地理:
フランスは大体において六角形をしていると言われる。一周をするにはそれぞれの“角”の地点を回ればいいのだが、12日間の日程では、ストラスブールを省かざるを得なかった。したがって今回の旅行は「反時計回り5地域巡り」となった。
フランスの国土は日本の約1.5倍、人口は約半分である。アルプス地域を除いて、起伏が少ない。だから列車の窓から地平線が見えることもたびたびだ。2003年に英仏海峡に臨むノルマンディ地方を訪れたことがあるので、もっと西のブルターニュ半島から始めることにした。大西洋から突き出たこの半島から南下する。
大西洋岸の最大都市はボルドーであり、さらに南下するとスペインとの国境が近づく。そこがバスク地方であり、その中心都市はバイヨンヌである。そのあとは東に向かい、マルセイユを最大都市とするリビエラ地方に向かうことになる。ここには訪れる場所がたくさんあるので、3日間を用意する。
今回はエクサンプロヴァンスの町とモナコ公国を選んだ。モナコまで来るともうそのすぐ先がイタリアとの国境である。ここまであまり起伏のない地方を旅してきたが、その先はアルプス山脈があるので、その中の都市の一つ、ジュネーブへ向かう。
ジュネーブはフランスではなく、スイスの都市である。だが、フランス語圏にあり、パリとの直通列車があり、近くの山間部に出かけるには絶好の場所にあるので、そして第二次世界大戦前までは国際政治の中心であったので、ぜひ訪れてみたいと思っていた。
ジュネーブから最も近い山の観光地と言えば、モンブランであり、その出発基地がシャモニーの村だ。こちらは再びフランス領となる。レマン湖の最南端にあるジュネーブから、車でわずか1時間ほどの距離にある。
そして時間が許せば、ドイツの影響の強いストラスブールに行きたかったが、時間の都合であきらめて、このままパリへ戻ることになる。山の中のジュネーブから、どんどん下って、平原に出ると、もうパリの郊外に達する。
こうやってみると、国を一周するというのは大変なことだ。仮に日本を12日かけて、5か所を巡って一周しようとしたら、どんなに大変なことかわかる。フランスも日本も、高速鉄道もバスも使える、交通のインフラが発達した国であるのだが。
今回の旅は主に海岸回り、国境沿いというルートで進み、内陸部は訪れていない。もしブルゴーニュ地方とかロワール地方、オーベルニュ地方などへ行こうと思ったら、新たな計画を立てなければならない。
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