元明天皇が710年、平城京を造営して以来、奈良の町は、都市計画、荒廃、神社仏閣の成立と衰退、近代都市への変身、と目まぐるしく変わってきた。1000年以上にわたるこの変化の集積が現在の奈良である。その痕跡は、街角に、路地に、人の訪れないひっそりした山間部に発見することができる。
それらを目撃したければ、歩くしかない。時速4,5キロのスピードなら、周囲のものをあまり見逃すこともなく捕まえることができよう。しかも、巨大な京都の町と比べ、奈良はずっとこじんまりしている。今回(2020年10月26日~30日)の歩きはその最初のものである。
生駒山・奈良市街 2020/10/26-27
26日の夕方に奈良に到着したが、夜景が美しいとの話から、また天候に恵まれたこともあり、生駒山(イコマヤマ)に向かう。
翌27日は朝から正式にJR奈良駅を出発して付近の市街地の探索に出かける。(➡は公共交通機関、➡は徒歩を示す。)
(01)JR王寺駅➡近鉄生駒線➡生駒駅➡生駒ケーブル駅➡宝山寺駅
(02)JR奈良駅➡三条通➡やすらぎの道➡漢國(カンゴウ)神社➡近鉄奈良駅
(03)近鉄奈良駅➡さくら通➡東向商店街➡もちいどのセンター街➡下御門商店街➡奈良町ぐるぐる➡田中町バス停➡近鉄奈良駅
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生駒山GPS軌跡 |
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奈良市街GPS軌跡 |
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コロナ元年である2020年は、さまざまな経済刺激策が試みられているが、奈良市内のホテルにチェックインすると、さっそくこの地域共通クーポンを渡された。有効期限があり、奈良県限定と記載されている。 |
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26日、夕方4時ごろ京都駅に到着した後、JR奈良線に乗って、ホテルのある「JR王寺駅」に到着してチェックイン。もうすでにあたりは暗くなっていたが、隣接する「近鉄新王寺駅」から普通列車に乗って終点の「生駒駅」まで行く。少し歩くと「近鉄鳥居駅」に出る。これはケーブルカーの駅だ。周りはもう真っ暗。 |
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ホームには犬の顔をしたケーブルカーが待ち受けている。この時間帯にも5,6人の客がいたが、それは観光客ではなく次の駅「宝山寺駅」まで変える通勤客であった。昼間は観光客であふれていることだろう。 |
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同じホームに安置してあるのが、かつての車両。 |
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宝山寺駅に到着。ここはお寺とそれに連なる旅館、飲食店が並んでいるところ。コロナのせいと、もう午後6時を回っているせいで、人影はない。ケーブルカーはこの駅で乗り換えてさらに山上をめざす。ところがその便が今日の最終だという。そのあと降りてくるケーブルはない。帰りは徒歩で降りようと思ったが、係員が、暗いので危険だという。残念ながら、山上からの大阪平野の眺めはまたいつの日かに持ち越しだ。 |
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ケーブルカーの内部。走行路線が長いので、途中で乗り換えというのも珍しい。大正7年の創業というから歴史は古い。 |
JR奈良駅・近鉄奈良駅・奈良町・もちいどのセンター街 |
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翌27日はまずJR奈良駅に行き、そこから三条通を東進。駅前には石碑があり“平城宮大極殿跡 是より(以下不明)”と書いてある。立派な石灯籠だが、根元にペットボトルや空き缶が落ちているのはいただけない!三条通は歩道は広く、自動車道は狭く作られているので歩きやすくウィンドーショッピングしたくなる。 |
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途中にこんなお地蔵さんや古い墓石みたいなのがたくさんあるのは、京都・奈良らしいところだ。 |
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近鉄奈良駅は地下駅だが、周辺はJR駅よりもっと店が多く多様性に富んでいる。写真は三条通と東向商店街との交差点から北方向を臨んでいる。 |
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「もちいどのセンター街」にはいると、「保護どうぶつ園 Animal Shelter」という珍しい施設があった。危機に瀕している野生動物を預かっているのか。 |
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「模型教材店ミヤサ」。この昔懐かしい看板といい、もし営業を続けているとすれば驚異だ。 |
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興福寺の南側にある「福智院」にやってきた。ここから奈良町に入っていく。とはいってもここは迷路のようなものだから、まっすぐ進むことはあり得ない。 |
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お地蔵さんが一堂に会している。奈良町はいろんな特徴を持っており、でたらめに歩き回ることで様々な魅力に出会うことができる場所だ。 |
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「奈良町資料館」。無料で生活道具を見ることができる。ここに来ると観光客が急増する。中年すぎの女性が多い。 |
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街角の「庚申さん」。老婆がお祈りしている。庚申さんは世の中のいやなこと、辛いことをみんな引き受けてくれる。 |
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「徳融寺」の中庭を歩く。 戦前の豪傑、「吉村長慶」が横になっているキリストと釈迦に向かって、「あなた方が寝ている時ではない。早く起き上がってこの世の乱れを救ってください」と頼み込んでいるところ。 |
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奈良町の「格子の家」は、そのシンプルなデザインに富んだインテリアで、大変魅力的なところだ。このあと観光案内所「鹿の船」の前にあるバス停「田中町」から、外回りの循環バスで近鉄奈良駅に戻る。 |
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