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今年見た映画(2014年)
Charlotte et Véronique, ou Tous les garçons s'appellent Patrick 男の子の名前はみんなパトリックというの 2014/06/01 (再)2019/06/16 パリで共同で部屋を借りている二人の女学生たちが、リュクサンブール公園で待ち合わせをするが、そこへやってきてナンパが大変得意な男の子に、それぞれが立て続けにデートの約束をさせられてしまう。部屋に帰って、それぞれの戦果を自慢するが、同じ男だったことにはまだ気づかない…⇒資料 上へUne histoire d'eau 水の話 2014/06/01 (再)2019/06/16 村の若い娘が朝、外に出ようとすると、村は大洪水。従兄弟に長靴やボートを借りたりするが、途中でフォードに乗った若い男に車に乗せてもらい、パリに向かおうとする。ところが行っても行っても水だらけ。やっとパリに到着するも、そこもセーヌの水辺だった。⇒資料 上へCharlotte et son Jules シャルロットとジュール 2014/06/01 (再)2019/06/16 「勝手にしやがれ」と同じく、アパートの一室での男女の会話。ジュールと暮らしていたシャルロットは男を作り、1週間帰らなかった。突然シャルロットは通りに男の車を待たせて、ジュールの部屋に寄る。ジュールはシャルロットが男に捨てられて、戻ってきたものと勘違いし、さんざんシャルロットをこき下ろすが、いつの間にか調子が変わり、自分から離れないでくれとシャルロットに哀願するのだが、シャルロットが部屋を訪ねた理由とは…⇒資料 上へ第2次世界大戦後、イギリスがイスラエルの独立とアラブ民族の住む地域を同時に約束したために、世界中から流入するユダヤ人と、それを阻止しようとするアラブ民族、そして植民地支配を続けるイギリス軍とで、パレスチナの地は大混乱となっていた。 キプロス島には、大勢のユダヤ人が行き場がないために収容されていた。イスラエルの建国を目指す組織に属するアリは巧みな作戦で、船に600人のユダヤ人を乗せ、イギリス軍を説得してパレスチナの地に運んだ。これで一気に国連でのユダヤ人への注目度が高まった。船の中でアリは、カレンというユダヤ娘を養子にするつもりでいる、看護婦の未亡人であるアメリカ人のキティと知り合う。船はパレスチナに到着し、彼らは建国運動に加わるが、イギリス軍を追い出すために、テロを使うグループと、穏健路線を進むグループとで対立が生じ、爆破事件が起こる。 アリの一族は谷間に農場を持ち、カレンを含むユダヤ人の子供たちが集まって村の建設が始まっていた。そこで再び会ったアリとキティは愛し合うようになる。国連でパレスチナ分割が決まり、イスラエルの建国が始まろうとしていた。ところが、イギリス軍が撤退した後、今度は土地を奪われたアラブ民族との戦いが始まり、あらたな犠牲者が生じていく…⇒資料「カルメン故郷に帰る」のあのカルメンが、浅草で、まさにビゼーの「カルメン」を題材にしたストリップを踊っている。そこへかつての踊り子で、男ができて九州を放浪し、乳飲み子を抱えたアケミが転がり込んできた。だが、食べる当てもないので、「アトリエ・スドー」と書いてあるモダンな家の前に捨て子する。 アケミはやはり捨てることはできなくて、カルメンとともに子供を取り戻し、アトリエの前衛芸術家、須藤と知り合う。須藤は親の財産を食い尽くし、女中からは馬鹿にされてはいるが、高島屋で個展を開くなど、最近人気が高まっている。 須藤は子供を抱えている前妻から慰謝料の請求をされている一方、議員立候補を目指している、女性の味方、佐竹熊子の娘である男狂いのチドリと結婚することになっている。というのも大金の持参金を持ってきてくれることになっているからだ。 カルメンは須藤のモデルになったりしたのだが、どういうわけか急に悲しくなって帰ってしまったり、舞台で泣き出したりしてしまう。須藤に恋してしまったのだ。とはいうもののチドリを押しのけて結婚するような強引さはカルメンにはない。踊り子の仕事もクビになり、須藤の前妻と勘違いした佐竹から別れてくれと言われ、須藤との間はあきらめることにする。…⇒資料 上へ第五福竜丸 Lucky Dragon No.5 2014/06/09 1954年3月1日、ビキニ環礁で、アメリカの水爆実験が行われた。焼津港を出たマグロ漁船、第五福竜丸は漁のあと、その水域を航行し、水平線の彼方に光る大爆発を目撃する。これがピカドンだろうということは23人の乗組員にはわかったが、数日後、雪のように降ってきた”死の灰”を浴びる。これはストロンチウムが含まれており、半減期が長く、骨髄にたまって、肝臓障害などを引き起こす。 焼津港には無事帰ってきたが、出迎えの人々は乗組員が真っ黒な顔をしているのに驚く。ガイガー・カウンターが鳴り響く強度の放射能汚染で、全員東京の大きな病院に入院させられた。アメリカは、警告なしの実験であることから、治療や補償の話も出たが、軍事秘密のためにうやむやとなり、結局広島と長崎での被ばく体験を持つ日本が治療を担当することになった。 乗組員のうち、若者たちは比較的早く回復したが、40歳代の”局長”、久保山愛吉氏は黄疸が回復せず、最初に死去する。全体として忠実なドキュメンタリーで、福島原発にかかわりのある人はもちろんのこと、全国民に見てもらいたい作品である。…⇒資料 上へ高橋竹山の自伝的映画。夏泊半島の小湊に生まれた定蔵ははしかのために目がほとんど見えなくなり、母親がボサマの見習いに出して、家の前で三味線を弾いて糧を得る生活を始めることになった。放浪は、青森から、北海道にも及び、泥棒と友だちになったり、旅の女とかりそめの夜を過ごしたりする。 母親の勧めで嫁を貰うが、地主の家で手籠めに会い、すぐに別れてしまう。三陸海岸を友人とともに宮古まで南下したり、下北半島を北上して旧知の泥棒と再会したりする。再び母親の勧めで再婚するが、大阪の浪曲師と関西に行っている間に、妻の連れ子の娘が病気で死んでしまう。しかし一方では浪曲師の伴奏をしていた老婆から、いくつかの三味線のコツを教わる。 小湊に戻ってくると、妻の勧めで八戸の盲学校に通い始めるが、とんでもない教師のはらませた娘を、騙されて引き受け自分の実家に連れて帰る。そのショックから三味線を捨てて、尺八を弾いて放浪するが、うち捨てられていた漁船に寝ているところを母と妻が探し当てて、再び三味線の生活に戻ってゆく。⇒資料 上へBananas ウディ・アレンのバナナ 2014/06/15 Banana Republic の名のように、南米では、次々と独裁政権が成立し、その裏にはCIAが動いていたという。メリッシュはニューヨークに住む、新製品検査員。大学を3日だけでやめた男だが、南米の独裁国家サン・マルコス打倒の署名を頼みに来たナンシーと恋仲になる。だが、ナンシーはメリッシュには何か足りないものがある、それはリーダーシップだという。 失恋の痛手をいやすために、メリッシュはサン・マルコスに入国するが、反政府グループに加わると、いとも簡単に独裁者は追放されて、ゲリラのリーダーが新たな独裁者になってしまう。だがその男も使い物にならないとなると、メリッシュに白羽の矢が立ち、サン・マルコスの大統領になってしまう。 だが経済が貧しいので、この国の唯一の輸出品であるバナナを売り込もうと、アメリカに戻るのだが、赤狩りの最中でもあり、共産主義者だということになって陰謀にあい、裁判にかけられる。自由の身になったメリッシュはようやくナンシーと結婚して、テレビ中継で新婚の床を公開する。⇒資料 上へベンは大学を優秀な成績で卒業したばかり。庭にプールのある裕福な両親は、仲間や親せきをみんな集めてパーティを開くが、ベン自身は将来のことが心配で、というよりは人生がなんなのかわからず、不安でパーティどころではない。 そこへ両親とは昔なじみのミセス・ロビンソンが、家まで送ってほしいという。世間が何もわからないベンも、彼女が部屋に入り、下着を脱いだところから、その”意図”がわかってきた。ホテルでの何度かの逢引のあと、ミセス・ロビンソンは自分の娘でベンの幼馴染であるエレーヌが大学の休みで戻ってくるけれども、決して付き合うなとベンにくぎを刺す。 だが、何も知らないベンの両親の計略でデートをしたエレーヌとベンは恋仲になってしまう。ミセス・ロビンソンは激怒し、エレーヌは真相を知ってベンを追い出す。エレーヌが忘れられないベンは、彼女の在学しているバークレーまで行き、下宿して、彼女との仲を戻したい。だが、真相を知らされたミスター・ロビンソンが怒鳴り込んできた。これでエレーヌとの結婚は絶望的となり、彼女は医学生と結婚式を挙げることになる。それを聞いたベンはいてもたってもいられず…誰でも人生に一度はあるかもしれない青春のひとこま。⇒資料 上へBoudu sauvé des eaux 素晴らしき放浪者 2014/06/22 原題は「ブードゥ、水から救われる」。浮浪者のブードゥは、犬を失い、少女からパンを恵まれて以来、人生がくだらなく思えてきてセーヌ川に飛び込む。ところがそれを見ていた慈善家の書店主、エドゥアルに救われてしまう。 自分の自殺を邪魔されていい迷惑だと思いながらも、エドゥアルとその夫人、女中の住む家に転がり込む。だが、唾は吐くわ、靴磨きの油を家じゅうになすりつけるわ、本は汚すわで、家の中がブードゥのおかげでメチャクチャになってしまう。ところが不思議なことにブードゥが持っていた10万フランの宝くじが当たってしまった。 おまけにブードゥは夫人にも、女中にも手を出して、エドゥアルも追い出すことを考え始める。しかし前からエドゥアルと女中はねんごろな仲だったから、ブードゥのおかげでそれが夫人にばれ、この家は”再編成”をやむなくされそうになる。結局、ブードゥと女中が結婚式を挙げてボートで舟下りをするのだが、水に浮かんだ花を取ろうとしたブードゥが手を伸ばした途端、ボートは転覆、下流に泳ぎ着いたブードゥは、再び自由な世界に帰ってゆく。⇒資料 上へWho's Afraid of Virginia Woolf? バージニア・ウルフなんてこわくない 2014/06/28 ある大学の学長の娘、マーサは、歴史学を教えるジョージと結婚している。父親の開いたパーティから自宅に帰ってきたばかりの二人に、新人の生物学の教師ニックが妻のハニーを連れて訪れ、二次会を開くことになる。 ジョージはマーサの父親に期待されていたのに、能無しだと分かり、今では出世コースから外れ、気力のない生活をマーサにののしられている。ニックたちがやってきてもマーサの罵りは止まらない。酒が進むにつれて、中身は過激さを増し、自分たち夫婦の一番奥底まで引っ張り出して傷つけあう。だが、マーサがジョージにキスをしてくれと頼んでも、ジョージが断るシーンが2回ほどある。その時のマーサの表情を見ると… 庭で、ジョージとニックが二人きりになると、ニックは自分の身の上話も始める。ニックは野心家でこの大学で出世街道を駆け上ってやろうと考えているようだ。しかも、アル中の妻のハニーの持参金が目当てで結婚したこともわかってくる。 再びジョージがマーサと席を同じくすると、ジョージは”いじめゲーム”を再開し、ニック夫妻の秘密までさらけ出しにかかる。ジョージとマーサは決定的な対決に至るが、マーサには子供がおらず、”想像の子供”がついさっき死んだばかりだと夫に言われると、突然取り乱した。やがて夜明けが来て、ニック夫妻は帰り、静かになった部屋で二人は窓際にたたずんでいた。⇒資料 上へ浪人の伊右衛門は、忠実な妻、お岩とともに住んでいる。お岩にはお袖という妹がいたが小さいころに親を失い、大変苦労をしてようやく得た幸福だった。だが、伊右衛門は長引く浪人生活にうんざりし、はやく貧乏暮しから抜け出したかった。 そこへ近づいてきたのがチンピラの権兵衛。金持ちの娘との縁談をそそのかし、お岩と離別することを勧める。気の弱い伊右衛門は次第にその気になり、権兵衛の計略に引っかってお岩の顔を二度とみられなくしたどころか毒殺し、前からお岩に付きまとっていた男も斬殺してしまう。(以上前篇)⇒資料 二人の死体をかたづけた後、伊右衛門は娘と結婚をするが、夜は恐ろしい夢にうなされ、昼は殺しの事実がばれないかとおびえている。姉の行方不明を知った妹のお袖は、目明しに頼んで調査をしてもらい、2人の死体も川の中で発見される。 権兵衛に金をせびられ、死体発見もあって、ついに伊右衛門は屋敷の中で刀を振り回すような精神状態となり、新妻も恐れをなして近づかない。権兵衛が上方(カミガタ)に高飛びをするために伊右衛門の家に強盗をするにおよび、妻とのもみあいのうちに家に火が付き、人間どもの欲の果てには、亡霊も及ばない悲惨な結末が訪れる。(以上後編)⇒資料 上へ大林監督の”新尾道三部作”の第1作。両親と、姉の千津子、妹の美加の4人家族だったが、千津子は木材トラックに挟まれて、突然この世を去る。母親はそのショックで精神的に不安定になり、しっかり者で優秀だった千津子に対し、残された美加は何かにつけ学校でも比較される。 だが、姉はしばしば美加の部屋で生前の姿を現し、困難にあっている妹を元気づけ、時に忠告をくれる。おかげで、親友の助けもあって、マラソン大会にも、旧友のいじめにも耐え、ついにはかつて千津子が果たした演劇の主役までやることになる。 だが、名の知れない電話で母親は精神病院に入院することになり、北海道に単身赴任した父親は、当地で愛人を作る。家庭が壊れ、自分も家で一人ぼっちで暮らすことになってしまう。それでも美加は追いつめられることなく、たくましく前を向いていき、大人に成長しようとする。そして姉の姿も見えなくなっていくのだった。⇒資料 Ryan's Daughter ライアンの娘 2014/07/30 海岸美の連なる、アイルランドの海辺の寒村に住むライアンは酒場の主。アイルランドにはイギリス兵が支配し、住民の反感は根強い。ライアンの娘、ロージーは、学校の先生チャールズにあこがれて結婚してしまう。だが、彼女の性格にベートーベンの好きな夫との生活は飽き足りず退屈してしまう。 そこへ、イギリスの将校がこの村が任地となってやってきた。将校は戦地で足をやられ、悲惨な体験は彼にトラウマを残していた。だが、ロージーはただちに一目ぼれして、二人は馬に乗って海岸で逢引をかさねる。チャールズは妻の逢引を知り、神父さんも心配してくれたが、妻に何も言わなかった。 アイルランド独立運動の闘士たちが、海岸にたどり着き、村の人々の支援を受けながら荒れ狂う海から引き揚げた武器弾薬をトラックに積み込むが、何者かが連絡したためにイギリス兵に捕まってしまう。ロージーのことは村中にうわさが広がり、密告したのも彼女だとされてしまう。実はライアンが二重スパイだったのだが。 ロージーは激高した村人たちのリンチを受け、髪の毛を切られる。将校も海岸で爆弾自殺をとげる。ロージーはもはやこの村にいることはできず、チャールズに連れられ、首都のダブリンに向かうバスに乗って去ってゆく。バス停で、「私は君たち夫婦が別れたほうがいいと思っていた。でも今ではその考えに”疑い”を持っている。この”疑い”を君たちへの贈り物としよう」といった神父さんの言葉がいい。⇒資料 上へThe Man Who Knew Too Much 知りすぎていた男 1994/04 (再)2014/08/07 モロッコのマラケシを訪れた子供連れのアメリカ人夫婦は、夫ベンジャミンは外科医で妻ジョーは有名な歌手。彼らはバスの中で、奇妙なフランス人ベルナールと出会う。翌日、市場でこの男が追い回され、ナイフで背中を刺されて、夫婦の目の前で絶命する。その時に「・・・チャペル」と暗殺の予告を口にする。 どうやらベルナールは諜報部員だったらしいが、見知らぬ電話が夫婦にかかってきて息子が誘拐されてしまう。夫婦はイギリスに飛び、ロンドン警察の勧めも断って自分たちで捜索に乗り出す。「・・・チャペル」は人名ではなく、教会堂の名前で、そこには某国の暗殺要員が、イギリスの首相を、アルバートホールでの演奏会で、ティンパニーの音と同時に射殺する手はずになっていた。 夫婦は、教会堂に乗り込み、さらにアルバートホールでのティンパニーを打つ瞬間、ジョーが叫び声をあげたために暗殺者の狙いは狂い、首相は腕にかすり傷を負っただけで済んだ。某国の大使館での宴会に駆けつけたジョーは、大声で「ケ・セラ・セラ」を歌い、それが閉じ込められている坊やの耳に届く…⇒資料 上へ叔父、叔母と暮らす孝子は瀬戸内海にある小島の学校で教師をしていた。夏休み、久しぶりに広島に帰ることを思いつく。広島市には、原爆で死んだ父母が眠り、その墓参に行くのだが、ほかにも会いたい人がいた。 幼稚園の教諭をしていた時の同僚に泊めてもらう。彼女は結婚して助産婦をしていたが、原爆症のため子供を産むことができない。道端で、かつて自分の家で仕事をしていた爺さんに出会い、その小屋に案内される。爺さんは原爆症のため目が見えず仕事がないので乞食をしている。生き残ったただ一人の孫だけが生きがいだった。 当時の幼稚園児はみな死んだが、3人だけ生き残っていた。一人の家を訪問すると、その子の父親が原爆症が悪化して死んだところだった。二人目の女の子は教会に引き取られて寝ていたが、原爆症の悪化に伴い自分が死ぬことをよくわかっていた。三人目は原爆で倒壊した家につぶされ足を悪くした姉が今晩嫁入りをするところだった。 孝子は爺さんの孫を孤児院から引き取り、島に連れて帰ることを提案する。はじめ爺さんは抵抗したが、よく考えた末、孫を孝子に預ける決心をする。だが、やけ酒を飲んで酔っ払ったはずみにろうそくが倒れて小屋は全焼し、爺さんは死んでしまう。 孝子は広島市でこうして孫を引き取ることになり、島へ向かう連絡船に乗り込むのだった。ふと見上げると飛行機の爆音がした。…⇒資料 長野市の善光寺にある中学校に、斉藤一夫が転校してくる。クラスでの紹介の際に、斉藤一美が立ち上がって自分たちは幼馴染だったと告げる。一夫の母親は夫と離婚後、尾道から引っ越してきたのだが、かつてはこの町に住んでいたのだ。 一美は蕎麦屋の娘だ。一夫と連れ立って近所にある蕎麦に使う水を汲む泉に行ったとき、2人とも足を滑らし水中に落ちてしまう。やっとのことで二人ともずぶぬれで這い上がると、2人の体が入れ替わっていた。 その日から、2人はそれぞれの家族を離れて、新しい生活を始めなけれなならず、数多くの苦難を味わう。ようやく生活になじみ始めたころ、(一夫の入っている)一美の体に異変が生じ、医者から数か月の命だと宣言される。 一夫の恋人あけみ、一美の恋人、ひろしが手伝って病院を抜け出し、2人は山の中に入っていく。途中旅回りの一座に拾われ、一夜を過ごした後、再び泉にやってきて水に入ると、もとの体に収まることができた。しかし一美の体はこの世を去り、一夫は尾道に戻って新しい生活を目指す。(2007年長野ロケ版)…⇒資料 上へ中年女ジェニーは、パリのど真ん中に「いちばん楽しい店、ジェニーの家」を経営し、大人気のホステスとして客の人気を集めていた。その優れた経営手腕を示しながら唯一の弱点といえば、年下のヒモ、ルシアンを溺愛していることだった。これには店のの幹部たちも困り果てていた。 そこへロンドンでピアノ演奏家をしていた21歳の娘、ダニエルが6年ぶりに里帰りする。母親の多忙な生活を見て、ダニエルも「ジェニーの家」に行ってみる。そこで色狂いの老人のナンパから救ってくれたのがルシアンだった。 二人はすぐに恋に落ちてしまい、ルシアンはこれまでのヒモの生活を恥じ、ダニエルと新生活を始めようとする。かつての仲間とのいざこざから怪我をしたルシアンは病院に入院し、それを聞きつけて駆けつけたジェニーは、すべてを知るが、「来る人あり、去る人あり」、そして「最悪の時期には底でじっとしているのがいいい」という人生の教訓をかみしめて、おもい直して仕事に向かう。⇒資料 上へ雄太はボケタなどといわれるのんびりタイプの小学生。夏休みが始まって、両親から、尾道にいるおじいちゃんのところへ行くように勧められる。おじいちゃんは人の家の仏壇にあがりこんで白玉を食べてしまったり、どこかの葬式でラジオ体操を始めるなどの奇行が伝えられていた。どうやらボケが始まっているらしい。 尾道に行ってみると、おばあちゃんは心配していたような奇行ではなく、何か不思議な力を持っているようだった。尾道から海峡をへだてて対岸にある向島(ムカイジマ)にドジョウやメダカを見せに連れて行ってやるという。雄太が半信半疑でいると、目をつぶっていろといわれ「マキマキ…」という呪文を唱えると、空中を飛んで島の中に着陸していた。 どうやらそこはおじいちゃんの少年時代を過ごしていた場所らしい。蛸と戦い海の中で行方不明になった、昔の遊び仲間が出てきたり、お堂の前で昔の少年たちがラジオ体操をしていたりした。ある日おばあちゃんに連れられて向島に海水浴に行くと、ミカリという寺の娘と知り合い、美しい玉虫や寺のお堂で小指のとれた弥勒さま、肺病で閉じ込められていた玉ちゃんという美少女のいた部屋に案内される。 次の日におじいちゃんとそこへ行き、70年前の少年時代に弥勒さまの小指をとったとされたのが実は悪友の仕業で、玉ちゃんと最後の別れをしたことなど少年時代の思い出が次々と明らかになる。偶然、雄太は過去の時間の中で小指を拾い、それをおじいちゃんに届ける。小指は無事お寺に戻され、安心したおじいちゃんは人生を懐かしみつつ、この世を去るのだった。⇒資料 上へThis Property is Condemned 雨のニューオリンズ 2014/09/05 原題は「この所有地は没収と定まった」で、過疎で廃屋となった建物に不動産屋が掲げた看板である。不景気のためにすたれていく鉄道駅の周辺の町から抜け出そうとする人々のあがきが背景になっている。 ミシシッピ州のある鉄道駅の宿屋に、一人の若い男オーウェンが泊まりに来た。宿屋は夫に逃げられた女将ヘイゼル・スターと、その長女アルヴァ、まだ子供の次女ウィリーが暮らしていた。たまたまその夜は、女将の誕生日で、大勢の人が集まっていたが、なんといっても注目の的はアルヴァの美貌だったが、彼女はオーウェンを一目見て魅かれてしまった。 女将は不景気の中、何とかこの街を出て一旗あげたいと思っていたが、アルヴァを年寄りで金持ちの男といっしょにして、どこかの大都市に逃げることを狙っていた。オーウェンは鉄道会社の人事担当者だった。この街には鉄道労働者をリストラするためにやってきたのだ。アルヴァは情熱的だが自己中心的な女で、自分の目的を遂げるためには手段を選ばず、しかも空想癖に取りつかれていた。 しかしアルヴァとオーウェンは恋に落ち、オーウェンはアルヴァのためにニューオリンズ行の切符を買ってやる。アルヴァと自分と金持ちの老人とを二股かけたと勘違いしたオーウェンは一人去るが、アルヴァはほかの男と結婚するといって、いっしょに寝て金を盗み、オーウェンの後を追ってニューオリンズにやってくる。だが、後から来た女将によって、すべてが暴露されたあとは…⇒資料 上へA Good Year プロバンスの贈り物 2014/12/16 ロンドンの腕利きのトレーダー、マックスはフランス南部プロバンス地方でブドウ園を営むヘンリーおじさんの死去を知らされ、急きょ相続のため現地に赴く。毎日がエキサイティングであるマックスにとって、ブドウ園などは何の興味もなく、すぐに売却をする気でいた。 ところが、現地に着いたところで、出発間際の乱暴な売り買いのために1週間の停職を命じられてしまい、しばらく滞在することになる。その美しい風景、幼年時代のの伯父さんとの思い出、そして危うく挽きかけた地元の女性、ファニーとの恋と、つぎつぎにマックスの身の回りに起こることは彼の人生を見直すきっかけとなった。 そこへ、ヘンリーおじさんの隠し子だと名乗る若いアメリカ女、クリスティーがあらわれる。彼女はカルフォルニアで育ち、ワインの造詣が深い。だが、彼女は相続を主張するそぶりも見せず、再び姿を隠してしまう。 だが、マックスはうまく伯父の筆体に似せて、クリスティへの相続書類を作った。再びロンドンに戻ったマックスは上司の共同経営者になれという提案を蹴って、ふたたびプロバンスに戻ってくる。そこにはファニーが待っていた。⇒資料 上へぼくは小学生。お父さんは大きな化学工場の社長で、毎日乗用車で学校に送ってもらっている。お母さんとお父さんは機械化住宅に夢中で、家を新築すると、自動で開閉する窓やドア、完全自動化されたキッチン、モダンな庭の真ん中には客が来ると青い水を吹き出す魚の噴水がある。 お母さんには兄がいて、つまり僕の伯父さんなのだが、これが全く正反対の生活をしている。ぼろアパートの頂上にある部屋に住み、窓ガラスの太陽光の反射を利用して、向かい側の鳥かごの小鳥に光を当てて鳴かせたりする。いつもパイプを口にくわえている。 でも仕事はまったくだめで、お父さんの化学工場に就職させてもらったのだが、失敗続き。お隣の独身婦人と合わせようと庭でのパーティが開かれたたが、これも散々な結果に。腹を立てたお父さんはついに伯父さんを地方へ転勤させてしまった。 悪ガキが暴れ回り、子供相手の露店のお菓子売りがいたり、いたるところで犬が自由に駆け回り、馬車がまだあったり、お隣さんと”ちょっと一杯”などと、フランスが”現代化”する前の、のどかな世界が舞台。⇒資料 H O M E > 体験編 > 映画の世界 > コメント集(44) © 西田茂博 NISHIDA shigehiro |