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マレーシアとシンガポール
戦後ほぼ同じ時期にイギリスから独立したこの二つの国は、一方が普通の国土を持ち、もう一方は典型的な都市国家として、人種構成はかなり似ていながら、違った方向へ進み、現在に至っている。
マレーシアは隣のタイやインドネシアと同じく、普通の開発途上国と言っていい。民主的なシステムの上に社会を築き上げようとしているが、腐敗や非能率が足かせとなって、なかなか思うような国づくりが進まない。
マレーシアでは、かつてマハティール首相という強力な政治家が手腕をふるっていて、シンガポールに追いつき追い越せという勢いで進んできたが、長期政権のもたらす腐敗や非能率化が表面に出て、しかもなりふり構わぬ経済成長政策のために自然が大きく破壊され、例えばアブラヤシのプランテーションが至る所にできてしまった。
一方、シンガポールではそのもともと小さい島という制限を逆手に取って一大商業センターを作り上げることに成功した。国家というものは大国ではなく、また資源や軍事力に依存するのではなく、身軽に立ち回れる都市国家の形式が最も向いていることを示す教科書的な例となった。
振り返るとフェニキア人、ベネチア人、そして今の香港人などいずれも同じ流れを見出すことができる。統治地域が都市面積だけだということは、独裁政権の誕生を困難にする。また市民の教育も行き届くようになる。貿易や通商が主体なので、国際関係に敏感な人々が育ってくる。
大きな国では、「都会人」と「田舎者」との大きな隔たりがしばしば国全体の統一を難しくしてきた。独裁者は田舎者の無知をいいことに、彼らに利益を与えて自分の政権を保たせようとする。国内にこうして分断が生じやすいが、それを防ぐために、中央集権的な体制を一層、締め付けの強いものに変えていかなければならない。
シンガポールの現体制は必ずしも民主的、温情的であるとは言いかねるが、規模が小さい分だけ変革が容易であり、現在権力を担当している者たちがその座を譲るときが来れば、新しい体制が生まれることが予測される。
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バスによる国境越え
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シンガポール植物園
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市内 散策
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植物園の大半を歩き回り、3時間近く過ごした。例の乗り放題パスを使って、今度はシンガポールの銀座であるオーチャードロード近辺を散策する。不思議なことにシンガポールの高層ビルは、クアラルンプール程ではない。何かもっと落ち着いた雰囲気だ。
超高層ビルはほとんどないし、ツインタワーのような派手なビルも少ない。これは地震が起こりやすいというような地質に関係するからだろうか?地下鉄Orchard駅に下車すると、地下道が張り巡らされ、ショッピングが楽しみの人には天国のように見える。賑わいだけはクアラルンプールに負けない。
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次なる駅はEast West Line のRaffles Place駅。金融と高級ショッピング街で有名だが、すぐ前がお台場のような海浜公園になっていて、散歩にも、リバークルーズにも人々はやって来る。水辺に沿って居酒屋がずらっと並び、たまたま午後3時近くであったので、どこの店でも
HAPPY HOUR と称してビールを激安で飲ませてくれる。しかしここで酔いつぶれては今晩の飛行機に間に合わなくなるかもしれないから、ぐっと我慢する。 |
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橋を渡って対岸には、このイギリス人植民者 Thomas Raffles の彫像が高層ビルを背景に映える。
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さらに北に歩くと、巨大モール、市役所があり、その先に5つ星ホテルRaffles Hotel がある。まわりの高層ビルに囲まれて、高さは3階どまりであるものの、コロニアル風建築と、かつてのバンガローの雰囲気を強く残している。このあと、East
West Line の City Hall 駅から乗車。
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今度は North South Line の終点である Marina South Pier駅で下車。シンガポール港の一部が見える。そしてここには大小の島々に行くフェリーの乗り場でもあるのだ。 |
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さらに Downtown Line で Little India 駅下車。降りてすぐには、ただまわりが高層ビルだとしかわからなかったが、しばらく行くと見えてきた。中華街の向こうを張ってきらびやかなインド式装飾に包まれた門が見えてきたのだ。
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インド式食堂の入っている市場に入り込む。カメラを向けると右端のおじさんが警戒の目を見せる。とたんにヒンディーの世界だ。生臭い肉の漂う中、インド料理に舌鼓をうつ大勢のインド系の人々が食事をしている。奥の肉屋では羊の肩をぶつ切りにしたものを売っており、金のない若者がたんぱく質の補給のため沢山買い求めている。 |
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そろそろ6時だ。宿泊したホテルに預けてあった荷物を取りにChinatown 駅にむかう。そしてその前に昨日お汁粉を食べた店に立ち寄り、今度は今日一日の暑気払いをするため、マンゴーを垂らし、タピオカらしきものをまぶした氷デザートをいただく。日本の氷よりずっときめが細かく、クリーミーなのだ。店のおばさんに、「あんた昨日ここでお汁粉食べたでしょ、覚えているよ」と言われた。
荷物を宿で受け取って、再びDowntown Line にのり、Changi 空港をめざす。午後8時45分の出発には十分間に合う。
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記 録
<旅行期間> 2019年11月21日より11月28日まで
11月21日(木曜) 成田空港よりベトナム航空 VN301便にて 0930発 Tan Son Nhat 空港 1415着1520発 Kuala
Lumpur 空港 1830着 Amigo Hotel にて宿泊
11月22日(金曜) クアラルンプール市内移動 Amigo Hotel にて宿泊
11月23日(土曜) クアラルンプールTBS駅発 バスにて マラッカ往復日帰り Amigo Hotel にて宿泊
11月24日(日曜) クアラルンプールKL Sentral駅発 鉄道にて イポー往復日帰り 帰りはバス TBS着 Amigo Hotel にて宿泊
11月25日(月曜) クアラルンプール市内移動 Amigo Hotel にて宿泊
11月26日(火曜) クアラルンプールTBS発 バスにて シンガポール着 The Inn at Temple Street にて宿泊
11月27日(水曜) Changi 空港より VN656便にて 2045発 Tan Son Nhat 空港 2155着 空港内泊
11月28日(木曜) Tan Son Nhat 空港 0610発 成田空港 1345着
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