コメント集(49) H O M E > 体験編 > 映画の世界 > コメント集(49) |
u | |
今年見た映画つづき(2016年) 一番美しく The Most Beautiful 2016/11/29 太平洋戦争末期、平塚の光学機器の製造所では、ほかの工場などと同じく「非常増産運動」が展開されていた。ここではレンズを作り、磨き、ゆがみを修正する作業に男女が従事していたが、男性は10割、女性は5割の増産を割り当てられた。 ところが渡辺をリーダーとする女子たちは、”2分の1増産”が不満で、自分たちは3分の2ぐらいまでできると主張する。だが実際にやってみると大変だった。彼女らは疲労困憊し、病気で里帰りする者、布団を干そうと屋根から落ちて足を折る者、ストレスからの喧嘩の多発など、なかなか生産は上がらない。 渡辺は先頭に立ってみんなにハッパをかけていたが、母親危篤の手紙が来てもそれを隠し、みんなの士気を高めようとした。けんかの仲裁のため席を外したはずみに、大切なレンズが行方不明になった時も、徹夜を覚悟で探し回る責任感の強さを持っていた。そして母親の訃報が届いても、彼女は決して家に帰らない。➡資料 裕福な家庭に育った小夜子は、通学電車の中で、学生の真一と知り合い、恋仲になる。しかし真一の父親には会うことを拒絶され、突然自分の父親が亡くなり、弟と二人きりになってしまう。しかもその弟は病弱であった。 戦争の足音が近づき、真一は徴兵されて博多へ向かう。小夜子は弟とともに軽井沢に引っ越すが、そこで弟は倒れ、命幾ばくも無い。真一が休暇をもらって帰ってくることになった。外地へ行かなければならない真一は、その休暇の間に小夜子との結婚を強く望んでいた。そこで軽井沢に真一の父親がやってくる。 結婚をやめさせるつもりで来た父親も、小夜子の情熱と瀕死の弟を見て、結婚を了承する。二人は結婚できたが、忘れ形見の息子を残して真一は戦死する。そして今、「若奥様」と言われて真一の実家に暮らす小夜子は、真一の両親や義理の弟妹の囲まれて、この上なく幸せなのであった。➡資料 津田一家は田園調布に住み、父親の軍平は裸一貫でたたき上げ、今は建設会社の社長だ。娘二人、息子4人の子宝に恵まれているが、子供たちにも妻にもお手伝いにも、自分が一家を支えているという自信からか高圧的な態度で臨んでいる。まるで王様なのだ。 だが、これに対して長男が反旗を翻した。会社の跡継ぎをやめて叔母がもくろんでいるオルゴール会社を立ち上げたいと家を出てしまった。長女は父親が満員電車で突き破ってしまった絵のことを謝りに鵠沼に行って、出会った青年画家に恋をしてしまい、父親の強制する、借金返済目的のお見合いを断ってしまう。 形勢は一変した。次男の作曲した「破れ太鼓」の歌とともに、妻までが家を出て、軍平の会社も倒産してしまう。そこではじめて軍平は自分の非を悟り、家族なしには孤独な生活をしなければならないと知る。そこへ長男がオルゴール会社の相談役になってくれるようにと頼みにやってきた。➡資料 アラブの市場で、自分で主人を選ぶことのできる女奴隷がいた。彼女は眼のきれいな青年を指名し、自らその奴隷となる。だがその青年が彼女の作った絵を青い目の男に売ったことから、次々と悪いことが起こり、それは他の登場人物にも広がっていく。 アジザとその従妹アジズとの悲しい恋の物語。悪魔を怒らせたために、チンバンジーに変えられてしまった男が再び巫女によって人間に戻るが、その巫女は焼け死んでしまった。青年が海に出るが、「銅の騎士」の建つ岩山に船は激突する。泳ぎ着いた青年は騎士を倒すのだが、同時にいけにえにされた子供を刺殺しなければならなかった。 あの女奴隷は、青年とはぐれてしまった後、男装してある城の王になっていた。はぐれた青年は思いやみがたく各地を探し回った挙句、この城にたどり着き、ようやく彼女と再会することができた。➡資料 To Rome with Love ローマでアモーレ 2016/12/08 イタリア青年はアメリカ人の娘がローマ見物の時に知り合って婚約し、古郷から娘の両親が訪ねてくる。娘の父親は引退したオペラの演出家だったが、青年の父親がシャワーを浴びているときだけ美声でオペラを歌うのを聞いて世間に出そうと尽力するが… ある平凡なローマに住む事務員が、ある朝突然記者たちに取り囲まれて有名人になる。その後の生活は一変し、妻も子供たちもそっちのけで撮影会やらファッションショーやらで朝から晩まで引き回される。有名人の生活は凡人とはかくも違うものか… 親戚への紹介のために田舎からローマにやってきた若夫婦。妻が道に迷って有名な憧れの男優に出会ってホテルに連れ込まれる。夫のほうは突然娼婦が部屋に入り込んできて、親戚たちはそれが妻だと紹介されてあっけにとられてしまう… 建築家志望の青年が妻のアメリカ人の友達を自宅に泊めるが、彼女の不思議な魅力に取りつかれてしまう。その小娘の巧みな言動を年配の建築家が陰から解説してくれるのだが、青年は次第に彼女を本当に恋するようになってしまう。そこへ彼女へ映画出演の電話がかかってきた… これら4組の物語が入れ違いに永遠の都で進行していく。➡資料 延元の乱(1336年)のころ、戦に明け暮れる村で、二人の女がススキ原の中で二人の侍を始末していた。刀や鎧をはいで、それを商人に売りつけ、死体は深い穴に放り込んでおく。 女は嫁とともに息子の帰りを待っていたが、殺されたらしく村にはハチという男が戻ってきただけだった。ハチは嫁を誘い、夜な夜な彼女はハチの家に出かけていくが、女はそれが気に食わない。 ある夜、鬼の仮面をつけた侍が女の家を訪れて道案内を乞うが、女は穴に導いてその侍を落とし込み、死体から金目の物を奪い取る。そして鬼の仮面をはぐと、その下にはぞっとする顔があった。 その直後から嫁はあいびきに行く途中で鬼の仮面をつけた男を三度も目撃する。だが、それは落ちのびてきた侍だった。一方、女は嫁を戒めようと、鬼の仮面をつけるが、そのとたんに顔からはがれなくなる。無理にその仮面を割ると…➡資料 Bullets over Broadway ブロードウェイと弾丸 2016/12/19 ニューヨークで舞台の脚本・演出を手掛けるデヴィッドは、売れそうものない作品を上演したがっているが、金がない。そこにギャングのボスが自分の女、オリーブを役につけるならスポンサーになってもいいという。ただし用心棒のチークの監視付きで。 稽古が始まり、ベテラン女優のヘレンとデヴィッドの恋、オリーブと男優との恋が絡むが、台本は理屈っぽくて役者たちにも不評である。ところがチークがいろいろ口を出すうち、この男にドラマ作りの才能があることにデヴィッドが気付く。 デヴィッドはチークの発想を得て、すごい芝居ができてしまった。リハーサルは大成功。だが、大根役者オリーブが邪魔になったチークは彼女を消し、代役をつけた。ブロードウェイでは素晴らしい評判に。しかしチークはボスに消される。そして、デヴィッドは自分の才能のなさにしっかり気づいたのだった…➡資料 登場人物はたった3人。夫と妻、そして夫の愛人。妻は決して別れないという。困り果てた夫は、それでも愛人とのあいびきを重ねる。嫉妬に狂った妻はその心の中が、歌舞伎形式であらわされる。 わら人形を作り、そこに何度もくぎを打ち付ける。妻は頭に”金輪”をはめられているのだ。そして恋人たちのいる寝室に絶え間なく書ける無言電話。恋人たちは絶えずかかってくる電話に、アパートにいたたまれなくなり、湖のほとりのホテルに泊まる。 だが、ホテルの部屋にも電話がかかってくる。ホテルは建物全体が呪われており、電話は隣の部屋からかかってくるらしいが、そのかけている本人を突き止めることができない。だが、妻のほうも疲れ果て、もう時を待つしかないのか…➡資料 All about Eve イヴの総て 2016/12/31 大女優マゴットの公演を微細にみている娘、イヴがいた。イヴは熱心なファンで、マゴットやその親友カレンを感心させ、貧しい生まれや戦争によって夫を失ったこと、そしてマゴットの演技を勉強しようという熱心な態度に、ついにマゴットの臨時代役となる。 だが、マゴットは寄る年波で往年の魅力が衰えつつあるところで、イヴの出現に次第に脅威を覚えるようになる。それどころか恋人さえとられるのではないかと不安を抱き、周りに当たり散らす。 だが、演出家のオーディションを受け、その才能が認められ、マゴットの代役を見事に果たしたので、イヴは新人の誕生だと批評家から賞賛を受け、マゴットも自分の次作の若い役を彼女に譲ることになる。 だが、マネージャーは彼女の男遍歴や過去がでたらめであることを暴き、それと同時にすさまじい野心と才能を見抜いて、彼女を育てていく。そしてイヴが新人賞を批評家たちからもらった夜、ホテルの部屋に戻ると、そこにはイヴを踏み台にするかもしれない若い女が忍び込んでいた…➡資料 0011ナポレオンソロ-2 :The Return of the Man from U.N.C.L.E. 2017/01/02 ナポレオン・ソロとイリア・クリアキンは15年前にアンクルを退職していた。しかし、アメリカの核弾頭がスラッシュに盗まれ、身代金を払わなければ、アメリカのどこかで爆発させると脅してきた。そして金を運ぶ役としてナポレオンを指定してきたのだ。 ナポレオンはラスベガスのカジノから、そしてイリアはニューヨークのファッション店から呼び出される。ナポレオンはリビアに向かう。そこには新しいスラッシュの秘密基地があるらしい。だが、過去の経験から、スラッシュのボスが金を受け取っただけで、約束を守らないだろう。 リビアの奥地の湖に秘密基地を見つけたナポレオンは、特殊部隊を率いて攻撃に向かう。一方イリアはシカゴの原発の地下で、核爆発をセッティングできる若者とともに、何とか爆発を止めようとするがうまくいかない。時間が迫ってきた…➡資料 お嫁においで Come Marry Me 2017/01/07 (再)2021/02/20 須山ヨット造船の社長の息子、保はエンコしていた車を押すのを手伝ってくれた若い女性、露木昌子に一目惚れしてしまう。だが彼女がウェイトレスだということで両親が反対し、しかも友達のタクシー運転手の兄、野呂高生も恋敵だった。 保の妹、葉子のおかげで二人は出会うことができ、湘南海岸にデートに出る。だが、両親の反対はついに、保の家出を引き起こし、怒った野呂との殴り合いにもなる。 一方、貧しい中で必死に生きてきた昌子は、お金が一時の幸福をもたらしてくれることを知るが、考えれば考えるほど自分がお金以外の何を求めて幸福を実現していくのか確信できない。ハッピーエンドには終わらない、松山善三の脚本らしい展開。➡資料 ピエールはパリで人を殺し、逃走し、懸賞金がかかる。バルセロナに流れてきたが、職が見つかるわけもなく、スペイン軍の外人部隊に応募した。すぐに同じフランス人たちと仲良くなったが、一人だけどうしても我慢できないフェルナンドという男がいた。 隊長に頼み込んで、フェルナンドを別の部隊に配属してもらって間もなく、モロッコへ彼の部隊が配置されることになる。最初は土木工事だったが、やがて戦闘に駆り出されることになる。そこでピエールはアイシャという地元の女と恋仲になり、結婚する。 ところが、フェルナンドが再び姿を現した。彼は警察か?それとも賞金目当て?戦いは激しさを増し、24人の決死部隊を募ることになった。生存の見込みはない。だが、その中にピエールもフェルナンドも含まれていた…➡資料 村上鉄太郎は、刺青を背中に、抗争中のやくざを殺すが、裏切りで味方に襲われたところを、弟で画家志望の健次に救われるが、二人とも警察から追われる身となり、満州に渡るため新潟県に逃亡する。 一文無しになり、兄弟はトンネル工事に雇われるが、健次は親方の奥さんに恋してしまい、鉄太郎は親方の妹に惚れられる。鉄太郎は持ち前の人望を得たところで、神戸組の陰謀に巻き込まれ、トンネル爆破の容疑で兄弟は再び追われる身となる。 親方は男らしく、神戸組の談合の申し出を断り、村上兄弟を逃がしてくれる。だが、健次は神戸組につかまって殺され、鉄太郎は一人で立ち向かい、やくざたちを皆殺しにする。➡資料 河内カルメン Carmen from Kawachi 2017/01/27 河内の田舎に生まれた露子は、初恋の人がいたのに、村の仲間に輪姦され、しかも母親がほかの男を家に呼び入れているのを見て、大阪に出ることを決心する。 ダリダリというキャバレーに勤めた露子は、気のいい中年男と同棲するが、モデルにならないかと誘われ、そのホステスの家に住み込むことになる。だが、彼女がレズであることが判明し、逃げ出していく。 偶然、初恋の人にバスの中で出会うのだが、故郷で温泉を掘り当てるのだという見果てぬ夢を見ていた。損得に頓着しない露子は男友達の助けを借りて、変態監督の前で演技をして金を稼ぐ。監督は飛行機事故で死に、彼女は監督のマンションを手に入れてしまう。 河内の故郷に戻ると、妹が母親の相手だった男(和尚)と寝ていた。温泉がわくという山奥に和尚とともに出向くと、襲ってきたのをかわして和尚は滝つぼに落ちる。露子はすべてを捨てて東京に(男)運試しに出かけることにした。➡資料 すべてが狂ってる Everything Goes Wrong 2017/02/02 戦争が終わり、古い世代には理解できない若者が増えてきた。杉田次郎は成績がよく進学ができることになったのに、自分の母親が夫が戦死した後、南原圭吾という男の妾のようになって、生活の援助を受けてきたことに我慢がならない。 次郎の周りには、行き所のない若者があふれている。同棲の果て、妊娠して金を工面するために新たに男に体を売ろうとする若い女、次郎に惚れて、離れようとしない良子。 南原が話し合おうという姿勢を見せても、次郎はかたくなに拒否し、南原をスパナで殴打する。そして盗んだ乗用車に良子を乗せて東京の町を暴走する。「日本版、俺たちに明日はない」ともいえる。彼らの悲惨な最期は三流新聞のネタになるだけだ。➡資料 安土桃山城の城主は、自分が世界で一番美しいはずなのに、息子の雨千代がさらに美しいことを怒り、殺そうとする。一方、雨千代は山の中で狸姫に出会い、恋をしてしまう。 相思相愛の仲になった二人だが、海岸で城主に襲われ、狸姫を剣で刺し瀕死の重傷を負わせる。彼女の傷を治すには極楽カエルを連れてこなければならない。その危険な仕事を引き受けた雨千代は、なんとかカエルを手に入れるが、荒れ地で死んでしまう。 雨千代の死を知った狸姫は悲嘆にくれ、自らの命を絶つ。狸一族は葬式を執り行った。でも、雨千代の母が天界から救いの手を差し伸べてくれた…➡資料 悲愁物語 A Story of Sorrow and Sadness 2017/02/11 桜庭礼子は、まだ芽の出ない女子プロゴルファーだったが、恋人が大会で優勝したら、ある紡績会社のモデルにしてもらえるという話を持ってきた。特訓の末、礼子は優勝し、専属のモデルとして一躍テレビで脚光を浴びるようになる。 弟とともに豪邸に引っ越し、近所のうらやむ生活を送り始めたが、精神のおかしい主婦が、礼子の恋人が運転している車に体当たりしてきたために、賠償金や慰謝料、そして彼女の”お友達”になるように強要される。 そして今度はアメリカのゴルフ女王との顔合わせまで企画されるが、次第に玲子の生活は狂ってゆき、モデルが通常使い捨てされる1年が回ってきたころ、すべてを見ていた弟が凶行に走る…➡資料 津軽じょんがら節 Tsugaru Folksong 2017/02/16 津軽半島の寒村に一組の男女が東京から流れてくる。哲夫はやくざを刺し、いさ子に連れられて、彼女の故郷であるこの村に隠れ住むことになった。何もすることがない哲夫は、いさ子に食べさせてもらうが、ふと知り合った盲目の少女ユキと親しくなる。 かつていさ子がいっしょに出奔した男の父親はシジミ採りの漁船を持っていたが、乗る相手がいない。暇を持て余していた哲夫は船に乗り、仕事の面白さを知る。一方、漁船で行方不明になったいさ子の父と兄の墓を作ろうとした計画は、保険会社の拒否によってつぶれてしまう。 この村に何も望みがなくなったいさ子はここから出ようとするが、仕事と恋人の見つかった哲夫は、ここが故郷のように感じられだした。だが、黒塗りの乗用車が村に来ていた…➡資料 ツィゴイネルワイゼン Zigeunerweisen 2017/02/20 サラサーテ自身が演奏する「ツィゴイネルワイゼン」のレコードには、よく聞き取れない人の声のざわめきが曲の間に挟まっている。そのことが気になることからストーリーは始まる。 青地と中砂はともに師範学校のドイツ語の教授だが、中砂は、まったくの変人で仕事を辞め放浪の旅に出ている。青地が再会したのは、中砂が誘惑したらしい女が自殺して海岸に打ち上げられたからだ。 青地には妻がおり、中砂も結婚して、切通を挟んで鎌倉に住んでいる。中砂の奇行は収まらず、時に姿を消す。中砂の妻が死ぬと、彼は旅の途中で知り合った芸者、お稲を生まれた娘の乳母代わりとして再婚する。 青地との付き合いは続くが、中砂は、山中で事故で死んでしまう。だが彼は死んだ後も、青地に付きまとい、お稲、青地の妻、青地の妻の妹らに、あらゆるところでその存在を残してやまないのだ。➡資料 仁義なき戦いー頂上作戦 Battles without Honor and Humaniy 4: Police Tactics 2017/02/25 第4作目。昭和20年から30年にかけて、広島は、暴力団抗争の中心となった。戦争から帰った若者たちが始めた暴力グループは、幹部たちによって、それぞれの縄張りに分けられ、その利害の衝突によって抗争が頻発した。 主に広島を中心とするグループと、神戸を中心とするグループに分かれたが、どちらにも属さないグループを何とか自分の味方につけようと必死であった。しかし、上層部が大きな決断を行わないまま、血気にはやる若者たちはしゃにむに暴力事件を頻発させた。 死者やけが人の増大とともに、世論に押された警察が、幹部に重点を置く一斉取り締まり(頂上作戦)を行ったが、結局は何も決着がつかない不毛な争いとなった。➡資料 Leningrad Cowboys Go America 2017/03/02 シベリアの農村で、ウラジミールがマネージャーをつとめる8人からなるバンド、レニングラード・カウボーイズは、アメリカ行きを勧められる。一人は夜間の練習中、凍り付いてしまって、棺桶ごと渡米する。 だが、ニューヨークでは、受けが悪く、メキシコの結婚式で演奏するため、大型乗用車で合衆国の田舎を通りかかった酒場での演奏をしながら、南下する。初めは人々の間の人気はいまいちだった。 途中で故郷から来た一人が加わり、現地で働いている親戚が加わり、凍死したはずの仲間が溶けて演奏に加わったので、結婚式では大成功。横暴なウラジミールは遁走してしまったが、残りのメンバーはそのままメキシコに居つくことになりそうだ。➡資料 Leningrad Cowboys Meet Moses 2017/03/04 メキシコに居ついて成功を収めたカーボーイ達だったが、魔の酒テキーラのために、何人かのメンバーを失い、低迷を続けていたさなか、再びウラジミールが現れ、自分はモーゼなのだと主張する。 メンバーを故郷に連れ戻すと宣言したモーゼはニューヨークの自由の女神の鼻を切り取ると、これをもって大西洋を仲間とともに戻る。田舎からは一旗あげたい若者が6人ほど新たに加わり、演奏旅行が続く。 フランス、ドイツ、ポーランドとバスに乗って渡り歩き、その間CIAのエージェントに鼻を取り返されそうになったが、何とか切り抜けついにロシアの国境を抜け、故郷の美しい村に戻ってきた。そしてモーゼの姿は消えていた。➡資料 マーニーは有能な事務員だが、会社の金庫の番号を巧みに覚えていて、大金を奪って逃げる。それをボルチモアに住む母親に渡すのだが、なぜか母親はマーニーに冷たい。 その次に勤めた会社で、社長の息子マークに惚れられてしまう。だが、動物行動学に詳しい彼は、彼女の異常な行動に気付き、その素性を知り、あえて結婚して新婚旅行の夜から何とかその秘密を明らかにしようとする。 マークの義理の妹リルの策略、大好きな乗馬での事故、そして雷や赤い色に怯えるマーニーは、マークに連れられて母親の住むボルチモアに向かう。そこで明らかになったのは、マーニーが幼児の時のおぞましい体験だった…➡資料 36歳なのにウブで世間知らずな娘が、仕事で来ていた南フランスの海岸で、デウィンターという初老の男に出会い、恋仲になってしまい、後先も考えずに結婚してしまう。 デウィンターは海のそばにある壮麗な館に住み、大勢の召使を抱えた大変な富豪だった。以前の妻レベッカは自分の小舟で沖に出て溺死したのだった。そしてデウィンターやまわりの人々から、レベッカの素晴らしさを見せつけられ、新妻は場違いなところに来てしまったと気づく。 だが、舞踏会で着たレベッカそっくりの衣裳を、デウィンターから𠮟られたのをきっかけに、おぞましい過去が次々と明らかになる。さらにデウィンターは妻殺しの嫌疑をかけられるが、最後にはだれも予想しなかった秘密が控えていた。➡資料 Shadow of a Doubt 疑惑の影 2017/03/17 カルフォルニアの田舎町、サンタ・ローザに住むニュートン一家五人のところに、ニューヨークから裕福な”チャーリー叔父さん”がやってくる。一家は彼の久し振りのの訪問で大歓迎。特に長女は、おじさんが大好きで自分の名前チャーリーも彼にちなんでつけられたほどだ。だが刑事たちが家にやってきて、長女は叔父さんが実は金持ちの未亡人を絞殺した犯人として疑われていることを知る。だが、ほかに真犯人が捕まったというニュースを聞き、人違いらしいと思うが、社会を憎むようなおじさんの言動は何か暗い影を落としている。 もし逮捕されれば自分の家庭がこの狭い町の中で、ずたずたになることを恐れた長女は、おじさんにこの町を早く出て行ってくれることを願う。地元の婦人会での講演を終えたおじさんは、姪が自分のあげた指輪を再びはめているのを見て、この町を去ると宣言する。そして列車に乗ったのだが…➡資料 L'auberge espagnole スパニッシュ・アパートメント 2017/03/19 経済を専攻する、パリに住む学生ザビエルはスペインで将来仕事をするため、「エラスムス留学生」になって、一年間バルセロナで勉強することになる。家賃を安く済ませるために、学生数人が同居するアパートに申し込んだところ、うまく受け入れてもらいザビエルの新生活が始まる。 仲間はヨーロッパ各国からやってきていた。暮らしてみると、次から次へと事件が起こって、生活は大混乱の真っただ中に。到着した時に世話になった精神科医の新妻と寝てしまったり、これまでの恋人と別れたり、仲間の恋や失恋やら、悩みやらに次々と巻き込まれていく。 それでも勉強したかいがあって、1年後無事パリに戻ってきた。生活は大変だったが、仲間との出会いが人生にとても大きな影響を与えた。無事試験に合格し、ザビエルは社会人となるのだが…➡資料 Flesh and Fantasy 肉体と幻想 2017/03/26 第1話 嫌われ者の醜い娘が、マリデグラ (Mardi Gras) のお祭りの夜に美女の仮面をかぶり、見知らぬ爺さんの忠告に従って、人を愛することを実践して、ある男性との恋を得る。その爺さんとは… 第2話 なんでも当たる手相占い師から、殺人をやると宣告された弁護士が、一人目、二人目の殺人に失敗した後、ロンドン橋の上で、思いもかけない相手を殺してしまう。 第3話 ロープの上から墜落する夢を見た曲芸師が、不安で芸に失敗してしまう。次の興行地ニューヨーク行きの船の上で、その夢に出てきた謎の女に出会う。曲芸師は彼女に恋をしてしまうが、港に着いた時、彼が船室で見た夢が再び実現してしまう。➡資料 Petit monde de Don Camillo 陽気なドン・カミロ 2017/03/30 イタリア北部の村で、ドン・カミロは司祭を務めているが、人一倍力持ちで、なんでも強引に推し進めることで定評があった。その年、共産党のペッポーネが村長に当選し、村の政治が一変してしまう。ドン・カミロはそれが気に食わない。 左翼と反動に分かれて対立するそれぞれの陣営で、ドン・カミロとペッポーネはことあるごとにライバル同士となる。人々の生活改善を求めて金持ちの増税や、ゼネストが起き、「人民の家」の建設と「子供たちの後援」が競合しあう。 それでも二人は次第に相手の長所を認めるようになり、協力体制は、恋人たちの心中を防ぎ、二つの施設の合同開所式となって実現した。ドン・カミロは祝賀祭の最中にまた殴り合いを演じ、上司の司教に山奥への転勤を命じられてしまうが…➡資料 Le retour de Don Camillo ドン・カミロ頑張る 2017/03/31 ドン・カミロを追い出してほっとしたのもつかの間、村では難題が増えて、ペッポーネは後悔する。堤防の建設が地主の反対で難航し、暴力沙汰まで起きてしまい、わざわざドン・カミロの新任地まで助けを求めに行く羽目になる。 司教はドン・カミロを元に戻すことに応じてくれ、ペッポーネは自分の息子が寄宿舎を逃亡したことも含めて、それまで行き詰っていた問題を次々に手助けしてもらうことになる。一方、ドン・カミロも落下した教会の鐘楼を修理してもらい、余った寄付で時計まで取り付ける。 恐れていた洪水が襲来した。堤防は決壊し、ポー川沿いは水に飲み込まれ、その夜村人は高台に、着の身着のまま避難した。だがドン・カミロは教会にとどまり、翌朝は日曜日だったので、みんなに聞こえるようにミサを執り行うのだった。➡資料 H O M E > 体験編 > 映画の世界 > コメント集(49) © 西田茂博 NISHIDA shigehiro |