その1(2021年10月)

高取山のサル石 4535

新宮八木特急バス→吉野山五條新町・葛城古道壷阪寺・高取山芸術の森・室生寺

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外部リンク元明天皇が710年、外部リンク平城京を造営して以来、奈良の町は、都市計画、荒廃、神社仏閣の成立と衰退、近代都市への変身、と目まぐるしく変わってきた。1000年以上にわたるこの変化の集積が現在の奈良である。その痕跡は、街角に、路地に、人の訪れないひっそりした山間部に発見することができる。

それらを目撃したければ、歩くしかない。時速4,5キロのスピードなら、周囲のものをあまり見逃すこともなく捕まえることができよう。しかも、巨大な京都の町と比べ、奈良はずっとこじんまりしている。今回(2021年10月7日~10日)の歩きは2020年に次ぐ、第2回目のものである。

新宮八木特急バス 2021/10/06

5日の午前、フェリーで名古屋港に到着後、名鉄バスセンターから高速バスに乗り、その日の夕方新宮に到着し、一泊。翌日6日の9時59分発の「外部リンク新宮八木特急バス」に乗り込む。これは日本で最も長い路線バスなのだ。出発から到着まで6時間余りを要する。17時過ぎ、近鉄八木駅に到着後、今度は近鉄線を乗り継いで、近鉄新王寺駅に至り、そこのホテルに5泊した。

(名鉄バスセンター)新宮駅大和八木駅(新王寺駅)

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名鉄バスセンターから新宮駅までは三重交通の高速バスを利用する。高速道路のインターに沿って、途中5つほどの停留所があるが、熊野市に入って高速道路が途切れると、国道42号を含む一般道路を走るので夕方の渋滞に悩まされた。今振り返ると、紀勢本線の普通電車で行っても十分に間に合う。
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 久しぶりの新宮駅。7月にもきたし、以前自転車旅行で通過もした。右にそびえるのは巨大なソテツ。
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自転車旅行の時も撮影した「徐福公園」の内部。中央が大門。大昔にここを訪れた中国人を記念して作った公園である。新宮の町は、地方にあってもあまりさびれた感じがしない。そして古来から、熊野川に沿って大和地方との交流が盛んであった。
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これが有名な奈良交通の「新宮八木特急バス」である。いかにも路線バス然としている。これから6時間を超える長旅になるのだが、私のように全線を乗車する客はほかに二人いた。あとは普通に地元の人が乗り降りしている。コロナがなければ、多分もっと大勢のもの好きがこのバスに乗っていたことだろう。
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バスは新宮を出て、市街地を過ぎると、熊野川に沿って走る国道168号線がメインルートになる。ただし、しょっちゅう新道を外れて旧道に入り込み、再び新道に戻るルートが続くのだ。しかも行くところまで行って、専用の転回場でUターンをしばしばおこなった。
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バスは熊野川をさかのぼり、両側の山は険しさを増す。中には滝が流れていたり、この写真のように深くえぐれた谷ができていたりする。
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「湯の峰温泉」の前を通過。
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田んぼの中にぽつんと立っているように見える大鳥居はなんだろう。だんだん大和地方らしくなってきた。
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和歌山県である新宮市から、まもなく日本で5番目に面積の大きい十津川村に入り、こちらは奈良県である。分水嶺は天辻峠であるが、ずっと先だ。「十津川温泉」にはいり、バスはしばらく休憩する。バス停のすぐ横に、源泉のお湯の自動販売機があった。
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熊野川がほかの支流と合流している地点であるが、まるで海岸の入り江のように水面が滑らかだ。
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日本最長の生活用鉄線の 「谷瀬のつり橋」にやってきた。ここでは20分の休憩で、高所恐怖症になりたい乗客は向こう岸まで行って帰ってくることができる。自分が歩くと、その振動が橋全体に伝わるのである。実際、足がすくんでしまって動けなくなった人を何人も見かけた。「きけんですから一度に20人以上は渡れません」という幟(ノボリ)がかかっているのが見える。
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天辻峠を越えると、いかにも大和らしい光景が目に入り、まほろばの土地に来た気がする。なんとバスは丘の上にある高校のスクールバスの役目も果たしているのだ。いきなり学生たちがどやどやと入ってきて、再び山を下りるとどやどやと降りて行った。万一、このバスが2時間ぐらい遅れたりしたら、彼らは学校に足止めになるのだろうか?大和八木駅に到着すると、運転手から記念品として、路線図と、写真の吉野杉でできた栞になる記念乗車証をもらった。

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