その6(2017年12月)

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貴船神社・鞍馬寺・銀閣寺・大文字山御所・二条城・東福寺宇治・伏見・伏見稲荷

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葵祭のころから、半年後、12月になって観光客の数が減っただろうという希望の下、再び京都を訪れる。紅葉シーズンはすでに終わり、東福寺あたりでは、真っ赤な楓(カエデ)もすでに茶色になりかけていたが、山奥ではまだまだ見ごろの樹木がたくさん見受けられた。

問題なのは寒さである。今年の冬は、ジェット気流が蛇行しているらしく、例年になく気温が低く、摂氏1度から4度ぐらいの空気の中を歩き回ることになった。なお、寒さのために観光客が減ったという印象はない。京都は一年中にぎわっているのである。外国人は名所には集中しているし、修学旅行を12月に実施する学校が多いのにも驚いた。

右の写真はGPSによる、三日間の徒歩、バス、地下鉄、鉄道を使った軌跡。最北端は貴船神社、最南端は宇治市である。

貴船神社・鞍馬寺・銀閣寺・大文字山

今回の訪問は、前回で見残したものや、重点的に見たいものを取り上げたので、一つの地区に集中して歩き回ることより、とびとびに回ったものが多い。

この地区の出発は五条大宮にあるホテル(最寄りのバス停:島原口)とした。2017/12/05

(01)島原口➡出町柳駅➡貴船口➡貴船神社➡鞍馬寺➡出町柳駅 所要時間 0900-1230

(02)出町柳駅➡銀閣寺➡大文字山登山口 所要時間 1300-1430

(03)大文字山登山口➡山頂➡鹿ケ谷➡島原口 所要時間 1430-1630

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3001
出町柳駅から京阪電鉄・叡山電車に乗って、終点から一つ手前の「貴船口」で降りる。大多数の客は終点の鞍馬駅まで乗って反時計回りで行くのだが、こちらは時計回りで行ってみる。駅前にはすぐ小型バスがやってきた。大型ではこれから先の山道ですれ違いが難しいためだ。乗客には若い女が多い。なんといっても貴船(キフネ)神社外部リンクは縁結びの神様だから。気温は摂氏3度。
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川端康成の「古都外部リンク」で知った、北山杉がバスの窓から見える。
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バスを降りてしばらく歩く。上り坂だが、急ではなく料理屋や茶屋が並んでいる。やがて神社の鳥居が見えてきた。ここを訪れたのは46年ぶり。
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階段に沿って、お燈明が並ぶ。
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川沿いのこの道は恋多き女、和泉式部(978年~)の「恋の道」だ。石碑に夫に冷たくされた彼女の女ごころをうたった和歌が記されている。「ものおもへば沢の蛍もわが身よりあくがれいずる魂かとぞみる」と彼女が歌ったら「おく山にてたぎりて落つる滝つ瀬の玉ちるばかりものな思ひそ」と神様の返事があったという。つまり、そんなに思いつめるなということだ。そうこうするうちに「奥宮」の入り口に到着。かつてはここが「本宮」だったそうだ。
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「貴船」という名前は、船乗りの安全を願う気持ちも加わった。この石垣は奥の宮の左側に鎮座する「御船形石」である。確かにこれは船形をしている。それにしてもここに到達するまでに、数多くの小さなお宮、石碑、そして男女の相愛をあらわした樹木など、実にたくさんがこの神社の歴史の中で作られている。
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貴船川沿いの川床(カワドコ)の納涼一式が、この寒さの中で残っていた。夏の盛りであれば、どんなエアコンにも勝る、風流な場を提供してくれるのであろう。
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貴船川に架かる橋を渡ると、鞍馬寺西門に出る。「愛山料」を払って中に入ると急な上り坂になる。逆コースであるため、降りてくる多くの観光客とすれ違う。この山は石灰岩の塊が多く、道沿いにごろごろしている。坂を上りつめると標高435メートル。「奥の院 魔王殿」に到達。
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 魔王殿のすぐ横には「義経堂」が。奥州で自害した義経の魂は、ここに戻っているという。
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この一見奇妙な、重ねた輪のような彫刻は愛と光と力の像「命」と呼ばれるもの。天台宗から独立した鞍馬寺独特の考え方(鞍馬弘教)を象徴しているようだ。
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最後に、山門(仁王門)に至る。鞍馬寺のサイト外部リンクを見るとわかるが、実に様々な場所が含まれている。
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 叡山電鉄・鞍馬駅の待合室にあった、鞍馬寺で修業を積む牛若丸の図。
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 鞍馬寺の切符。入場券ではなく、「愛山費」である。観光客が詰めかける京都市内の寺とは一味違った良さがある。鞍馬駅前にあった渡辺商店の「木の芽煮外部リンク」もまた良かれ。
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 叡電「出町柳駅」から徒歩で、「今出川通り」を東に歩けば、間もなく大文字山のふもとにある銀閣寺外部リンクに到達する。葵祭のころ、ここに入らなかったのは、その筆舌に尽くしがたい混雑のためだ。清水寺と違って境内が狭いので、落ち着いてみることができない。この日も混んではいたが、押しつ押されつすることはなかったし、周遊コースを2周することができた。
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金閣寺より、銀閣寺のほうがはるかに素晴らしいという話をどこかで聞いたので、それはなぜなのかを探りに来たのも今回の目的だ。「東求堂」にある、この木戸に描かれた白い模様はどうだ!観光客のほとんどはこれに目を留めなかったが…
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この季節であっても、庭園の眺めは作った人間の才能を感じさせる。周りを歩くにつれて、新しい展開と構成が目に入る。
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何気なく置かれた溝にかかる、板切れでできた“橋”。
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銀閣のもっとも注目すべきところは、2階にある3つの白い窓の形と配置だと思う。
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 銀閣寺の優れたところは、”総合芸術”であるということだ。建物のみならず、庭園、ちょっとした置物、岩、そのすべてが全体とバランスをとって構成されている。
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 銀閣寺は、その背後に東山の一つである「大文字山外部リンク」を持っている。銀閣寺の門を出てきた側に回ると、細い道が登りになっており、それが山頂に向かって伸びている。誰もいないだろうと思ったが、さすが京都、次から次へと登山客がおりてくる。
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 「行者の森 大文字山参道」があった。いよいよ登りだ。
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「池ノ谷地蔵」。ここは銀閣寺側からの道と、鹿ケ谷(シシガヤ)からの道の合流点。ここから一本になって山頂へ向かう。
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 山頂に到達したが、あまり眺めは良くない。周りに木が多いからだ。(三角測量のための)三角点があり、ベンチまで多数設置されている。
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 実は眺めがよいのは山頂ではなく、「大」の字を浮き上がらせるための薪を燃やす「火床」の設置されている部分である。京都の市街地からは「大」がたいてい見えるのであるから、当然こちらからも市街地を一望できる。たった450メートル程度の標高なのに、見事な眺めである。

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