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関西弁拾い歩き

世界は急速にグローバル化が進む。それは世界各地に息づいていた文化を破壊し、画一的な世界へ向かう。やがて世界中のどの地域に行っても同じ言葉、同じ風景、そして同じ店舗!が立ち並ぶことになろう。日本国内ではすでにそれが現実化している。地方の国道をドライブしてみるがいい。首都圏と同じ、牛丼屋、中古車屋、洋服屋、くつ屋が立ち並ぶ。それは恐ろしいことだ。

さらに、NHKの全国放送によって日本語は、標準語という人工語によって制覇されようとしている。関西弁はまだその特徴を備え、その個性をかなり保っているが、その他の地域の方言は風前の灯火だ。このページでは、まずは日本中の方言研究について調査をしていきたい。
全国方言WEBほべりぐ外部リンク

一太郎で有名なATOK社が作っているサイトです。方言についてのさまざまな話題、ランキングをのせています。

日本語検定外部リンク

まずは母語の知識がきちんとしているかどうか確かめよう。標準語あっての方言だ。

全国方言一覧辞典「全国方言一覧辞典」は日常よく使う言葉について、手軽に各地の方言を調べることができる。赤線でアクセントも表示。第2部では「都道府県別方言ランキング」というのがあって、各県の、最も特徴的な言い回しを人気順にあげてある。こちらは検索というよりも、楽しんで読む部分。学習研究社発行。

「OBSラジオ 夕方なしかの本」(口絵参照)大分県を旅したときのこと、地元の本屋で見つけた。地元の人々にとっては文句なしのベストセラーである。ただ、東京から書店を通じて注文することすらできない。これは大分放送ラジオの人気DJ (松井督治)が聴視者の手紙を読み上げて、おもしろおかしいコメントをつけたもの。これが最初第1巻が出て、大フィーバーした。それからあとは次々と続巻が出るわ、人気は大変高いようだ。タイトルの「なしか!」とは「なぜ?」の意味の大分弁。中を読んでびっくり。さっぱり理解できない。それもそのはず手紙もコメントもみな丸出しの方言で書かれているからだ。九州弁の中でも大分の言葉はさほど目立たない存在だが、どうしてどうしてとても元気なのである。

大阪ことば学 * 尾上圭介 * 創元社 * 2009/08/28

大阪ことばの特徴を、「かみます」「指づめ注意」などの掲示、語尾の言い方、などの面から例を挙げ、今まで言われていたように、大阪ことばは回りくどくて荒っぽいことばなどではなく、人の心の細やかな面をたくみに表し、標準語にありがちな冷たく、必要以上に論理的な面だけを強調する弱点をうまくカバーしていると主張している。

表人語によって日本全国が言語的に均一になっていくのはさびしい限りである。誰でも育った地域というものがありその特徴を最大限に長い年月をかけて醸造された方言と言うものがあるのだから、誰でも標準語と自分の奥にことばとのバイリンガルになるべきなのである。

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© 西田茂博 NISHIDA shigehiro

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