トルコ語入門

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トルコ語のあいさつトルコ語のあいさつ

Merhaba! 

(メルハバ=こんにちは)

Teşekkür ederim

(テシェキュル・エデリム=ありがとう)

はじめに トルコ語をすぐ使う状況になった時、即戦力になるのは何か?それは「イスタンブールから東京」「部屋コーヒー飲む」にあるような、「カラ」「ヘ」「デ」「ヲ」などの”助詞”をまず覚えてしまうことだ。これらの使い方は日本語と酷似している。音が違うだけだ。きっと太古の昔、同じ言語から派生したのだろう。

もちろん英語のように、主語、動詞の使い方から学んでいくのが正道であろうが、トルコ語の場合、規則的だが、その規則を覚えるのはやや厄介なので、それは後回しにして、上記の使い方だけでも覚えておけば、トルコに行ったときに何とか間に合うかもしれない。例えば駅で切符を買うときとか。あるいは道を尋ねる場合とか。

ボスボラス海峡から中央アジアへ トルコ語はトルコ共和国内で使われているのみならず、トルコ系の住民が、かつての大帝国の盛衰によって、長い歴史の間に特に東方へ流れ続け、ついにはその語族が中国のシンチャン・ウイグル地区にまで広がった、ユーラシア大陸をまたにかけた言語となっています。「トルクメン」「トルキスタン」「ダッタン」「チュルク」などの名前は皆、同じ系統であることを示しています。その種類はざっとあげただけでも、下記に示すとおり少なくとも17種類がみとめられるのです。

トルコ系の言語
(トルコ語入門・戸部実之著・泰流社より)
  1. アゼルバイジャン語(トルコ東部)
  2. トルクメン語(カスピ海の東)
  3. チュフシ語(カスピ海の北)
  4. タタール語(カスピ海の北)
  5. バシキル語(カスピ海の北)
  6. アルタイ語(モンゴルの北)
  7. ハカス語(モンゴルの北)
  8. トゥワ語(モンゴルの北)
  9. ヤクート語(シベリア東北部)
  10. クムク語(カスピ海の西)
  11. ヌオカイ語・ノガイ語(カスピ海の西)
  12. カザフ語(モンゴルの西)
  13. カラカルパック語(モンゴルの西)
  14. キルギス語(モンゴルの西)
  15. ウズベク語(ウズベク共和国)
  16. ウイグル語(中国西北部)
  17. ユコ語(中国西北部)サラ語(中国西北部)

トルコ語はユーラシア大陸を東西に広がっているにもかかわらず、その方言による差は意外にすくない。たとえばウイグル語をみると、使われている代名詞までが大体同じです。ピレネー山脈を隔ててほんのわずかな距離にあるフランス語とスペイン語の間でも相当の開きがあるというのに!

今のトルコの経済力や国際的な影響力から考えると、トルコ語は地域語と見なされることが多いのですが、「薄い広がり」を考えに入れると、アラビア語ほどではないが、かなり広域に通用する「シルクロードの公用語」と見なされることが多くなっています。特にソ連崩壊後、中央アジアに数多くの国々が誕生しましたが、その中にはトルコ語そのものではないにしても、実に近縁だといえる言語が話されているのです。

日本語と似た文法 トルコ語の文法構成は、今は分類用語としてあまり使われなくなった、いわゆる「アルタイ語族」に属しています。つまり、日本語や朝鮮語と実によく似た構造を持っているのです。まず語順がほとんど同じであること。「が」「は」「も」といった助詞(後置詞)の使い方もそっくりです。しかも「連体形(英語のような関係詞節がない)」「連用形(英語のような副詞節がない)」があり、古代日本語を彷彿(ほうふつ)とさせる規則によって機能しています。

新聞サイト

SabahSabah紙」に常に目を通そう(タイトルは”朝”の意味)

ただし、かつてトルコ帝国として、ヨーロッパの西部やアラビア半島方面に侵入しただけあって、ヨーロッパ系言語の影響を強く受けています。そのもっとも大きな影響は動詞や名詞、述語のあとにつく「人称語尾変化」でしょう。アラビア語にしても、現在のヨーロッパ南部の言語にしても、主語をわざわざ言わなくともわかるほど、主語の人称によって、やかましい規則が存在します。

周辺諸国に攻め入ったトルコ兵たちは、その地域の住民と交わるうち、きっと自分たちの動詞にも名詞にも、人称語尾を付ける習慣を身につけてしまったのでしょう。ビザンチン帝国などで使用されていた、ラテン語の影響が大きかったのだと思います。

ユーラシア東部の日本語や朝鮮語にはそんな変化はほとんど存在しません。この点だけが、他のアルタイ諸語とはっきり違う点でしょうか。言語本来の性質ではないだけに、その運用は規則的です。「不規則活用」とは、歴史が古く人々の口にしみついたものほどその度合いがひどいのですから。これに対し規則的活用は、それが始まった歴史がかなり浅いか、誰かが人工的に創り出したと思われるふしがあります。

Midnight Express

トルコ語のたくさん出てくる映画

トルコ語のセリフがたくさん出てくる映画といえば、1978年の「ミッドナイト・エクスプレス」だろう。「深夜特急」とは囚人言葉で”脱獄”を意味する。舞台はイスタンブール。モスクが建ち並び、市場には人々がごった返す。

1970年、麻薬の国外持ち出しで逮捕され、トルコ国内で悲惨な刑務所暮らしをしたあと、ついに国外に逃げ出した青年の実話である。トルコにとってはあまり名誉な話ではないが、一見の価値がある。

このように考えると、トルコ語に人称語尾が入り込んだのは、だいぶ時代が下ってからのことでしょう。ですから、このことだけで他のアルタイ諸語と大きく切り離す必要はないし、それどころか勉強すればするほど、日本語と似ている点が増えてきて仕方がないというところです。トルコ語の勉強は過去と現在の日本語を知るのに大いに役立つのです。

語尾を変えるだけの動詞変化 日本語でも「行きます」・・・「行きました」という具合に 「・・・した」をつければ過去を表すようになってしまうように、トルコ語でもうしろを少しいじくれば、たちどころに様々な時制や状況表現が生まれます。ただ文法研究の歴史が違うために、それぞれの言語で勝手な名前が付けられてしまっています。将来、統一的な研究を続ければ、朝鮮語、日本語、トルコ語の「共通文法用語」の実現は決して不可能ではないと思います。

文字がアルファベットであるおかげで、発音がどう変わるかを、初学者でも視覚的に理解することができるのはありがたい。あとで述べる、母音調和や子音調和の規則ははじめのうち煩わしく感じられますが、繰り返し練習を積むと、日本語ではすでに捨て去られてしまった、トルコ人たちが長い年月の間に積み上げてきた、「発音しやすくする」ための知恵と豊かさに感心するようになるでしょう。

新旧入り交じる単語 語彙は、さすが東西のぶつかり合う地点に位置するだけあって、実にさまざまな方面からの外来語が取り入れられています。その中でも目立つのは、「キターブ(=本)」に代表されるような、アラビア語からの借用語です。文字はアタチュルク Atatürk 大統領(1881ー1938)による大きな変革が行われるまで、アラビア文字が用いられていました。現代では英語はもちろんのこと、「 bilet (=切符)」に代表されるように、ラテン系統からの語彙もかなり使われています。

インターネット・ラジオで聴くトルコ語BRT

(BAYRAK/BRT放送局)・・・ホームページが出たら、3つの放送局を試してみよう。ただし、当分の間は回線が混雑しているらしいので、放送が中断されてしまうことがしばしばだ。

RFI=TurkishRFI 放送局はフランスに本拠を置くが、そのトルコ語版。きわめて明瞭な音声が楽しめる。右上にある Ecouter の下にある、 MicrosoftNetShow か Realplayer かどちらかを選ぶ。
BBC World Service世界的に有名な BBC ではトルコ語の放送も流している。最も明瞭な音で、安定した送信を行っている。

もちろんトルコ半島本来の土着の言語が中心なのは言うまでもありません。ただし、これらはその響きがヨーロッパ的でもなく、アラビアやアジア諸国の語彙とも違うので、日本人にとっては「ゲネギョリュシェリム(=さようなら)」のように、とても覚えにくい音素の連なりでできています。ほかの言語ですと、日本語なら何らかの単語からの連想で覚えることがかなり多いのですが、この「さよなら」の場合、「下値・魚竜シェリム」などと、訳の分からない漢字の当て字をするなど、かなり苦労しなければなりません。

アルファベットと発音 アタチュルク大統領は1928年に、それまでのアラビア文字からアルファベットへの変更を断行しました。アラビア文字は、アラビア語でなくともいくつかの言語で利用されていますが、彼の考えは、トルコ文化の純粋性を保ち、中東の影響から一線を画すには、文字の点からも独立しなければならないと考えたようです。おかげでトルコ語学習者は、いくつかの特殊な記号をのぞいて英語と同じ文字で勉強することになりました(29個)。

発音は、アラビア語と比べて学習者にとって特に難しいものは見あたりません。8つの母音と、21の子音がありますが、日本人にとってはどれもうまく発音ができるでしょうから、特別な訓練は必要はありません。しかもアルファベットに移行してからまだ日が浅いので、不規則な綴りや、発音の特例がまだまだ少ないのです。

トルコ語のアルファベット(赤文字は英語にないタイプ)
A B C Ç D E F G Ğ H I İ J K L M N O Ö P R S Ş T U Ü V Y Z
a b c ç d e f g ğ h ı i j k l m n o ö p r s ş t u ü v y z

アルファベットでの、英語との主な相違点としては、 c, g, i, o, s, u に対してそれぞれ特別記号のつくものがあること。またこのうちで i に関しては、大文字の場合、H のすぐあとの「点なし」 I の方がトルコ語特有の母音を表し、そのあとのてっぺんに「点」がついている İ が普通の英語の I に相当します。小文字のほうも同じ順序です。また、上の表を見て気づいたと思いますが、Q W がありません。

注意;辞書にも使われている上記の配列では、C Ç も G Ğ も O Ö も S Ş もそれぞれ、c g o s のほうが”特別文字”より先にでてくるが、 I İ の場合は”テン”のないほうが先に来る。

母音調和と子音調和 ただ、どうしても特記しておかなければならないのは、古代日本語にもあり、現代日本語にも残っている、口の形をなるべく変えないで楽に発音するためにできた習慣です。「酒屋」を sakeya と発音するよりも sakaya と発音する方が楽なのは、a-e-a と母音を切り替えるよりも a-a-a と同じままの方がはるかにスムーズに発音できるからです。これは<母音調和>と呼ばれます。

トルコ語ではまず、母音を口を大きく開けるタイプと、小さく開けるだけでよい二つのグループに分けます。さらに口の形に従って4つのグループにも分けます。母音が隣り合わせのときはそのグループ内に含まれる母音を使うという規則があるのです。(文法手帖参照)

一方、<子音調和>もあります。「酒 sake 」を「深酒」にするとき hukasake よりも hukazake のほうが発音が楽ですね。無声音 s より有声音 z のほうが次に続きやすい現象がこれです。これがトルコ語にも見られます。

これらのやり方は規則化し、しっかりと文法規則の中に組み込まれるようになりました。そして日本語と違って、今でも忠実に守られています。気をつけるべきことは、トルコ人は明確な音、特に明確な母音を要求するということです。これはほかの言語ではあまり見ない現象です。

たとえば英語では e をさかさまにしたような発音記号で表す、「あいまい母音」というものが存在します。これは一応母音でありながら、「a i u e o 」のいずれの音であるかはっきりしません。しかも、これは英単語のアクセント位置にないので常に弱く発音され、誰もその存在を気にしないし、それによってコミュニーケーションが阻害されることもありません。

ロシア語でも、ヒンディー語でもそのようなあいまいな母音が存在します。多くの場合、その音がつづりの中に反映されていません。これは「子音中心主義」とでもいえる傾向で、子音さえきちんと聞こえればその意味がつかめるということです。

トルコに隣接するアラビア語使用国では、子音を中心にして、わずか3つの母音を<交替>させることにより、動詞の活用や、品詞の転換が行われています。トルコ語はその影響を受けたのでしょうか、たとえば2人称複数の接尾辞は子音の s-n-z の3つが含まれていますが、siniz/sınız/sunuz/sünüz のように母音調和に基づいて発音し分けなければなりません。これは学習者にとってはなかなか面倒なことです。

日本人は奈良時代の頃はこれに似たことを忠実にやっていたようですが、いつの間にかその大部分を捨て去ってしまいました。トルコではいまだにこの形式がきちんと守られているのです。しかし、この忙しい現代生活できちんとした訓練を受けたアナウンサーは別として、一般庶民がそのような区別をきちんと守っているかは微妙です。

上のsiniz/sınız/sunuz/sünüz にしても子音の s-n-z がきちんと聞こえさえすれば、用が足せるのではないかというふしもあります。これに対し、書き言葉は話し言葉のように、激しい変化はしませんから、昔の規則のままであることになります。やがては話し言葉の簡素化がひどくなって、書き言葉にも大きな変化が起こる日が来るかもしれません。

関係代名詞? トルコ語には、ki という単語があります。これはペルシャ語経由ではいってきたようなのですが、なんとなく関係代名詞まがいのものなのです。英語でいえば、which/who/that のような使い方があります。

日本語にも朝鮮語にも、英語のような関係代名詞はありません。ところが、「私が昨日出会った少女」を、トルコ語では「少女 ki 私が昨日出会った」というような使い方をするのです。これはまるで英語の a girl whom I met yesterday の語順と似ていませんか?

同様に、「明日は晴れると思う」をトルコ語では「私は思う ki 明日は晴れる」というふうにいえます。これも英語での I think that it will be fine tomorrow. における接続詞の that の用法に酷似しています。

このような使い方はヒンディー語でも見受けられます。もしかして、トルコもインドもシルクロード沿いにあったために大勢のヨーロッパやアラブ系の人々が行き来したおかげで、ヨーロッパ言語、セム系言語の影響を受けてしまったのかもしれません。

トルコ語学習情報
外部リンクトルコ語ひろば ・・・初級から上級までトルコ語を学習する人々のための情報交換の場所です。

英語での学習サイトがあります。外部リンクLearning Practical Turkish といい、初級を終えたあと、多様な表現を学ぶのに適しています。

トルコ語辞典学習書と辞書 体系的な文法基礎をやるならば、白水社の「ニュー・エクスプレス・トルコ語」が一番でしょう。全20課の中で、場面別の会話を中心にしながら大まかなところをものにすることができます。また日本語と似たところも所々指摘してあるので、比較しながら興味深く学ぶことができます。

ニュー・エクスプレス・トルコ語辞書については、大学書林の「トルコ語辞典・ポケット版」があります。これはもっと大きな辞書の中から、重要なものだけを抜粋して小型化したものです。初心者には語彙は十分すぎるほどですし、アルファベット配列は英語とまったく同じなのでつづりさえ読めれば、とても使いやすいでしょう。

また、中級以上を目指す人はトルコ系言語の研究者として多くの著作を出している”飯沼英三”氏をあげることができます。ベスト社の「トルコ語基礎」が最も有名なようです。さらに、大学書林から出ている松谷浩尚著、「中級トルコ語詳解」があります。

外部リンクlonely planet という出版社から出ている海外旅行者用のフレーズブック。解説は英語ですが、ここに含まれているトルコ語の決まり文句やトルコ国内の旅行や生活に必要な単語はほとんど網羅されています。さらにバスや鉄道の利用の仕方、一般的な商習慣などの文化面についても詳細の解説が付いています。簡単な英土、土英辞書つき。トルコ語の基礎を一通り勉強した方なら、実に実用的価値の高い1冊だといえます。

トルコ語のあいさつ トルコ語のあいさつ

Hoşçakalın

(ホシュチャカルン=ごきげんよう)

2002年1月初稿・2013年4月追加

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