ホントに使える英語(2)

PAGE 1

モントレマリーナ・藤井正

これをやる前に基礎構文・前編(小ロゴ)

HOME > 言語編 > 英語 >  基礎構文・後編 PAGE 1

ATTENTION!まず読んでください!

このページは英語構文文法=詳細説明編です。必ず(1)から順を追って勉強してください。この(2)は(1)と同じことが書いてありますが、ただ全く違った観点からの記述であり、多くの学習者がこのことに徹底していないために多くの過ちを犯しています。(1)と(2)は表裏の関係にあるのです。最終の(5)に達したとき、「英語の全体像」が見えてきて、英語を本当に自分の道具とすることができるようになります。


目次

PAGE 1

第1章 全体機能から細部の機能へ

第2章 副詞句

第3章 副詞節

第4章 形容詞句

PAGE 2

PAGE 3


第1章 全体機能から細部の機能へ

このシリーズ第1回目における英語構文文法のおおざっぱな説明では、機能語を6種類に分類しました。それは次の通りです。

<1> 前置詞
<2> to 不定詞
<3>ing 形
<4>過去分詞
<5> 接続詞
<6> wh-/how 語族


前回はそれぞれの機能語についての働きを、さらに5,6種類に分けて、使用法を学びました。 今回、さらに詳しい説明を加えるにあたって、別の観点からこれらの機能語を眺めてみようと思います。すでに述べてあるように、これらの6つの機能語は、1つでいくつもの役割を兼ねているため、その分類が輻輳していて、大変覚えにくいのです。そのため、今回、新しい試みとして、アプローチの仕方を変えて、副詞、形容詞、名詞、動詞という4つの「表現手段」からくわしく立ち入ってみようと考えました。

実はこのように見方を変えてみる方法は、英文を自分で作る場合に、思いがけず大いに効果があることがわかります。というのも、ある日本語の文を用意して、それを英語に直すときには、先の4つの観点から英語の構成を考えますが、そのときに自分の表現したいものがどの「形式」を使えばよいか、すぐに思い出せることが必要です。たとえば、「語学を勉強するために留学する」という文がある場合、「・・・ために」は「目的」を示す副詞として「留学する」という動詞を修飾すると思われます。そのとき、とっさに頭の中で、to 不定詞の副詞的用法、または in order that のような接続詞がある、と思い浮かんで初めて、文章を構築してゆくことができるわけです。

従って今回の説明では6つの機能語についてではなく、4つの「表現手段」のそれぞれについて、さらにそれを句と節に分けて、どの程度の「表現範囲」をカバーしているかを確かめてみたいと思います。

もちろん、膨大な語彙や熟語のすべてを扱うことはできないし、それが望みなら、きちんとした辞書を参照すればいいのですから、その点はそちらに譲るとして、このシリーズでは6種類の機能で述べた、接続のための基本語にしぼって解説を試みたいと思います。 前回と同様、説明のためになるべく多くの文例を出しました。また、***の印がついているものは参考例文です。しかしこれらの文はあくまでも原則を理解してもらうために示すだけであって、ここでのねらいは最小限に絞った機能語を自由自在に使えることをめざしています。大切なことは、常に頭の中に引き出しに入れておいて、必要なときにすぐさま取り出せる、「ハサミ」や「糊」のようなものでなければならないということです。

また、これは普通の文法書とは違い、構造だけに集中していますから、次の5つについてはそちらについて詳しい文法書、参考書をご覧ください。

<1>時制、仮定法、助動詞の使い方
<2>ひとつの単語としての名詞・代名詞、形容詞・冠詞、副詞についての知識
<3>省略、倒置、強調、挿入に関するルール
<4>接続詞についてのそれぞれの用法
<5>否定、肯定、一致、比較についての基本ルール

従属節特別講義 名詞節、形容詞節、副詞節の三つを従属節といいます。これについてまだはっきりつかめていない人は、このコラムをご覧ください。

  • If it rains we will not play the game.
  • We will not play the game if it rains.

従属節とは何か?形の上では二つ以上の文(節)がつながっていて、先頭に「連結する語」のついていないものが<主節>とよばれ「連結する語」が先頭についているものを<従属節>といいます。

「連結する語」とはその大部分を<接続詞>が占めます。前置詞は文をつながないのでつかわれません。ほかに wh- ではじまるもの、how で始まるものがあり、これらは「疑問詞」とよばれる場合もあれば、「関係詞」とよばれる場合もあります。

従属節の位置は主節の左、右どちらでもかまわない場合と、その意味の流れからどちからかに決まっている場合があります。上の例文では強調の度合いが異なるだけで基本的な意味は同じです。

主節との境界線には特別に意味が判別しにくい場合を除いてコンマを打つ必要はありません。従属節というのは基本的に主節の内容を説明・補足するものだからです。ただしいくつかの従属節を示すために ; を打つ場合はあります。

従属節はその特徴によって「副詞節」「形容詞節」「名詞節」の3つにわかれます。

副詞節はズバリ主節を修飾するための文であり、8種類ほどの名前が付いていることが特徴です。連結する語は<譲歩>の場合を除いてほとんどは接続詞で始まり、全部でそれは約60個です。

  1. When I am tired I go to bed earlier.<時>
  2. If it is fine we'll go on a picnic.<条件>
  3. He doesn't come because he is ill.<原因・理由>
  4. She looks good though she didn't sleep last night.<譲歩>
  5. They went to France in order that they might learn French.<目的>
  6. She was such a fast reader that she read all the books in the library.<結果>
  7. Do in Rome as the Romans do.<様態>
  8. Put the book back where it was.<場所>

形容詞節はある名詞(先行詞)に続く文のことで、連結する語は<関係詞>とよばれ、関係代名詞と関係副詞にわかれます。which, who(m)(se), when, where, whythat を加えた6個です。形容詞節の基本原理は「文中にある名詞をどれか取り出して先行詞にしてあとに残った文」です。

  • もとになる文 They live in a house.→先行詞+形容詞節 a house which they live in / a house in which they live

名詞節は主節の中で本来なら名詞として入る位置(つまり「主語」「目的語」 be動詞のあとなど)に文章として入ったものをいいます。先頭の連結する語は what, which, who(m)(se), when, where, why, how, that, whether の9個を中心とした表現です。これに臨時に if が加わります。

第2章 副詞句  



まず副詞句のグループにあたってみます。名詞以外、特に動詞や文全体を修飾する働きをするのは次の4つです。(必要とあらば、各項目をクリックしてください)

<1>前置詞+目的語
<2> to 不定詞
<3> ing 形
<4>過去分詞

副詞句で表現できるものは、この4つの「分業」によって成り立っています。互いの領域に重複しないわけではありませんが、ほぼそれぞれが独自の機能を発揮しているのが優れた文章だといえるでしょう。

<1>前置詞+目的語

ここでは、その前置詞の多様さにより、実に様々な表現ができます。次の例を見てください。前置詞の「目的語」にあたるのは名詞、動名詞、代名詞の3種類ですが、それらの違いにも注意してください。実にいろいろな使い道がありますが、動詞に付属する前置詞の用法はここでは省いてあります。また、できるだけ同意語を示しましたが、決して「等しい」わけではありません。その違いは辞書で確認してください。

(1)Be careful in crossing the road.
[ in + ing 形 ] のとき、「場合」を示すことができます。「同時性」を表す接続詞の when, while に似ていますが、完全に取って代わることができるわけではありません。

(2)On arriving at the airport, we found the flight was canceled.
同じく同時性を表しながら、むしろ、 「瞬間」を示し、接続詞の as soon as に近いのが、[ on + ing 形 ] の組み合わせです。

(3)You can get over the difficulty simply by ignoring it.
「手段」や「道具」を表す前置詞は、by, by means of 以外に with, in などがあります。特に by は受動態に頻繁に出現し、また、この例文にある、手段を表す、[ by + ing 形 ] もなくてはならないものです。

(4)We tried in vain to attract her attention.
in vain は「(残念な)結果」という、前置詞にはきわめて珍しい、「結果」を招く副詞句を作ります。成句として用いられます。

(5)He always does in his own way.
これは [ in + way ]の組み合わせによる表現で「方法」を表し、その間には冠詞のみならず、所有格、形容詞、などを挟んで伝達内容を豊かにすることができます。way 以外に [ in + fashion ], [ in + manner ] なども知られていますが、意味が似たもの同士は同じ前置詞を使うというのがこのタイプの副詞句の特徴です。

(6)The production has increased to a great degree.
「程度」を表すための副詞句です。これも [ to + degree ]の組み合わせで、間に great, some のようなさまざまな形容詞を入れて使います。ほかに [ to + extent ] があります。

(7)She was born and brought up in this town.
前置詞は元来、「場所」を示すために発達したと言われています。ですから、その種類は豊富で、それ以外の用法は、あとになってから発達したものだそうです。最も基本的な知識は、at (狭)on (中) in (広)の系列から始まり、from under のように2つの前置詞が連なったものに至るまでいろいろあります。

(8)On the morning of September 27 1950, she was born.
「時」の表現も前置詞の中では「場所」に次ぐ、重要な表現です。これは at (時刻)on (日にち) in (月、年) の系列から出発します。

(9)Owing to the storm, the train was delayed.
「理由」を示すものは非常に利用価値の高い前置詞です。接続詞の because はあるものの、前置詞に求めるとなると、because of, on account of, due to, owing to, thanks to などを用います。また、例文(5)(6)のように副詞句を作る固定された組み合わせとして、[ for + reason ] が知られています。

(10)For all her hospitality, the party was interrupted by quarrels.
「逆接」的な関係を示す前置詞は、for all, with all, in spite of, despite などです。さらに、notwithstanding や regardless of のような「譲歩」的色彩の強いものもあります。

(11)He showed up with his hat on.
ここでいう、「付帯状況」とは、主節の文とルーズな関係でつながっていることを示し、日本語の表現では「・・・ながら」に最も近いといえます。これはあとに述べる、分詞構文と似た働きを持っていますが、with で始まること、主語と述語の組み合わせ(ここでは hat と on)を含むこと、述語の部分は必ずしも分詞である必要はなく、この文例にもある、on などの副詞、あとは形容詞、前置詞+名詞との組み合わせも考えられます。

(12) She cannot meet them without chatting about something.
「否定」を表すものとして、not や never の代わりをするのが without です。この例文のように、「二重否定」の一方に利用することもできます。ほかには instead of ,outside, beyond, above などがあります。

(13)For what purpose are you making the plan for?
for the purpose of, with a view to などは、行動や計画の「目的」を示すことができます。これは不定詞の中にも共通する用法があります。例文(17)での不定詞のほうがうち解けた表現です。

(14)Without oxygen, you cannot reach the summit.
「条件」を示すとき、主語や動詞を省略してもかまわないのなら、without を if の代わりに使うことができます(もちろん否定として)。ほかには but for があり、肯定では with も可能です。主節には will, can, may ,would, could のような助動詞、特に仮定法の助動詞も使われます。

注意点 このように、前置詞による表現はきわめて種類が多く、主語と動詞が不要で、簡潔であるため、その適切な種類さえ誤らなければ、非常に便利な道具です。ただし目的語だけで、伝達内容を代表しようとすると、抽象的で、簡便すぎるきらいがあります。それを解決するには? 次の例文を見てください。

(15)She has failed for various but shameful reasons.
(16)He left the room without his mom having a chance to say good-by to him.
このように、内容を豊富にするために例文(15)の for と reason の間のように、形容詞をいろいろ詰め込んだり、例文(16)のように、「意味上の」主語を前につける(所有格、または目的格を主語とした、動名詞との組み合わせ)ことによって、「擬似的な文」にすることも可能です。

<2> to 不定詞

中学校ではいわゆる「副詞的用法」という名で習っているはずです。その働きは一般に「目的」「結果」「弱い because 」、そして「形容詞への修飾」の4つに分類できます。代表格は「目的」です。もちろんのことですが、これらはすべて to で始まるわけで、どれも見かけは全く同じです。4つの機能を判断するには前後の語群をしっかり観察する以外に方法はありません。また、 to の前にコンマがつくこともめったにありませんので、主節との境界線かどうかをはっきりさせる必要もあります。では例文を見てください。

(17)He must exercise regularly (so as) to shape up.
不定詞の副詞的用法の中で最もよく知られているのが、「目的」です。ただ、これが成立するためには、主節の内容が「意図・行動」のように目的に対応した内容でなければなりません。ここでは must が断定的な意図を示しています。不定詞のほかの用法とはっきり区別しにくいときには in order to や、so as to を使って表します。

(18)They walked down the road to find that there was a big hole.
目的に次いで、よく用いられるのが「結果」です。これを別の方法で書いてみると、*** They walked down the road and found that there was a big hole.となります。これは単に and の働きにすぎませんが、「目的」との違いは、主節の動詞から、不定詞の内容へと自然に時間が「経過」するようなものであることです。ただし、中には、目的と結果の判別が不可能な文も少なくありませんが。

なお、and ではなく、but の働きに近づけたいとき(期待していたことが実現しなかったような場合)には、*** I called on him only to find him out. のように only to の形式を用います。さらに否定文を追加したいときには、never to の形式を用いたりします。いずれも主語と動詞を備えた節の「簡略版」として有効です。

(19)She was very disappointed to know that he couldn't come.
この文では「がっかりした」という感情の状態が、彼が来ることができなくなったという「原因」にあるということで、because を使うほどではないが、それに近い関係を手軽に示す方法として利用されています。実際、確かにこの文は、because を使うほどではないとわかるでしょう。

(20)How stupid of you to have agreed to the proposal !
この文では「あんたは馬鹿だ」という話者の判断が、そのような提案に合意したためだ、という「根拠」にあるということで、 これもまた、because の代用として用いられていることがわかります。中には because より、「条件」if の働きに近いようなものもあります。たとえば、 *** To see him dressed like that, I cannot help being reminded of a pirate. のように助動詞(仮定法も含む)の影響力が強い場合です。

また、これらの to 不定詞はあくまでも「弱い」 because なので、(19)(20)の働きをする to 不定詞を強調するために、他の語の助けを借りることもできます。 *** You are stupid enough to have agreed to the proposal ! *** You are so stupid as to have agreed to the proposal ! *** You are such a stupid man as to have agreed to the poroposal ! この通り、[ 原級+enough to 不定詞 ] [ so+原級+as to 不定詞 ][ such (a) 形容詞+名詞+as to 不定詞 ]、という3つの方法でも似たような表現ができます。

(21)The English language is not necessarily easy to learn.
この文はこれまでのと全く違い、learn が他動詞であるにもかかわらず、その目的語が、主語の language に相当すること自体、実に奇妙な文体を為しています。これはいくつかの特別な形容詞 difficult, hard, dangerous, interesting などによって生じる構文です。

この文を意味を変えずに次のように書き換えてみたらどうでしょうか。 *** It is not necesssarily easy to learn the English language. これでわかることはつまり、to learn 以下は、本来、easy の主語であったのです。それを language を主語としたことから、easy に修飾するという新しい形式が生まれました。そのため、目的語が主語と重複するのを避けるため、あえて、他動詞(または自動詞+前置詞)のあとには何も目的語は置かないというのがルールになっています。

不定詞の注意点 このように to 不定詞による副詞句は、あくまでも主節の付属品であり、前置詞による文と同様、主語と述語による節に代わる、簡潔な表現だといえますが、主節の主語と異なるときは、次のように工夫ができます。

(22)He stepped aside for them to pass the narrow path.
例文(22)にあるように、for という前置詞と目的語による副詞句が、to 不定詞の「意味上の」主語の役割を果たすことになっています。これは動名詞の場合と同じ仕組みです。(例文16)

(20)How stupid of you to have agreed to the proposal !
また、例文(20)にあるように、主動詞と比べて時間的に前に起こっているとか、すでに完了している場合には、[ to have p.p. ] の形式を使うことができます。なお、stupid of you とは you are stupid (enough) のことであり、you が stupid と to 不定詞の「共通」の主語であることを示しています。

<3> ing 形

これは<4>の過去分詞形と同様、「分詞構文」と呼ばれています。これらも副詞句と呼ばれるゆえんは、あとで述べる、副詞節を作る接続詞、because, if, when などの働きに近いからです。にもかかわらず、ing 形だけで主節と連結するわけで、「あいまい」構文という名のとおり、例文(11)と同じように「付帯状況」を示すのが主な目的で、他の接続詞の完全な代用になりうるわけではありません。ただ、前後の関係によって、いくらかそれが推定できるという程度です。では次の例を見てください。

(22)Having looked at the sight, she was reminded of her infancy.
(23)The child rushed to the park, skipping along the way.
例文(22)や(23)では、接続詞の while, and の働きに近いとはいえ、決してそれらに完全にとって代わるような表現とはいえません。ある意味では読む人次第ともいえます。そのようなわけで、他の接続詞に近い意味もあるが、すでに述べた to 不定詞の「目的」に見られるような、はっきりした役割は果たしていないと見なすべきです。

なお、ing 形を使う場合とは、主節の「主語」から見て、その元になっている動詞が、能動態であることが条件になります。つまり *** She had looked at the sight.や *** The child was skipping along the way.のようになります。

being を使って、そのあとに形容詞(または過去分詞)をつなぐ場合は、たいてい、その being は省略されます。また、to 不定詞と同様、主節と主語が異なるとき、(なるべく避けるべきだが)ing 形の前に「意味上の」主語にあたる語を加えることになります。次の例文を見てください。

(24)Greatly surprised, he stood motionless at the spot.
(25)It being foggy, the driver had trouble seeing the road.
例文(24)にあるように、surprised という形容詞の前には being が存在すべきですが、見る人すべてが、そのあとの主節の主語である he が共通の主語だとわかるので、省略されています。また例文(25)では、天候表現にはどうしても it が必要なため、あえて追加されています。主節の主語である、driver が主語として取り違えられないように(そんなことはありえないでしょうが)するためです。

(22)Having looked at the sight, she was reminded of her infancy.
また、すでに例文(22)に出てきたように、すでに起こった出来事である場合には、[ having p.p. ]の形で表すことができます。この文では過去完了形の代用になっています。これは to 不定詞の例文(20)の場合と同じパターンです。

<4>過去分詞

過去分詞が副詞句の場合は、ing 形と全く同じく、「分詞構文」の関係を主節と結んでいます。従って、1つにまとめても良かったのですが、名詞句としては、過去分詞が文頭にくることはないので、あえて、別の項目に分けて出したわけです。
なお、過去分詞形を使う場合とは、主節の「主語」から見て、その元になっている動詞が、他動詞で「受動態」になるほかない場合に使われます(つまりその他動詞の目的語にあたるものが主節の主語になった)。すでに述べたように、being は省略されます。次の例文を見てください。

(26)Impressed by the music, he stayed there for hours.
(27)Having been written by the famous writer, the book sells surprisingly well.
例文(26)では、他動詞 impress の目的語が he ( him ) に相当するために、受動態になったのです。過去分詞がさらに形容詞化すると、例文(24)の surprised のように受動態の意味は失われ、「驚いている」状態を示すだけになります。また、例文(27)では、すでに述べた、having p.p. の形がさらに受動態を導くと been を加えた形になります。この場合の been は being と違って、省略できません。

まとめ 以上のような形で副詞句は存在します。細かい状況に合わせるなら、さまざまな前置詞の中から選び、目的や理由を表現したいなら、to 不定詞、あいまいに文を連結するだけでいいのなら ing 形や過去分詞形を使った、分詞構文が向いています。確かにある部分では、互いに言い換えられる所もありますが、全体としては見事に「分業」が為されていることがわかるでしょう。その微妙な使い分けは、たくさんの長文を読んでゆくところから得られると思います。

コラム・・・分詞形容詞4つの用法

分詞形容詞とは、感情などを表す他動詞から生まれたing形と過去分詞形のことを言います。たとえば surprise→surprising / surprised disappoint→disappointing / disappointing please→pleasing / pleasing などをいい、engage, absorb, devote, injure, wound なども分野は違うものの、同じタイプに属します。これらは使い方が共通しています。これを4つに整理してみましょう。

叙述 限定
本人 The man is interested.

その男は興味を抱いている。

an interested man

興味を抱いている男

発生源 The man is interesting.

その男はおもしろい

an interesting man

おもしろい男

「本人」とは興味を持っている、つまりその感情を持っている本人に関わる名詞を言います。必ず人間です。「発生源」とは興味を起こさせる原因に関わっている名詞を示します。この場合には人間のこともあれば、映画とか小説でもいいわけです。例;The story is interesting./ an interesting story

「叙述」とは形容詞の使い方の一つで、形容詞が be動詞のような連結動詞によって主語である名詞と結ばれていることを言います。文になっています。「限定」とは直接名詞に係る関係です。文にはならず名詞を中心とした固まりです。例;The flower is red. / a red flower

このように分詞形容詞は、名詞との関わりが「叙述」でも「限定」でもよいが、「本人」との関わりと、「発生源」との関わりとによってそれぞれ ing と過去分詞形を規則正しくとることが決まっています。

第3章 副詞節

副詞節は、and, but, or などの等位接続詞を除いた、いわゆる従属接続詞と、ごく一部が、wh-/how 語族によって作られます。接続詞の数は60余りもありますが、次の8つのカテゴリーに、おおざっぱながら分類することができます。すでに述べた副詞節のカテゴリーと比較してみるとわかりますが、少なからず働きが重複していることがわかります。どんな文法書でも、このタイプの接続詞は、8から10通りの分類方法が記されています。最も代表的なものを選びながら全体を見渡してみましょう。では例文を見てください。

(28)I was about to leave home when she suddenly visited me.
最も使用頻度の高い接続詞は「時」を示すものです。when 以外に、while, as soon as, before, after, until, by the time, once など、枚挙にいとまがありません。その副詞節中には未来・未来完了形を使ってはいけないという規則だけは忘れてはなりません(注:これは、未来・未来完了形を必要に応じて使ってもよいことになっている、名詞節と見分けるときの目印にもなります)
(29)Because she was late, the ceremony began ten minutes later.
「理由」はほとんどすべての場合、because でまにあってしまいますが、since, as, now that, seeing that, not that, but that など、さまざまな状況で使い分けが可能です。(注:ここで見るように、that には元来弱い because の意味が含まれているのです)

(30)He walked fast in order that they wouldn't catch up with him.
「目的」を示すにも that を使えますが、それだけでは不明確なので前に目印をつけた、 so that や in order that という形で普通は用い、さらに助動詞の will, can, may を加えることによって文全体が一層わかりやすくなります。「否定の目的」であれば、for fear that, lest が使われることがあります。

(31)Everybody was so willing to go outside that he could not tell them not to.
「結果」を示す副詞節も that を用いますが、その時間的な順序が示すように、必ず主節のうしろに置かなければなりません。不定詞もそうでした。(注:例文18)これも文関係を明確にするためにコンマを加えた、so that または so にするか、主節の中に、[ so+原級 ]、や [ such (a) 形容詞+名詞 ]を入れておきます。

(32)No matter how tired I was, I had to go on driving all night.
「譲歩」の表現は最も複雑な形式を含んでいます。というのも、単なる接続詞である、though, although, whether だけではなく、[ no matter + wh-/how 語族 ]というグループを含んでいるからです。no matter という語が接続詞の代役を果たしているわけで、そのあとにくる wh-/how 語族は,その品詞が副詞か代名詞かに応じて(注:名詞節参照)、うしろに続く文と結合します。この例文では how が副詞ですから、文中の形容詞、tired と結合しているのです。

さらに、この形式は、[ wh-/how 語族+ ever ]で表すことも可能です。ですからこの文は、*** However tired I was, I had to go on driving all night. とすることもできます。

(33)Please don't miss the TV program, as you did last night.
as と like には「様態」を表す接続詞の使い方があります。様態とは似たもの同士、という意味ですから、主節と同じ内容が繰り返されるわけで、代動詞や(ここでは did )、代名詞を使ったり、重複する語が省略されたりします。

(34)We looked for the remains where the ancient people lived.
「場所」を示す接続詞はたった一つ、where しかありません。しかも、前に修飾できるような名詞(先行詞)があれば、次の例文にあるように、the hill を修飾する形容詞節にすぐさま早変わりします。 ですから次の文の where は関係副詞です。*** We looked for the remains at the foot of the hill where the ancient people lived.

(35)I am no more able to swim than a whale is able to walk.
「比較」を示すためには、than か as を使います。これらが前置詞か接続詞かという点にはいろいろ考え方がありますが、この例文(35)に関する限りは、それぞれの主語と述語が異なるので、明らかに接続詞です。ここでは no more という記号によって、主節も than 以下の副詞節もともに否定文、ということを表しています。つまり、*** I am not able to swim と *** A whale is not able to walk. のふたつの文章を「等しい関係」で合体したものです。

(36)Even if you don't know the geography of the world, you can take part in the sightseeing tour.
「条件」は if のほかに、unless, as long as, providing, supposing などがありますが、中に使われる動詞が、仮定法かどうかも重要な着眼点です。

(37)Take tons of water with you in case you get thirsty on the way.
すでに述べた9通りの表現方法以外に、どうしてもそのカテゴリーに当てはまらない特殊なものもあります。ここに紹介した in case もそうで、「目的」に似ていながら、「来るべき事態に備えて」という違った働きをしています。ほかに、「条件」と「時」にまたがった once や、「範囲」をあらわす as far as などが挙げられます。

このように、副詞節は、wh-/how 語族を使う「譲歩」を除き、それぞれ特有の接続詞を知っておけば、比較的容易に文を作ることができます。

第4章 形容詞句



名詞を「うしろから」修飾する形容詞句とは、4種類が挙げられ、その形だけで判断すると、副詞句と全く同じに見えます。従って、副詞句と正しく区別をするためには、名詞との「正しい関係」を把握していなければなりません。単に、前に名詞があるからといって、その名詞を自動的に修飾するわけではありません。(必要とあらば、各項目をクリックしてください)

<1>前置詞+目的語
<2> to 不定詞
<3> ing 形
<4>過去分詞

<1>前置詞+目的語

前置詞と目的語の組み合わせは、その置かれた「位置」によって、副詞句か、形容詞句かが判断されます。すぐ前に修飾するにふさわしい名詞がある場合、形容詞句としていいわけですが、どちらともとれる曖昧な場合が少なくありません。次の例文を見てください。

(38)People in the village are very superstitious.
この文での in the village の行き先は、明らかに people だけなので、形容詞だと言い切れます。ところが、その位置がちょっと変わると、重大な意味の変化が生じます。 *** People are very superstitious in the village. この文では、英文(38)と意味が同じなのか、それともたまたまこの村に入ると人々は迷信的になるのか判然としません。このようにどちらともとれる文は書いてはいけません。これでは in の悪用です。何らかの接続詞を用いて、文を2つ作り、話の流れをきちんと規定する必要があります。たとえば、*** People become very superstitious once they have settled in the village. というように。

前置詞+目的語の組み合わせの中には副詞句にのみ用い、形容詞句には使わないものもあります。たとえば、[ on / in / by + ing 形 ](例文1.2.3)がそれであり、「程度」(例文6)「方法」(例文5)「結果」(例文4)などがそうです。

中には逆に形容詞句だけをつくり、副詞句としては滅多に出てこない前置詞があります。of がそれに当てはまります。次の例を見てください。

(39)The age of information has come at last.
一般にうしろの名詞を前の名詞に修飾させたいときにこの of が正式な方法として用いられます。ただ、その語が広く世間に知れ渡るようになってくると、of では面倒なので、普通の形容詞のような感覚で、information age などと言ったりもするのです。

(40)He had only two pieces of furniture in the room.
例文(40)でも、pieces を修飾するのに、of が形容詞句を作って役立っていますが、(39)とは少し違い、全体としてとらえると、furniture が不可算名詞であるために、それを数えるための「単位」として pieces が用いられていることがわかります。a cup of, a pair of, an article of などはみなこのタイプです。

(41)This building is of great significance to our city. 例文(41)は of の使用法の決定版です。of のうしろに significance, importance, use, care, help などの抽象的名詞がくる組み合わせは、単なる1個の形容詞である significant, important, useful, careful, helpful などと違い、間に形容詞を挟むことができます。形容詞を間に挟んで表現を豊かにする方法については、副詞句ではありますが、例文(15)の所でも述べたのと同じ方法です。

of 以外にも、形容詞句を運命づけられている前置詞はたくさんあります。それらは多くが[ 名詞+前置詞 ]の組み合わせが前もって決まっているのです。それは辞書にも見出しにはならなくとも、明記されています。次の例を見てください。

(42)That an alarm clock was broken down was his excuse for his being late.
ここでは excuse for がその組み合わせになっています。この場合のfor は「理由」を表しているわけで、ほかに、似た意味を持つ組み合わせとして、reason for , grounds for, などが挙げられます。(注: for + reason は副詞句であって、こちらの reason + for...は名詞と形容詞句の組み合わせである)その他、key to, chance of, attitude toward など、実にたくさんの組み合わせがありますが、成句として割り切って覚えてしまうべきでしょう。

<2> to 不定詞

いわゆる to 不定詞の「形容詞的用法」です。4つのタイプがありますが、そのうちの3つは関係代名詞による形容詞節と共通な構造を持っています。次の例文を見てください。

(43)Nancy has so many jobs to be done that she can't sleep well.
このタイプは「主格」と呼ばれます。作り方は次の通りです。 元の文は***Jobs (should) be done.(主語+動詞)となり、そこから jobs to be done (名詞+ to 不定詞)となります。「主格」と呼ばれるゆえんはもともと主語であったものが修飾される名詞に転換されたことです。

(44)There are still many books to read in my study, but I haven't read even one tenth of them.
このタイプは「目的格」と呼ばれます。作り方は次の通りです。 ***I should read many books (主語+他動詞+目的語)ここから many books to read (名詞+to 不定詞)となります。「目的格」と呼ばれるゆえんは目的語であったものが、修飾される名詞に転換されたことです。

(45)Where can I find a knife to cut the cheese with?
このタイプも「目的格」と呼ばれます。作り方は次の通りです。 ***I cut the cheese with a knife.(主語+他動詞+目的語+前置詞+目的語)ここから a knife to cut the cheese with (名詞+ to 不定詞 + 前置詞)を作りだします。「目的格」と呼ばれるゆえんは、前置詞の目的語であったものが、修飾される名詞に転換されたことです。(注:knife をそのままにしておいて、そのかわり cheeze を修飾させ、the cheese to cut with a knife 「ナイフで切るべきチーズ」という芸当もできます。)

(46)She has a secret wish to live in a small, pretty house with a rose garden.
最後のタイプは「同格」と呼ばれます。作り方はありません。なぜならば、wish という名詞に勝手に to 不定詞をつけたからです。一部の抽象的な名詞の中にはこのように to 不定詞をつける組み合わせが存在します。これは例文(42)で説明した名詞+前置詞の組合わせと同じく、成句的なものです。ability to, willing to, reluctance to などがあります。

注意点 この4つのタイプにあっている限り、形容詞的用法だと決定することができます。例文(43,44,45)で示したように、それぞれの元になった文には should が含まれていますが、このように to 不定詞の元になる文は、should のほかに can, will, may などの助動詞が含まれ、いわゆる「予定・未来志向」の文を作ります。ここのところは次に扱う、分詞とは最も大きく異なる点です。従って、関係代名詞で書き換えたとしても、同じ動詞を使ったとしても、違った内容になります。

<3> ing 形

ing 形(現在分詞)による名詞の修飾です。これは to 不定詞の場合と違い、いわゆる「主格」しか存在しません。従って、この ing 形に使われている動詞の性質だけが、この形容詞句を決定することになります。では次の例文を見てください。

(47)Never fail to catch any dog running around the yard.
ここでの ing 形ができるに至った、元になる文は、***A dog is running around the yard. であり、主語である dog が修飾される名詞に転換されています。run は動作動詞なので、元は進行形であったと考えていいでしょう。つまり、この ing 形は「進行中」を表します。

(48)The people knowing the secret were arrested at once.
ing 形ができるに至った元になる文は、***The people knew the secret. であり、主語である people が修飾する名詞に転換されています。know は状態動詞なので、元は進行形ではなかったと考えられるわけです。つまりこの ing 形は「状態」を表します。

(49)She is worshipped as a living saint. 形容詞句は名詞のうしろに置かれるのが決まりでしたが、ing 形しかない場合には原則として名詞の前に置かれます。前に置かれる場合は ing 形は普通の形容詞修飾と違って、「決まり文句」的な様相を示します。ですから、a girl dancing... とあえてうしろに置けば、例文(47)のように「進行中」、つまり普通の女の子が「たまたま」踊っていると考えられますが、a dancing girl のほうはほかに何も修飾するものをつけず、多くの場合「専門的」踊り子であると解釈します。

(50)Would you please go into the waiting room?
この場合、wait という動詞に対して room は主語になれません。これは次のように言い表すことはできます。***the room for waiting このように for ing 形で言えるということは、「用途、目的」を示していることになります。これは現在分詞が「主格」に基づくという原則に反しますから、この ing 形は「動名詞」と呼ばれることになっています。

注意点 先の to 不定詞の場合と比べてみてください。ing 形は「予定・未来志向」ではなく、むしろ「現在志向」になっています。そのことを念頭に置いて使い分ける必要があります。

<4>過去分詞

過去分詞も ing 形と同じく、「主格」のみです。これも元の動詞がどういう性質を持つかによって決まってきます。では次の例文を見てください。

(51)Clean up the windows stained by raindrops.
この例文で、stain が過去分詞になっているのは、本来、他動詞であるからです。元になった文は、***Raindrops stained the windows であり、この文が受動態、***The windows were stained by raindrops になり、be 動詞の were を切り離すことにより、stained が windows という名詞を修飾するようになったのです。ここでの過去分詞は「受動関係」を示していることになります。

(52)She looked at the leaves fallen on the windowpane.
次の文で fall が過去分詞になっていますが、本来これは、自動詞です。従って受動態は存在しません。元になった文は、***The leaves had fallen. であり、時制が(過去)完了形になっています。leaves を名詞として、修飾する場合、fallen という過去分詞は「完了状態」を示していることになります。ただし、すべての自動詞が完了になるわけではありません。pass, drown, go など、「過ぎ去った」ことを示す、ごく限られたものだけです。

(53)Please take those boiled eggs out of the boiling water.
最後の文は例文(49)と同じく、分詞が名詞の前に置かれているタイプです。それぞれ「ゆで卵」「沸騰したお湯」ですね。

ここでの boiled は本来他動詞「・・・をゆでる」( boil the egg )からの「受動態」であることを示し、一方、boiling のほうは本来自動詞「沸騰する」( Water is boiling )からの「進行中」を示すものだと理解できます。 このように一つの動詞で他動詞になったり、自動詞になったりする場合もあるので注意が必要です。

分詞の注意点 結局、現在分詞と過去分詞の違いを決定するものは他動詞か、自動詞かによることがわかります。ここでもう一度まとめてみると、 他動詞、自動詞ともに能動態では「 ing 形」 他動詞の受動態では「過去分詞形」 自動詞の完了形では「過去分詞形」 となり、受動態では、他動詞の「目的語」が修飾される名詞になり、完了形では、自動詞の「主語」がそのまま修飾される名詞になります。ですから surprise タイプのように、他動詞で、しかも目的語が「(驚く)本人」、主語が「(驚かせる)原因」であるようなタイプでは面倒な変化を覚悟しなければなりません。次の例を見てください。

(54)They brought the surprising news to the inhabitants.
(55)There were many inhabitants surprised at the news.
このふたつの文は元は***The news surprised the inhabitants. から作られています。例文(54)は news が本来主語で、能動態ですから、 ing 形(実はそこから生じた形容詞)、例文(55)は inhabitants が主語で、受動態ですから、過去分詞形(実はそこから生じた形容詞)になっています。このタイプは、please, satisfy, injure, wound, など数多く、分詞形にするときは(注:辞書では形容詞扱いになっているものが多いが)修飾される名詞が「本人」か「原因」かについての注意が必要です。

次ページへ

HOME > 言語編 > 英語 >  基礎構文・後編 PAGE 1

inserted by FC2 system