Abbey Road

独断と偏見の歌詞ガイド

カナダで買ったプロマイド

  1. come together
  2. something
  3. maxwell's silver hammer
  4. oh ! darling
  5. octopus's garden
  6. I want you
  7. here comes the sun
  8. because
  9. you never give me your money
  10. sun king
  11. mean mr.mustard
  12. polythene pam
  13. she came in through the bathroom window
  14. golden slumbers
  15. carry that weight
  16. the end
  17. her majesty

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Abbey Road

  1. come together  原詩サイト外部リンク
    1. <概説>

      「みんな集まれ!愛の世界にみんなで向かっていこう!」というのが根本のメッセージである。でも、この歌詞に出てくる”奴”とはだれだ?ビートルズのメンバーのことなのか?自分やヨーコのことなのか?これが誰なのか気にしないでほしい。これは、ジョンの心の中に生じたイメージなのだ。(パラノイアー妄想症だという説もあるが)ヒッピー文化全盛時代の人々なら理解できるだろう、しかし、21世紀に生きる我々にはちょっと…

      <直訳>

      前奏の一部として、シュッ、シュッ、シュッ(Shoot me!)が聞こえる

      フラット・トップの自動車がやってきたよ/奴はゆっくり踊りながらやって来る/奴は不吉な目つきをしてるぞ/奴は狂信的で聖なる信者なんだよ/奴は膝まで髪を垂らしていやがる/奴は人の気に入ることをするおどけ者だぜ

      Here come old flat top / He come grooving up slowly / He got joo joo eyeball / He one holy roller / He got his hair down to his knee / Got to be a joker he just do what you please

      奴の靴は薄汚ねえ/奴は足の指にたまった垢を丸めていたぜ/奴の指はヤクで黒ずんでた/奴はコカイン注射を打ってた

      He wear no shoe shine / He got toe jam football / He got monkey finger / He shoot Coca-cola

      奴が言うには俺はお前の知り合いだと、お前は俺の知り合いだとよ/一つだけお前に言わなきゃならないとすれば、すべてから自由になれということよ/さあ、俺のもとに今一緒に集まろうぜ

      He say I know you, you know me / One thing I can tell you is you got to be free / Come together right now over me

      間 奏

      奴は偏見や差別から解放された袋の中に入っているんだ/奴はセイウチの革長靴を履いている/奴はいつだって小野ヨーコがそばにいるよ/奴は交通事故で人の背骨を折りやがった/翻訳不能(2020年5月現在)/奴の長椅子に触ると病気になるよ/俺のもとに今一緒に集まろうぜ

      He bag production / He got walrus gunboot / He got Ono sideboard / He one spinal cracker / He got his feet down below his knee / Hold you in his armchair you can feel his disease / Come together right now over me

      長めの間奏とともに

      よおし!/来い/来い/来い/来い

      Right! / Come / Come... / Come... / Come...

      奴は大のパーティ狂いだ/奴は前々から気をつけろと言われてた/奴はマディー・ウォーターになった/奴はモルヒネにやられている/奴が言うには、「1+1+1=3」だってさ/奴は見づらいところにいるから、ちょっとはイケメンにならなくちゃな/さあ、俺のもとに今一緒に集まろうぜ

      He roller coaster / He got early warning / He got Muddy Water / He one Mojo filter / He say "One and one and one is three"/ Got to be good looking "cause he so hard to see / Come together right now over me

      間奏:シュッ、シュッ、シュッ(Shoot me!)が聞こえる

      さあ、一緒に集まろうぜ、イェーイ/一緒に集まろうぜ、イェーイ/一緒に集まろうぜ、イェーイ/一緒に集まろうぜ、イェーイ/一緒に集まろうぜ、イェーイ/一緒に集まろうぜ、イェーイ/一緒に集まろうぜ、イェーイ/アー、一緒に集まろうぜ、イェーイ/一緒に集まろうぜ

      Oh! Come together Yeah /Come together Yeah /Come together Yeah /Come together Yeah /Come together Yeah /Come together Yeah /Come together Yeah /Ahh Come together Yeah /Come together

      フェードアウト

      <構文>

      • この歌詞では、中高時代の英文法で教わった、「3人称単数現在の動詞には -s をつける」とか、「複数名詞には原則として最後に -s をつける」という英文法の規則が一切無視されている。He one... とは He is one... 「奴は…なんだ」のこと。
      • come grooving :<come Ving>の形式。「…しながらやって来る」
      • got :get には無数の使い方があるが、この歌詞では<get O>「…を持っている、…になる」と<get O C>「・・・をーにしている」」の二つが出ている。
      • One thing I can tell you is : thing のあとには関係代名詞目的格 which/that が省略されている。このため、主語 One thing に続く動詞は is である。
      • He bag  :この bag は動詞としてとらえるには無理がある。むしろ He is a bag... が省略された形ととらえるのが自然ではないか。
      • He roller coaster :これも roller coaster を動詞としてとらえるよりも、 He is a roller coaster とみなすほうがよいだろう。

      <語句>

      • shoot me :もちろん直訳すれば、「俺を撃て」となるのだが、その真意は、当時のヒッピー文化からすれば、「俺にヤクの注射を打ってくれ」となろう。
      • flat top :当時のアメリカではやった、屋根が平らな乗用車。
      • grooving up :名詞 groove は「溝」のこと。ここから数々の卑猥な表現が生まれた。また、リズミカルなノリのいい音楽のことを形容詞 groove というので、そこから作られた動詞表現らしい。
      • joo joo eyeball :世界各地に、”悪魔の視線”が災いをもたらすという迷信がある。
      • holy roller :当時、ビートルズのメンバーたちは、インドの宗教や瞑想に夢中になっていた。
      • joker :トランプの「ジョーカー」は、joke からきているわけだ。だから「おどけ者、ひょうきん者」という意味が出てきた。
      • toe jam footbal :このような表現は Urban Dictionary?O???????N (都会でしか通用しないスラング中心の辞典)あたりをひかないと出てこない。最近は皆さん清潔なので、裸足で歩き回り、足指のあいだに黒い垢(アカ)と埃(ホコリ)の塊ができるなんてこと、想像もつかないだろう。ましてやそれをサッカーボールのように丸めて楽しむなんて!!!でも、日本でも似たような「越中富山の薬屋さん、鼻くそ丸めて丸キンタン」なんてのあったっけ。
      • monkey finger  :いつもマリファナをやっていると、指先がヤニで黄ばんでくる。それが猿の指に似ているとか。
      • Coca-cola :これをあの有名な健康的飲み物と思うのは幼稚園児だけ。大人なら、すぐにコカインのことを連想するのが当たり前。
      • got to be free :「自由になる」と言っても日本では、どのように受け取られるのか?政治的自由のことか、社会的自由のことか?当時メンバーがインドにハマっていたことを考えると、これはブッダの教え「涅槃(ネハン)」のことであろう。
      • over me :なぜ come together のあとに、この「私の上に・・・」がつくのかわからない。ただ、リズムの上では欠かせない部分だ。一説にはこれはセックスの相手に自分の上に乗ってくれという意味だというのがある。
      • bag production  :当時のジョンとヨーコが信奉していた”大袋”思想というのは、一つの袋の中に人々が入ってしまえば、偏見、差別その他は消滅するというもの。
      • walrus  :もちろんこれは、ポールの歌う「I am the Walrus」「俺は(まさに)セイウチだ」の歌から引いてきたもの。
      • gunboot :あんまり格好のよくない、”革製”の長靴。
      • sideboard :元の意味は、調度品としての「食器戸棚」なのだが、”いつもそばにある”という意味で、ヨーコがジョンにいつもくっついていたことを示すのだという。
      • spinal cracker :直訳すれば「(人の)背骨を折る人」。ジョンが交通事故を起こし、同乗のヨーコが背中を怪我したことから。
      • He got his feet down below his knee :直訳すれば「膝(単数形)の下に足(複数形)がある」である。例えば、「胡坐(アグラ)をかいている」と訳してはいけないのだろうか?
      • Hold you in his armchair you can feel his disease :これまた訳が分からない。直訳すれば「彼の安楽椅子の中に自分を沈めれば、彼の病気を感じることができる」???
      • roller coaster :有名になる前のビートルズのメンバーは、特にリンゴは大のパーティ好きで、毎晩どんちゃん騒ぎをしていたという。
      • early warning :直訳すれば「早期警戒」となり、軍隊用語みたいだ。前後の脈略がはっきりしない。
      • Muddy Water  :アメリカのブルースシンガー。彼のヒット曲に「Got my Mojo workin'」というのがある。
      • Mojo filter :先の曲のことを言及したのか、それともスラングで Mojo はモルヒネのことなので、そのことを指しているのか?
      • One and one and one is three :当時、「ポール死亡説」というのがまことしやかにささやかれていた。だから一人欠けているのか?
      • he so hard to see :「見えにくい」とはドラマーであるリンゴのことを言い、もしあいつがもっとハンサムだったら、目立ったのに・・・ということらしい。

      <解釈>

      この歌は、カルフォルニア州知事選挙に立候補した人(麻薬常習者)のために作曲されたと言われる。だから、「一緒においでよ」というのは、投票への呼びかけだと思っていい。もっとも、当人はマリファナ所持で逮捕され、落選した。

      そのあと改めて作り直されたらしい。この歌詞が難解というよりは、支離滅裂であることはネイティブスピーカーでも共通の意見だ。だからすべて”自由”訳にした。翻訳上の誤りはご勘弁願いたい。

      これが作られたのが、ヒッピー文化の真っ最中だったのだから、真剣に解釈しようとはせず、「不思議の国のアリス」のように、ナンセンスな言葉の遊びと割り切って、楽しんでほしい。

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  2. something  原詩サイト外部リンク

    1. <概説>

      何はともあれジョージの最高傑作。ビートルズの発表した曲のうちで、「イエスタデイ」に次いで多くカバーされたことでもわかる。

      <直訳>

      歌詞その1

      あの娘のしぐさは/ほかの女と比べ物にならないくらいグンと来る/俺をすっかり降参させるんだ

      Something in the way she moves / Attracts me like no other lover / Something in the way she woos me

      コーラス

      今やそばを離れたくないんだ/そう思っているし、絶対にそうなんだよ!

      I don't want to leave her now / You know I believe and how

      歌詞その2

      あのほほえみからするとあの娘は知ってるんだよ/俺にはもうほかに恋人はいらないんだと/あの娘のふるまいからすぐわかるぜ

      Somewhere in her smile she knows / That I don't need no other lover / Something in her style that shows me

      コーラス

      今やそばを離れたくないんだ/そう思っているし、絶対にそうなんだよ!

      Don't want to leave her now / You know I believe and how

      ブリッジ

      俺の恋が深まるのか知りたいんだね/わかんないよ、わかんないさ/離れずに一緒にいればはっきりするかも/わからんないよ、わかんないさ

      You're asking me will my love grow / I don't know, I don't know / You stick around, now it may show / I don't know, I don't know

      間奏

      歌詞その3

      あの娘が知っているのは…/俺はあの娘のことをただひたすら思うだけ/あの娘が俺に伝えたいのは…

      Something in the way she knows / And all I have to do is think of her / Something in the things she shows me

      コーラス

      今やそばを離れたくないんだ/そう思っているし、絶対にそうなんだよ!

      I don't want to leave her now / You know I believe and how

      フェードアウト

      <構文>

      • and how :これは and how (much I believe !)を省略したもの。how much 都は感嘆文的なもので「なんと多いのだろう!」という気持ちを表したもの。
      • will my love grow :これは (if) my love will grow のこと。倒置され、 if が省かれているのだ。
      • all I have to do is :受験英語でもおなじみの表現。<all (that) S have to do is (to)V>とあらわされる。that は関係代名詞目的格なので、省略される。あとにある to も省略され、そのあとの動詞は原形となる。これを言い換えれば I only think of her. つまり only の意味が加わるだけなのだ。

      <語句>

      • Attracts :attract は他動詞で「…を(魅力などで)引きつける」。主語は直前のフレーズの Something である。
      • like no other :直訳すれば「他の…とは違って」
      • woos :woo は他動詞で、(恋した相手を)その気にさせる。
      • style :ここでの名詞 style は「ファッショナブル」という意味ではなく「ふるまい方、態度、身のこなし」などを指す。
      • stick around :動詞 stick は単独であれば「(ねばねば)くっつく、離れない」というような意味が中心だが、このあとに副詞の around がつくと、「(何かいいことが起こることを期待して)そばにウロウロする」というような意味が生じる。

      <解釈>

      Something、この言葉がこの歌の中心テーマであり、「(あの娘に対する気持の)漠然とした不確かさ」を表している。恋は始まったばかりで、これからそれが成長するのか、ダメになるのまるで分らない状態なのだ。

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  3. maxwell's silver hammer 原詩サイト外部リンク
    1. <概説>

      ポールの作ったシュールなコミック・ソングに聞こえるが、変質的な男による3度の殺人事件をえがいたブラックユーモアにあふれた曲なのだ。

      <直訳>

      歌詞その1

      ジョアンは物好きでおふざけ物理を勉強していた/家にこもって科学実験/試験管を持って夜遅くまでひとり/医学を専攻するマックスウェル・エジソンは/電話をかけて/ジョアンちゃん、映画を見に行かないかい?/ところがジョアンが外出しようとしたその時/ドアをノックする音がした

      Joan was quizzical, studied pataphysical / Science in the home / Late nights all alone with a test-tube ohh oh oh oh / Maxwell Edison majoring in medicine / Calls her on the phone / Can I take you out to the pictures, Joan? / But as she's getting ready to go / A knock comes on the door

      コーラス

      ”バンバン”とマックスウェルの銀の金づちだ/ジョアンの頭の上に/”カンカン”とマックスウェルの銀の金づちだ/たちまちジョアンは死んでしまいました。

      Bang, bang, Maxwell's silver hammer / Came down upon her head / Clang, Clang Maxwell's silver hammer / Made sure that she was dead

      歌詞その2

      学校に戻るとマックスウェルはまた騒ぎを起こします/先生は怒って/何とか騒ぎを鎮めようとします/先生はマックスウェルに向かって放課後に居残るようにと言います/それでマックスウェルは待ってました/「こんなことしちゃいけない」と50回も書いて/ところが先生がマックスウェルに背を向けたとたん/マックスウェルは後からそっと忍び寄って

      Back in school again Maxwell plays the fool again / Teacher gets annoyed / Wishing to avoid an unpleasant scene / She tells Max to stay when the class has gone away / So he waits behind / Writing 50 times "I must not be so" oh oh oh / But when she turns her back on the boy / He creeps up from behind

      コーラス

      ”バンバン”とマックスウェルの銀の金づちだ/先生の頭の上に/”カンカン”とマックスウェルの銀の金づちだ/たちまち先生は死んでしまいました。

      Bang, bang, Maxwell's silver hammer / Came down upon her head / Clang, Clang Maxwell's silver hammer / Made sure that she was dead

      間 奏

      歌詞その3

      「凶悪犯人を捕まえたぞ」と31番警官が言った/マックスウェルがひとり被告席に立っています/証拠がどんどん挙がっています/ローズとバレリーが傍聴席から叫びました/自由にしてやってよ(マックスウェルは自由だ)/裁判官はこれを認めず、二人に向かってそう告げました/ところが裁判官の口からその言葉が出たとたん/背後から何やら物音が

      P.C. Thiry-One said "We caught a dirty one" / Maxwell stands alone / Painting testimonial pictures ohh oh oh oh / Rose and Valerie screaming from the gallery / Say he must go free (Maxwell must go free) / The judge does not agree and he tells them so oh oh oh / But as the words are leaving his lips / A noise comes from behind

      コーラス

      ”バンバン”とマックスウェルの銀の金づちだ/裁判官の頭の上に/”カンカン”とマックスウェルの銀の金づちだ/たちまち裁判官は死んでしまいました。

      Bang, bang, Maxwell's silver hammer / Came down upon her head / Do do do do do / Clang, Clang, Maxwell's silver hammer / Made sure that he was dead

      アウトロ

      止まれ、止まれ、止まれ (ドゥドゥドゥドゥ)(銀の金づち野郎)

      Whoa, whoa, whoa-oa (Do-do-do-do-do)(Silver hammer man)

      <構文>

      • 特になし

      <語句>

      • Joan  :女子名。
      • quizzical :名詞 quiz から作られた形容詞だが、「試験、テスト」の意味のほかに「いたずら、悪ふざけ」の意味もあり、そこから作られたようである。
      • pataphysical :通常の科学的方法によらず、形而上学の領域を超えた所にあるものを研究する一種の哲学。だから、試験管を使ったりしない!!!
      • Maxwell Edison :この歌の主人公。Maxwell といえばイギリスの電磁気学の祖といわれる人が連想されるし、Edison はもちろん米国の大発明家。この二人の名前をミックスしたらしい。
      • majoring in :動詞句。<major in O>は「…を専攻する」
      • Bang, bang :物がぶつかったときの擬音の一つ。
      • Clang, Clang  :武器、鐘などの金属的なものがぶつかったときの擬音の一つ
      • Made sure :動詞句。<make sure toV><make sure that SV>の二つのタイプがあり、「…を確実なものにする」というのが原義。
      • plays the fool :動詞句。<play/act the fool>で「悪ふざけする」
      • annoyed :形容詞。人を主語にするときは surprised と同じように -ed形となる。<be/get annoyed>の形で多く用いられ、「悩む」というより「少々腹を立てる」というほうが近い。
      • unpleasant scene :直訳すれば「不愉快な場面」。
      • Writing 50 times :学校で生徒や学生を罰する方法は数限りなくあるが、「私は…をもうしません」という文章を紙や黒板にうんざりするほど書かされるという罰。
      • P.C. Thiry-One :P.C. とは Police Constable 「巡査・警官」のこと。
      • stands alone :直訳すれば「一人で立つ」で、マックスウェルが逮捕され裁判にかけられたことが示されている。
      • testimonial pictures :直訳すれば「証拠となる絵を描く」だが、検察から次々と犯行の証拠を挙げられていることを示す。
      • Rose and Valerie :二人ともおそらく女子名。Valerie は後に出てくる Gallery と韻を踏んでいる。
      • gallery :「画廊」として知られる単語だが、裁判の「傍聴席」にもなる。

      <解釈>

      曲想といい、雰囲気と言い、ポール好みの古いタイプの音楽を取り入れたもの。この曲と Octopus's Garden はこのアルバムの中ではあまり評判がよくないというが、どうしてどうして自由自在な想像の世界を遊んでいるあらわれである。

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  4. oh ! darling
  5. octopus's garden 原詩サイト外部リンク
    1. <概説>

      :海の下に「タコの庭」があって、人間も自由にそこを訪れることができれば、俗世間のわずらわしさから逃れることのできる素敵な隠れ家になるかな。

      <直訳>

      効果音をふんだんに挿入した前奏

      海の底に行きたいな/薄暗がりのタコの庭に

      I'd like to be under the sea / In an octopus's garden in the shade

      タコ君は僕らがどこから来たか知ってて、招き入れてくれるよ/薄暗がりのタコの庭に

      He'd let us in, knows where we've been / In his octopus's garden in the shade

      友だちにも見に来るように呼びかけよう/一緒にタコの庭をネ

      I'd ask my friends to come and see / An octopus's garden with me

      海の底に行きたいな/薄暗がりのタコの庭に

      I'd like to be under the sea / In an octopus's garden in the shade

      暴風が吹き荒れても海面下はあったかいんだ/波の下の隠れ家でネ

      We would be warm below the storm / In our hideaway beneath the waves

      海底を枕にして横になろう/洞窟近くのタコの庭で

      Resting our head on the seabed / In an octopus's garden near a cave

      僕らは歌って踊りまくる/誰にも見つからないからネ

      We would sing and dance around / Because we know we can't be found

      海の底に行きたいな/薄暗がりのタコの庭に

      I'd like to be under the sea / In an octopus's garden in the shade

      効果音をふんだんに挿入した間奏

      僕らは大声で叫んで泳ぎまくる/波の下のサンゴのまわりで(コーラス押し寄せる波の下)

      We would shout and swim about / The coral that lies beneath the waves (lies beneath the ocean waves)

      あいつもあの娘も何て楽しいんだ/楽しくて危険がないとわかっているから

      Oh what joy for every girl and boy / Knowing they're happy and they're safe

      君も僕もみんな楽しいんだ/誰も僕らに指図をする奴なんかいやしない

      We would be so happy you and me / No one there to tell us what to do

      海の底に行きたいな/みんなで薄暗がりのタコの庭に3回繰り返し

      I'd like to be under the sea / In an octopus's garden with you (3 times)

      <構文>

      • He'd let us in, knows where we've been :knows の主語も He で共通。ただし前半は助動詞 would + 原形なのに対し、後半の knows は現在形である。また、where we've been は現在完了形である。[例] Where have you been? I've been at the cityhall. 「どこに行ってたの?市役所に行ってたんだ」
      • in an octopus's garden :これは次の行では in his octopus's garden という具合に、an から his に変わっている。これは“持ち主”である(特定の)タコが現れたからだ。
      • ask my friends to... :この動詞 ask の文型は<ask O toV>である。「・・・に…することを頼む」
      • The coral that lies :この that は coral を先行詞とする関係代名詞主格。
      • what joy :感嘆文の形式
      • every girl and boy :形容詞(限定詞) every のあとには、複数ではなく、加算単数名詞がくる。たとえ and で沢山つながっていたとしても。
      • knowing :この意味上の主語は they (girl and boy)と思われる。

      <語句>

      • I'd like to :これは would like toV の省略形。「・・・したいな」というささやかな希望。ほかの部分でも would が多用されているが、仮定法を含み、自分の想像の世界であることを示している。
      • in the shade :「暗闇で」「日の当たらないところで」という意味だが、これは海底で陽の光が届かないともいえるし、世間の目が届かないという意味ともとれる。
      • let us in :動詞 let の文型は<let O in>が用いられている。「…を中に入れる、入ることを許可する」
      • below/beneath いずれも前置詞で「…の真下」をあらわすが、前者は「あるもの(ここでは海面)を境にしてそれより”すぐ”下」であり、後者は「あるものを境にして、それより”ずっと”下」である。
      • Resting our head :ここでの rest は自動詞「休む」ではなく、他動詞で文型は<rest A on B>。「A をB の上に置く」。
      • sing and dance around:このように副詞の around を付け加えると、あちこち跳ね回っているような様子が示される。だから sing は別で、dance around だけと思われる。
      • we can't be found:直訳すれば「発見されることはない」という受動態だが、つまりは鮫のような危険な動物や、はたまた世間のうるさい連中に見つからないということかもしれない。
      • shout and swim about :この副詞 about も around に似ている。だから shout は別で、swim about だけと思われる。
      • girl and boy :どうでもいいことかもしれないが、なぜ boy and girl にしなかったのか?単にリズムの関係であろうか? この歌は大人の歌というより子供向けなのか?
      • No one there to tell us what to do :間にはさまっている there は単なる場所の副詞で「そこ=octopus's garden」。what to do は「何をすべきか」という慣用句。

      <解釈>

      イタリアのサルデーニャ島で漁師から聞いた、光り輝くものや石ころを集めて”庭”を作るタコの習性についての話をもとに作ったのだが、この海底の楽園の夢は、当時のほかのメンバーたちのいがみ合いを少しでも避けたいという気持ちの表れだろう。

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  6. I want you
  7. here comes the sun 原詩サイト外部リンク
    1. <概説>

      ジョージの周りで、お金や契約の問題などでゴタゴタしているときに、気持ちを入れなおそうと思った書いた一曲。朝日や春の訪れを歌う希望に満ちた曲。

      <直訳>

      アコースティックギターによるジョージの前奏 / Chorus

      太陽が昇ってきたよ、ドゥドゥドゥドゥ、太陽が昇ってきたよ/これでいいんだ

      Here comes the sun, doo-doo-doo-doo, here comes the sun / And I say it's all right

      歌詞その1

      愛しい人よ、長くて寂しい冬だったな/愛しい人よ、すごく長い時間がたったみたいだ

      Little darling, it's been a long cold lonely winter / Little darling, it feels like years since it's been here

      Chorus

      太陽が昇ってきたよ、ドゥドゥドゥドゥ、太陽が昇ってきたよ/これでいいんだ

      Here comes the sun, doo-doo-doo-doo, here comes the sun / And I say it's all right

      歌詞その2

      愛しい人よ、みんなの顔に微笑みが戻ってきたよ/愛しい人よ、ここに来てからすごく長い時間がたったみたいだ

      Little darling, the smiles returning to the faces / Little darling, it seems like years since it's been here

      Chorus

      太陽が昇ってきたよ、ドゥドゥドゥドゥ、太陽が昇ってきたよ/これでいいんだ

      Here comes the sun, doo-doo-doo-doo, here comes the sun / And I say it's all right

      Bridge

      太陽だ、太陽だ、太陽だ、昇ってきたよ/太陽だ、太陽だ、太陽だ、昇ってきたよ/太陽だ、太陽だ、太陽だ、昇ってきたよ/太陽だ、太陽だ、太陽だ、昇ってきたよ/太陽だ、太陽だ、太陽だ、昇ってきたよ/

      Sun, sun, sun, here it comes / Sun, sun, sun, here it comes /Sun, sun, sun, here it comes /Sun, sun, sun, here it comes /Sun, sun, sun, here it comes

      歌詞その3

      愛しい人よ、氷がゆっくり解けていくようだよ/愛しい人よ、かつて晴れ渡っていた時から、すごく長い時間がたったみたいだ

      Little darling, I feel that ice is slowly melting / Little darling, it seems like years since it's been clear

      Chorus

      太陽が昇ってきたよ、ドゥドゥドゥドゥ、太陽が昇ってきたよ/これでいいんだ

      Here comes the sun, doo-doo-doo-doo, here comes the sun / And I say it's all right

      Outro

      太陽が昇ってきたよ、ドゥドゥドゥドゥ、太陽が昇ってきたよ/これでいいんだ

      Here comes the sun, doo-doo-doo-doo, here comes the sun / It's all right / It's all right

      <構文>

      • Here comes ...:<Here come(s) 名詞> となる倒置形式。「(待った挙句にやっと)(目の前に)…が現れた」という意味。例:Here comes the bus! <There be 名詞>はただ”存在”をあらわすだけなので、だいぶ異なる。
      • it's been :現在完了形で、主語の It は時をあらわすか、単なる名目上の単語である。「(現在に至るまでずっと)…だった」という意味。
      • it feels like :この like は前置詞でうしろに名詞(目的語)がくる。「…のような感じがする」
      • it seems like  :この like は前置詞もうしろに名詞(目的語)がくる。「…のように見える、思われる」

      <語句>

      • little darling :「恋人よ」「愛しい人よ」「かわいい人よ」
      • melting :動詞 melt は「(バター、氷、雪)などが解ける」こと。

      <解釈>

      トランプ大統領が敗退し、バイデン氏が当選確実になった時、イギリスの二人組ミュージシャンである Eurythmics の Annie Lennox は喜びのあまりこの歌を歌ったという。

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  8. because 原詩サイト外部リンク
    1. <概説>

      オノヨーコがベートーベンの月光ソナタを弾いた時、そのコードを逆向きに弾くよう頼んだ後で、ジョンは自分の作った歌詞に曲をつけていったのだそうだ。Yes, it it の曲以来久しぶりに、ジョン・ポール・ジョージの3人で歌い、3回重ねた録音をしているから、9声のように聞こえる。

      <直訳>

      エレクトリック・ハープシコードによるジョージマーティンのIntro / Chorus

      アー/世界は丸いのでわくわくする/世界は丸いから…アー

      Aaaaaahhhhhh ... / Because the world is round it turns me on / Because the world is round ... aaaaaahhhhhh

      歌詞その1

      風が吹きすさぶので僕の心に吹きつける/風が吹きすさぶから…アー

      Because the wind is high it blows my mind / Because the wind is high ... aaaaaaahhhh

      Bridge

      愛は古く、愛は新しい/愛はすべて、愛はあなた

      Love is old, love is new / Love is all, love is you

      歌詞その2

      空が青いので泣けてくる/空が青いから…アー

      Because the sky is blue, it makes me cry / Because the sky is blue, aaaaaaaahhhh

      Bridge

      愛は古く、愛は新しい/愛はすべて、愛はあなた

      Love is old, love is new / Love is all, love is you

      Outro

      アー/アー/アー

      Aaaaaahhhhhhhhhh ... / Aaaaaahhhhhhhhhh ... / Aaaaaahhhhhhhhhh ...

      <構文>

      • Because... :理由をあらわす接続詞であるが、「A なので B である」をあらわすのは<Because A B>かまたは<B because A>の形式である。

      <語句>

      • turns me on :動詞句<turn 人 on>は「人をワクワクさせる」「人を(性的に)興奮させる」など。
      • makes me cry :使役動詞 make の文型<make O 動詞原形>は「…に…させる」

      <解釈>

      歌詞の内容はシンプルそのものである。直感的に思いついたことを単刀直入に述べている。アルバム「アビーロード」ではこの曲のあとに、複雑なストーリーに基づく歌が続くので、その前の一服の清涼剤としての役割を果たしているのかもしれない。

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  9. you never give me your money

    原詩サイト外部リンク

    1. <概説>

      アルバムB面にあるポールによる四曲のメドレー( The Long One )の最初の歌。いくつかの用意した歌詞の断片をつなぎ合わせたもの。歌全体としての思いは、マネージャーだったエプスタインの死後、彼らは自分たちで経営のトラブル処理や雑用を行わなければならず、それが彼らにとって大変な負担になった。バンドの稼いだ金を奪っていく連中に対する”恨み節”である。それが内部での亀裂を生み後の解散の原因となった。

      <直訳>

      歌詞その1

      お前たちは金を渡してくれない/示してくるのはいい加減な業績見積もりだけさ/そして話し合いの慣れの果て/お前たちは泣きくずれるのか

      You never give me your money / You only give me your funny paper / And in the middle of negotiations / You break down

      歌詞その2

      お前たちに電話番号なんか教えてやんないよ/今置かれている状況だけを説明してやる/そして調査の真っただ中/俺は泣き崩れるのさ

      I never give you my number / I only give you my situation / And in the middle of investigation / I break down

      歌詞その3

      学校を出て、金を使い果たし/将来も見えず家賃は払えず/持ってる金はすっからかん、行く当てもなし/バイトは首になり/月曜の朝には舞い戻り/黄色いトラックは行き当たりばったり、行く当てもなし/ああ、でも不思議な気持ちだな、行く当てもないというのは/ああ、でも不思議な気持ちだな、行く当てもないというのは/行く当てもなし

      Out of college, money spent / See no future, pay no rent / All the money 's gone, nowhere to go / Any jobber got the sack / Monday morning, turning back / Yellow lorry slow, nowhere to go / But oh, that magic feeling, nowhere to go / Oh, that magic feeling, nowhere to go / Nowhere to go

      アーアーアー・・・・・・

      演 奏

      Aaaaahhhhhhhhhh... / Aaaaahhhhhhhhhh... / Aaaaahhhhhhhhhh...

      歌詞その4

      一つだけ懐かしい夢があったっけ/カバンを手に持ちリムジンに乗り込んで/すぐにこの場から立ち去るんだ/アクセルを踏んで涙を拭き払うんだ/今日懐かしい夢が実現したんだ/実現したんだ/実現したんだ(そうさ、その通り)

      One sweet dream / Pick up the bags and get in the limousine / Soon we'll be away from here / Step on the gas and wipe that tear away / One sweet dream came true today / Came true today / Came true today (Yes it did)

      アウトロ

      いち、に、さん、し、ご、ろく、なな、いい子はみんな天国へ行くよ・・・(7回繰り返し)

      One two three four five six seven / All good children go to Heaven / One two three four five six seven / All good children go to Heaven / One two three four five six seven / All good children go to Heaven / One two three four five six seven / All good children go to Heaven / One two three four five six seven / All good children go to Heaven / One two three four five six seven / All good children go to Heaven / One two three four five six seven / All good children go to Heaven (fade out)

      <構文>

      • Out of college :これは I got out of college. の省略、つまり「学校を出た、卒業した」ということであろう。
      • money spent :これは money was spent. つまり「お金を使ってしまった」ということであろう。
      • nowhere to go :副詞の nowhere に不定詞がついた形。「行くところがどこにもない」。比較;nowhere man 「どこにもいない男、実在しない男」

      <語句>

      • funny paper :直訳すれば「愉快な紙」であるが、文脈からすると「経営状態報告書(financial statement)」のことだと思われる。マネージャーの死後にっちもさっちも行かなくなった状態での話だ。
      • negotiations / investigation :この二つの語は韻を踏んでいる。
      • jobber :「仲買人」という意味がよくつかわれているが、ここでは経済的に追い詰められた話なので「バイト」としておいた。
      • got the sack :直訳すれば「袋を受け取る」。多くの場合「首になる、失業する」の意味に使われる。
      • yellow lorry :ビートルズがまだ有名になる前には機材をトラックに積んで各地を回り、そのトラックの真ん前で演奏をしていたらしい。その頃は貧しかったが、彼らの金を求めて群がるハイエナたちに悩まされることはなかった。
      • step on the gas :<step on O>は動詞句で「…を踏みつける」。gas には自動車のアクセルの意味もある。
      • One two ... :この言い回しは昔から伝わるイギリスの童謡の一つ。ジョギングをするときにはこれを唱えながら走ると呼吸のリズムが整えやすい(私見!)。

      <解釈>

      彼らがまだ有名になる前のころ、歌詞にもあるような(黄色い)トラックの前でのんびりと好きな歌を歌えたシンプルで自由だった時代を思い出している。それがブライアンの死後、ありとあらゆる不安やわずらわしい事に巻き込まれたことへの思いを歌詞の中に盛り込んでいる。

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  10. sun king

    原詩サイト外部リンク

    1. <概説>

      アルバムB面にあるジヨンによる、四曲のメドレー( The Long One )の二番目の歌。わずか2分26秒しかない。太陽王がやってきてみんなが幸せになるという内容だが、前の歌「You Never Give Me Your Money」から明るい雰囲気に変えようという意図から加えられた。

      <直訳>

      イントロ(前曲最後のコオロギの鳴き声から始まる)

      コーラス

      アー/太陽王がやってきたよ/太陽王がやってきたよ

      Aaaaahhhhhhhhhh / Here comes the Sun King / Here comes the Sun King

      ブリッジ

      みんなが微笑んでいる/みんなが幸せに/太陽王がやってきたよ

      Everybody's laughing / Everybody's happy / Here comes the Sun King

      コーラス

      太陽王がやってきたよ

      Here comes the Sun King

      アウトロ

      ポルトガル語・スペイン語・イタリア語でつなぎあわせた意味不明の文(単語一つ一つには意味の分かるものもある)

      Quando paramucho miamore de felice carathon / Mundo paparazzi mi amore cicce verdi parasol / Questo abrigado tantamucho que canite carousel

      アーアーアー・・・・・・

      <構文>

      • Here comes :これはジョージの Here Comes The Sun と同じく<Here comes + S>という倒置の構造を持っている。「目の前に…が現れた」ことを示す構文。

      <語句>

      • Quando :…する時
      • miamore :私の愛
      • felice :幸福
      • Mundo :世界
      • paparazzi :有名人を追っかける写真家
      • verdi :緑
      • parasol :パラソル、傘
      • obrigado :ありがとう
      • tantamucho :大いに、たくさん
      • carousel :回転木馬

      <解釈>

      「太陽王」ははるか昔の古代エジプトでの「ラー」や「ホルス」信仰にはじまり、フランス王ルイ14世が「太陽王」と呼ばれて王権神授説につながる考えが生まれたりしているが、この歌もその点を反映しているようだ。なお、A面におけるジョージの「Here Comes The Sun」にもつながりがありそうだ。共に「暗く長い冬が去って温かい太陽の日差しが照らすよ」というメッセージを含んでいるのだ。

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  11. mean mr.mustard

    原詩サイト外部リンク

    1. <概説>

      アルバムB面にあるジヨンによる、四曲のメドレー( The Long One )の三番目の歌。インドではマハラジャのもとで暮らしていた時に作ったものをもとにメドレーの中に入れられた。公園に住む汚くてケチな男の話。すごく短い曲なので前後の脈絡がわからずに聞き流してしまう人も多いだろう。ただし妹のPamという名前には要注意!

      <直訳>

      歌詞その1

      汚ねえマスタード氏は公園で寝る/ティッシュペーパーを使わなくてもいいように暗闇で髭を剃る/道路の穴に丸くなって寝る/服を買うにも節約だ/見つからないようにトラの子を隠してる/そんな汚ねえ老人さ/そんな汚ねえ老人さ

      Mean Mister Mustard sleeps in the park / Shaves in the dark trying to save paper / Sleeps in a hole in the road / Saving up to buy some clothes / Keeps a ten-bob note up his nose / Such a mean old man / Such a mean old man

      歌詞その2

      妹のパンは店で働いてる/ひと時も休まず死に物狂いで働く/兄を連れて女王様を見物に行く/そこしか行ったことがないものなあ/いつだって卑猥(ヒワイ)な言葉を吐き散らしてる/そんな汚ねえ老人さ/そんな汚ねえ老人さ

      His sister Pam works in a shop / She never stops, she's a go-getter / Takes him out to look at the queen / Only place that he's ever been / Always shouts out something obscene / Such a dirty old man / Dirty old man

      <構文>

      • 特になし

      <語句>

      • save paper :直訳すれば化粧用の紙を節約することだろうが、暗闇で髭を剃ることとの関連が見えてこない。暗くてそり残しが見えないから、紙を使って顔をぬぐう必要がないからなのかな?
      • a ten-bob note :これはイギリスの10シリング札のことだという。大金ではなく、小金だ。
      • mean :形容詞の場合は「汚らしい、意地悪な」という意味に使われ、dirty/obscene に近い。
      • keep ... up his nose :直訳すれば「鼻の中にお札を隠し持つ」ということになるが、実際問題として鼻に入るはずはないから、実は「肛門(ass/anus)の中に」と言うべきだったのだろう。しかし、それでは曲として一般にに発表できないので変えたのだという説もある。
      • Pam :この女性の名前は、メドレーの次の曲「Polythene Pam」に再び出てくる。
      • go-getter :休息や憩いを求めることなく、がむしゃらに働く人。

      <解釈>

      この歌に出てくるケチな男は、「Maxwell's Silver Hammer 」の主人公、Maxwell のことではないかという説もある。歌詞に出てくる、宝石で飾り立てた女王と、公園で寝る老人との間には、途方もない階級の差が存在するが、これはジョンが大ヒットしたジョン・オズボーンの演劇「怒りを込めて振り返れ Look Back In Anger」を見ていたからなのではないかという説もある。

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  12. polythene pam 原詩サイト外部リンク
    1. <概説>

      アルバムB面にあるジョンによる、四曲のメドレー( The Long One )の四番目の歌。前曲のMean Mr. Mastard の中に出てくる、妹のPam を取り上げて歌ったもの。この”ポリエチレン女”は、キャバンクラブに常連だったファンの女が、しばしばポリエチレンを”食べていた”事に由来する

      <直訳>

      前曲から途切れなく続いて

      歌詞その1

      ポリエチレン・パムにぜひ会ってみなよ/あの子はすごくイカすけど、男みたいなんだ/あいつがポリエチレン袋をかぶって女っぽい格好しているのを見てみなよ/そうさ、ポリエチレン・パムにぜひ会ってみなよ/イエィイエィイエィ

      Well you should see Polythene Pam / She's so good-looking but she looks like a man / Well you should see her in drag dressed in her polythene bag / Yes you should see Polythene Pam / Yeah yeah yeah

      歌詞その2

      あの娘にひとそろいのひざ上まであるブーツとキルトのスカートを着せてごらん/あの娘は飾り立てたら、最後までステージでわめき散らすのさ/あの娘はわいせつ雑誌のトップに載るようなタイプさ/いやー、とにかくイカス体をしているよ/イエィイエィイエィ

      Get a dose of her in jackboots and kilt / She's a killer-diller when she's dressed to the hilt / She's the kind of a girl that makes the "News of the World" / Yes you could say she was attractively built / Yeah yeah yeah

      <構文>

      • 特になし

      <語句>

      • Polythene :ポリエチレン( polyethylene )のイギリス訛りでの表現。
      • looks like a man :男っぽい女については、アルバム Sgt. Pepper's の中の「 Lovely Rita 」にも出てくる。
      • in drag dressed :スラングで「女装して」という意味だが、”女が女装する”というのも変だから、”女っぽく見せる”と解釈した。
      • polythene bag :直訳すれば「ポリ袋」ということになるが、当時の”変態的”な文化状況から察すれば、あの透明なポリエチレンを体に巻き付けている様子を想像すればよい。
      • killer-diller :スラングで「エネルギーを使い切るまで歌い続ける人」のこと。
      • to the hilt  :これもスラングで「限界まで」という意味なので、killer-diller とわざと重ね合わせていかに彼女が飾り立てたか強調したのだと思われる。
      • News of the World :当時の日曜版タブロイド雑誌の名前。この雑誌の3ページ目には、オッパイ丸出しのモデルのオンパレードだった。
      • attractively built :build の過去分詞形 built は、体のことについていうときは「…な体格をしている」「…な体つきをしている」という意味になる。

      <解釈>

      ジョンが、「ポリエチレンを食う女」というように、身近な人々や出来事を拾って好き勝手に想像力を働かせて歌詞を作ったから、「ストロベリーフィールズ」のときのように、珍奇な世界を大いに楽しむのがよい。

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  13. she came in through the bathroom window
  14. golden slumbers
  15. carry that weight
  16. the end
  17. her majesty 原詩サイト外部リンク
    1. <概説>

      このアルバムの最後に登場するポールの歌。たった23秒で、ビートルズ最短の歌。このアルバム全体の雰囲気が荘厳で重々しい雰囲気だったことから、こんな軽い息抜きがあるのも一つの工夫なのだろう。

      <直訳>

      歌詞

      女王陛下はいい女だぜ/でもあんまりおしゃべりじゃないね/女王陛下はいい女だぜ/でも来る日も来る日も衣装を変えるのに忙しい

      Her Majesty's a pretty nice girl / But she doesn't have a lot to say / Her Majesty's a pretty nice girl / But she changes from day to day

      大好きなんだと伝えたいよ/でもその前に腹いっぱいワインを飲みたいよ/女王陛下はいい女だぜ/いつの日かモノにしたいよ/いつの日かモノにしたいよ

      I wanna tell her that I love her a lot / But I gotta get a belly full of wine / her Majesty's pretty nice girl / Someday I'm gonna make her mine, oh yeah / Someday I'm gonna make her mine

      <構文>

      • 特になし

      <語句>

      • wine :これは後に出てくる mine と韻を踏んでいるようだ。mine = my girl, my love など
      • make her mine :動詞 make の文型は<make O+C>であり「OをCにする」

      <解釈>

      前の曲が終わってから14秒もたってから演奏が聞こえるので、初めのころは気付かずにレコードをしまってしまったファンもいたことだろう。軽快で楽しい内容の歌詞であるが、日本なら、天皇への”不敬”だと騒ぎだす人が続出するだろう。それに日本ではおっかなびっくりで、真面目過ぎてユーモアの種になるような皇族なんて一人もいない。

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© 西田茂博 NISHIDA shigehiro

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