交通事情: 公共交通といっても、鉄道は存在しないも同じだ。ケニアでもタンザニアでも、鉄道は貨物が主で、旅客を運ぶにはあまりにも本数が少ない(たとえば週2回とか)、あるいは不定期である。
たとえばネパールなどと比べて、道路の整備は両国とも格段に良くなっている。高速道路こそないが、また都市の渋滞は世界どこでも同じだが、都市間を結ぶ道路は穴ぼこは少なく、舗装の度合いは100%に近づいているのではないだろうか。それも穴のあきやすい簡易舗装ではないようだ。
このため鉄道が発達する前に、バス路線網がしっかり出来上がってしまった。中長距離バスは各都市間を頻繁に行き来しているし、相当な田舎でもダラダラ(乗合ミニバス)などといろいろ名前はあるものの、非常に(住民にとっても)安く利用できるようになっている。
ただし、車両の整備具合には感心しない。古いうえにこの国土で酷使されているから、タイヤもエンジンも悲鳴を上げている。実際私の乗ったバスも、14時間のところが30時間かかり、後部タイヤ部分の不調をはじめとして、さらにオーバーヒートを2,3回起こしている。タンザニアでは2015年現在、長距離バスは夜間走行することができない。信じられない話だが、事故が多すぎて、収拾がつかなくなったためだという。
一方、自家用車は、99%近くが中古の日本車であり、時には新車のランドクルーザーが大いばりで走っていたりする。もっとも、彼らはトヨタ、ホンダ、ニッサンの名前を知っていても、それが日本という国で生産されたということを知っている一般人は少ない。タクシーの運転手でさえ知らない人がいた。
塗装を変えることなく輸入されるのだから、「・・・幼稚園」とか「・・・大阪営業所」などと大書された車が走り回っているのを見るのは奇異な感じがする。カーナビ付きも日本語表示だから、まるで役に立たない。日本車の割合が少ないバスと異なり、自家用車のほうは燃費、耐久性ともに優位に立っている。
困るのが大型トラックだ。これらはインド製が多いが、わずかな上り坂で極端にスピードが落ち、交通渋滞が引き起こされる。これには過積載も原因らしく、重量測定装置のある検問所が多数設置されている。
旧イギリスの植民地なので、左側通行で日本人にはなじみやすいが、都市部に多数作られたラウンド・アバウトが、どうもアフリカには合わないようだ。混乱にたまりかねて、ナイロビでは信号機付きのラウンド・アバウトができている。
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