都市に広がった。ロンドンでもいたるところにこの種の駐輪場(London Cycle Hire Scheme)を目にする。最初の30分以内に返却すると無料である。ハイドパークの内部は、自転車道を走り慣れるための最適コースといえる。 |
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公園内にに馬糞が落ちていた。馬糞を見るのは小学校の時以来、久しぶりだ。朝の馬の散歩をしている人を大勢見かける。自転車道、歩道とは別に馬道も一部できている。近くに言論の自由の原点ともいえる
Speaker's Corner があったはずだが、工事中で囲いがしてあった。 |
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ハイドパークを半周して Corner にもどると、その西側には Green Park が連なっている。その入り口あたりには二階建てバスの上の屋根を取り払った
Bigbus London が止まっている。これは市内では至る所に見かける観光バスだ。 |
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グリーンパークの入り口近く、ウェリントン・アーチのそばにいると、馬車がぞろぞろと出てきた。 |
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バッキンガム宮殿を含む敷地はレンガの高い塀で囲まれているので、わざとその外周を反時計回りに回って、宮殿の前にたどり着いた。世界各国からの観光客でいっぱい。
30分ぐらいで回れるほどであるから、この宮殿の敷地自体はそんなに広くない。宮殿北側から撮影。これが最も写りがよいアングルだ。建物の雰囲気は”専制国家”の宮殿に比べると、ずっと地味である。
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どんなガイドブックにも載っている、衛兵さん。次々とやってくる観光客たちによって、10秒に1回は撮影されている。宮殿入口にて。 |
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グリーンパークの西側には St.James Park があり、この中にある池はやはり蛇のように細長い。多様な樹木が組み合わされて、一見の価値があるイギリス式庭園である。公園外の車が行きかう道路を行かず、園内を通過すれば、西の方角に進むことができるし、騒音と排気ガスにも悩まされずに済む。 |
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公園の西のはずれまで来ると、少し南下して Westminster 寺院にやってきた。この建物は壮麗というよりは、古さがにじみ出ている建物だ。赤い二階建バスの左側にある建物だが、ここも観光客ではちきれそうだ。正面の壁面には、古くに刻印された文字で「永遠の命が与えられますように…」と書いてある。 |
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もうここまでくれば、テムズ川もすぐそばなのだ。日本の学校の教師なら、一生にそのチャイムを何万回聞くことになるのか、あのビッグ・ベンの塔が建っている。この向こう側が川になる。 |
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ビッグ・ベンの南隣が国会議事堂なので、それを左手に見ながら南下すると、川沿いの細い公園を通り抜けて Lambeth Bridge という橋に出る。この橋の真ん中から下流方面を見たのがこの写真。
この時期、テムズ川の水は茶色く濁り、水量は減っている。左岸に議事堂、右岸にはかすかにしか見えないが巨大な観覧車 London Eye が見える。
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こんどは右岸に沿って下流へ進む。ようやく London Eye が見えてきたが、乗る順番を待っているのか、切符を買うために並んでいるのか、とにかく大変な行列。これが土日だったらどうなることやら。
近くに行ってわかったが、この観覧車のゴンドラはそこらのとは違って非常に大きい。一つのゴンドラに10名ぐらい乗れるほどなのだ。まわりに高い山がなく、ここから市内が一望できるので、人気のほどがわかる。
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