Basic Japanese

Fuji-yama by Yamashita Kiyoshi

風琴と魚の町

(listening)

目次

作品解説  作者紹介 原稿 Script

作品注 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)

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作品解説

尾道市周辺地図主人公の女の子は各地を売り歩く行商人である両親に連れられて瀬戸内の町、尾道へやってきた。この町は魚がうまく、活気があり家族はみんな気に入った。ここに腰を落ち着けようかという話まで出た。

父親は風琴を鳴らしていろいろなものを人々に売りつけるのが商売だったが、インチキ品を売っているのを警察に見つかり、淡い将来への期待がうち砕かれる。

全編にわたって広島方言が使われており、なじみのない人にはわかりにくい部分もあるが、これが地方独特の雰囲気をよくかもしだしている。

尾道は、小津監督の「東京物語」や大林監督の「尾道三部作」をはじめとして、多数の映画、舞台、文学作品に登場する。これは急坂と小路の錯綜する独特な街並みだからだ。

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作者紹介

林芙美子(ふみこ) 1903‐51(明治36‐昭和26)

林芙美子山口県生れの小説家。本名はフミコ。母キクの私生児として誕生。各地を転々と放浪しながら育ち,1922年尾道市立高女を卒業した。上京して,女中,露天商,女工,女給など各種の職業を遍歴しながら詩や童話を書いた。アナーキスト詩人萩原恭次郎,岡本潤らと交わり,平林たい子の小説が《大阪朝日新聞》の懸賞に当選したことが刺激となり,自らも《放浪記》(1928‐29)を《女人芸術》に発表。ベストセラーとなった。

その後《風琴と魚の町》《清貧の書》(ともに1931)など自伝的小説を書き,文壇の第一線の作家となっていく。戦時中は従軍ペン部隊の一員として,中国や南方各地に赴く。戦後も《晩菊》(1948),《浮雲》(1950‐51)などを発表した。ヒューマニズムと清冽(せいれつ)な詩情にあふれた作風に特色があり,それが困難な時代を生きた多くの人々に共感をもって迎え入れられたといえる。

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風琴と魚の町(その1)speaker

注;
  1. ふうきん/風琴 : オルガン、手回しオルガン、昔は行商人が持ち歩き、客寄せに使った
  2. はんでいる/食んでいる : 食べている
  3. かたわら/傍 :横で、すぐそばで
  4. きょうもん/経文 : 仏教のお経に書かれた文
  5. じゅしながら/誦しながら : 唱えながら
  6. なみだしていた/泪していた : 目に涙をためていた
  7. みをたくした/身を託した : 自分の運命を預けた
  8. ふろしきづつみ/風呂敷包み : 持ち歩くのに便利なように大きな布で荷物を包んだもの
  9. しりでおしながら/尻で押しながら : 列車の震動で、風琴が座席から滑り落ちそうになるのを、尻で押して戻してやるところ。
  10. きざみたばこ/刻み煙草 : 煙草の葉を細かく刻んだもの。紙に巻いたり、パイプに詰めたりして吸う。
  11. いっかをあげての/一家を挙げての : 家族全員そろっての
  12. いっさいならず/一再ならず : 一度ならず、2回以上(X > 1)
  13. いまにみいよ/今に見いよ : 今に見なさい、きっと・・・してみせる
  14. えんえんとした : どこまでも続く(海岸線)、今汽車は瀬戸内海沿いに走っている。
  15. きしゃははっている/汽車は這っている : 山の上などから見て、汽車がまるで平原をはいつくばっているように見えるさま
  16. きつりつした/屹立した : まわりから離れて高くそびえた山などをさす
  17. おりて/降りてみんかやのう : 降りてみようかな(方言ー弱めの意志)
  18. がっさいぶくろ/合切袋 : 生活用品をなんでも詰め込める大きめの布袋
  19. ひがたかいけに/陽が高いけに : まだ太陽が高く昇っているから(方言ー理由)
  20. べんとうのだい/弁当の代 : 食事代、食事にかかる費用
  21. めだった/芽立った : 芽が出ている、とも目立つともとれる
  22. やなぎ/柳 : 下に糸のように垂れ下がった枝が特徴的な樹木。川沿いなど水の多いところに多く生えている。
  23. すす/煤 : 汽車の吐き出す煙や、近隣の家でも安間着やせ忌憚によってまき散らされた炭素の黒い粉。
  24. 綿雲/わたぐも : 綿のようにもくもくとした形の雲。
  25. はまどおり/浜通り : 海岸と平行に走っている道路。
  26. かたにかけられるべく/肩に掛けられるべく : 肩に掛けられるように(目的)
  27. まだ鳴らしなさるな : まだ鳴らさないように、鳴らさないほうがよい(弱めの禁止)
  28. うろこまびれ/鱗まびれ : 鱗まみれ。体中魚の鱗がついているさま
  29. あおざさ/青笹 : 取ってきたばかりのまだ青い笹。殺菌力があるので、お菓子やおもち、魚など多様な食品を包むのに使われる。
  30. あぎと/鰓 : 魚のエラ
  31. かまぼこ : 白身の魚の肉をすり下ろし、よく練った上で焼いた加工食品。
  32. なにごとばしあるとな/何事ばしあるとな : 何か起こっているのですか。
  33. ものうげに : あまりはつらつした表情を示さずに
  34. たまげた : おどろいた
  35. ぬめぬめした : 波立ちが少なく、きらきら輝いている表面をさす
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風琴と魚の町(その2)speaker

注;

  1. もどんなはいよ : 戻りなさいよ
  2. 売れな、売れんでもええとじゃけに : 売れても売れなくてもどちらでもいいから
  3. 鼻をこっちい、やってみい : 鼻をこっちに向けなさい
  4. こぎゃん : こんなに、このように
  5. よかとこ : 良いところ、住み心地の良さそうなところ
  6. まげ/髷 : 髪の毛の余りを束ねて折り返した部分
  7. がんぎ/雁木 : 階段
  8. いやしかのう : いやしいねえ、食い意地が張っているねえ
  9. よかもの : おいしいもの
  10. いんにゃ : いやだ
  11. そぎゃん : そんなに、そんなふうに
  12. 困らせよっとか? : 困らせるつもり?
  13. ふさ/房 : 糸やひもをわざとほぐして柔らかく広げた、飾りの一種
  14. とくしん/得心のいかぬか : まだわからないの
  15. みどりのこなをふいた/緑の粉を吹いた : 銅貨がさびて、緑青(緑色ー有毒)が表面についている
  16. しろかぜに/白か銭 : 
  17. あかかぜに/あかか銭 : 銅銭のこと。ごくわずかな金額。
  18. さっち
  19. あげんこつう
  20. めんめ : 自分のこと
  21. しよう/仕様がなかじゃなっか : 仕方がないでしょう
  22. 相手にせんちょよか : 相手にしてくれなくてもいい
  23. ふげんしゃ/富限者
  24. そげんな : そんなに
  25. あぎゃん : あんなに、あんなふうに
  26. バナナば : バナナを、バナナを使って
  27. 鼻血が出つろうが : 鼻血が出ているでしょう
  28. セルロイド : 綿などのセルロースを薬品に溶かして再び固めたもの。初期のプラスチック成型品。
  29. 商売があってみい : 商売がうまくいてごらん
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風琴と魚の町(その3)speaker

注;

  1. うんしんぬい/運針縫い : 裁縫の訓練でまっすぐ縫うための練習用の布
  2. かんざし/簪 : 女性の髪に挿す、装飾品
  3. ごとうち/ご当地 : こちら、この街、このあたり(その土地の人に向かって使う言葉)
  4. ビンツケ/鬢付け : 鬢付け油の略。日本髪で、おくれ毛を止め、髪のかたちを固めるのに用いる。
  5. がまのこうやく/蟇の膏薬 : ガマの油を絞って作ったと称する偽薬
  6. まやかしもの : にせもの、インチキ品
  7. ・・・みやさま/・・・宮様 : 天皇の親戚
  8. たいどくくだし/胎毒下し : 産後の不調を直すための薬
  9. うちみ/打ち身 : 何かが強くぶつかって黒いアザができた部分
  10. キイ : 風琴、ピアノなどの鍵盤
  11. ちのみち/血の道 : 女性の生理不順
  12. わしがとじゃけに : 私のものなのよ
  13. ざんぎり/散切り : 無造作に髪の毛を切ったスタイル。男の子の多くがその髪型だった
  14. 男をなごやあい! : 男になってしまえ
  15. いんじょれ! : 行ってしまえ、行け
  16. なかし/仲仕 : 荷物をかついで運んだり、土木業を手伝う人夫
  17. はだにはきりがかかっていた/肌には霧がかかっていた : ガラスの表面に、湯気が水滴になって曇っていた
  18. いけんがのう! : いけないよ、だめだよ
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風琴と魚の町(その4)speaker

注;

  1. とぼった: (明かりが)ついた
  2. やまのごつ/山のごツ : 山のように、大量に
  3. ほんまな? : 本当か
  4. ぬくうなった : 暖かくなった
  5. こようがしたか/小便がしたか : おしっこがしたい
  6. きっすいせん/吃水線 : 船の積み荷の限界を示す線。
  7. うまのこようのごつある/馬の小便のごつある : 馬のおしっこのように大量だ
  8. きばっとった : 腹に力を入れていた
  9. いばり/尿 : おしっこ
  10. バンコ : 露天の椅子。たいていはリンゴ箱の上に板を渡しただけのもの
  11. 食うがまし : 食べればよいのだ
  12. はいへい/廃兵 : 戦争で傷ついて戦えなくなった人
  13. ばんより :
  14. あげんこツ : そんなこと言って!
  15. ぐずっちょるとか : ごちゃごちゃ言ってんだ!
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風琴と魚の町(その5)speaker

注;

  1. はたご : 宿屋
  2. はたらきどう/働きどう :
  3. たまげたものじゃ : 驚きだ
  4. 別に気も浮かぬ: 別に気乗りもしない様子で
  5. メリヤス: 機械編みで、伸縮する綿織物、下着に使われる
  6. パッチ: ズボンのしたに履く下着。汗を吸ったり、防寒用に用いる。
  7. どくほん/読本: 主に小中学生向けの読み物
  8. しゃくとりむし/尺取虫: 地面の上を這う大型の地虫。体を上に伸ばして逆さU字型にして前に進むのでこの名がある。またこの形をした金属の棒を炉辺の真上に吊り下げて土瓶をかける。
  9. 木の枝のごつある : 木の枝ほどの太さがある
  10. どぎゃん : どんなふうな、どんなようすの
  11. カイコ/蚕 : 絹を採るために飼育されている、蛾の幼虫。さなぎになったときにできるマユが絹の原料となる。
  12. どうじ/童子:寺に見習いで入った少年、または菩薩の別称。
  13. ホヤ: ランプの火をおおうガラスの円筒
  14. なんぼう: いくらに(値段)
  15. むごいものじゃ:つらいことが多いものだ。
  16. すそ/裾:布団の下の部分
  17. 何ちゃいらんとッ: 何も要らないよ
  18. のうなってしまう: なくなってしまう
  19. 白かまんま: 麦や雑穀の入っていない白米のご飯
  20. きまって: いつだって、いつも
  21. ここへ座ってもええが: この土地に腰を落ち着けてもいいだろう
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風琴と魚の町(その6)speaker

注;

  1. ざくろ/石榴: 初夏に赤い花が咲く庭木。ツブツブの実ができるのが特徴。
  2. はんどがめ:
  3. しちりん/七輪: 炭を入れて、魚などを網に乗せて焼くことのできる調理器具。
  4. ばけつ/馬穴: 当時はブリキやトタンの板を使った取っ手がついた水入れ。
  5. ゆきひら/行平・雪平:厚手で、うす褐色の陶製の鍋。主に粥を煮るのに使われる。
  6. あわびのうえきばち/鮑の植木鉢: 鮑の貝殻を植木鉢に転用したものと思われる。
  7. ふろしき/風呂敷:丈夫な布でできていて、これ一枚であらゆるものを包める。本文では、布団のほこりよけカバーとして使っている。
  8. くるま: リヤカーまたは大八車。梶棒を持って押すか引っ張って荷物を運ぶ。
  9. つじうら/辻占:紙片にさまざまな文句を書き入れて巻きせんべいなどにはさみ、これをとってそのときの吉凶を占うもの
  10. らくばくとして/落莫として: 物寂しいさま
  11. はげのおおいかがみ/禿の多い鏡: 昔の鏡は水銀を塗ってあったので、よく裏側がはげていた。
  12. いかいでよかった/行かいでよかった:行かないでよかった
  13. ほんのこて:本当に
  14. 食うちょらな動けんがの: 食べなければ動けないだろう
  15. 泣きよんなはった: 泣いていました
  16. ほうかや: そうかい、そうなのかい
  17. 乗りよんなはって: 乗っていて
  18. 誰っちゃ見てくれんけん: 誰も面倒を見てくれないものだから
  19. 悪いこつ: 悪いこと、悪事
  20. 金を持っちょるけにかなわんたい: お金を持っているからかなわない
  21. ふうてい/風体: 姿、スタイル
  22. じょちゅうぎく/除虫菊: 瀬戸内地方で広く栽培され、蚊取り線香の原料となっていた。
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風琴と魚の町(その7)speaker

注;

  1. はいるものはなかもの: 入る者はいないので
  2. はいれようたい/入れようたい: 入れるよ
  3. よく読めるとじゃもの:本を読むのが上手なのだから
  4. おもし/重石:漬物などを押し付けておくための重たい大石。
  5. なめるようなみずおと/嘗めるような水音:気づかないようなわずかな水音
  6. 起きまっせ: 起きて下さい
  7. どぎゃんしたとじゃろか: なにが起こったのだろうか
  8. こまい者: 年端の行かない者、幼い者
  9. くうきがあっしてきた/空気が圧してきた: 重苦しい雰囲気になってきた
  10. 何かついと走った: 何かがさっと走った(のを感じた)
  11. さばっといて: しっかりしがみついて
  12. ええ子じゃけに:いい子だから
  13. ぬくい/温い:あたたかい
  14. しょうまん/小満:二十四節気のひとつ。太陽の黄経が60度のときで、四月の中(ちゅう)。太陽暦の5月21日ごろ。
  15. どうけた/道化た: おかしな格好の、ふざけた
  16. けんぺい/憲兵:軍事警察。民間を担当する普通の警察と区別される。
  17. しゃふ/車夫: 人力車を引っ張る男。ここでは医者の往診専用。
  18. ぢき:もうすぐ
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風琴と魚の町(その8)speaker

注;

  1. しゅす/繻子: 横糸と縦糸が浮き出し、なめらかで光沢のある織物の一種
  2. くじらおび/鯨帯: 表と裏の色が違う帯。昼夜帯
  3. しちやのかよい/質屋の通い: 質屋での出し入れを記入する通帳
  4. ちのみち/血の道:産褥、月経、更年期の女性特有に見られるさまざまな症状の総称
  5. 井戸さらえ: 井戸に誰かが落ちて死んだときに、井戸を洗って清めること
  6. はげたかがみ/禿げた鏡:昔の鏡はガラスの裏面に水銀を混ぜた塗料を塗っただけなので、長年使うとその塗料がはげてしまう
  7. もりじお/盛り塩: 死んだり事故が起こったときの清めを行うときに塩を盛る
  8. こくらのはかま/小倉の袴: 礼装
  9. じんむてんのう/神武天皇:日本最初の天皇と伝えられ、即位した年が紀元元年とされる
  10. えびす/夷: 北方に住む野蛮人
  11. ゆすらうめ: 園芸植物
  12. てつせんれん/鉄線蓮: 園芸植物
  13. おんじ: 園芸植物
  14. あざみ/薊: 園芸植物
  15. ルビナス: 園芸植物
  16. つつじ/躑躅: 園芸植物
  17. いちはつ: 園芸植物
  18. やまのせ/山の背: 山の丸く盛り上がった部分
  19. かいせんぼく/廻旋木:ぶら下がってぐるぐる回ることのできる運道具
  20. ゆうどうえんぼく/遊動円木: 当時の学校の校庭にあった運動具。
  21. うっとうしい/鬱陶しい:憂鬱な、気分が暗くなるような
  22. いんぎんに:ていねいに
  23. ななしゃく・・・/七尺下って師の影を踏まず: 影を踏むことがないくらいの距離を置いて先を行く先生のあとに従って歩く。教師への最大級の尊敬表現。
  24. ポンプ井戸: つるべを落として水を汲み上げるのではなく、手動ポンプのテコを上下させて水を汲み上げる井戸。
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風琴と魚の町(その9)speaker

注;

  1. チャップリン; 当時大人気の無声映画を作ったイギリス人の監督兼喜劇役者。
  2. 腐りきっていた: 気が落ち込んでいた
  3. あわめし/粟飯: ご飯に雑穀の一種である粟を混ぜて炊いたご飯。冷えると特にまずい。
  4. うまや/厩: 馬を入れておく小屋。
  5. しょうかしつ/唱歌室: 音楽室
  6. ふ/譜: 楽譜
  7. ひさし/庇: 家の庇のように、額から前へつきだした髪型。
  8. とうきょうご/東京語: 標準語、東京方言のことを当時こういった。
  9. うちはね: わたしはね
  10. しつねんして/失念して: うっかりして
  11. せきばんえ/石版絵: 石の板の上に、チョークを使って書き上げた絵。
  12. 学校さ行きとうはなか: 学校なんか行きたくない
  13. 小学校だきゃ出とらんな: 小学校だけは出ておかなければならないな
  14. いつもかつも:いつだって
  15. 言わん!: 言わない、言いたくない
  16. 言いとうはなか: 言いたくない
  17. ネル: フランネルの略。羊毛を材料とした柔らかい厚手の織物
  18. はぎ/萩: 秋に美しい花を咲かせる庭木。
  19. くるま/車:この時代では”人力車”をさす
  20. なんぼうにも: なんといっても
  21. せがれ: 息子
  22. えっとえっと:こんなにたくさん
  23. ちぬご: 鯛の子ども
  24. あぎゃんもん: あんなもの
  25. これもえっとやろか:これもあげようか
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風琴と魚の町(その10)speaker

注;

  1. たどん/炭団: 炭の粉を固めて燃料にしたもの。真っ黒けなもののたとえ。ここではこの化粧品を使わないと真っ黒な女の子のままだよということ。
  2. ひどかもん: ひどいもの、いんちき品
  3. くえんもな:食えんもな 食べられないのだし
  4. しようがなかじゃっか/仕様がなかじゃっか: 仕方がないじゃないか
  5. ほぬの/帆布: 帆船に用いる布。厚手でごわごわしている。
  6. じせいがすすむと/時勢が進むと: 時代が進むと、社会が開けてくると
  7. はんどがめ:はんど甕 取っ手のついたおおきな甕のことか?
  8. 犬の肉でもあっとじゃろ : たぶん犬の肉なんだろう
  9. でやんすで : ですよ
  10. あけび/通草: 秋になると丸い甘い実を付け、大きく割れる。外観がはれぼったいマブタのようだ。
  11. 言うたい:(私も)言うつもり
  12. 行ったったちゃ: 行ったのでは
  13. おごらるる: 怒られる
  14. うんにゃ: いやだ
  15. ビンタ: ほっぺたをひっぱたくこと
  16. いわしたばい : 言っていたよ
  17. なりきんなさった/成金なさった: 金をしこたま儲けた
  18. 俺がとは: 俺の場合には
  19. わろうはなかりゃん/悪うはなかりゃん: 悪くはない、悪いことはしていない
  20. めしばくえんじゃなっか:飯ば食えんじゃなっか ご飯が食べられなくなるよ
  21. からくさもよう/唐草模様: つる草が這いまつわる形を描いた模様
  22. すいじょうしょ/水上署: 主に港湾や海上での問題を取り扱う警察署
  23. やみくもに/闇雲に: むちゃくちゃに
  24. まさこ: このヒロインの本名
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© 西田茂博 NISHIDA shigehiro

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