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(2013年3月)

函館の衛星写真と軌跡

ベイエリア元町函館山→五稜郭

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五稜郭

五稜郭が作られたのは、北海道開拓の前進基地を防衛するために、ヨーロッパ式の城壁による”砦”をおこうとしたからであるが、残念ながら完成したころには、戦争方法が進歩し、実践的にはあまり役に立たない構造物になってしまった。

むしろ、ここは旧幕府軍と新政府軍との戦いによって有名になり、その星形の特徴のため、それをよく見てもらうためにタワーが作られたのだった。観光客はみなタワーに上ってその五角の美しさに感嘆するが、特に冬など寒いから、わざわざ公園内を散歩しようとするものは少ない。

五稜郭は、ビジネス街、レストラン街の真ん中にあり、 美術館などの施設にも囲まれており、むしろそちらの方面に出向く観光客も多い。五稜郭の周遊道路は、皇居のお濠を取り囲む道と同じく、マラソンや散歩の愛好者のコースになっている。

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函館駅前の停留所で電車を待つ。みんなカメラを市電に向ける。この季節でも観光客が多い。この日は晴れたり、吹雪になったり実に不安定な天気だった。
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市電の停留所「五稜郭公園」で降り、10分ほど歩くと、目の前に「外部リンク五稜郭タワー」がそびえている。この通り上部は頭でっかちになっており、展望室がせり出しているので、ちょっと怖い。床には強化ガラスでできた”穴”もある。それでも函館山に次いで眺めがよい。
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タワーからは五稜郭が一望にできる。なるほど5つの角を持った星形をしている。観光客は下を歩き回らなくとも、これでこの砦の全体像がつかめてしまうわけだ。3月の末、この時期でもお濠は全面結氷して、石ころを投げても上を滑ってゆくほどの厚さだ。
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これに対し南側に回ると、雲に隠れてはいるが函館山が見え、その間に市街地が見える。だがタワーの高さ(98メートル)がさほどでないので、函館山山頂(334メートル)からのような圧倒的な眺めは期待できない。
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やさしそうな土方歳三の座像が展望台にある。西波止場の「赤い靴」と同じ作者だ(小寺真知子)。地上1階のアトリウムには土方の立像があった。彼女の作品は北海道、そして函館市の各地にあるそうだが、それらを求めて移動するのも旅の形態の一つとして面白いのではないか。
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この寒さでは、わざわざ(五稜郭公園)に出向いてくる観光客はわずかだった。完全にお濠が結氷しているのがわかる。時折、雪がふぶく。
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タワーの南側には道路を隔てて、「道立美術館」と、この円筒形をした「芸術ホール」、そしてその中に「外部リンク北洋資料館」がある。
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「北洋資料館」は「日魯漁業」の会社の発展を中心に、函館と北洋における漁業の歴史を展示している。上の写真は船の操舵室であるが、この部屋に入ると、ドアが閉められいきなり部屋全体が(まるでオホーツク海の波にもまれているように)揺れ始める。立っていられない。こりゃ大変な揺れだと思ったら、係員が「いや、これはとても平穏な時の揺れですよ」とおっしゃった。
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このクマちゃんは何を抱えようとしているのか?市電「五稜郭公園」から「五稜郭タワー」へ向かう道で。歴史的人物だけでなく、函館のパブリック・アートはなかなか面白いのがある。
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「函館どつく」へ向かう市電の通り沿いにある「外部リンク北方歴史資料館」。
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高田屋嘉兵衛(タカタヤカヘイ)は、江戸時代後期の淡路島の商人であったが、北前航路を利用して函館に至り、巨万の富を築いたが、ロシアとの貿易にも興味を示し、「北海を翔けた男」ともよばれる。司馬遼太郎の「菜の花の沖」に詳しい。
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ロシアの軍人ゴローニンは日ロ間の争いに巻き込まれ、人質としてとらえられるが、同じくロシア側に捕らえられた高田屋の勇気ある尽力により、釈放され、日露関係の向上に大きく貢献した。(ゴローニン事件) 
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市電の東端にある終点は「湯の川」といい、そこからさらに東に3キロほど行くと「トラピスチヌ修道院」がある。男性のための「トラピスト修道院」がずっと西のほうにあるのに対し、こちらは女性用で、そこへ通じる道路は「トラピスチヌ通り」と命名されているほどだ。 
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なぜこんなに観光客がここに詰めかけるのか? その建物がヨーロッパ風の美しいデザインだからか?そこで売っているバタークッキーがおいしいからか?本部がフランスにあって、世界各国に数多くの修道院を持ち、厳しい規律のもとに毎日の生活を送っていることにも、関心があるのだろうか?
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ハンバーガーはマクドナルドだけではないのだ。函館に本拠地を持つ「外部リンクラッキーピエロ」は、アイスクリームも実にうまい(厳寒の中、2回食べた)。 トラビスチヌ通りにもあった。
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再び湯の川」に戻ると、その周辺は「湯の川温泉」。林立するホテルもいいが、この「大盛湯」のような銭湯もなかなかよい。もう一方の市電路線端にあった「谷地頭」とは異なり、透明なお湯だ。しかし温度は高く、同じく加水している。 
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 温泉にも入り、夜も更けてきた。9時近くになると、車の流れも途絶え、市電の軌道が町の灯に反射して伸びている。
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 行きはフェリーだったので、帰りは青函トンネルで。「特急白鳥」は2015年の北海道新幹線の開通後は姿を消す。しばらく江差線をゆっくり走った後で、木古内から新線にはいり、スピードを増してトンネルに入ってゆく。

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