(2019年6-7月)

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目次

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フランスへ

ブルターニュ地方 :サンマロ→カンペール

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アキテーヌ地方 : ボルドー

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バスク地方 : バイヨンヌ

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リヴィエラ地方 : マルセイユモナコエクサンプロヴァンス

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ジュネーブとシャモニー

パリ抜きといったものの…

記 録 総まとめ

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 リヴィエラ Riviera 地方とは: 

森進一の「冬のリヴィエラ」でもよく知られる地域はフランスの南部海岸地帯である。ただ、神奈川県における「湘南」がどこからどこまでなのかについていろいろ異論があるように、リヴィエラについてもきちんとした定義がないようだ。

最大都市マルセイユの少し西にあるトゥーロンからイタリアのラ・スペーツィアあたりまでの海岸を指すようだ。海岸沿いであり、地中海性気候の温暖な地域、それによって、夏には大勢の太陽を求める客が殺到することが特徴だ。

コートダジュールの名称は「紺碧海岸」と訳されるが、モナコ公国も含むフランス領にある海岸を示すと言っていい。ニース、カンヌ、などはとくに有名だ。内陸部にあるエクサンプロヴァンス、アルル、アヴィニョンも、その地域の太陽の明るさで同じ地域に含まれる。

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マルセイユ Marseille 

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バイヨンヌから普通列車 TER で、工業都市トゥーロンまでいき、そこからTGVのマルセイユ行きに乗り換えてサン・シャルル駅に到着したのが午後8時ごろ。普通列車が遅れ気味だったので、うまく連絡できるか心配だったが、TGVのほうも遅れていて、首尾よく乗ることができた。それまでのどかな牧羊地帯を走っていたのが、ついに地中海を目にして、リオン湾に沿い大きなカーブを描きながら、町の中に入っていくのはなかなかの見ものである。

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駅は南側が大きなテラスに囲まれている。そこを散歩するとここは少し高台にあるらしく、市のかなりの部分が見渡せる。ここはフランスの最南端だから、夜になるとすぐに暗くなる。写真は南東方向を写したもの。港の方向である。はるか向こうに、後で行くことになるノートルダム・ド・ギャルド・バジリカ聖堂のライトアップが見えている。

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駅のテラスを北西方向に移したもの。このまままっすぐ進むと宿泊予定の東横インが見えてくる。

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こちらはテラスから南東方向を写したもの。こちらは繁華街につながる。

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駅から歩いて5分ほどで東横インに到着。大学の校舎はあるが、付近にはこんな巨大なホテルはなく、まだ未開発の土地があり、人通りは少ない。それでもホテルから西へ進むと、人々の暮らす町並みがあった。しかしイスラム系の人々が大部分を占め、少数のバーを除いては酒を出すレストランはない。到着した番が遅かったため、やむなくファストフード店で、手早く夕食を済ませた。

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翌日は駅の南側に進むと、そこはアルジェリア系などの北アフリカの人々が住み着いている区画だった。中華料理店も発見。地中海を隔てて向かいから大勢やって来るのだろう。イスラム系ではあるが、中東の人々とは顔つきも料理も違う。

マルセイユで食べた最初のブイヤベースは、エビを主体にしたアルジェリア風のものになった。そこに使われている香辛料は、カレーに似ていたが、今までに試したことのないものだった。もう一皿はチキンの煮込みで、それは普段食べている味と変わらない。このレストランの親父は、今まで見たことのない人種がこの店にやってきたのでびっくりしたことだろう。しかも残さず平らげて。ここも酒なし。

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マルセイユには「旧港」がしっかり残っていて、これが観光の目玉になっている。何しろフェニキア人との貿易で栄えた時代にさかのぼる、きわめて古い時代からの遺産だからだ。

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ここの岸壁から、「モンテ・クリスト伯」で知られるイフ島行きの船が出る。この黒い船なのだが、残念ながら(日帰り)最終便に乗り遅れてしまった。それより遅い便では島に宿泊しなければならないのだ。

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観光客のための休憩所。ギラギラ照り付ける太陽を遮ってくれるだけでない。天井が鏡になっていて、見上げると我々の姿が逆さまに映っているという仕掛けだ。イフ島行きの船乗り場のそばで。

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 Rue de Republique 、つまり「共和国通り」は旧港から北西へ延びている。その入り口のところにいる。このすぐ右側に以前から楽しみにしていた「海洋博物館」があったのだが、観光案内書によると、つい最近閉館になったとのこと。実にがっかりだ。永久閉館なのか、改装のためなのか?改装だったらまた来るぞ!
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 旧港はコの字形をしていて、これからその右側(北側)を歩こうとしている。左の岸壁近くには無数の露店が並び、あらゆるものを売っている。右側の建物は、レストランが連なっている。
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 そうして歩いているうちに、出発間際のプチトランを発見。僅か8ユーロで旧港の南側の地域を回ってくれるとのこと。すぐに飛び乗る。
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 長い長いプチトランは街中を駆け抜け、沖合にさきのイフ島が見えるところまで来た。海水浴場には大勢の人がきている。
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 そして先日駅のテラスから眺めたノートルダム・ド・ギャルド・バジリカ聖堂にやってきた。かなりの高台にあり、町全体が一望できる。日本でいう「日和山」だ。
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 階段もあって、写真にあるように、マラソンの練習に使っている人もいる。
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 聖堂から下に降りて、プチトランが信号待ちをしていると、こんな店が。珍しい食べ物や飲み物を集めたのか。
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 プチトランを降りて、さらに旧港を海に向かって歩くと、港の入り口には砦がある。「サンジャン要塞」だ。
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 掘割になっている道路を隔てて向かいにも、その要塞の続きがある。
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 掘割の上には歩道橋が渡してあって、上を歩くのはちょっとしたスリル。
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 掘割の下の道路は北に延びている。
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 プチトランを降りたあたりのレストランに入る。この地域のムール貝は大きい。これで満腹するぐらいだ。
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 デザートには生クリームをたっぷり添えたものが。
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 この町にも凱旋門がある。宿泊したホテルからわずか300メートルのところだ。

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モナコ Monaco

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モナコ公国はれっきとした独立国である。マルセイユから普通列車 TER で3時間かかる。でも途中の眺めは、まさにコートダジュールを通るので苦にならない。途中ニースの駅で乗り換えである。ニース見物の予定はなかったが、乗り換え時間を利用して外に出て駅舎を撮影した。

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ついでに駅前の大通り(Avenue Thiers)に出てみた。

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ニース駅構内。ここはターミナル駅なので、列車はみんな車止めの前で止まる。

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天井がステンドグラスのように美しい。駅全体が体育館のようなものだ。

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ホーム作業専用の幅が非常に狭いトラックを発見。こんな車をどこで作っているのか?

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ニースからモナコまではすぐだ。しかし駅は地下なのである。山陽新幹線新神戸駅のように、岩山の中にくりぬいてて駅を作った。地上入り口からかなり遠いので、写真のように、動く歩道がついている。

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地下からエスカレーターを乗り継いで地上に出る。大変おしゃれなデザインの駅舎。ここは海からかなり上の岩山の上にある。これから海岸にはどんどん坂を下っていくのだ。:

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先の駅前広場から上を見上げると、もっと高い所に建物がへばりついている。海岸に面した狭い土地を有効利用するには、このように急斜面にどんどん建物を作っていくしかない。

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降りていく途中には教会もある。モンテカルロ地区に入っている。

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ついに海岸通りに出た。普通の片道1車線だが、高級車が次々とやって来る。

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この道を東へ(イタリア方向)と進む。観光客が多すぎて歩くのも大変。この道路は水際ではなく、水面より十数メートルの高い所に作られている。

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途中には病院やら、大銀行やらがあり、眺めを楽しむのに最適な公園が設置されている。 なんとなく「熱海」のような地形と街づくりになっている。
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 あの007も通った、モンテカルロのカジノ。観光客の記念撮影にとどまるところがない。このそばのラウンドアバウトは超高級車でいっぱいだ。
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 カジノの裏側。こちらは海に面していて、人の姿は少ない。
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 カジノを過ぎたあたりで、水際に降りてみようと思う。その時に活躍するのが、この「公共エレベーター」。モナコは急斜面だらけなのだ。
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 モナコの港もコの字をしている。そのため、対岸に運んでくれる渡し船サービスがある。わずか4分ほどの航海だが。モンテカルロ地区より、モナコヴィル地区に渡る。
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 港には超高級なクルーザーが並ぶ。渡し船より撮影。
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 対岸には、海洋博物館がある。建物全体が、岩山の中に埋め込まれている。
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 ここはカジノとは違い、家族連れが多い。ファミリー向け施設だ。
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 サンゴの幻想的なライトアップ。
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 昔、木製の潜水艇を使って潜ろうとしたようだが、今はその模型が子供たちの人気の的。
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 海洋博物館から、狭い路地を通って、西へ向かう。明るい色の街並みが続く。
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 モナコ大聖堂に出た。グレース妃の祭壇があるそうだが、今日は何かの催し物で、関係者しか入れない。
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 この行程の終点が、大公宮殿だ。海洋博物館も大聖堂も宮殿もいずれも海から切り立った高台にたてられており、市街地に出るためには急な下り坂を行くことになる。
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 「グレース妃の道」の看板。若い世代にはピンと来ないかもしれないが、出演した映画を見た人や、世紀の結婚、交通事故死の事を知っている世代には懐かしい限りだ。
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 「リビエラの真珠」と呼ばれるにふさわしい眺め。大公宮殿から降りる道の途中で撮影。

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エクサンプロヴァンス Aix-en-Provence

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 マルセイユからエクサンプロヴァンスへ行くには、列車ではちょっと不便だが、バスなら1時間に何本も出ているし、近郊の町に出かける気持ちで行ける。マルセイユのバスターミナルはサン・シャルル駅に併設されているので、すぐに出発できる。1時間弱でエクサンプロヴァンスのバスターミナルに到着。

まずはドゴール広場の噴水に到達。泉の町、エクサンプロヴァンスで最も規模の大きい噴水だろう。そばに珍しく公衆トイレまである。ここはラウンドアバウトにもなっているので、地下道も完備している。

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ここから東に向かって伸びるミラボー通りを進む。全長600メートルぐらいだが、その間にも2,3個の噴水がある。セザンヌやゾラもこの界隈を何度も行き来していたのだ。
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 ミラボー通りのどん詰まりを右に折れると狭い道が続き、やがて協会と美術館が隣り合わせになっているところにやってきた。この建物はグラネ美術館。セザンヌと、それに関連した画家たちの展示をしていた。こじんまりとした美術館だったが、エクスの雰囲気にはぴったりなところ。
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 隣の建物が、サン・ジャン・ド・マルト教会。散策にはぴったりの場所。
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 同じミラボー通りのどん詰まりから、今度は曲がらないでまっすぐ行くと、ジュ・ド・ボーム劇場だ。向かいの建物は演奏者や役者のレッスンに用いられているらしく、声楽の練習をしている声が流れてくる。このすぐ100メートルほど先に、セザンヌが生まれた家があった。
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 奇妙な形をしたコンクリート塊に小さなパイプが見えている。これもれっきとした泉。町中が泉だらけだ。
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 朝市の場所に出くわした。野菜や果物の配色を考えた陳列が面白い。
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 たいていは地元の人だろう。
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 野菜果物を売っているだけではない。ここでは10人ぐらいの女性が写生会をしているのだ。クレパスを使って、この広場の風景を描いている。
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 サン・ソヴール大聖堂。中世からの狭い道の中に突然現れる巨大な建物。
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 苔に覆われた大岩。これも泉の一つ。ミラボー通りで。
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 周りに人が座っているので見にくいが、逆三角形の噴水台の上に葉が生い茂っているのだ。その下の台についている小さなパイプからちょろちょろ水が出ている。
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 地元の銘菓、カリソン。アーモンドとメロンのシロップという組み合わせである。国鉄駅の近くにあるレオナール・パルリの店で買った。

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