前置詞編 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(1)「そのバスは一人のおばあさんを除けば乗客はいなかった」(2)「トムを除くとみなアイスクリームが好きだ」 この二つの文の「除く」の違いがわかりますか?日本語では同じように聞こえるのに、実際は違った状況を説明しているのです。
(1)The bus was empty besides an old woman.(おばあさんを考えに入れないと・・・) (2) Everybody except Tom likes ice cream (トムだけがアイスクリームが嫌い) 両方とも前置詞ですが、こんなに違います。特に besides は使用頻度が高いので、類語がたくさんあります。
では次の文の違いがわかりますか?よく比較検討してください。 (3) Three of my friends, besides me, were admitted to the bar.わたしのほかに三人の友だちが酒場へ入れてもらえた(結局、入れたのは合計4人) (4) Our group except me was admitted to the bar.我々のグループは私を除いて酒場へ入れてもらえた。(私だけ断られた) (3)では、「私」と「自分の友だち」は分離して考えたいときに besides を使います。これに対し、(4)では「自分も含めたグループ内」では、自分だけ「例外」が成立してしまうので except を使用します。 except 使用の注意点;グループと例外では、同じ表現形式を用いる。例1;Every morning he takes a walk with his dog except on rainy day. 彼は毎朝雨の日を除いて犬と散歩に出かける。(ここでは every morning と on rainy day は共に時の副詞句) 例2;Corkroaches live anywhere except in the water. ゴキブリは水中以外どこにでも住む。(ここでは anywhere と in the water は共に場所の副詞句)いずれも「上」と表現できますが、位置関係だけに注目すると全く違った働きをしています。
The sun rose above the horizen.(太陽が水平線の上に昇った) This place is 1500 m above sea level.(この場所は海抜1500メートルである) *** above のこの性質を利用して above average (平均点以上)と表すことができます。above の反対語は below といいます。 The helicopter is over the market.(ヘリコプターは市場の真上だ) The lamp is over the door.(灯りはドアの上に取り付けてある) *** over の反対語は under といいます。 Your books are on the table.(あなたの本は机の上だ) A mosquito is on the ceiling.(蚊が天井にとまっている) The poster is on the wall.(ポスターが壁に掛かっている) *** on の反対語はいろいろありますが「接していない」なら off となります。 She ran up the stairs.(彼女は階段を駆け上った) They swam up the river.(彼らは川を泳ぎ上った) *** up の反対語は down です。 さまざまな用途のうち、because of の代わりになれるような for のことを言います。多くは動詞や形容詞とのセットになっています。 She was blamed for being late.(彼女は遅刻したことをとがめられた) Thank you for inviting me.(招待していただいてありがとう) I am thankful to you for your helping us.(私たちを援助していただいて感謝しております) Excuse me for stepping on your toe.(親指をふんずけちゃってごめん) I like her all the better for her kindness. (彼女は親切だからますます好きだ) さまざまな用途のうち、専門的な分野を示すのに使う on のことを言います。形式は「特定の名詞+ on +名詞」となり、on 以下が前の名詞を修飾する形容詞句です。 He is an authority on cancer.(彼はガンの権威だ) Who is an specialist on architecture? (建築の専門家はだれ?) I am looking for books on philosophy.(哲学に関する本を探しているんだ) 道具、特に手を使う道具を示すのに用いられるのが with です。また、by means of や using で代用できる場合もあります。 The hunter shot the bird with a gun.(狩人は銃でその鳥を撃った) Please write this form with a ball-point pen.(ボールペンでこの用紙に記入してください) What would you like to buy with your money?(きみの金で何を買いたいんだい?) 「・・・について」というような意味を持ち、about になる場合もあります。多くは that節に転換できるものです。動詞や形容詞とのセットになっています。 They informed me of his death. cf.They informed me that he was dead.(彼が死んだことを伝えてくれた) His father is proud of his son's success. cf.His father is proud that his son succeeded.(父親は息子の成功を誇りに思っている) I am thinking of her sad face.(彼女の悲しそうな顔のことを考えている) by のあとに乗り物の名前(または海や空)を置けばよい。ただし無冠詞にします。形容詞にも所有格にも複数形にすることもできません。徒歩の場合は on foot です。 It takes much less time to go by train than by car.(自動車より列車で行く方がずっと時間がかからない) Would you like to go by air or by sea? (飛行機で、それとも船で行きたいですか?) ***公共輸送機関の場合は on にするのが原則です。( bus, train, plane, ship etc.)この場合は冠詞や形容詞、所有格すべて使えます。bicycle や horse も同様です。 Let's go to the mountain on the first train.(一番列車でその山へ行こう) ***カプセル状の乗り物( boat, car )や乗り物の「室内」が表現されるときは in を使います。 We went to Nagoya in my friend's car. (友だちの車で名古屋へ行った) I had my pocket picked in a crowded train. (込んだ列車の中でスリにあった) night はとりつく前置詞の多いことで有名です。
at, in, on は場所を表す副詞句の基本です。
注意;ここでの in は「・・・の中に(室内)」という意味を含まず、on も「・・・の上に」という意味を含まないものとする。 They are living on Parker Street.(彼らはパーカー通りに住んでいる) They are playing catch in the street.(彼らは通りでキャッチボールをしている)・・・道路を遊び場に転用している at, on, in は時間を表す副詞句の基本です。
3者とも「・・・の間」という意味で期間を表しながら、実際の性格は全然違います。なお、during の同意語 while は接続詞にあたりますので、「接続詞編」の方を参照して下さい。
It has been raining for the last three days.(この3日間雨が降り続いている) How long have you been in bed?---For a week.(どのくらいの間寝ていたのーーー一週間だよ) This is the hottest summer we have had in 30 years.(今年は30年来の最高の暑さだ・・・経験) The prices have fallen by 10% in the last 5 years. (物価はこの5年間に10%下がった・・・結果) What did you do during the winter vacation?(冬休みの間は何をしたの) During the stay in Paris, he visited a lot of museums.(パリ滞在中、たくさんの美術館を訪れた) この不思議な前置詞は、前にbe動詞がつく(このため以前はこの形式も形容詞扱いをされていた)というだけでなく、ing (動名詞)をつける場合でも、ある特定条件のもとでなければなりません。これを使った文は次のように作られます。 We visit Kyoto. → Kyoto is visited → Kyoto is worth visiting. ここで使われている動詞 visit は他動詞で第3文型です。Kyoto はその目的語となります。これを受動態にすれば Kyoto が主語になりますが、これで worth を使う準備ができました。「受動態」であることを確認して、worth ~ing をつけることになります。 ここで注意しないといけないことは be + p.p. の形が失われ、 ing形に姿を変えていることです。これは「動名詞による受動態の代用」といえます。ここでわかるように、worth ~ing を使うためには「受動態可能な他動詞の目的語」が主語になっていなければいけないわけで、これにはかなり習熟が必要です。(受動態が必ずしも可能でなくてもよいという説もある) We study mathematics. →Mathematics is studied. →Mathematics is worth studying. This museum is worth a visit. ○The meeting is worth attending. × The meeting is worth going. △ The meeting is worth going to 最初の例は、忠実に変形して作られた文です。2番目のように、worth は前置詞ですから、ingでなく普通の名詞を入れてもかまいません。注意が必要なのは、他動詞の attend ならば使えるが、自動詞の go ではこの形式はできないということです。ではうしろに to をつければ meeting の目的語になりますが、go to the meeting の受動態は普通考えられません。 worth にはこのほかにも it is で始めたり、worthwhileの形にしたりで、いろいろ複雑です。 2005年7月追加 |